Coolier - 新生・東方創想話

喰ふ

2019/08/04 22:12:55
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 ガサリ、と私は起きる。食事をした後にそのまま地面で寝てしまっていたのだろう。
 空は薄暗くて、日の出前ということが分かった。
 顔と服を洗うために湖に行こうか。しかしこびり付いたものは中々落ちにくそうだとそんな野暮なことを思った。

 飛ぶのは特定の人間に見られるとめんどうくさいので歩く。
 あの人間はよく分からなかった。私にとってはどうでも良い事だけれど。食べるものの事情なんて知っても何もならない。むしろ無意味なことだ。お腹は膨れたからそれでいいのだけれど。
 歩いているうちに太陽が出ている。そんなに早く出るものだっけか。
 湖に着いた。膝を付けて顔を見るといつも以上にこびりついている。ソレが飛び散った金の髪。頭の左側についたリボン。長袖の白いシャツはもう使い物にもならない。黒のベストは無理やり洗えばいいか。
 洗おうかと思ったけれどめんどくさくなった。これなら服はそのまま変えればいいだけだし、髪だけ洗えば問題ない。

 頭を水面に突っ込んで洗う。時々リボンに手が当たって弾かれる。これが地味に痛いから勘弁して欲しい。私自身で取れれば良かったのだけれど。
 何回か洗えば落ちてきた。これならいいかな。短い髪を少しづつ絞る。後は乾くのを待てばいい。

 ……眠い。横になって寝ようか。まあ別にバレたってかまわない。

 ゴロンと寝転んで空を見る。徐々に明るくなっていく空を見ながら寝ていた。

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