Coolier - 新生・東方創想話

レミィのなんでも質問コーナー3

2019/01/04 15:27:23
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【二枚目のはがき】

『レミリアさんに質問です。私は以前、大事な物を失くしてしまい、部下にその尻拭いをさせてしまったことがあります。なにか失くし物を防ぐ良い方法はないでしょうか』

「ああ~これは同じような悩みを持つ人が他に何万人といるでしょうね~」

「ええそうね。その人達のためにも言ってあげて、失くし物を防ぐにはどうすればいいの?」

「こんないい話を簡単に聞けると思うなよ?」

「えっ」

「……まず前提としておさえてほしいことが一つあるわ」

「な、なに?」

「本っ当に大事な物なら失くさないってことよ」

「うーん……そうかしらねぇ……」

「そうよ? 考えてもごらんなさい。世の中に自分の抱いていた赤ん坊を失くすお母さんがいると思う? ありえないでしょ!?」

「それはまた話が違うんじゃない? ただの物と生物とじゃ」

「究極的には一緒でしょ! 自分の大切なもの、決して失くしてはいけないものという点で一致しているんだから!」

「この質問者は何? 大事なものを失くした? 笑わせるわ。大事なものなら失くしてんじゃないわよ。それは貴方の心が大事だと思っていない確固たる証拠よ!!」

「レミィ落ち着いて。誰にだってうっかりは

「だからね! 失くし物を防ぐとかいう次元じゃないの! 本当にものを大事にできる心がお前にあるのかって話になるのよ!!」

「わ、判ったわ」

「その心構えを基本に行動すると、頭の中には常に"失くしてはいけない物"が意識としてあるはずなのよ。それを失念するってことが、物を失くすことの第一歩だからね」

「つまり?」

「心から頭、記憶力の問題になってくるわ。いかに大事なものを忘れずに、念頭に置いておけるかっていうね」

「でも記憶っていうのはなかなか厄介でね。一度に覚えられる量もある程度決まってます。お盆の上にものを乗せていくと端からポロポロ落ちてってしまうように、記憶もどんどん抜け落ちていきます。じゃあそうならないようにどうすればいいのか!」

「はいはい」

「"記憶の長期化"が必要になってくるわ!」

「ふむ」

「長期記憶! 文字通り長い間覚えていられる記憶ってことなんだけど、それには種類があってね、中でも重要になってくるのは"エピソード記憶"よ」

「エピソード記憶?」

「ええ。例えばパチェ。貴方うちでロケット作ったときのこと覚えてる?」

「ええ、よく覚えてるわ。あんな大掛かりなことしたの初めてだったもの……」

「それよ!!! エピソード記憶ってのはね、体験に基づいた記憶なの!」

「強烈な体験、印象深い体験であればあるほど記憶に残りやすく忘れにくい! これを利用するのよ!」

「なるほどね。どうすればいいの?」

「この質問者の大事なものってのが何かは知らんけど……見ると何? 部下がいるんだって? しかもよく出来た部下っぽいじゃない」

「そうね」

「じゃあ、夜はその"大事なもの"を使って部下を攻めてあげましょう」

「は?」

「日頃の感謝の気持ちを込めて、部下をこねくり回しなさい。大事なソレで」

「ちょっと」

「もうソレがないとダメなのぉぉ! ってなるくらいいじり倒しなさい。むしろ向こうからソレでお願いしますってくるくらいこねくり回しなさい」

「色々トンでるわよ? 話が」

「どこがよ。大事なソレを使った甘い体験は絶対忘れられないものになるわ。そしたらどうよ、"甘い体験=大事なソレ"という式ができるわけよ!」

「さらに部下とも繋がってるからね!? 顔を見ただけでその体験が思い起こされるわ! そこからさらに大事なソレが想起される! 芋づる式よ! ソレが頭の中に浮かぶ回数は今までより圧ッ倒的に増えるはずよ! これならもう忘れようがなァい!!」

「…………でも部下だけじゃない」

「じゃあ社長もこねくり回しなさい、大事なソレで」

「いや、そういうことじゃ」

「なんなら同僚もこねくり回したらいいわ」

「だからなんで体験が全部それになんのよ!!」

「近しい人全員こねくり回せば、もう絶対忘れないでしょ。常に頭の中に大事なソレがあるでしょ。むしろこれまで以上に大事なものになってるからね」

「これは片時も離せません! 私の大事な愛玩具ですッて

「そこまでよ!!!」

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