Coolier - 新生・東方創想話

幻想郷年末諸事史2―――ちょっといつも通りで無い連中の話。

2005/12/25 04:14:35
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2、ちょっといつも通りで無い連中の話。






―――さて。宴会の楽しみ方は多種多様。
混沌の宴会を、静かに見る者達も、当然居るものだ。


「騒々しい連中だこと。俗世とはまっこと姦しい―――そうは思わない?永琳」
「全くです、姫」
宴会の常連としては割と新顔の勢力―――永遠亭。
人里離れた竹林に居を構える、月からの来訪者たちと、その配下の兎達。
中でも主とその従者は、禁薬たる蓬莱の薬の力により病苦を知らず。酒の回りも幾分鈍い。
それ故に、その酒の席も静か―――なのだが。
「楽しいものでは有るのだけど―――流石に見飽きたかしら」

その分、酒以外の余興に煩いのである。

「永琳、イナバ達の芸はもうネタ切れ?」
「それが―――ウドンゲ、てゐ達の様子は?」
僅かに困り顔の月の頭脳が、その弟子に尋ねれば。
「駄目です……もう立ち上がれそうもありません」
有能な弟子である月の兎は目の幅涙を浮かべ、指差したのは―――
「へっへっへもう呑めねーぜちくしょー……うーん……」
「あらま」
これまた有能な部下―――である筈の妖兎、因幡 てゐを初めとした兎達は、
今や、無造作に詰まれた大福宜しくの死屍累々となっていた。
それを見た主は一言。
「手の空いた子から私と永琳の相手をさせただけなのに―――だらしのない」
「蓬莱ドーピングなお二方に付き合わせないで下さいよッ!!!?」
つっこみ気質が板についてきた月の兎が、いつもの調子で主に盛大なつっこみを入れる。

―――が。
「はぅっ―――」
「あらあら駄目よウドンゲ、いきなり立ったらお酒が回るわよ?」
「……ご自分で盛ったのは鮮やかにスルーですか……師匠……」
先に永琳に一杯付き合った為に、既に鈴仙も足元が頼りなくなっていた。
この薬師の酒量もかなりのものだが、そこは禁薬の力、体調に出る事など微塵も無い。
むしろ、その師に付き合って、呂律も確かで意識も明朗である鈴仙の許容量こそ驚嘆に値する。
「むぐ……頭が」
「酔い止め、持っていたわよね?」
「えーと……まだ残ってた筈で……あれ」
その様子に流石に気に咎めたか、鈴仙に肩を貸す。
鈴仙も見習いと言えど薬師、処方済みの薬剤くらいは常備している。
特に宴会と判っていれば、兎達に振舞う分も用意が出来るものだが―――
「……最後の子に配ったので全部でした……」
「へ?自分用のくらい取って置いたでしょう?」
流石に今回は需要が勝った。
「あー……自分用の、てゐにあげたの忘れてました」
その上、酔いの回った頭が記憶違いを併発していたらしい。
「まあ、大変」
永琳は懐から一包取り出すと、白湯でそれを溶き始めた。
瞬く間に湯は緑色となり、辺りに漢方独特の芳しい香りが漂う。
そして溶き終わった薬湯を鈴仙に手渡す。
「はい、適温だから楽に飲める筈よ」
「有難う御座います……んぐっ」
うっすらと湯気を立てる薬湯を喉に通し、味に顔を顰めつつも飲み下す。
「あー、早くも効いて来たかな……師匠、有難う御座います」
「いえいえ、お大事に」
嗚呼美しきかな師弟愛。

「……で、師匠、そのメモは何です?」
「効果自体は正常。即効性は高い。副作用は要観察―――新薬の結果を記録するのは当然でしょ?」
―――弟子が師匠の被検体となるのは、月の頭脳の中では基本らしい。

「ああ……妙なもの入ってませんように……」
眼から水分を大量に放出しつつ遠い目を浮かべる弟子。
「月のイナバはいつ見ても楽しいわねぇ。毎度毎度ころころと顔色変えて。ちょっとした漫才並ね」
「喜べません」
その様が幾分か気を紛らわせたのか、くつくつと笑う永遠亭の主。
「でもこれじゃ間が持たないわねぇ。いい戯れは無いかしら」
「戯れといえば、姫、いつもの蓬莱人は?」
毎回のように輝夜と宴席に来ては、毎がら毎日空きもせず物騒な勝負に興じる永遠亭の常連。
輝夜の興として定番かつ最適ともいえる相手だが、その姿は無い。
「妹紅なら―――あっち」
「「あっち?」」
輝夜が指差した先は、何も無い冬の寒空――――の筈だったが。
「あの暗闇、もしかして」
「師匠……あの闇から声が聞こえるんですけど……」
通常の聴覚とは違う仕組みで、世界の『波長』を捉える鈴仙の耳は、
遠くの音まで、声ならその思念まで聞くことが出来る。
その捻くれた耳がひくひくと動き、捉えたのは―――


『やばい当たる来るなまた死ぬはぉぽっ―――痛い痛い痛い穴空くっつか空いた!
頭が文字通り風通しが良くなる!なり過ぎ!!―――ごはぁ!!?』
『あははー☆すごいや、頭が蜂の巣みたいになっても喋れるんだー☆
これなら退屈しないで済みそ!!』
『リザレクション!―――まだ!?まだやるのぉ!!?』
『頑張れ蓬莱人ー、同じEXボスとしての意地を見せろー』
『そこ!やかましい日陰担当!私は耐久力重視なんだ!!』
『そーなのかー?』
『信じろ!―――うー……慧音の為とは言ってもちょっと無謀だっ―――』
『そーれ、かーごーめーかーごーめー♪』
『ッ、なんのーーー!鳳翼天翔!!!』



宵闇の妖怪が広げた闇の中で、鳳凰を背負った不死人・藤原 妹紅は弾幕勝負の最中だった。
お相手は虹の翼の悪魔、紅魔館の主の妹・フランドール=スカーレット。
ちなみに、軍配は今のところ悪魔のほうにある模様。



「……という感じです」
「あの悪魔の妹様のお相手?」
幻視による再現映像を見せられ、永琳は納得。
「あのワーハクタクも今は居ないでしょ?」
「ええ。確か人里の方で、集落の一つ総出の行事があるとかで。住人が大勢で山に入るから警備に出ると」
空になった徳利を弄りながら、説明を始める輝夜。
遊び相手を取られたという事実からか、その表情は不機嫌極まりない。
「確か、山に入って、中にある社に火を灯して回る祭りだったわね。
山の神を称え、年の暮れに労ったのが始まりだとか」
つまらなそうに、徳利を軽く放り――――

投げようしたところ、摘み上げられた。
「そんな奴見たことが無いって、慧音は言ってたけどね―――ほれ、御代わり」
機嫌斜めの輝夜の前に、新たな徳利を突き出したのは、話の切欠となった蓬莱人だった。
「あら、お帰りなさい、早いわね」
「流石に一朝一夕で抜けられるもんじゃあ無いわ……」
その姿は傷こそ無いものの、着ている服も髪を飾る札も何もかもボロボロである。
いつものように、輝夜の挑発が入る。
「ふふん、田舎貴族にはお似合いね?」


しかし。


「いつもなら着火するあんたの売り言葉、悪いけど今日はそれで勘弁……。
つーかむしろ労って。こんなんじゃ餅も焼けないわ……がく」
限界だったのか、膝を折り、音を立てて輝夜の前に座り込んでしまった。
表情もすっかり疲弊気味。何時ぞやの肝試しの時の迫力とは程遠く、今生の敵の眼前とは思えない振る舞い。
あまりの変わり様に相方は不満と困惑。むしろ泣き出しそうでさえある。
「えー!?何よ張り合いの無い。あれほど激しい妹紅は何処へ行ったの?」
「そう思うなら、次あんたがやってみ?懐かしい感情を思い出せるわよ?
―――主に死の恐怖とか」
「ふん、妹紅以外の相手なんて―――」
自身たっぷりに笑みを浮かべ―――凍り付く。

「ねぇ、今度は二人同時に相手してくれるの!?」
妹紅の肩越し。
紅い煌きに彩られた純真無垢な笑顔が、日除けの傘の下で輝いていた。




―――未だ禍禍しい光と余熱を残滓とする、その魔杖の火に揺られて。




気付けば、妹紅の身体はどこか煤だらけのような気がする。
いつもはこうなる間も無く蘇生しているものだが。

硬い笑みを貼り付けたまま、輝夜は思った。―――真っ平御免だと。

「……えーと、そうしたいのは山々だけ―――」
「因みについさっきまで、黒白が他所に行っていたのでご機嫌斜めだった。―――苦労したよ?」

―――大人の言い訳は通用しない、と。蓬莱人の何かを悟ったような眼が言っていた。

「―――話が終わってからね」
「わーい☆」
嬉しそうに腕を振り跳ねるフランドール。
幸い、時間稼ぎは出来たようだ。




「ッぎゃあぁぁぁぁッ!!!?こっち跳んでる跳んでる!!」
「あ、ごめーん」
振り回した拍子に散った魔杖の残滓が、月の兎の顔を掠め、延長線上の地面を爆撃し―――溶解させた。
残滓でこの破壊力。恐るべくは最終兵器妹。そしてうどんげ危機一髪。

「……助けてえーりん」
もはや背に腹は変えられない、と腹心たる薬師に、いつもの決り文句を掛ける。



「姫……時には耐えるのも重要かと」
薬師は、笑顔でそう切り返した。



腹心に見限られ、すっかりと永遠と須臾の姫もまた消沈した模様。……鬼は此処にも居た。
「口は災いの元ねー。―――で、慧音が居ない理由の話?」
輝夜を道連れに出来たことにほくそ笑みを浮かべつつ、妹紅が話を継ぐ。
「こないだの騒ぎの時、この娘の姉貴とその連れが来てたでしょ」
「それで半獣が目を付けられて、図書館の閲覧権限を持ち出して交渉した、と?」
「作為的なまでに鋭いねぇ、さすが天才。―――だが甘い」
いただき、とつまみの揚げ豆腐を食む妹紅。
永琳はあらら、と笑って、徳利の替えと肴を取りに立つ。
「慧音の話は面白いよー?眠くなるけど」
その肩に顎を乗せて寄りかかり、話題に加わるフランドール。
無論、つまみを一つ拾い上げるのも忘れず。この吸血鬼姉妹の食習慣は、全く以って謎が多い。
つまみを咀嚼し終わり、うんうん、と同意を示す妹紅。この二人もまた、意外に気が合うのかもしれない。
「説教臭いもんねあいつ。まぁ職業柄だし」

大図書館の主曰く『ハクタク先生の出張授業』。
ちなみに、当日にさえ大図書館に居れば、聞くだけなら自由に出来る。

「図書館を利用したいときは、その閲覧時間に対応した家庭教師業務を引き受ける、ってのが
向こうの出した条件なんだと。しかも、慧音にも都合があるだろうからとツケ有効」
ヴワル大図書館の蔵書の量・質を考えれば、破格の条件であると云える。
「で、条件的にはこの上無くおいしいから、当然OKしたわけ。
でも、ここの所時期が時期でねぇ、ツケを消化出来なくって」
「『師走』ってホントに先生が走るんだねー」
「こっちでも走ってたっつーか飛んでたね―――ん」
と妹紅が徳利の中身を切らしたことに気付けば、薬師が追加を持ってきた。
「師走の空をハクタクが翔ける、なんて新聞屋にはいい記事のタネね。―――はい」
「さんきゅー。案の定投げ込んできたんで、良い薪の点火剤になったけど」

天狗が聞いたら号泣しそうである。というか聞こえてたらしく、向かいの茣蓙で泣いていた。

「―――んで挙句今回の里の行事。ホントはとっくに廃れてた風習だったそうだけど、
村の歴史は子供の教育に必要だ、って熱心でねぇ。
そのために更に調べ物して、碌に休む間もないわけで」
「はむ……そしてそのツケの代替を引き受けた、って話だったのよね」
豆腐田楽を消費しつつ締めくくった輝夜は、しかし何やら疑問顔。
「でも妹紅がやってるのって、要するに遊び相手よね」
「私もそう思う。けどねー」
「えー?いいじゃない別にー!慧音が休むんだから私も遊ぶのー!」
「とお嬢さんが仰られてますので」
「そ、子供の相手も大変ね」
「お前もするんだよ―――っくし」

すっかり布地の減った服で、諸事情で先程まで吹雪いていた寒空に居た為、流石に身体を冷やしたらしい。
蓬莱人とて、風邪は引かぬとも寒いものは寒いのである。
「風邪ならイナバ薬局と八意医院を―――」
「あんたの怪しい薬も、弟子の座薬っぽいのも、白兎の嘘も要らんわっ!」
「あらまあ酷い」
「師匠と一緒にしな―――御免なさい酔ってませんだから追加は要りません」
「追加もいらんから―――っくし!……服をおくれー」

鼻をぐずる妹紅の切実な願いが、いつもの師弟漫才の喧騒に消えようとした時、

「お疲れ様、お世話を掛けてますわ」
「お?」


そこに現れるのは、換えの服一式の入った籠を持った、
「気が利くねぇ、流石は瀟洒な――」











――――手のように、器用に曲がった黒い羽が。







「『主人とは大違い』まで言わなくても良いのか?ふふっ」



その翼の持ち主は、言うまでも無く。



「あれ?お姉様?」

悪戯っぽい笑みを日傘の下に称えた、フランドールの『お姉様』だった。

「Hai.フラン、良い子にしてた?」
「悪魔的にはー♪」
妹とおそろいの日傘は、いつもの瀟洒な従者の手には無く、そのか細くも膂力満点の手に取られており、
「―――おろ、待っても出てこないなら、ドッキリでも無いわね」
という事である。
珍しいこともあったものだ、と妹紅が驚いているところ、
「咲夜ならワーハクタクと一緒に里に出てるわ」
「慧音とぉ?ますますもって珍しい―――んしょ、失礼」
レミリアの返答に、本格的な疑問顔をしつつも、着替えを始める。
「俗に言われる『暇を出した』―――と言うわけでもなさそうね」
一応、と問うてみた永琳の声を、当たり前だ、と紅き悪魔は鼻で笑う。
「あんたの弟子じゃあるまいし」
「ねー皆さんして先刻から私の扱い酷くありませんかッ!?ねぇ!?」
「あら御免なさい?―――なら今後は逆に『放置』で」
「良かったわねウドンゲ、来年の抱負は決まりよ?」
「そんな抱負も嫌ーーー!!」
「ではさっそく放置って本題」
着替えを終えた妹紅が、豪快に話をぶった斬る。うどんげ無惨。
「まあ待ちなさい。先ずは宴席に欠かせないものを―――あ、それ返して」
茣蓙の上に腰を下ろし、レミリアの手に返却された籠から出てきたのは、ワインボトルとグラス。
かなりの年季を刻んだラベルには

『れみりあのきーぷ☆』

と紅く幼い字で書かれていた。



それを見た反応は多種多様。

「これはまた―――達筆ね」
「……笑いたければ笑え。幻想郷の標準語にまだ慣れてないのよ」

お嬢様は日本語書き取りで『がんばりましょう』を貰った―――って慧音が言ってた。

「美味しそうだけど―――やっぱアレ入り?」
「ワインは聖者の血の代用品だそうよ?味は保証するわ。―――飲んでみる?」

薦めてくる事が一番怪しい、と誰もが突っ込んだ。

「あー!儀式用のお酒だから飲むな、って言ってたのにー!お姉様ずるーい!!」
「はいはい。口止め料に一口あげるから―――咲夜とパチェには内緒ね?」

家族ぐるみの共犯が成立した。

「あらら、お子様にお酒を呑ませるの?いけないお姉様ねぇ」
「月の天才は、吸血鬼の495歳を、人間の何歳か当てはめられるのかしら?
―――そういえば、パチェは出来なかったわ」

月の頭脳も、これには首を傾げた。

「あれ?もう一本ある。……『れーむきーぷ☆』って何こr」
「触るな。―――っと、咲夜の話だったわね」

籠と鈴仙の中間に真紅の神槍を突き立てつつ、残る片手でレミリアはグラスの中身を一口。
満足げに頷いた後―――次は中てると呟いたのは幻聴か―――話を再開する。
「何でも閻魔だか何だかに説教食らったんだと。『人とのつながりを大切に』とさ。
……ふん、余計なお世話だっての」
「―――でも主人としては思うところがあった、と」
「さぁ?」
永琳の指摘も軽く流して―――というところで、

「―――っふふ」
笑いに吹き出し、首を横に振る。
「いや、そうね、思うところは確かにあったか」
そして幼きデーモンロードはくつくつと楽しげに笑う。
永遠亭の面々(+1)が知る、普段の彼女からかけ離れた姿に、他は面食らうばかり。
「今日は珍しいことのオンパレードね―――酔ってる?」
「かもね―――ま、私には」
指を指す代わりに、未だ出したままの神槍で示したのは、

「お前達が雁首並べて談笑してるのが珍しいんだがね」

幻想郷最悪の不死人コンビ。

二人は顔を見合わせ―――大笑いした。
ひとしきり笑った後、違いない、と妹紅が言い、また吹く。
「だっはっはっはっはっは!いーんじゃない?そこは忘年会だし―――は、腹痛―――」
「あっはっはっはっはっは!そーね、野暮な話よ、吸血鬼?
―――ちょ、笑い死ぬって洒落んなって無い―――」

尚も笑いあう二人に、吸血鬼も笑みが深くなる。

「おやおや、不死人どもは笑いに酔うのかい?」
「空気に、と私は考えるけどね―――ふふっ」
薬師もまた、杯で口元を隠しつつ笑いを堪えていた。
「あっはははは~☆」
フランドールも、一口程度で既にほろ酔い気分なのか、からからと無邪気に、しかし意外に大人しく笑っていた。
図らずも、不死人二人の危機は回避された訳だが―――そんな事は、もはや誰も気にしていなかった。








―――年忘れ 犬猿の仲も 肩並べ――――

                  酒に狂えど 鬩ぐ事無し――――
                                 蓬莱山 輝夜



「いいなぁ、穏やかな空気って…………。

















あ、みなさーん、脱線してますよー」
そこへ話を両断する月兎。











「―――え?な、何ですか皆さん、そんなに驚いた顔をして」
全員が全員、凄まじい表情をしていた。
例えるならば。
それは『全くの初心者が、全ラストワードを全て初見で攻略してしまうのを目撃した(しかも身内・主に親)』ような、
色々と劇的な表情だった。




「…………前言撤回。この的確なツッコミ、この幻想郷に二つと無い。―――月人、大事になさい」

「当然よ。―――月のイナバがこれほど出来る子なんて……聞いてないわよ永琳!?」

「幻想郷にあって、尚幻想とされるツッコミ気質―――見直したわ、ウドンゲ」

「ずれた波長もお見通しなのか……その耳は伊達じゃないな。―――意外な伏竜も居たもんだ」

「鈴仙、すっごーい!咲夜でも出来ないことなのに!」



「あの…………喜んで良いんですか?てゆーか誉めてるんですか?」


良いんです。と全員が即答。


幻想郷において、彼女のような普遍的ツッコミ属性(更に純正弄られ属性含有)は希少存在である。
それはもう、天然記念物並に。



うどんげ、波乱万丈。



「こほん、では続けるわ。咲夜はね―――」





一方その頃。

「霊夢ー、何処だ?紫様から冬眠前に預かっていたものが―――お゛わぁ!!?」

「……あはー、何だかもーどーでもいーやー……寝よ……」

「待てぇいッ!!?何で白昼堂々雪に埋もれてるッ!!!?
―――うわ何て微妙な表情ッ!!寝るな!!寝たら死ぬぞーーー!!?
―――橙ぇーーーん!!お湯持って来ぉーーーい!!橙ぇーーーーーん!!!」

―――宴会初期にダウンしていた巫女は、遅れて来た八雲家の式神二人に介抱されていた。
当方は、博麗 霊夢を一押ししております。(真剣)

この『幻想郷年末諸事史』は、現在書き上がっている部分を
切りの良い所まで仕上げて微調整、完成した部分だけでも
お話として成立するようにしたものです。

本来は霊夢支援物資であるのに、今のところちっとも巫女さんが
良い目を見ていないのはそういう仕様で御座います(血涙)

……予定外って、考慮しておくべきですねぇ。
東方で、ボムは必ず使い切るように。

と遠い目をしたところで。
あとひとつ、続けて出ます。


同日2012時:レイアウト含め微調整
鷹飛び
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