Coolier - 新生・東方創想話

とまらない

2019/04/06 17:01:46
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ザッザッザッザッ……
歩いていた。ひたすらに歩いていた。何も考えずに、いや、元から考えてもいない。
ザッ……
止まる。止まった。

「お姉ちゃんだあれ?」

ちいさな女の子がいた。

「ふふ、誰だろうねえ?」

私は答えていた。

「お姉ちゃんのお帽子可愛いね」

女の子は答えていた。

「そう?それなら嬉しいなあ」

私はそう答える。

「お姉ちゃんの紐もお目目も可愛いね」

この子の美的センスはどうなっている。

「それも嬉しいねえ」

私は帽子を女の子に被せる。

「……くれるの?」

女の子は不思議そうだったと思う。

「あげるよ。早くお家に帰ったら?妖怪に会って食べられてしまうよ?」

ほら、早くお家に帰りなさい。

「ありがとうお姉ちゃん。お帽子ありがとう」

女の子はニコニコ笑って走っていった。

ザッザッザッザッ……
歩く、私は歩く。あげた帽子はまたどこかでどうにかすればいい。
歩く、歩いていく……
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コメント



0.210簡易評価
1.90奇声を発する程度の能力削除
不思議な雰囲気でした
3.100終身名誉東方愚民削除
言動は不思議ちゃんだけど、普通に優しいこいしちゃんもいいですね
女の子はこの事を忘れてしまうのでしょうか
この後さとりんに滅茶苦茶セッ…教された
5.90評価する程度の能力削除
こいしちゃん優しいですね
ただ、もう少し肉付けがあっても良いかなと思ったのでこの点数です
8.90仲村アペンド削除
短くもいいバランスで想像の余地がある作品だと思いました(次の作品と込みでの評価となりますが)
9.90モブ削除
作者のこいし像がなんとなくわかる作品だと思います
11.100名前が無い程度の能力削除
この作品から次作の『とまれない』に続く訳ですが、そう考えるとタイトルの意味がとても切なげなものに思えました。子供はいつか必ず大人になりますもんね。