Coolier - 新生・東方創想話

図書館の主人とお手伝いさん

2006/03/02 08:20:23
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ここは幻想郷のとある図書館
そこには図書館の主人とお手伝いさんがいます
そんな2人のお話です



「パチュリー様、紅茶をお持ちしました」
「………」
名前を呼ばれるが反応を示さない
本に集中しているためである
「ここに置いときますね?」
と言い、パチュリーの横に置く
「ありがとう………」
本に目線を当てたままお礼を言う
「それではまた後で来ますので」
軽く会釈をし、奥に消えて………

この屋敷にはたくさんのメイドたちが居る
だが、この図書館にはお手伝いさん1人である
名は………

「リトル」
呼び止める声に足を止め
「はい、何でしょう?」
声の方に振り返る、だが
「………」
それっきり何も言わず読書へと戻っていった
「………はい、わかりました」
リトルは返事を返し来た道を戻りパチュリーの居る机の前まで行き
「よいしょっと」
机の上にあった本を両手で抱え、再び置くに向かって行く
「ありがとう………」
先程と変わりのないお礼を言う
「どういたしまして」
と言い消えて行った………

名は『リトル』、見た目は背が高く、紅色の長い髪、そして優しい笑顔、どこにでも居そうな感じの人である
だが、彼女は少し違う
耳の辺りに手のひらほどの翼があり、前からでは気がつきにくいのだが尻尾がある
そして彼女は人間ではなく悪魔なのである

「え~と、たしかこの辺だったような?」
両手いっぱいの本を元にあったところに戻していく

この図書館には屋敷全体から見るとあまり大きく見えないのだが、実のところは空間を操作しているため元の?倍もの広さがある

「あった」
もとあったところに1つ1つ丁寧に戻していく

この図書館の広さも凄いが本棚も普通とは比べ物にはならない
高さは約10m、横は約30mもあり、1つに約9000冊も入る本棚が無数に並んでいる

「え~と次は………」
残りの本を抱えて次の場所へと向かう

普通ならばこの図書館に足を踏み入れたら最後、2度と外には出られないだろう
これまでもこの図書館の本を狙って侵入して来た者もいたが、出口が見つからず見る影も無い状態で発見されることもある

「ふう、これで最後です」
最後の一冊を本棚に納める

それはこの屋敷の者も例外ではない
リトルが来る以前はメイドたちにやらせていたが行方不明になる者が多数現れ、その度に捜索隊が結成されていたのだ

「そろそろ戻らないと………」

それを解決するためにパチュリーが図書館の書籍人(?)としてリトルを召喚したのだ

パタパタパタパタ

リトルは悪魔の中でもおとなしくおっとりしている
性格の所為か契約を結んだ後も主人であるパチュリーの『お願い』を必ず守っている

「遅くなってすみま………」
急ぎ足で戻ってみると
「………すーっ」
「パチュリー様ここで寝られたら風邪を引きますよ?」
揺することはなく声をかける、が
「すーっ………」
「………しょうがないですね」
図書館から廊下を歩きパチュリーの部屋に向かって行く

パチュリーはリトルのことを従者だと思っていない
むしろ友達という感じである

パチュリーの部屋に入ったリトルはベッドの下に行き毛布を1つ取り出し部屋を後にした
「速く戻らないと風邪を引きますね」
図書館への道を足速に戻って行った

だがリトルにとっては主人である
始めのころは必要なこと意外に話すことしなかった
その時に比べるとだいぶタメ口(?)を話すようになった

図書館に戻ったリトルは持って来た毛布をパチュリーにかけた、その時
「!(だれだろう?咲夜さんなら声をかけるでしょうし、お嬢様が来られたとは考えにくいですし………だれだろう?)」
リトルは気配のする方に消えて行った………

パチュリーはあまりコミュニケーションをとる事をせず図書館にこもることがほとんどである
話をするのはこの屋敷の主人のレミリア、メイド長の咲夜、そしてレミリアの妹のフランドールだけであった

「確かこの辺りから気配を感じたような気が………!」
辺りを見渡す、すると
「すみません、どちら様でしょうか?」
見たことの無い人がこっちに飛んできた
「!丁度良かったわ」
「?」

リトルはこの屋敷から外に出たことが無い
そのため始めて外の住人を見たのだ

「この部屋に入ったのはいいけど出口が見つからないのよ」
「この図書館は広いですから、ところで………」
「何かしら?」
「どうやってこの屋敷に入ったんですか?確か入り口に美鈴さんが門番として居たはずですけど?」
屋敷に不審者が入らないように門番が居るのだが………
「門番?あんな弱っちい奴が?」
「………あ、あなたもしかして、侵入者、ですか?」
「ん~そんなとこかしら?」
初めてのことに動揺するリトル
「そんな事よりそこ退くてくれないかしら?」
「それは無理です」
震える腕を横に広げていて相手の行く手を遮る
「無理しないほうがいいんじゃない?震えてるわよ」
「こ、これは………武者震いです!」
「………そう、これ以上は何を言っても無駄らしいわね」
今すぐにでも逃げ出したかった、しかしこの図書館はリトルにとって大事な場所なのである
「いくわよ!」

だがリトルが図書館に来てからはパチュリーも少しずつ変わっていった、初めは邪魔な物として見ていなかった、だが時が経つにつれてパチュリーは少しずつだがリトルに興味を持ち、少しずつ接するようになった

「さて、この部屋の出口を教えて………って、いないか」
侵入者は辺りを見回しどこかに消えていった
「………あ、危なかった………でも………」
本棚の影から現れたリトル、体に無数の傷跡が残っている、普通の怪我などは自然治癒ですぐ治癒するのだが………
「は、速くパチュリー様、に報告し、ないと………」
傷が癒えることはなかった、動かない体を動かしパチュリーの下に向かった

「………うん、何かしら?………!何か来る………」
毛布が落ちるのも気にせず立ち上がった
「この部屋、外から見たときこんなに広かったかしら?」
「屋敷に空間をいじるのが好きな人が居るのよ、ところで何の用かしら?」
と言いながら本を片手に相手の前に立つ
「あ!そうそう、この霧を出した本人に会いたいんだけど?」
「お嬢様に会いたいの?会わせないわよ」
本を広げて戦いの準備を行う
「まったく何なのよこの屋敷は、門番の次は悪魔で、その次は………」
「!もしかして………」
嫌な考えが脳裏をよぎるが無理やり振り払うが………
「倒したわよ」
それに追い討ちをかけるかのように
「門番はあれかもしれないけど、あの悪魔はもしかしたら消滅したんじゃない?」
「!!」
この一言でパチュリーの中の何かが崩れた
「ところで退いてくれないかしら?出口はこの先にあるんでしょ?」
「あなた………それでも人間なの!!」
突然の大声、それは怒りと悲しみを含んだ声、だが………
「まあね、邪魔をしなければ生きれたのにね、それよりさっさと初めましょ?」

パチュリーが熱で倒れたときはリトルが昼夜付きっ切りで看病をし、リトルが怪我をした時はパチュリーが薬を調合をしていた、もう2人にとって………

「さてと、速く屋敷の主人に会わないと」
と言いながら図書館を後にする
「………はあ、はあ、」
何とか最後の一撃を防いだが、かなり無理をしたため肉体的にも精神的にもボロボロである
「(微かだけどまだ反応があるわ)」
何とか体を動かし、反応を辿って行く

パチュリーにとっても、リトルにとっても掛け替えの無い大切な家族なのである

反応が少しずつだが確実に弱まって逝っている
「(どこに居るの!?)」
反応のある辺りを見回し
「リトル!」
本棚の影に傷だらけのリトルが立っていた
「あ………パチュリー、様………」
リトルがパチュリーに気づき声を出すがそれの声には精気が感じられなかった
「パチュリー様………大丈夫ですか?血塗れ………ですよ?」
自分の生命が危ういことも気にせずパチュリーを心配するリトル
「大丈夫よ、そんな事より今治療してあげるわ」
治癒呪文を詠唱しようとするが
「無理ですよ、神聖による傷は自己治癒でないと回復しないんです、ですからパチュリー自身に使ってください」
弱々しく笑顔を見せるリトル
「………嫌」
「パチュリー様?」
あまりにも小さすぎ聞き取れなかった
「嫌よ!あなたが居なくなるなんて!!」
「パチュリー様………」
感情を抑えきれなくなり涙を流すパチュリー
「大丈夫ですよ、消滅と言っても魔界に戻るだけですから………」
「知ってるのよ、魔界に戻って消滅してまた新しい自分として生まれ変わる、でもそれ以前の記憶は無くなってしまう」
「知ってらしたんですか………」
顔を伏せるパチュリー
「短い間でしたが………楽しかったです、泣かないでくださいパチュリー様」
パチュリーの涙が床を濡らす
「リトル」
聞き取れないほど小さな声
「何でしょう?」
「最後に聴かせて、あなたにとって私は………何?」
「パチュリー様は私の主人であり家族であり………たった1人の大切な人です」
「………私もよ」
顔を上げて眼と眼を合わせる
「パチュリー様………」
抑えていた感情がこぼれるリトル、そこに
「『リトルに命ずる!」
「!」
今までたった1度も『命令』をされた事などなかった
「な、なんでしょう?」
「………生きなさい」
本を片手に詠唱を始めるパチュリー
「!パチュリー様やめてください!!」
パチュリーのせんとすることを理解し止めようとするが体が言う事を聞かない
「やめて……さい……おねが…しま………」
詠唱が止まる事は無い
「今まで主人らしいこと何も出来なかったから、ね?今までありがとう楽しかったわ、あなたに会えなくなるのが残念だけどね………」
「パチュリー様………」
「さようなら、リトル」
パチュリーの体がリトルに倒れる
「パチュリー………様?」








































「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」









































「………さま」
「?(誰かが私を呼んでる?)」
「………ュリー様」
「(懐かしい声ね)」
「パチュリー様!!」
「!」

上半身を起こし辺りを見回すパチュリーに飛びつくリトル
「パチュリー様!!」
「リトル!?何故あなたが居るの!?」
訳が分からないパチュリー、とそこに
「眼が覚めたかしら?パチュリー」
「レミ!確か私は死んだはずじゃ………」
「ええ、たしかに、でも………」
「でも?」
とそこに現れたのは
「私が助けたのよ、感謝しなさい」
「………もとを正せば紅白、あなたの所為じゃない」
「紅白言うな」
怒る紅白を無視し
「でもどうやって?」
「………詳しい説明は面倒だから無しにして」
「………」
「魂を体にくっ付けてそこに魔力を注いだのよ」
「何か無茶苦茶な話ね………」
「まあね、は~疲れた」
「だから、あなたの所為でしょ?」
「あんたが霧を出さなきゃいいだけの話でしょ!」
話を続ける2人からふと視線を外して見ると
「すーっ………」
「リトル?」
「彼女、3日間寝ずにあなたの看病をしてたのよ」
「そうだったの………」
リトルを軽く抱きしめるパチュリー
「ありがとう、リトル」
初めましてこんにちは、水氷ふぶきと言います
自分には文章を考える能力が足りない為この様な物になっています
これから少しずつがんばって行きたいので余りキツイ突込みは無しで………

これの他にもいくつか打ってはいるのですが今回はこの話をあげました

あ~書いてしまった、本当はほのぼのな話になるはずが悲しい話に………でも、結末は感動的(?)にしてみました

今回の霊夢は凄いことをサラッと平気に言いさっさと図書館と後にする、こんな霊夢はこれっきりにしたいです………

話は代わり、紅魔館の人達は大好きで色々と話が浮かびます、今回は紅魔館でも好きなキャラの小悪魔『リトル』を中心にしようと考えていたらこの話が浮かびました
いいよね、髪が長い人!そしてあの性格!!いいですよね、大好きです

次があれば倉庫にある物を投稿しようかな~と思っています、もしかしたらまた『紅魔館』で何か書くかもしれません

それではまた………


                                          水氷 ふぶき
水氷 ふぶき
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コメント



0.710簡易評価
4.-10名前が無い程度の能力削除
令呪?
5.40妄想を具現化する程度の能力削除
誤字訂正
「そんな事よりそこの居てくれないかしら?」→「そんな事よりそこ退いてくれないかしら?」
「………そう、これ以上は場日を行っても無駄らしいわね」→「………そう、これ以上は何を言っても無駄らしいわね」

作品自体はよかったと思う。ちょっとボリューム不足を感じるかな?
6.30反魂削除
私も偉そうなことを言えるほど実績や実力は無いのですが、
僭越ながらアドバイスをさせて頂きますね。

読み手として気付いたこととして、展開が変わるごとに一瞬戸惑う感じがします。
地の文が必要最低限過ぎて、読んでいてもこの物語の世界のイメージが十分に広がりきらず、
結果として単調気味で、奥行きのない物語という印象を受けてしまいます。
もっともっと情景描写や心情描写を膨らませていけば、それだけで作品に
ぐっと厚みが増して質が上がると思います。

あと小さなコトですが、句点は打った方が良いと思います。読みやすさが断然違います。

※最期に誤字を。
・そこの居てくれないかしら→そこを退いてくれないかしら
・これ以上は場日を行っても無駄らしいわね→これ以上は何を言っても…
・弱まって逝っている→弱まっていっている

次作に期待しています。
7.無評価反魂削除
自己訂正。最期→最後です。すみませんでした。
「さいご」で一発目に今際の際が出てくる俺のPCって一体。
9.無評価水氷 ふぶき削除
アドバイスを頂き、ありがとうございます。
反魂さんのアドバイスを参考に次の作品を作ってみますので、その時はまた宜しくお願いします。
11.40春雨削除
>「さてと、速く屋敷の主人に会わないと」
 と言いながら図書館を後にする(ここは霊夢ですよね)
 「………はあ、はあ、」
 何とか最後の一撃を防いだが――(ここはパチュリー?)

と、地の文の視点が少しわかりにくいかな、と思いました。
もちろん書き方は好き嫌いもありますし、無視して頂いても結構です。
あと、HPのURLの部分にメアドが混ざっているのではないでしょうか?
ともあれ「主と手伝い」というだけの関係ではない二人、良かったです。
だからあえて「命令」したのかな。次回作も楽しみにしておりますね。
13.無評価水氷 ふぶき削除
え~スミマセン。
次回の時にはキチンとしますので『今回を無かったことに!』
17.40煌庫削除
個人的にはいいものだと思うのですがやはりちょっと展開が急すぎますね。

>図書館に戻ったリトルは持って来た毛布をパチュリーにかけた、その時
 「!(だれだろう?咲夜さんなら声をかけるでしょうし、お嬢様が来られたとは考えにくいですし………だれだろう?)」
 リトルは気配のする方に消えて行った………

なんかは前振りらしい前振りががないからちょっと分からなかったですね。
あと、個人的な認識ですがヴワルがかなり広い場所であると思っているので内部に入っただけで気付かれることはそう簡単に無いと考えてます。
ゆえに対象を認識するような結界が張ってあるとか書いてそれに見知らぬ存在が反応したみたいなことを書けばもう少し分かりやすいと思います。
最後にですがもう少しボリュームがあった方がいいと思います。
次回作を楽しみにしてますね。