Coolier - 新生・東方創想話

蔦巻くところ

2018/06/03 15:16:38
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 私は是非曲直庁の指令で賽の河原に来ていた。
 川の両脇は藪に囲まれており、川辺に敷かれた大小歪な石ころの隙間からは妙な草花が蔦を伸ばしている。
 私は大きく息を吸い込んだ。すると、むせ返るほどの自然の臭気が肺一杯に広がる。それを短く吐き出し、空を見上げた。
 空、とはいえ、賽の河原の空には雲すらなければ太陽も無い。なんにも無い深い灰色が広がっているのみである。
 本来なら賽の河原での業務は木っ端の鬼たちの仕事なのだが、堕落した鬼の無断欠勤により穴が空いた。その埋め合わせが私に回ってきたというわけだ。
 是非曲直庁所属の鬼たちは堕落している。
 是非曲直庁はその昔、地獄を管理下に置くため、地獄の制圧を始めた。その際、地獄の主な戦力は鬼だったらしい、が、鬼たちは元来の楽観的、或いは刹那的な気質から統率を乱し、是非曲直庁の制圧をやすやすと許した。
 しかし反発する鬼も居た。或者は地獄から逃れ、或者は是非曲直庁の制圧に抗い敗れ、或者は何処かへ身を隠した。
 ともかく、大多数の鬼は殺されるくらいならば、と、是非曲直庁へ寝返った。
 そういった経緯や鬼元来の気質から、直丁への勤務、業務を全うにこなす鬼は少なかった。
 そんな鬼たちはこの“河原に赴き積んである石を小突く”業務すら面倒らしい。
 とはいえ、かくいう私も賽の河原での業務が苦手だった。
 遠方に視界を遣り目を凝らせど、灰色がどこまでも延々と続いていて。蔦を巻く草花や灰色の空は、私を陰鬱な気分に至らせるのに十分だった。
 されど、業務は業務と、私は歩みを続けた。
 草履を履いた私のつま先に当たる川辺の石ころ達が私の陰鬱な気分に拍車をかける。
 しかし、私はこの気分が特に嫌いというわけではなかった。
 死神などという種族に生まれ、是非曲直庁に所属し、こんな業務にあたる暮らし続けていると、こういった“陰鬱さ”が、感情の基盤と化してくる。それを長く続けると、この陰鬱さにどことない安心感を覚えるようになる。
 それを人里の酒場等で人に話すと、それはいわゆる異常な“鬱”の状態なのではないかと問われることがある。
 しかし、これは人間でいうところの“鬱”の状態とは少し違う。私はこの世の諸行無常を楽観的な視点を以て享受している。私にとって正常な状態というのは、世の無常を程よく楽しみ、程よく憂うことを差す。
 私にとって陰鬱さというのはただそれだけのことだった。人より少し、元来の気質的に楽観主義が過ぎるだけなのかもしれないが、ともかくとして、私にとって陰鬱な気分というものを否定的に捉えてはいなかった。
 しばらく歩くと、少し遠くの方に濃い灰色の靄を見つけた。
 灰色い靄は人間の子供の体を曖昧に縁取っている。靄は屈んで、石を積み上げているようだ。すでに高く積まれた石は新たな石を積み上げるたびポロポロと崩れる。しかしそれでも、靄は石を拾い集めては積む。それをやめることはなかった。
 私は深く息を吸い込み、短く吐き出して、靄に近づいた。
 近づくと、靄は私に気がついたようで、ちょうど“頭”の部分をこちらに向けてくる。
 頭の部分には黒い発疹のような斑点が無数に浮かんでおり、そのうちの一つが歪に形を変えた。靄は斑点の一つはどうやら口の形に変えたようで、口を模した斑点で私に声をかけてきた。
「おねえちゃん。みて。わたし、こんなに石を高く積めたんだ!」
 その声は甲高い少女の声だった。
 私はその声を無視し、足元に積み上げられた石を大鎌の柄で小突き、崩した。
 すると、靄は無数の黒い斑点をきょとん、と、させて私を見つめるのだった。
 きょとん、とした視線も無視して、私は踵を返し賽の河原の出口へと向かった。
 しばらく歩き、出口付近まで来た。ふと、背後から視線を感じ振り向くと、そこには靄が立っていた。先程と全く同じ、きょとん、とした視線を、私に向けている。
 付いてきたのか。全く。
 靄の足元には、私が先程崩したまんまの石がこれ見よがしに散らばっている。
 私は一つ息を吐き、少女を曖昧に縁取る靄に向けて言葉を発した。
「付いてきちゃあいけないよ。そのくらいのことはわかっているんだろう」
 すると、靄は口を模した斑点を三日月のように広げて、また石を積み始めるのだった。
 そうして、私は賽の河原を後にした。

 それから数日が経ち、私は人里に来ていた。
 私にとっての所謂“通常勤務”のためだった。
 私は木造の小さな住居に群がる喪服を着た人々を遠巻きに見ていた。
 そんな私に、声をかけてくる人物があった。
「あのぅ、私は死んでしまったのでしょうか。いや、恐らくはそうなのだろうけど、彼らに声をかけても反応がないものでねぇ」
 おずおずといった調子で声をかけてきた人物は、あちらで執り行われている葬儀の主役。老年夫婦の片割れらしい男性だった。
 執り行われている葬儀の最中、棺桶に引っ付いて、そこから離れずにしくしくと泣きじゃくる老婦人を見つけていたので、それが分かった。
「あぁ、あんたは死んだんだよ。ご愁傷様、とでも言っておこうか。まぁ、とにかく、私はあんたを連れて行かなきゃいけないんだよ。どこに連れて行かれるかは、概ね、察しが付くだろうがね」
 私がそう云うと、老人はやっぱりか、といった様子で頭を垂れた。
「はぁ、ではあなたが噂に聞く“死神”というものなのですね。こうなっては、仕方ありませんなぁ」
「……まぁ、付いておいでよ」
「あぁ、少しだけ待ってください」
 私が歩き始めると、老人は何か思い出した様子で声を上げた。
 老人は棺桶に引っ付いて離れない夫人に近づいていき、何やら謝罪の言葉を一言二言述べている様子だった。よくあることだ。
 長引かなければ良いのだが。そんなことを浮かべる自分に、少し気分が沈むのを感じた。
 意外にもすんなりと、老人は戻ってきた。
「終わったかい?」
 尋ねると、老人は静かに頷き、私に先行して歩き始めた。
 死人は自分の向かうべき場所をなんとなく察しているのである。
 少し沈んだ気分を振り払うように頭を振り、私は自身の業務を開始した。業務というのは当然、死者を“あの世まで引率する事”だ。
 私は老人の歩みより幾分早い歩調で歩き始めた。老人はときたま私に追いていかれぬよう、早足になって後を付いて来る。
 死者より早い歩調で引率すること。私の業務における規則の一つだ。
 私は時たま早足になる老人を見て“犬の散歩”という言葉を浮かべた。
 私はまた、そんな自分の思考を恨んだ。
 本来悲しむべきことも、この仕事をしていると、その悲しみにも慣れてきてしまう。
 結局のところ他人の生き死にに同情などする余地などない。と、頭が勝手に整理をつけてしまうのだ。その結果、あらぬ比喩が脳裏に浮かび、張り付く。
 私は息を深くため、短く吐いた後、自身の歩調を早めた。
 老人は殆ど駆け足になって、私に追従した。

 三途の川にて、私は、私と老人を載せた小舟をゆっくりと漕いでいた。
 中有の道を抜け、この川に至るまで、老人は一言も言葉を発することはなかった。
 おかげさまで、私は何も考えずに、ぼーっとしたまま業務をこなせていた。
 今回、川の幅はそれほどなく、私の業務はとりわけ楽な部類に入るだろう。
 それでも、私は胸中に湧き上がる陰鬱な気分をどうにか手放すまいと努めていた。具体的に云えば、賽の河原のこと等を頭に浮かべていた。死者を悼む気持ちを自身の日常の中に埋没させないためである。それは、世の無常を程よく楽しみ、程よく悲しむ、そのためには欠かせないことだった。
 私は半ば機械的に、賽の河原の景観やそこに在る“もの”を想像しては、眉を顰めた。
 すると、唐突に老人が口を開いた。
「いやぁ、私はね、それほど自分の人生をしっかりと考えて生きてきたわけじゃあないんですよ」
 どうやら老人は身の上話を始めたいらしい。これも、まぁ珍しいことではない。
 三途の川には小さな風すら吹くことはない。無風の川を、小舟がゆっくりと進んでいく。
「いやそのぅ、棺桶の前で泣いていた婦人がいたでしょう」
「あぁ、あんたが何か声をかけにいった婦人かい?」
「あぁ、実はあれは私の女房なんですよ」
「へぇ、そうかい」
 もちろん私はそれを知っていたが、あえて素っ気なく応えた。それも、業務の規則、その一つだ。
 私は元来話し好きの気質がある。しかし、規則は規則だ。自分にそう言い聞かせ、老人に悟られぬ程度に深く息をため、短く吐いた。
「女房と私は割合若い内に結婚しましてね。いやぁ、当時は何も考えずに結婚しましたよ。多分女房も同じだったんじゃあないですかねぇ。二人して、幸せになろう、なんてことを曖昧に考えていましたよ」
 へぇ、そうかい。と、私は揺れる三途の川面をぼんやりと見つめながら相槌を打つ。
「それでも、私達夫婦の生活は、なかなかに幸せというものからはかけ離れていました。いえ、仲が悪かったとか、特別貧しかったとか、そういうわけではないのですが」
「女房は、子供を欲しがっていたんですよ。そりゃあもちろん、私も子供が欲しかった。まぁ、よくある話で、子宝に恵まれない夫婦、というやつですよ」
 私とって老人の話は現在に至るまで、徹頭徹尾よくある話他ならなかった。
「それでも四十手前の頃、我々夫婦も子供を授かりましてね」
「へぇ、よかったじゃないか」
 私は老人の葬儀の様子を思い出しながら、相槌を打った。
「えぇ、えぇ。夫婦揃って、大喜びでしたよ。あぁ、ようやく幸せになれた、なんてねぇ。報われたような気持ちでしたよ。女房も私も、生まれてきた娘を一所懸命可愛がりました」
 私は話を聞きながら、やはり老人の葬儀を思い出していたが、どうしても記憶の中に老人の娘らしき人物を見つけられなかった。
 あぁ、そういう話か。老人は、私に何か、懺悔でもしようという腹積もりなのだ。
 それもまぁ、よくある話で。
「なかなかやんちゃな娘でしてね、お人形遊びなんかより、外で遊ぶのが好きな子でしたよ。……娘は体が弱くてね、医者の先生からも外で遊ぶのを止められるほどだったんですよ。外に出られず、そんな娘に、女房はたくさんの人形を買い与えました。退屈そうに人形で遊んでる娘が不憫でねぇ。それでも、娘は時たま、私や女房に内緒で外に出ようとするんです。しかし私は仕事の都合上、いつも家にいるものでね、娘が内緒で外に出ようとするところを発見してしまったんですよ。それ以来私は、女房やお医者さんには内緒で、娘を外に連れ出して、遊んでやりました」
 小舟はそろそろ岸に到着しようとしていた。
「……私が娘を連れ出すようになってから間もなく、娘は死んでしまいました。それからというもの、私は自分を責めない日はありませんでした」
「……私はやはり、地獄へ送られるのでしょうか」
 私は老人の話を聞く最中、老人に対して同情の念が浮かぶのを感じたが、老人の最後の一言を聞いた瞬間、私の頭の中には“不徳”の二文字が浮かぶのだった。
「さぁ、わたしにはわからないなぁ」
 先の葬儀、棺桶の中の老人が縊死体であることを、私は知っていた。
 そうして小舟は、岸へとたどり着くのだった。

 それから数週間が経ち、私はまたしても三途の川にて自身の業務をこなしていた。
 小舟の上には私と、どこか見覚えのある老婦人が乗っていた。
「おどろきましたよ。まさか本当に“死神”さんがいらっしゃるなんて。三途の川も話で聞いたとおりの場所ときたものだから。驚いちゃった」
 老婦人は、ふふふ、と上品に笑う。
「ははは。話で聞いたとおりかい。驚いてもらえて何よりだよ。それとも、驚かせてしまってすまないと言ったほうがいいかな」
「いいのよ。それに、そこまで驚いてるわけじゃないの。覚悟してこうしたんだから」
 私が業務を開始するべく人里に赴いた際、老婦人は縊死体となった自身の体を物珍しそうに見物していていた。私はそんな老婦人に声をかけ、引率を開始したのである。
「でもやっぱり、私は地獄に落ちるんでしょうねぇ。自分で死んじゃうと、そういうことになっているんでしょう?」
 かくいう老婦人の顔に不安の色は見受けられなかった。
「さぁ、私にはわからないよ」
 私は、相変わらず何も映さぬ川面を見やり、いつもどおりの返答をした。
「まぁ、気を使ってくださらなくてもいいのよ。私、それなりに自分の人生に満足してるんだもの」
「へぇ、そうかい」
「えぇ、若いうちに結婚してね、子供だってできたの。女の子でね。お人形遊びが好きな子だったわぁ。主人は外で遊ばせたがってたみたいだけど。もともと体の弱い子でねぇ、私がお人形を買ってやると、それはもう喜んだんだから」
 ……。
「でもね、そのうちに娘は死んじゃったのよ。まだ十いくつだったのに、ふふふ。先立たれちゃったの。それでもね、私は自分の人生に満足してるの。幸せだったって言えること、たくさんあったのよ」
「そうかい。それは、よかったねぇ」
 今回も川の幅は狭く、小舟はもうすぐに岸に到着しようとしていた。
 私は一つ息を吐き、小舟を岸につけるのだった。

……。

 またしても鬼の無断欠勤により勤務体制に穴が空いた。やはり埋め合わせは私に回ってきて、私はまたしても賽の河原に来ていた。
 川辺は藪に囲まれており、敷き詰められた石の隙間からは草花が疎らに蔦を伸ばしている。
 空を見やれど、そこにはやはり何もない。太陽もなければ雲すら浮かばぬ空を見て、私はまた、深く息を溜める。
 肺いっぱいにむせ返るほどの草花の臭気が広がり、それを短く吐き出した。
 草履を履いた私のつま先にコツコツと当たる石を多少不快に感じつつ歩みを進めると、そのうちに濃い灰色の靄が少し先の方に見えてきた。
 靄は曖昧に人間の子供の形を縁取っている。
 靄の“頭”の部分には発疹のような黒い斑点が無数に浮かんでおり、私が近づくと、靄はその無数の黒い斑点で私の方を見据えるのだった。
「おねえちゃん。まってたよ。みて!こんなに石を高くつめたの」
 靄は斑点の一部を口の形に変化させ、甲高い少女の声で私に話しかけてくる。
 私はそれを無視して、足元に積まれた石を大鎌の柄でこつん、と小突き、崩した。
 すると、靄は無数の黒い斑点をきょとん、とさせて、私にその視線を向けてきた。
 私はその視線を無視して、踵を返し、賽の河原の出口へと向かった。
 出口へと向かう最中、靄はやはり私に付いてきているようで、敷き詰められた石を踏みしめて歩く私に、しきりに声をかけてくる。
「ねぇ。みて」
「おねえちゃん。みて」
「ねぇ。聞こえてるんでしょ」
「ねぇほら。石。みて」
「みてってば」
 その声はやはり甲高い少女の声だったが、靄が言葉を発するにつれ、それはだんだんと無機質な、男とも女ともとれぬ声へと変わっていった。
「おねえちゃん。みて」
「みて。石」
「おい」
「石。みて」
 あぁ、うんざりするよ。全く。

「無視してんじゃねぇよ」

 私は振り向いて、靄に鎌を振り下ろした。

 その後、私は謹慎を受けた。
 賽の河原では積まれた石を崩す以外の干渉は禁じられている。それを破ったことが謹慎の理由だった。
 しかしながら、思いもよらぬ久々の休暇を手に入れた私は、人里に在る行きつけの飲み屋に来ていた。
「なぁ聞いてくれるかい。ひどいんだよ、うちの上司はさぁ」
 昼も半ばにして、私は酒を飲み、管を巻いているというわけである。こんなに有意義な休日の使い方はない。私は上機嫌で話し続けた。
「だいたいさ、空いた穴を埋めるために慣れない仕事をしてさぁ、それをちょっとばかりミスったからって、謹慎だなんて、おかしい話だろう?人使いが荒いとか、もはやそういう問題じゃあなくなってきてるよ、なぁ、そうは思わないかい」
「あぁ、そうだねぇ」
 そう答えるのはこの飲み屋の看板娘だった。というのも、それは、初めて会った頃の話で、かつての看板娘も、今では専ら婆さんだ。
「しかし、婆さんもしばらく見ないうちにまた老け込んじまったねぇ」
「ふふふ。小町ちゃんは変わらないわねぇ」
「えー?」
「小町ちゃん、店に来る度におんなじこと言ってるんだもの」
「ははは、そうだったかな。そいつは悪いね。それよりさけを追加だよ。今日は飲むぞぉ」
「昼間っから顔を赤くして、景気のいいこと」
「休日が少なくてねぇ、金ばっかり溜まっていけないよ。全く。婆さん、今日はとことん話を聞いてもらうからね、覚悟しておくれよ」
「はいはい。いくらでも聞きますよ」
 そうして私は、酒をかっくらい、普段の鬱憤を晴らすように管を巻き続けた。

 婆さんの顔には死相が浮かんでいたが、私はそれを見なかったことにした。
ありがとうございました。精進します。
https://www.pixiv.net/member.php?id=6282920
kodai
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コメント



0.370簡易評価
7.60創想話好き削除
^^これ社畜ですわ。世の無常に巻かれるを知りながら精神的な意味でも抜け出せず、逆に歪な自己肯定に嵌ってる。こんな詰まらなそうに仕事する小町初めて見た。鬼を奴隷として使役する辺り是非曲直庁もかな~りブラック官庁。タイトルからして倦怠感小説? 文章は読み易い部類でしたが話としてやや物足りないか。

>しばらく歩き、出口付近まで来た
とあり、その後に
>私が先程崩したまんまの石がこれ見よがしに散らばっている
とある。距離が合わない。石ころも霊と一緒に移動してる?
8.70名前が無い程度の能力削除
この小町はそのうち自分の首も吊っちゃいそうだ
9.100南条削除
面白かったです
閉塞感に包まれた舞台で淡々と業務に励む小町にやるせなさを感じました
登場人物も必要以上な派手さがなく、作品のイメージというか空気感が終始一貫していてとても読みやすかったです
最後の靄がキレ気味になるところもちょっと怖くて良かったです
10.90KoCyan64削除
陰鬱な雰囲気で進む文章、小町の感情が現れていてとても楽しめました。
11.90仲村アペンド削除
終始陰鬱な空気感で統一されていて面白かったです。小町の死に触れ続ける者としての内面の一端を垣間見た気がしました
12.無評価雪月楓削除
小町のキャラ性が途中でブレてるように感じました
13.90樽葉削除
地の文で言及される小町の内面と、実際の小町の行動に齟齬が感じられると思いました。文章は冗長性も感じられず良かったと思います。
16.100aho削除
 自分で自分に言い聞かせているほど割り切って楽しんで仕事をこなしているわけでもなく、結局納得できないことにブチ切れて規則を破って謹慎喰らってる辺りが実に小町らしくて良いなと思いました。
 終盤の場面なんか最初みたいに適当に警告でもしてれば少女の霊も満足して石積みに戻って何の問題も起きなかったはずなんですよね。そもそも穴埋めで来てるだけなんですし我関せずを決め込んでもいい。にも拘わらずああしたのは自分に「キレる理由」を作るためだったように思いました。キレて鎌を振るうことで少女の霊を賽の河原から解放するため、と。
 庁の方も庁の方で厳罰を与えることもなく本人が酒飲みに行ける程度の緩い謹慎で済ませてる辺り多少同情的なのかなとも感じました…単に人手不足すぎて小町にまで逃げられたら困るからなのかもしれませんが。

 看板娘の婆さんの台詞からしても小町はこういうことをずっと繰り返してているようですし、今後も繰り返していくのでしょう。
 全体的に暗い雰囲気の話なのは確かでオチもちょっと辛いものがあるのですが、小町に関していえば案外今回のように適度にガス抜きしながら上手く仕事を続けているのではないかな、と感じました。そういうわけで、内容の割に意外なほど読後感は良かったです。
 長くなりましたが、読ませて頂きありがとうございました。