Coolier - 新生・東方創想話

2019/09/28 00:04:14
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 幻想郷に蟻が現れた。

 蟻は六足で、里へと歩みを進める。

 蟻を見た人間たちはみな家を捨て、一目散に逃げ出した。

 蟻は巨大だった。

 踏み潰そうにも、とても不可能なサイズだった。

 紅魔館が研究を進めるうちに、蟻は、古明地こいしの身体のサイズに対応していることがわかった。

 すなわち、こいしを縮めれば、蟻も縮む。

 早速、十六夜咲夜の手によって、古明地こいしは捕獲された。
 咲夜はその足でもって、こいしを紅魔館へと担ぎ込んだ。



 結論、紅魔館の技術力をもってしても、こいしを縮めることは不可能だった。

 身柄を拘束されたこいしは蟻の出現すら知らず、紅魔館は蟻とこいしの間になんの因果も見出せなかった。

 しかし、巨大な蟻のそのサイズは、こいしの身体のサイズに対応していることは確かな事実。

 いよいよ、世界の存続に暗雲が立ち込める。

 誰もが、蟻の侵略に降伏し、酒を飲むだけの生物に成り下がった。

 紅魔館はこいしに私怨のある人物を集め、自白剤を用いた尋問を始めていた。

 私が蟻を作りました。
 こいしが縮めばいいと思ったのです。

 誰かが、その台詞を吐くことにしか、希望を持てなくなっていた。

 しかし、蟻の作者なぞ存在しなかった。

 世界の破滅は近い。

 蟻は、世界の中心に建造された、小さな世界滅亡スイッチを、いまにも押してしまいそうだった。

 紅魔館もとうとう諦め、せめて最期ぐらいは自由にと、こいしを解放した。

 解放されたこいしは蟻を踏み潰した。

 こいしは巨大だった。
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コメント



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1.20ルミ海苔削除
理解しました!つまり世界は滅亡する!
3.80ばかのひ削除
すごく良かったです
大きかったんですね
5.100終身削除
伏線っていうのか分からないけどオチに全部が詰まってるような斬新な感じがしました 原因は分かったのに対処できないのがなんだかリアルでした 貧弱の薔薇がないとダメそう