Coolier - 新生・東方創想話

賢者の雛は歌わない

2019/09/30 21:10:26
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月の都、ΩA-2地区。
貴族の中でも一握りの上位階級者が住まう高層街。超高次多層空間で組まれた網目の一角。
極小の概念を膨張させて創り出した、この巨大な半仮想空間は図書館として使われている。見上げれば果てしない天井、見渡せば無限の回廊。そして同規格に圧縮された書物が悠久の書架を隙間無く埋めている。
手にした一冊に栞を挟み、稀神サグメは溜息を吐いた。
どうしてこんなことになったのだろう。
仮にも月の高官である自分が実質的な前線配備である。下賤な兎と同じ扱いだ。
自分に戦闘用の装衣があてがわれる日が来るなんて思いもしなかった。そしてあれほどまでにナンセンスなものであるとも。悪意ある力と術を拒む術式が施された、ごわつく生地の軍服が届いた時には笑ってしまった。それを作るよう指示したのが誰かは知らないが、少なくとも敵の詳細についての資料を読んでいないということだけは確かだ。あの怪物に防御などというものが役に立つものか。
そんなことだから、どうせ片翼への配慮もされていないのだろう。ご立派な防護も背に一筋の切り込みを入れるための障害に過ぎない。そんな形だけの張りぼてに袖を通す気にはならず、結局いつも通りの服装でこの場に立ってしまった。特に不便はなさそうだ。
普段は知識に貪欲な貴族や市民で埋まっているこの場所も今やもぬけの殻で、彼女のドレスコードを咎める者もいない。
あれの襲撃のたびに大規模な避難をするのであれば、いっそ月の都ごと場所を移してしまえばいいのに。サグメは思う。賢者たちは聡明だが保守的すぎる。
ともあれ賢者の雛である自分の思想など語るに及ばず、今は一兵卒と何ら変わりはない。所属もなく孤立無援であることを考えればそれ以下か。ああ、そもそもこの意味不明な配備は、いずれ賢者に名前を連ねるであろう自分を貶めるための何者かの政略だろうか。
まあいい。何にせよ為すべきことは変わらない。
「お餅」
発した言葉は貪欲に意味を求めて彷徨い、やがて行き場を失って消えた。続けて二、三言、意味のない単語を呟いて発声に支障がないことを確認する。それから一つ深呼吸して、舌に熱を灯した。
「『――する』」
一言有意を告げる。
それは言葉というよりも歌に近い。祈りを帯びた音色は宙に解き放たれ、意味は特殊な魔法に還元されて世界に染みた。
手にした書物を書架に戻すと、一帯に無機質な音が誇大に反響する。
もはや自分にできることは何もない。
覚悟を呑み込み、代わりに言葉を吐き出した。
「『誰も私を見つけない』」
もう後には戻れない。運命は回り始める。そしてそれは即効性をもって顕れた。
無人の書庫を何者かが打つ。半仮想空間であるこの場所に扉はなく、しかし全てが扉である。特に外部からの侵入を止める機能はない。
二度目のノックはより激しい音を無人の書庫に響かせた。足元がぐらつく。おぞましいものが、忌むべき方法で空間の薄い隔てを叩いている。鍵はかかっていないにも拘らず、それは三度扉に破音を打ち付けた。空間が罅割れ、四度目のノックが遂に壁を砕く。開いた裂け目から赤い絨毯が一直線に伸びた。湿りと粘りを帯びた道を踏みつけて、それは堂々と図書館に侵入する。
「こんばんは、お一人かしら」
怪物は黒の衣装に白い肌、金色の長髪と柔和な笑み、そしてそれらを返り血の一色に染めていた。
純狐――月に仇なす無名の神霊。頭に刻み込んだ資料が頭を駆け巡る。気が遠くなるような分厚さだと思っていた資料の束も、本人を目の前にすれば全く言葉が足りていない軽薄さであったと知る。純粋な悪意、底知れぬ闇。黒々とした瞳孔がサグメを見つめる。
溢れ出るおぞましさは覚悟の盾を貫くには十分で、サグメは思わず息を呑む。目が合うだけで、ここまで邪悪を煮詰めることができるものかと戦慄した。思わず後ずさるが、まるで歩き方を忘れてしまったかのように半歩よろめく。足が竦むとはこのことか。
「あらぁ」
返事がないことを不快に思ったのか、純狐は右手に掴んだ髪の束を一振りして威嚇した。その先にぶら下がった無数の、かつて月の貴族だったものが遠心力のまま再び尊き紅を廊下に撒いた。びしゃ、という水音が鼓膜に張り付く。
「知らない子ね。あなたは誰?他の子はどこ?」
「わ、私は……」
体中の水分が蒸発してしまったようだ。喉は惨めに涸れており、思うように声が出ない。
「まあ、いいわ」
純狐はつまらなさそうに飛沫く首束を振りかぶった。その血に掠りでもすれば死に純化される。月民の不死性を無視する必殺の穢れの弾丸。その射程にありながら、サグメは縫い付けられたように動けなかった。
どうしてこんなことになったのだろう。どんな後悔も先には立たなかった。
視界が揺らぐ。悠久の書架がぐらついて――





堆く積みあがった瓦礫の山の上に降り立つと、ゆっくり息を吸う。
一斉に倒壊した書架が純狐の攻撃を遮り、無数の本と天板による凄まじい質量が容赦なく覆った。それは予めサグメの言葉によって約束されていた崩落。運命が掌上で廻りはじめた。
ゆえに何も怖れるものはなく、手癖で覆った口で笑みさえ作れよう。
一面の崩壊痕に向けて言葉を放つ。よもやこの程度で死ぬ魂ではないだろう。これは宣戦布告であり、近い将来実現する勝利への宣言である。
「私は稀神サグメ」
自身の異能に灯をともし、歌う。
「『取るに足らぬ弱者である』」
想定内であるゆえに気配の到達よりも察知が僅かに速かった。軽く宙に浮かび体を捻って血の弾丸を避す。紙一重の宙空で、世界に融けた祈りが自身に収束していくのを感じた。
崩れた書架の山が爆ぜる。傷一つなく純狐は取り払われた瓦礫の内に立っていた。見開いた闇の瞳孔でサグメを見、口を開く。
「驚いた、まさか貴女」
不意に、瓦礫の空僻地に立つ純狐の頭上へ崩れた書架から跳ね上げられた書物が一冊落ちた。
「『書籍』」
ページを羽ばたかせながら落下する書物に意識を向け、歌う。
「『"有生粘菌の召喚と実践"は無害である』」
「!!」
危機を察した純狐の飛翔は書物から突如生じた半透明の緑藻によって阻まれた。上昇を挫かれた体は重力に引かれ、そのまま強い粘性と猛烈な貪食作用を持つ有生粘菌の海に受け止められる。人間のサイズであれば数分で蠢く醜い体を形成するゼリー状の細胞質に還元されてしまうだろう。この召喚指南書は学者連中の間で一時期流行したが、召喚補助項目が容易に暴発する性質と召喚体の危険性から発禁になったものである。
運命は回り続けている。
いかなる方法でか粘性に大きな裂け目を切り開いた純狐の姿が爆炎に呑まれて消える。粘菌のもう一つの危険な性質、たとえば図書館の電灯程度の熱で容易に発火する可燃性。加えて書架の崩落により"偶然その場所に転がっていた"濃縮火薬。爆音と衝撃が図書館の無限回廊を吹き抜けた。
火気に反応して即座に図書館の自己防衛システムが起動する。アラームと赤い明滅灯と共に消火の耐火溶液――の代わりに準備した液状の霊化窒素が豪雨のごとく図書館に降りつけた。触れたものを一瞬にして凍りつかせる性質は炎上した一帯を瞬く間に物言わぬ凍土へ変え、鎮火を認めて失せたアラームを最後に、静寂という一点のみにおいて本来の図書館の姿を取り戻した。
頭上に物音を聞く。一面の凍涛に視線を向けたまま手を掲げると、サグメの手に一冊の本が"偶然"落ちてきた。『θ-Ⅱ理論構成による多層式封印補助とその媒介』。羽の栞を手繰ってページを開き、描かれた複雑な魔法陣に掌を当てて氷漬けになった領域を指定する。魔方陣のコピーが空間に顕れ、サグメは喉に祈りを乗せて歌う。
「『純狐は――」
文字通り光の速さで到来した閃光がサグメの術を遮った。咄嗟の回避に本が手元から離れ、魔方陣が掻き消える。
「天邪鬼……いや、天探女か」
純狐が書架の山の上に降り立つと図書館を埋め尽くしていた氷が罅割れに純化されて砕け散る。けたたましい炸裂音の裏で純狐は笑った。ダメージは見受けられないが、貴族たちの骸は手放したらしい。十分な成果といえた。
「いかにも。あわよくば今ので大人しく封印されていてほしかったけれど、簡単にはいかないわね」
「予め図書館に逆説を仕込んでいたというわけ。もう終わりかしら?」
「いいえ」
サグメは口元の掌を喉にやり、そこに植わった安全装置へ念を送る。舌禍の力を怖れた上層の愚かで賢明な細工。それは微かな熱さと一瞬の電流を伴って爆ぜた。口腔内に湧き上がったチップの破片を吐き捨てる。
この呪縛を解くのは久々で、前回は禍いと呼ぶに相応しい惨々たる結末をもたらした。今回も上手くやれるという確証はない。
だが既に可視の禍いがそこにあるゆえに、毒を以って毒を制することにも理があるだろう。概ね自分をこんなところに配備した上層への当てつけであるけれど。
覚悟を固めると、喉から舌にかけて駆け巡る魔法が熱を帯びた。
「ここからが本番だと言ったら」
「気に入ったわ、貴女の穢れを我が断罪の伴としましょう」
ゆっくりと空気を吸い込む。森羅万象すべてを丸ごと胸の内に呑み込むように。
酸素を全身に流し、簡易の瞑想で精神に集中を満たす。世界と自分の境界が希薄になっていく。いける。
「さあ、私が口にするわ」
サグメの能力は、口に出すことで事態を逆転させる。その発現の時期や、どのような形で顕れるかについては操ることができない。極めて危険で不安定な能力。
――ということにしている。
純然たる災厄を眼下に見据え、舌禍の女神は高らかに歌う。
「『これより半刻、稀神サグメの発言は逆転する』」





純度。
サグメは自身の能力に秘かな指標を設けている。
「『イーグルラヴィ第六小隊は戦死する』」
無垢で、それでいて戦闘用の適度な狂気を植えつけられた無数の赤い瞳がサグメの発動を見つめていた。
その日、9名が死亡。事前に予測された被害のおよそ40パーセントの割合だった。自身の能力の不確定さに懊悩していたサグメは、軍上層や賢者たちの目を盗み、兎たちを用いて実験をすることにした。
「『イーグルラヴィ第六小隊はエリアC-29地区戦で戦死する』」
具体性を付与することで、言葉の純度を上げる。その日は25パーセントの兎が死んだ。
「『アスナロはエリアG-22地区戦で戦死する』」
次の戦闘では、部隊の所属者全員を個別に名指しで指定してみた。14名の名前を呼んだところで気分が悪くなる。自分のキャパシティにも限界があるらしい。だが結果は目に見えて向上した。
「『セイランは二時間以内に戦死する』」
具体性を盛り込みすぎると精度が下がるか、実現までの期間が延びる。言葉は簡易なほうがいい。
期限を指定する。有効時間は短いほうがいい。
対象の数を減らす。その数は少ないほうがいい。
その他、対象に触れて発言する、対象と自身の関係性を強める、対象が自分の能力を理解している、対象がその発言を聞いている……様々な検証を重ね、サグメは運命の法則を紐解いていった。
対象が具体的かつ自分に近い方が純度が上がる。そしてある日ふと思い立った。
自分を対象にしたらどうなるのだろう。そして自分が反転を望むとすれば……。





ほんの一点。物理的にでも、精神的にでも。掠らせるだけでも、何らかの瑕疵を付ければいい。純狐の強みはそこにある。あらゆる防御、装甲を無視して全てが致死にして必殺。
ただそれだけ、それだけの簡単なことが、叶わない。
「がッ……!」
右手に刺さった杭に雷光が迸る。すぐに無傷な心臓部から負傷を純化して再生する、その間に左の肩と腕に同じ杭が刺さっていた。
不条理を振り撒く発生源は銀の片羽で宙空に浮かび、その後方には巨大な電子盤の壁が煌々と輝いている。図書館の仮想拡張空間を成立させるための複雑な電子機構が崩落により露出したもので、ショートの稲光が無秩序に駆け巡っていた。
「『衛星23、15に落雷』」
純狐の挙動よりも遙かに速く壁から迸った雷が刺さった杭目掛けて殺到し、左腕を焼き払い衝撃が体を撥ね飛ばした。壊れた皮膚から焦げた血が噴き出る。咄嗟に意識を創部に向けた。
「『純狐の左腕は純化しない』」
「……!」
体を破壊されるという感覚を長らく忘れていた。物理的な痛みを受けるなど何年ぶりだろう。
心を焼く憎悪を思う。それに比べれば身体の苦痛など取るに足らない。腕一本など後で如何様にでもなる。
「『純狐の右腕に衛星8が着弾』」
速い。再生したばかりの右の手首に本の山から飛来した杭が突き立つ。
天探女は運命の方向を導く遅効能力とばかり思っていたが、その特徴である逆転のプロセスすら省略して言葉が即座に発現している。おそらく複数の条件付けによる上方修正。直接排除の言葉を唱えないことから全能ではないと推測される。ならば。
溢出する憎悪を織り上げる。サグメの言葉と共に右手首を落雷が焼いた。覚悟の被弾ゆえ踏み止まるには十分だった。焼煙に隠して悪意の弾丸を放つ。
狙いはサグメ本体ではない。着弾点に付いた傷を軒並み純化して、まずはこの巨大な武器庫と化した空間そのものを破壊する。
「『図書館は崩落する』」
着弾よりも先に地響きが空間を震わせた。心を読まれているような気さえした。サグメは真っ直ぐ純狐を睥睨している。
天井が罅割れ壁が砕け、瓦礫と空間液晶の破片が降り注ぐ。弾丸はそれらに無意味な傷を付けた。既に壊れているものに破壊の純化を施しても意味がない。
「……いかれてるわね貴女」
「それはどうも」
頭上に落ちた天蓋を砕き、純狐は後方に意識を向けた。無限に拡張された空間は崩落を始めており、罅割れの向こうに月の都の景色が覗いている。
「その顔覚えたわよ、次は覚悟しておきなさいな」
崩れる図書館の瓦礫と破片、無数の電気盤や予め仕込まれた罠、全てがサグメの凶器である。純狐はその影響領域から逃れることを選択した。
純狐の姿が掻き消える。一瞬の残像は転移ではなく物理的な移動であることを示唆していた。無の純化による縮地らしい。一瞬にして純狐は罅割れの彼方へと姿を消した。
月の都に脱出した純狐を追うほどサグメの身体能力は高くない。舌禍の無理な連発に頭痛がした。
溜息を一つ。上出来だろう。
間もなく反転の言葉による上方修正も切れる。この一言で終われればいいのだが。
首元のピンマイクの電源を入れる。遠くで聞こえたハウリング音が疼く頭に過剰に響いた。
三日ほど休暇を取ろう。承認は下りるだろうか。





図書館から弾き出されると、忌々しい月の都の夜景が拡がっていた。
サグメに誘い込まれるまでに幾つかの部隊を滅ぼし、幾人かの貴族を殺した。市街地にも相当な被害を与えたつもりだが、上空から見ると炎を上げている区域はごく僅かで、月の繁栄はまだまだ広い。その悉くを殺すのは果てしなく、しかし飽くなき愉悦をもたらすだろう。
両腕を失くした惨めな姿で漂っていると憎悪が沸々と湧き上がってくる。純化の力で負傷を癒し、まだもうしばし暴れてやろう。どうせ目当ての嫦娥はとうに雲隠れしているに違いないが、純狐はただ純粋にこの場所が憎くて仕方なかった。
自らの内の無傷を使い、完全な状態に純化を試みる。癖で純化元の心臓がある胸に手を当てようとしてしまう。不便なものだ。
途端、都市の彼方此方から耳を劈くハウリング音が響いた。放送は迎撃命令か避難勧告か、どちらであろうと構わない。好きな最期を選ぶがいい。
無視して純狐は精神を体内に這わせ、平常の自分を起動する。その瞬間、反響の彼方で都の拡声器が一斉に歌った。
「『純狐の心臓は死に穢れている』」
何が起きたか理解するも既に遅く、一瞬のうちに自ら純化した死穢が全身を駆け巡り、純狐を上書きした。





「休暇を申請したはずですが」
サグメは半分だけ開いた目を扉の隙間から覗かせて言った。疲労と寝起き、そして無理矢理叩き起こされた不快感からひどい顔をしていると思うが構いやしない。扉越しに立っているのが上層部からの使者だろうが至急の伝達だろうが知ったことではなく、これ以上扉を開ける気はなかった。
「都市放送のハッキングは解除しました。始末書は休暇明けに提出します。図書館の弁済については弁護士を通してください。それでは」
「いや、そうではなく」
「『いらっしゃいませ』」
制御装置から解放されたままの喉で歌い、実力行使でお引取り願う。閉めた扉の向こうで何かが崩れる音と短い悲鳴が聞こえたがどうでもいい。
しかしさすがは上層部直属のエリートだ。執念で扉の隙間に封筒を挟んでいった。締め出した勢いで真っ二つに折れ曲がった封筒は仰々しい模様の縁で飾られており、見覚えのある形の印鑑がびっしりと並んでいた。一目でそれらが月の賢者全員の目を通過してきていることが分かる。扉に挟んだままにしておいていいものではなさそうだ。
「んん……!?」
寝惚け眼が冴える。封に掌紋をかさずと歪に折れ曲がった書類が飛び出した。
まず目に飛び込んだのは「昇格」の文字で、それはサグメが正式に賢者として認められたことを示していた。タイミング的に純狐撃退の件が決め手になったのだろう。月の運営に発言権を得られること、尊敬する八意様と同じ地位に就いたこと、そして図書館の弁済が有利に運ぶであろうこと等々、素直に嬉しく思った。
続く推薦文は兎たちの王にして今回サグメに救われる形となった嫦娥卿によるもので、例の配属も彼女の指示であったらしい。血の気が引くと共に頭痛がした。サグメの能力を高く評価する長文の中に「兎兵の致死率の低下に貢献」という文章が三度も出てきた。
取得した休暇は明日までだが、どうやらのんびりとしている暇はなさそうである。
部屋に戻ると、いつぞやの軍服が吊ったままになっていた。新しい制服はああいうものでなければいいのだが。
ご覧いただき光栄です。うつしの、と申します。
創想話民のみなさまに評価いただくのが嬉しく、今回も筆が小躍りするままに書き上げました。いつも本当にありがとうございます。
しかしどれだけ筆が乗ろうとも校正箇所というものは出てくるもので、無数の「純孤」→「純狐」への修正、これは覚悟していたのですが、無意識に「発言が発現する」というクッソ寒いギャグを量産していた件については弁明のしようもございません。

幾つか省いた箇所があるので、ちょっとだけ補完させてください。
・時系列的には紺珠伝のふるーい前の話です。
・サグメの能力については深く考えたつもりですが説明すると長くなるので、深く考えないでください。
・純狐は死んでないです。自分の子供を作って、それを純化して作った自分のコピーを仕向けてました。子の復讐のために子を使う狂気を描きたかったのですが、今回そこを掘り下げるのは蛇足でした。

さて、来る10/20、九州は小倉で開催される大九州東方祭にて後輩くんの合同誌に参加しております。
自分のグッズサークルと合同スペースにて頒布予定です。よければこちらも。

では此度も長々とお付き合いいただきありがとうございました。次は秘封シリーズの第三弾?またお会いしましょう!
うつしの
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コメント



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1.90奇声を発する程度の能力削除
面白かったです
3.100サク_ウマ削除
異能バトルの描きかたが見事でした。良かったです。
4.100ヘンプ削除
純狐の憎悪にまみれたような表情が浮かんで良かったです。
6.100南条削除
面白かったです
純狐やサグメの能力を大いに活かしたバトルに迫力がありました
放送装置を利用して舌禍を拡声するという戦術が特に素晴らしかったです
8.90名前が無い程度の能力削除
前作でもそうでしたが、バトルシーンがすごい!
サグメがこれだけ戦っている小説をはじめて読みましたが、めっちゃかっこいいですね
9.100終身削除
バトル描写って盛り上げるのが本当に難しいと思うんですけど、能力をフルに使うのと拡声機とかその場にあるものをあるだけ何でも使って追い詰めていくカッコいいサグメがとても印象に残りました くたびれた服を最後に見つけるのシーンの日常に戻ってきた感じがとても好きです