Coolier - 新生・東方創想話

4分33秒

2018/09/29 16:54:08
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 かちり、と後ろから音がしました。

 私には、それが何の音なのか、とんと判別がつきませんでした。

 ただ、この不思議な時間が終わりを迎えたということだけは、おぼろげながら察することができました。

 私のサードアイから、こいしの手が離れて、そのまま肩に軽い衝撃が走りました。

「……こいし」

 こいしが、私の肩に寄りかかってきたのでした。

「ねえお姉ちゃん、どうだった? 生命の鼓動の演奏会」

 こいしの言葉に、ようやく私は、あの不思議な時間を表す言葉を知りました。

「ええ、素敵な時間でした」

「とっても?」

「もちろん」

「そっか」

 良かった、とこいしは小さく呟きました。

 私の世界にはあっという間に、いつもの喧騒が戻ってきました。

 ペットたちの鳴き声があちこちから上がり、かれらの様々な心情が私のサードアイに映し出され、ついでに私は思い出したように、くわと欠伸を漏らしました。

「私はそろそろ寝ることにします。お休みなさい、こいし」

「うん、おやすみ」

 私はそれに、言葉にし難い安堵の念を感じていました。

 しかしその一方で、近いうちに私がまた、あの不思議な演奏会を恋しく思うであろうことも、何となくですが察していたのでした。
なにもないように感じたとしても、必ずなにかはあるものです。

https://twitter.com/sakuuma_ROMer
サク_ウマ
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コメント



0.310簡易評価
1.60奇声を発する程度の能力削除
面白かったです
2.80名前が無い程度の能力削除
アイディアは好き
でもちょっと軽い気もする
アイディア一発勝負からもっと飛躍してほしかった
3.100名前が無い程度の能力削除
私もこいしちゃんの演奏会聴きたいです(切実
5.90名前が無い程度の能力削除
とても好きです
7.90名前が無い程度の能力削除
いいねえ、とくに終わり方がすき
9.90そひか削除
そそわのプラットフォームでこの手法できたんですね!! 


10.90仲村アペンド削除
静かな空気感が感じられて落ち着く作品でした。良かったです。
12.100南条削除
面白かったです
夜中まで働いて疲れていたであろうさとりが、ふっと肩の力を抜いたような感覚がありました
お姉ちゃん思いのこいしちゃんがかわいらしかったです
15.100名乗るほどもない程度の能力削除
姉思いの妹の心遣いがとても温かく、その動作一つ、セリフ一つにその温もりが込められています。良い話でした。
16.無評価名前が無い程度の能力削除
真っ白の画面がジョンケージの433を連想してくれるかぁ~みたいな構ってちゃんっぽさ、キッツイ。
2ページ目の内容が薄いのも一発ネタを披露した後の賢者タイムなんだろうね