Coolier - 新生・東方創想話

明治17年の秘封倶楽部

2018/02/12 11:39:56
最終更新
サイズ
30.15KB
ページ数
1
閲覧数
1619
評価数
17/33
POINT
2220
Rate
13.21

分類タグ

「『タイムマシンは実現不可能である。もし過去へ行けるならば、この現代には未来から来た旅行者で溢れかえっているからだ。』」

「蓮子、いきなりどうしたの?」

 秘封倶楽部の通う大学の構内にあるカフェテリアで、メンバーの片割れであるマエリベリー・ハーンは怪訝そうな表情を浮かべていた。原因は無節操に話題を変える蓮子である。

「偉大なる物理学者、スティーブン・ホーキング博士の言葉よ」

「ふうん。まぁその通りなのだけれど、夢を壊しちゃう言葉ね」

「1990年代の天文学の進歩は素晴らしかったわ。ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げに、光学・赤外線望遠鏡すばるのファーストライト!」
 
 蓮子は芝居じみた大げさな仕草を見せながら熱をこめて語っている。メリーは自分の前髪をいじりながら半分聞き流していた。 
 彼女のテンションが高いのはいつものことなのだ。自分の好きなことになると人の話を聞かないのもいつものことなので、メリーは気にしていない。相方の呆れ顔もよそに蓮子は話を続ける。

「さらに世界最高精度のニュートリノ観測装置『スーパーカミオカンデ』の完成。日本のスイングバイ実験機『ひてん』の打ち上げ。NASAやJAXAのホームページに公開された写真を見て心を躍らせたのは忘れられないわね」

「それほど技術が発達しているのにタイムマシンはまだ作られてない。って言いたいのね? 所詮人間には、過去を覗くことも未来を視ることも傲慢なのかしらね」

「ところがどっこい、私たちには簡単に過去を見られる方法があるのよ。いや、今も過去を見ているといっても過言じゃないわ!」

 物体が光を反射し、その光が目に入ることで私たちは物を見ることができる。しかし光にも速さがあるため、反射した後に目に入るまでのタイムラグが必ず生じる。近くのテレビや山ではわからないが遠くの星ともなると話は別だ。何光年も先の星を見た、ということはその星が何年も前に反射した光が目に入ったということ。つまり星の過去を視たことになる。
 わたしたちの周りにあるペンや本だって光を反射して見えている。つまり近くのものでも必ず過去が見えるのだ。どうやっても現在の情報は得られない、とも言えるのだが。

「ってことでメリー! 過去を、星を視に行くわよ!」




◇ ◆ ◇




「向かう先は長野?」

「そうよ。野辺山に向かっているわ」

 三半規管が強いのか、本のページをめくりながら蓮子は答える。
 2人はその日のうちに出発し電車に揺られていた。蓮子のとなりには長い筒のようなバッグが置いてある。望遠鏡が入っているのだろう。人を誘っただけあって準備がいい。
 一面に雪が積もった大地に、様々な紅色を混ぜたような強烈な色彩を放ちながら夕日が沈んでいく。夜が降りてくる。

「結局星を見たら過去が見える。ってただの屁理屈じゃないの」

「でも浪漫はあるでしょう?」

「わからないこともないわ」

 そのとき、2人以外はほとんど誰も乗っていない車内にアナウンスが流れる。

『次は野辺山、野辺山です。お降りの際はお忘れ物のないよう、十分に注意してください』

「降りるわよメリー」

 少し焦り気味に荷物をまとめ、いそいそとマフラーと手袋をつける。電車のドアが開くと冷たい風が車内に入ってきた。季節は12月。冬が本格的に始まり寒さが一層強まる時期である。そんな年末近くにこんな辺境に来る観光者もいないのか、電車から降りてくる人は誰もいない。
 サクサクと雪を踏む音を立てながら、2人は歩いていく。

「うう、もう夜だしさすがに寒いわね」

「メリーには悪いけどもうちょっと歩くわよ。宿はとってあるから温かいお風呂は保障するわ」

 夕日の放つ橙色がだんだん夜の暗さへと変わっていく。
 冬は空気中の水蒸気量が少なくなり、星の光が地上まで届きやすくなる。更に日照時間が夏よりも短いので観測できる時間も延びる。冬は天体観測に最も適した季節なのである。

「山里は 冬ぞ寂しさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば」

「源宗于朝臣?」

「うん。この長野の辺境な場所は山里と形容するのに相応しいと思うのよ」

「草木は枯れ、人の往来も離る。確かに冬は寂しいわね」

 都と違って訪れてくれる人もいなくなり、葉の落ちた木々に雪が積もる山里の冬を表した一句だ。古今和歌集に収録されている。平安時代も科学世紀も冬の寂しさは変わらないのだろう。
 そんな会話をしていると、星が見えてきた。空を仰いで宇佐見蓮子は呟く。

「12月19日午後5時21分」

 彼女には星を見れば時間がわかる能力を持っている。夜空に星が出たときは、空を見て時間を確認するのが彼女の癖だった。日本標準時にしか対応していないと蓮子は言うが、ただの引き算でわかるだろうというのはメリーの言である。

「『時間』と『宇宙』って密接に関わっているのよ」

「例えば?」

「アインシュタインの『一般相対性理論』には、重力は時間と空間を歪ませるとあるわ。強い重力の周りは時間の進み方が遅くなるのよ。」

 重力があれば空間や時間は歪むし、空間が歪めばそこには重力が発生しているということになる。つまり、時間を操ることができれば、重力だろうが空間だろうが思うがままというわけだ。

「まぁこの話は置いておいて、今回私たちが見に来たのはいわゆる『冬の大三角』よ」
「おおいぬ座シリウス、こいぬ座プロキオン、オリオン座ベテルギウス、の3つの一等星を頂点とする三角形ね。」

 しばらく歩いた2人は開けた小高い丘に着いた。蓮子は細長いバッグを下ろし、チャックをあける。中から鏡筒を取り出し、ファインダーを取り付けていく。どんどん慣れた手つきで望遠鏡を組み立てていく蓮子のそばで、メリーは不思議そうにあたりを見回している。

「ん? どうかした?」

「なんだか、妙に境目が多いような……」

「おかしいわね。このあたりに神社とか寺はなかったはずだけれど」

 記憶をたどる。だが違和感はない。蓮子は偶然なのだろうとメリーの訴えを頭のすみに追いやり、望遠鏡の最後のパーツを組み立てた。

「今から見る星の光は、大体明治初期のころに地球に向かい始めた光になるわ」

 そういって蓮子は望遠鏡を覗き込む。

「待って蓮子、結界が――」



まばゆいほどの光が二人を包む。




その瞬間、秘封倶楽部はこの世界から姿を消した。




 ◇ ◆ ◇




「起きて蓮子、大丈夫?」

 耳元で優しい声が聞こえた。蓮子はまだ覚醒しきっていない頭を無理やり起こし、立ち上がる。

「えーっと、なんでこんなとこにいるんだっけ」

「やっぱりまだ寝ぼけてるのかしら」

 怪訝そうな顔で蓮子の顔を覗き込むメリー。その表情には呆れだけでなく、心配する感情も含まれていた。

「思い出した思い出した。天体観測してたんだった。それで、私の望遠鏡がないんだけど知らない?」

「あれどっかに行ったわよ」

 メリーの言う通り、先ほどまで近くにあったはずの望遠鏡はあとかたも無い。そもそも望遠鏡を置いていた跡すらないのだ。
 あたりに見えていた住宅は全て畑と化していた。同じ場所だけど違う場所のような、奇妙な感覚が生まれる。

「うそ!? あれ結構高かったのに……」

「落ち込むのはわかるけど、もっと心配する点があるんじゃない? 結界に飲み込まれたのよ?」

 結界というのは普通見えることも触ることもできないものだ。古神道において結界とは、ヒトが住む場所と禁足地である神域とを区別するもので、結界を越えることはすなわち、別世界へ行くことと同義なのである。その反面、神社などでは鳥居や注連縄なども結界の一種で、結界を跨ぐという点においては日常的なことでもある。
 しかし、超えることはそう容易くできることではない。神社に行って鳥居をくぐっただけで神様が見えるわけではないのはこのためだ。普段の世界と別世界とが重なっている奇妙な状態はよくあることで、生きているかぎり必ず経験したことがあると言っても過言ではないだろう。

 夢の中だけならまだしも、今彼女らは完全に結界を越えている。今ここでは物理法則を超えた何かが起こってもおかしくないのだ。

「ここはいつもの世界じゃないわ。違う世界へ私たちは来てしまったの」

「もしかしてこれが神隠しってヤツかしら。なんかわくわくしてきたわね」

 寝起きでテンションがおかしいのか、ことの重大さにあまり気づいていないのか、呑気な蓮子を横にメリーはあたりを見回す。

 結界を通ってこっちに来れたのだから、帰ることができる結界も必ずあるはずだとメリーは思案する。数分ほどあたりを捜索すると、多少離れた場所に歪みを見つけた。
 見つけた歪みは人が通れるほどの大きさだ。ただ、自然にできたものではない。人工的な、神社や寺院に存在するものと同じような直線でできている。歪みという表現は不適切だろう。

「蓮子、なんだか妙な結界を見つけたのだけれど」



 すると、その結界が開いた。



 ぎょろりとした目玉がいくつも並んだ気味の悪い空間から、紫を基調としたフリルのドレスを着た少女と、ゆったりとした長袖ロングスカートの服に青い前掛けを被せ、9つの尾を持った少女が姿を見せた。
 ドレスの少女はあたりをきょろきょろ見回すと、驚いて腰を抜かしている蓮子達のほうへと歩を進めた。

「ごきげんよう。あなたたちが迷い人かしら」

 そういうと少女は持っている扇子を閉じ、2人の手を順に握っていく。握手だろうか。頭の整理が追いつかず、うまく握り返せない。

「迷い……人?」

「違う世界からこっちに来てしまった人をわたしはそう呼んでるわ」

 突然現れて握手をしてきた謎の少女に思考が追いつかない。コミュニケーションを取らないと始まらないと判断した蓮子は、ニコニコ微笑む少女に話しかける。

「お名前は?」

「八雲紫です。こっちは藍。あなたたちは?」

「宇佐見蓮子といいます。こっちはメリー」

 少女の扇子が地に落ちた。




「あなたが、蓮子」




 近くにいた藍にも聞こえないほどの小さな声で八雲紫は、確かにそう言った。

「紫様? いったいどうなされたのです」

 そばについていた藍が心配そうな声を発する。

「いいえ、なんでもないわ。立ち話もなんだしこちらへどうぞ。あなたたちを元の世界へ返すのも時間がかかるし」

 そういうと紫は扇子を拾い、先ほどと同じ気孔のような空間を開いた。2人が中へ入っていってもその空間は閉じずに浮かんでいる。入って来いということなのだろう。お世辞にもいい趣味とは言いがたいデザインをしたそれは、蓮子達に不快感を覚えさせるのに十分だった。

「これに入るの抵抗あるわね……」

「あの人、あまり好きになれないわ」

「紫さんのこと? 親切な人じゃない」

「なんとなくよ。なんとなく」

 蓮子達はおそるおそる気味の悪い空間に入っていく。数歩ほど進むと前方から光が射す。昔懐かしい日本家屋の前だった。ただ庶民の住むそれとは違い、立派な門と塀に囲まれた言うなれば屋敷だ。
 門の前には紫が立っていて、こちらに手を振っている。

「宇佐見さん、マエリベリーさん、こっちよ」
 
 メリーが立ち止まる。紫と数メートルほど距離をとって口を開いた。

「何故わたしの名前を知ってるの?」

「何故って、宇佐見さんが言っていたでしょう?」

「あら、あのときはメリーと言ってたはずよ。決してマエリベリーの名前は出していなかった」

 その声には明確な敵意が込められていた。紫は前髪をいじりながらしばらく黙り込む。

「私もまっすぐで誠実なあなたのような頃があったから、じゃだめかしら」

 あまりに意味不明な拍子抜けする答えにメリーは困惑する。ただ、とってつけたような嘘で誤魔化しているような感じではないことはわかる。それため余計に困惑してしまうのだ。やはりこの人は信用できない、メリーの本能がそう言っている。

「まぁいいじゃない。細かいことは置いておきましょう。そろそろご飯ができる頃合だし」

 それだけ言うと門をくぐり屋敷へと入っていく。はぐらかされたがゆえの行き場の無い歯痒さを覚えながら、2人も門をくぐった。



 ぐつぐつと鍋が煮立つ音が聞こえてくる。蓮子とメリーは長い廊下を通って茶の間へと案内されていた。
 紫のそばに付いていた九尾が、鼻歌交じりで調理を進めている。九尾といえば中国神話の伝説の霊獣だ。そんな大物が花柄の割烹着を着て料理をしているのだから驚きである。

「さっきの結界ってなんなんですか?」

「結界? ああスキマの事ね。境界を操って離れた場所同士を繋げるのよ」

 蓮子は紫に興味津々なのか先ほどから質問攻めにしている。妖怪が持つ人智を超えた力はいささか人には魅力的過ぎるのだろう。蓮子も稀有な能力を持っているが、それでも未知のものへの探究心は尽きない。根っからの学者気質なのだ。

「瞬間移動……空間の置き換えによるものかしら……量子テレポーテーションでは物質の移動は無理だし……」

「お夕飯ができましたよ」

 蓮子がなにやらブツブツと呟いて思考していると、牛肉の入った大きな鍋がちゃぶ台に置かれた。分厚い肉が葱と一緒に煮込まれている。

「このお肉、わたしが買ってきたのよ。高かったんだから」

 得意気な表情を浮かべて扇子を開く紫。

「紫様、また盗んできたんですか……ちゃんと買ってきたと仰ったから調理したのに」

「な、なんで盗ってきたってわかるわけ?」

「紫様が扇子を開いて口に近づけるときは嘘をついてる証拠なんですよ。しかも真実に嘘を混ぜるんだから余計にタチが悪い」

「ぐぬう。癖を直す癖をつけないとね」

 紫が嘆く。人の癖はそう簡単に直らないことを知っているからだ。扇子で口元を隠して嘘をつくというのは、ある意味嘘が下手だと言える。八雲紫はポーカーフェイスが苦手だ。

「そういえばこれって牛鍋ですよね」

「最近巷で流行してるらしいのよ」

「牛鍋が流行ってるってことは……」

「……紫さん。西暦ってわかりますか」

「確か今は1884年ね」

 日本がグレゴリオ暦、いわゆる太陽暦を採用したのは1872年のことだ。それまではいわゆる旧暦である太陰暦を使っていた。西洋のシステムと合わせたほうが便利、と明治初期の頃に変更されたのだ。



「明治、17年」



 華やかな西洋の文化に彩られ、欧米に負けじとひたすら走った日本。2人はそんな時代に来てしまった。





「紫さん。いろいろお話を聞きたいんですが、構いませんか」

「いいわよ」

 食事が終わってすぐ、蓮子は紫の隣に座っていた。食事中にも話していた、こちらの世界についてだろう。

「最近外国で起こった大きい出来事って、何か覚えていますか?」

「清とフランスっていう国同士が戦争してたわね」

「ふむふむ。キリスト教って知ってます?」

「日本には1549年に伝えられた宗教」

 蓮子は目を輝かせながら質問を続ける。最近日本で起こったことや外国で起こったこと、ある宗教や芸術の有無など、これまでの歴史についてひたすら紫に問う。
 最初は丁寧に受け答えをしていた紫も疲れたのか、だんだん対応が雑になってきている。

「宇佐見さん? あなたのことも知りたいわ。お話してくださる?」

「あ! ごめんなさい喋りすぎちゃって」

「いいのよ。あなた達の世界はどんな感じなのかしら」

 蓮子は20××年の世界について話した。東京から京都を53分で繋ぐ新幹線。民間の月面ツアー。飽き飽きする合成食事情に秘封倶楽部の活動。紫は嬉しそうに、黙って聞いていた。

「未来の話なのに、あんまり驚かないんですね」

「あなたがあまりにも楽しそうに話すから、内容よりそちらに意識が行ってしまいましたわ」

「……そんなに楽しそうでしたか?」

「そりゃあもう。ちょっと羨んでしまいますわ」

 ニコニコと笑いながら言う。

「ほら、マエリベリーさんはもうお風呂から上がっちゃったわよ。宇佐見さんも入ってきたらどうかしら」

「……入ってきます」

 蓮子は赤面しながら席を立った。




 メリーは食事を終えて入浴を済ませた後、寝室へと案内されていた。紫と話すことがあるらしく、蓮子はまだ寝室には来ていない。
 襖や障子で囲まれたこの部屋は縁側のそばにあり、外からの雪明りによるおぼろげな光で満たされている。蛍雪の功とはよく言われるが、雪明りで勉強なんて眉唾だと思っていたメリーは自然の美しさに驚いていた。
 敷布団に包まりながら障子越しの月を眺めていたとき、遠くから足音が響き、その障子が開いた。

「ごめんごめん、遅れちゃった。紫さんから話を聞いてたの」

「ふーん。何の話をしてたの?」

「神隠しについていろいろと。どうしたの? 不機嫌そうだけど」

「別になにもないわ。寒いから障子を閉めてくれる?」

 頬を膨らませてそっぽを向いた。メリーはよくわからないところでへそを曲げる。蓮子は不思議そうな顔を浮かべながら月を見上げた。

「今日は月が綺麗ね」

「死んでもいいわ」

「どっちも後世の後付らしいわよ」

 “月がきれいですね”は夏目漱石、“死んでもいいわ”は二葉亭四迷が“I love you”を日本人らしく訳したものといわれていたが、出典が戦後以降のものしか発見されていない。創作による可能性が高いとされている。
 夏目漱石も二葉亭四迷も、青春を明治時代で過ごした文学者だ。この明治の月を、彼らも見ているのだろうか。

「わかってるわよ。蓮子は無粋ね」

「なによー。事実を言ってるだけじゃない」

「女の子は創作だとわかっていても、こういう言葉にときめきを覚えるものなのよ」

「わたしも一応女なんだけど」

「男でも女でもいいから障子を閉めて頂戴」

「はいはい」

 蓮子は少し月を惜しむようにゆっくりと障子を閉めた。ひんやりした冷気にさすがにうんざりしたのか、蓮子も敷布団の中に入る。

「過去へは行けないから星の過去を見に来たっていうのに、まさか本当の過去へ来れるとはねえ」

 蓮子の目はまるで新しいおもちゃを貰った少年のような、無邪気な瞳だった。

「本当の過去とは限らないんじゃない? 結界の中だし、似てるだけで違う世界とか」

「紫さんからいろいろ聞いたのだけれど、私たちの世界の歴史と全く同じだったわ。宗教、文化、言語、民族、どれにおいても年代から内容などの細部まで一致した」

「タイムパラドックス、起こるのかしらね」

「果たしてここは本当に私達の過去なのか、過去ならば私達が来たことでなんらかの影響が後世まで及ぶのか。バタフライ効果のように、大きな変化があったら面白いわ」

「人類が滅亡してたら笑えないけどね」

 ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきは、テキサスで竜巻を引き起こすのだろうか。秘封倶楽部の存在が、未来の科学にどういう響きを作るのか。蓮子は楽しみで仕方が無かった。

「蝶の羽ばたき程度で竜巻が起こるんなら、あまり長くはいられないけれど大丈夫よね」

「そういえば帰る目処は立ってるの?」

「明日の夜にはもとの時代に帰してくれるそうよ。それで聞いてよメリー! 明日紫さんが東京に連れていってくれるそうよ!」

「過去の観光なんてわたし達が始めてでしょうね」

「過去観光、なんて素敵な響きなんだろう……わたしは鹿鳴館が楽しみだわ」

 鹿鳴館は1883年7月7日に建てられた社交場だ。不平等条約改正のため明治政府が日本の文明化を諸外国にアピールすることが目的とされているが、政府の人間でも西欧式のマナーなど知っているはずも無く失敗。ジョルジュ・ビゴーの風刺画には日本人が猿の姿で描かれる始末だ。当時の政府の文化財保持意識の低さと失敗から目を背けたい非生産的な思想から、1940年に取り壊されてしまった。

「極端な欧化政策の象徴よね。華やかな文明開化の負の遺産ってとこかしら」

「あら、私は好きよ。人間は失敗しなきゃ前へ絶対進めないもの。取り壊しちゃったのはいただけないけど」

 成功を目指してやりすぎてしまうことはよくある。ならば後ろを振り返りつつも前に進もうというのが蓮子の持論のようだ。実際そうやって日本人は悲願の条約改正を果たしたのだから。

「はいはい、もう遅いし寝ましょうね」

「む、子ども扱いなんて失礼な」

「ふふ、おやすみなさい」

「ええ、おやすみ」

 まだ覚めぬ興奮を収めるために、布団を大きく被って蓮子は眠った。





「……ん」
 朝日の光で目を覚ます。目に入ってくる慣れない和室に戸惑いつつも、布団をめくる。
 隣でメリーはまだ眠っていた。気持ちよさそうに寝ているので起こさないほうがいい、と眠たげな頭で判断する。

「顔洗おうっと」

 蓮子は立ち上がり障子を開ける。
 その眼前には八雲紫が立っていた。

「おはよう宇佐見さん」

 紫は小さな声で囁くように言った。メリーを起こさないようにしているのだろうか。

「ちょっとお話があるのだけれど」

「なんの話なんです?」

「大事な話なの。私の部屋でしましょうか」

 そういうと紫は廊下を進み、少し離れた部屋のドアを開けた。蓮子は頷いて付いていく。障子に囲まれた廊下には不釣合いな洋風のドアだったから印象に残っている。紫さんは洋風のほうが好みなのかな、と蓮子は思った。

 部屋の中は見たことも無い文字で書かれた本が多く並び、レポートのような紙が束になって置かれている。お札や魔方陣など、オカルトチックなものも置いてあり、紫が妖怪であることを思い出させた。

「それで、大事な話というのは?」

「ええと……いえ、あまり回りくどい言い方はよくないわね」

 何かを思案するような仕草を見せた後、こちらに真剣な表情を向ける。

「こちらの世界に残るつもりはない?」

「……それはどういう意味ですか」

「別段深い意味は無いわ。そのままの意味で受け取ってもらって結構よ」

「まずメリーにも聞いてみないと」

「残るのはあなただけよ。あの子はこの世界にはいられない」

 苦虫を噛み潰したような顔を浮かべる。蓮子は正直迷っていた。メリーは親友だしあちらの世界が退屈なわけじゃない。ただ、科学世紀の合成食事情には飽き飽きしていたし、メリーの見える不思議な世界が心の底から羨ましかった。紫さんのような妖怪についていけば、もっと面白い世界が見られるかも。紫のこの申し出は、蓮子にとって魅力的過ぎた。

「メリーはどうしてこっちに残れないんですか?」

「何故だかわからないけど、あの子はわたしに似すぎている」

 扇子を取り出し口元へ近づけ、八雲紫は話を続ける。

「この世界に同じ要素を持つ生物は長くは存在できないのよ。ちょうど今日の夜がタイムリミット」

「それで、手伝って欲しいというのは?」

「新しい世界を作るの」

 外界から遮断された幻想の理想郷。結界によって常識と隔絶された土地。人間と妖怪とのバランスが一定に保たれた場所。

「最近の世の中は人間が強すぎる。常識と非常識を隔てる結界で、衰弱している怪異を保全する」

「あなたには素晴らしい才能がある。結界を作る才能がね。最初に会ったときの握手ですぐわかったわ」

「宇佐見さんには初代博麗の巫女として、結界の管理と妖怪の力を制限して欲しいの」
 
「今すぐ決めろとは言わないわ。今日の夜までに決めて頂戴」

 扇子を閉じ、優しい笑みを浮かべて蓮子の肩に手を置く。

「どちらを選んでも、あなたの選択を尊重するわ」




「ちょっと蓮子? さっきからぼけっとしてどうしたの」

「……え? ああ、なんでもないわよ」

 美しいレンガ造りの町並み。煌びやかなガス灯。若干洋風とは違う擬洋風建築。ざんぎり頭で往来する人々。メリーはせっかくの明治観光だというのにどこかうわのそらな蓮子を不思議そうに見る。別段具合が悪そうというわけでもない。

「知恵熱? 無駄な思考はよしなさい」

「わたしから思議をとったら何になるの」

「気持ち悪い目が残るわね」

「ならメリーには気持ち悪い目しかないのね」

「わたしには単位があるわよ」

「ぐぬう」

 着物と袴に身を包んだ2人はかろうじて明治の町並みに溶け込んでいた。明治初期ごろの女学生は従来の着物だと欧米の机と椅子という授業スタイルに合わないという理由で、着物と袴という和洋折衷の服装を採用した。いわゆる書生スタイルというのはこのころの学生ファッションの事を指す。
 未来に生きる2人には少し違和感を感じる服装だろう。

「知恵熱は乳児の発熱よ? わたしは赤ちゃんじゃないんだけど」

「赤ちゃんみたいなもんでしょ」

「……メリー、昨日の夜からわたしへの当たりがきつくない?」

「気のせいよ」

「宇佐見様、マエリベリー様。あそこで人力車に乗れますよ」

 紫は用事があるとのことで、付き添いとして藍が付いてきている。よく買い物に来るらしく、この辺りの地理に詳しいので案内をしてもらっていた。

「ほんとですか! メリー! 行きましょ!」

 人力車は1870年から日本に普及した。運賃の安さや玄関先まで届けられるという小回りの良さが大衆に受け入れられたようだ。
 観光用では営業はされているが現在一般の交通手段としての人力車は存在せず、博物館に収蔵されているほど珍しい。ただ展示されているものは展示用に新しく作られたものもあるのだが。

 鹿鳴館まで、と簡潔に藍は告げる。固めの座り心地をした椅子に腰掛ける。3人が乗れるくらいの大きいタイプのようだ。

「ひゃー! 結構速い!」

 初めて人力車に乗った蓮子はテンションが上がっていた。楽しい時間はすぐ過ぎるもので、気づく頃には鹿鳴館の前についていた。

 立派な洋風煉瓦作りの建物だ。これなら確かに欧米へのアピールになり得ると感じる出来である。なんでもお雇いの英国人建築家が設計を手がけたらしい。

「へー結構立派じゃない」

「1883年に1200人を動員した祝宴が開かれたらしいわ。1年遅かったわね」

「見た目だけは素晴らしいのね」

 皮肉たっぷりにメリーは言う。

「外国への接待とか舞踏会だけじゃなく、国内行事もしてたらしいわよ」

「中って入れるのかしら」

「行ってみましょうか」





「次は何処に行く?」

 結局、鹿鳴館には入れてもらえなかった。ちょうど舞踏会の練習時刻だったため、部外者は入れられないとのことだ。諦めて旧江戸城や日本橋、まだ建ったばかりの日本銀行などを見物した。蓮子達はかつての首都機能を新しい状態で、3DCGではなく生で見られたことに一入の感動を覚えていた。
 そろそろ夕日が見える頃だろうか。刻一刻と今日は終わっていく。

「住吉大社に行きたいわ。この頃は埋め立てはすすんでなくて、目の前が海だったらしいの」

「大阪じゃない。この時代だと鉄道で20時間くらいかかるわよ」

 素で言っているのかボケなのかわからないメリーを軽くあしらい、東京の通りを進んでいく。
 気づくとだんだん日が沈んでいる。夕日がレンガの道を照らす美しい光景に息を呑む。どれだけの時がたっただろう、夕日が沈みきってあたりに闇が訪れた。ガス灯の光が足元を照らし、空には星が浮かんでいる。

「12月20日午後5時37分」

 蓮子が小さくも明瞭な声で言った。月は雲に隠れて見えない。

「お帰りの時間です。紫様が呼んでいる」

 藍は早足で誰もいない路地へとはいっていった。2人は黙って藍について行く。向かった先には、もう見慣れたスキマが浮かんでいた。

「おひとりづつしか帰せませんので、マエリベリー様からお入りください」

 藍がメリーをスキマの前へと案内する。



「じゃあまた後でね、蓮子」





「――――ええ、さよならメリー」




 手を振って、微笑んで蓮子は見送った。メリーがスキマをくぐった瞬間、そのスキマが消える。
 静寂が訪れたのもつかの間、蓮子の後ろから声が響いた。



「もう決めたのね、宇佐見さん」

「はい。もうわたしの決めたことは変わりません」

「それじゃあ聞こうかしら。わたしと一緒に、こっちに残ってくれる?」

 なぜか縋るような声だった。問いを投げかけているのに蓮子に頼んでいるような、そんな声だ。




「こちらには残れません」





 蓮台野にある冥界を見に行ったときも。




 現の夢の話をしたときも。




 日本で一番日本的な偽の景色を見たときも。




 カフェで月面へと思いを馳せたときも。




 夢の衛星を見たときも。




 地底から見つかった物質を探したときも。




 活動についての本を作ったときも。




 旧型酒の香り漂うバーへ入ったときも。



 ずっと隣にいた。




「わたし達は2人で秘封倶楽部だから」





「そう。あなたが選んだのならかまわないわ」

 紫はどこか嬉しそうな、寂しそうな複雑な表情を浮かべて呟いた。もう一度同じ場所にスキマを開き、そこへ入るよう促す。

 しかし蓮子は動かない。じっと静かにスキマを見つめている。数十秒ほど思案した後、くるりと振り返り紫を見た。

「宇佐見さん? どうしたの――」




「やっぱりあなた、メリーでしょ」




 蓮子が言う。八雲紫へ向けるのは敬語ではない。蓮子がメリーに向けて発する、いつもの口調だった。

「何を、言ってるの?」

「あなたがメリーだと言ったのよ」

 紫は震えている。扇子を取り出す手もうまく動いておらず、地面へと落としてしまう。いつのまにか浮かんでいたスキマは消えていた。

「……どういう点からその結論を導いたのか、教えてもらいましょうか」

「まず最初はメリーのことをマエリベリーと呼んでしまったことね」

 淡々と話す。もう八雲紫に対する態度ではない。蓮子は旧友と話をしていた。

「あとはメリーと仕草とか雰囲気が似てたの。こんな風にね」

 前髪をくるくると指に巻きつけながら言った。メリーが蓮子の話をあまり聞いていないときによくする仕草だ。

「…………」

 紫は何も言い返さない。

「ここからはわたしの推測なのだけれど――――」

 蓮子が紫を正面から見据えた。

「あなたも未来から来たんじゃない?」


「宇佐見蓮子!!!」


 背後から怒号が飛ぶ。目を見開き、毛を逆立てた九尾が蓮子の首を難なく掴んでいた。溢れんばかりの殺気が、空間に充満する。

「貴様は紫様にとって毒だ。ここで殺す!」

 狐は手に渾身の力を込めようと試みる。その瞬間、藍は紫の後ろへと移動していた。スキマが藍と蓮子の間に浮かんでいる。
 首から手が離れた蓮子は苦しそうに咳をしていた。

「げほっごほっ」

「なっ」

「藍、ちょっと黙ってなさい」

 指を鳴らす。それをトリガーに、蓮子の周りに結界が張られた。神社や寺院に貼ってある世界を区別するような結界ではない。八雲紫の妖力がこもった、内部を保護するための結界だ。

「紫様! この人間はあなたにとって有害です!」

「大丈夫よ。この蓮子はわたしの蓮子じゃない。あなたの思ってることは起きないわよ」

 殺意を放つ狐を窘めた後、紫は蓮子の前へ進んだ。藍は姿勢を正し、バツが悪そうに後ろに立っている。

「どこからわかったの?」

「昨日いろいろとこちらの世界について質問したとき、えらく詳しく知っていたじゃない? あなたもわたしみたいに、タイムパラドックスの有無について気になって調べたのかなって思っただけよ。現代にしかない言葉も話してたし」

 明治時代に生きる妖怪にしては、世界の情勢について詳しすぎると蓮子は判断したのだ。もしかすると自分と同じ理由で詳しく調べたのではないだろうか、と用意に想像はできた。

「確信したのはあなたがメリーであることを否定しなかったときよ。結界で時空間を移動できる以上、メリーよりも能力の幅が広くなっている。したがってあなたは未来のメリーよ。違う?」

 得意気に語る。宇佐見蓮子は笑っていた。

「いつもは迷い人なんて相手にしないからぼろが出ちゃったのね。蓮子の言う通り。わたしは2×××年からきた、マエリベリー・ハーンよ」

八雲紫は妖怪の自分を棄て、今だけ人間になった。かつての相棒と話す無邪気な少女に。

「2×××年? かなり未来から来てるのね」

「2×××年には寺社が1つも残ってない。科学という宗教に人々は囚われてしまった。怪異がまだそこらじゅうにいるこの時代へと遡って、不思議と非常識を守ろうとしているの。まさかあなたに会うとは思ってなかったけどね」

「え? メリーはわたしとここへは行っていないの?」

「……ごめんなさい蓮子。数百年と生きてると、記憶なんて曖昧なものはすぐに抜け落ちていくのよ」

 圧倒的な時間という川の前では人の記憶など一滴の雫に過ぎない。どれだけ大切に保管し、管理し、維持しようとしても、いずれは忘却という名の海へと沈む。それが数百年も続くならなおさらだ。
 宇佐見蓮子という人物の情報は外部の媒体に刻めるが、共にいたときの感情や情緒など記録しようがない。“楽しい”という言葉自体は残せるが、そのときの気持ちを言葉に変換している時点で無意味だ。マエリベリー・ハーンもそれをわかっていて、宇佐見蓮子という名前だけを長い間記録していた。

「会えて良かった。あなたをここに残らせるなんてただのわたしの傲慢、わがままよね」

 それだけ言うと、落としていた扇子を拾った。扇子を広げて満天の星空へ掲げると、蓮子の後ろにスキマが現れた。

「ありがとう、宇佐見さん。あなたのおかげでやるべきことが再確認できましたわ」

 彼女はもうマエリベリー・ハーンではない、八雲紫という妖怪だ。

「紫さん、メリーにこう伝えてください」

「何かしら?」

 蓮子は白息を吐く。雲に隠れていた月が、いつの間にか顔を出している。

「今夜は“月が綺麗ですね”って、伝えてください」

 まぶしいほどの笑顔で蓮子は言った。

「……ええ、ええ。任せてちょうだい」

 2度頷き、すこし頬を赤らめて紫は言った。

「ほら、あなたのいるべき世界へお帰りなさいな」

「はい。いろいろとお世話になりました。さようなら、紫さん」

 向こうではメリーが待っている。遅いと心配しているかもしれない。いやメリーのことだ、頬を膨らませて怒っているだろうなと想像しながら蓮子はスキマをくぐる。元の世界へと戻る直前――――



「“死んでもいいわ”」



 後ろからメリーの意地悪そうな声が聞こえた。







「紫様。本当にあれでよかったのですか」

 マエリベリー・ハーンは泣いていた。幻想郷の管理者としてでも、妖怪の賢者としてでもない、ただ1人の少女として。友人との2度目の別れを涙無しで済ませるほど、できた人間ではない。

「蓮子はわたしがいなくても大丈夫。メリーがいるもの」

 メリーは涙を袖で拭うと、自分のそばにスキマを出した。

「行くわよ藍。八雲紫にはやることがいっぱいあるんだから」

 八雲紫はスキマへと入っていく。幻想郷が作られるのは、そう遠い未来ではない。




◇ ◆ ◇




「そろそろ起きない?」

「んー、あともうちょっとだけ」

 先ほど目を覚ました蓮子はメリーの膝に頭を乗せていた。しばらく寝ていたらしい。メリーはあきれながらも、そのままでいてくれるようだ。

「天体観測してたら気絶してるし、気づいたら2日もたってるし、いったい何が起こったのよ」

「2日も意識を失うって何かの病気を疑うレベルよね」

 2人のそばには確かに望遠鏡が置いてあり、遠くから電車の音が聞こえてくる。20××年現在の日本は首都を東京から江戸に左遷させ、人口減少によるデメリットを上手く回避し選ばれた人間による勤勉で精神的に豊かな国民性を取り戻す事に成功した。科学が進化しすぎた世界、科学世紀。いつか子供達の笑顔も合成で作れるときがくるかもしれない。

「わたしはメリーの夢を見てたわよ。明治時代の」

「え? どうしたの、まだ寝ぼけてる?」

 怪訝そうな表情で蓮子の顔を覗き込む。やはり蓮子は人の話を聞かない性質らしく、返事もせずに会話を続ける。会話になっているのかは疑問だが。

「メリーは何か覚えていない?」

「夢は見たわ。蓮子と一緒に誰かと会っていた気がする」

 蓮子は嬉しそうに笑った。

「ねえ、メリー。宇佐見蓮子っていう人間が、生きていたという事実だけは覚えていてね」

「何そのお願い。まぁ、いいわよ。永遠に記憶しておくことにするわ」 

 心底嬉しそうな蓮子を見て、何がそんなに楽しいんだろうかとメリーは呆れる。付き合いは多少長いものの、いまだに1日に数回は呆れている気がする。ただ、ころころと話題が変わる蓮子との会話に、心地よさを見出しているのは事実である。
 相棒の呆れ顔などよそに蓮子は立ち上がった。

「そうだメリー、大学の近くに鴇の味噌汁がおいしい店があるそうよ。今度行ってみない?」

「どうせ合成だろうけどね」





初めまして、てんなと申します。最後まで読んでいただき、感謝の言葉もありません。
先人達がすでに書いてきたであろうタイムスリップ秘封ですが、書いていてとても楽しかったです。
なかなか投稿するのに神経を使いますね。緊張しました。

処女作なので矛盾点や拙い描写等、多く見受けられると思いますが、1人でも楽しんで読んでくれた方がいれば幸いです。
てんな
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.760簡易評価
1.80仲村アペンド削除
退廃的な未来と生命力に満ちた魅力的な過去、それにもまして大切な二人の時間と、秘封の二人らしさが出ていて良いと思います
2.80電動ドリル削除
「ってことでメリー! 過去を、星を視に行くわよ!」
こういうキラキラした台詞、好き!

スッキリしたお話でした。
ゆかりんの正体について、こういうパターンもあるんですね。なるほど、連メリとはこういうものか……。
処女作とのことですが、文章もしっかりしていて読みやすかったです。ただ台詞に関してはどれが誰の台詞かわかりづらいところがありましたので、台詞の直前に字の文で誰が話しだしたのかフォローしたり、台詞の中に話し相手の名前を織り交ぜたりすればより読みやすくなったかと思います。
3.80名前が無い程度の能力削除
原作ブックレットの言い回しをさらりと引用したりするところが良かったです
5.70奇声を発する程度の能力削除
良い雰囲気でした
9.70名前が無い程度の能力削除
蓮子と紫の会話が良かったです
ただメリー=紫ものとしては少しあっさりめかなという印象
12.80名前が無い程度の能力削除
純粋な秘封、とてもよかったです。
ただ、一行あけるタイミングが不思議だったり、誤字が多いのが気になりました。
今後もたのしみにしています。
14.無評価アキュリズム削除
読み入ってました・・・!描写が細かくて情景が分かりやすかったです蓮子とメリーの台詞の言い回しも秘封感漂って最高でしたこれが処女作って・・・!てんなさんすげぇや!
15.80優樹削除
王道な秘封、良かったです。
蓮子とメリーのお洒落な掛け合い、ゆかりん=メリー説を取った出会いと別れ、良いですよね。
行の空け方(書き方)が個人的には好みではなかったですけど、良い秘封物でした。有難う御座いました。
16.90名前が無い程度の能力削除
明治17年にこだわるポイントがちょっとわからなくて物語に荒削りな感じがしましたが、話はちゃんとまとまってて読んでて楽しかったです。題名が凄くワクワクする感じでしたので次回の作品も楽しみにしています。
17.100SYSTEMA削除
この細やかなところがたくさん書いてあって楽しかったです。
18.80絶望を司る程度の能力削除
うまく言えないんですけど、まさに秘封倶楽部って感じでとても良かったです。
19.100大豆まめ削除
これぞ秘封倶楽部、って感じがして好きでした。
ウィットに富んだ二人の会話、紫とメリーの関係性などなど、久しぶりにストレートな秘封を読ませていただいたような読後感でした。

> 一面に雪が積もった大地に、様々な紅色を混ぜたような強烈な色彩を放ちながら夕日が沈んでいく。夜が降りてくる。

私、この一文好き!
21.90kosian64削除
蓮子が返事をするシーン良いですね。それとメリーと紫を混ぜるのも。
秘封らしい?作品でした。
22.90ポンチャイ削除
蓮子とメリーの掛け合い、地の文の情景描写が好きな雰囲気で、楽しく読ませていただきました。
特に、蓮子と紫の別れのシーンからラストにかけての展開がとても良かったです。

地の文や会話の中で、因果関係や論理が若干飛躍しているように感じる部分がありましたが、全体の構成がまとまっていて良いストーリーだと思います。
23.90名前が無い程度の能力削除
これは秘封
27.90もなじろう削除
読むのがだいぶ遅くなりましたがとても面白かったです!
処女作でこのクオリティは本当にすごいと思います
28.90名前が無い程度の能力削除
紫とメリーと蓮子の関係性について大胆に切り込んだ読み応えのある作品だなと思いました
30.100あの人削除
メリーの手を取って蓮子が前へ前へと引っ張って行く
そんな秘封の二人らしさが溢れた作品のように感じました
大変に面白かったです