Coolier - 新生・東方創想話

虎穴にネズミ。虎児を得る?

2017/08/15 16:37:12
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 紅魔館。その名のどおり何もかも紅く、悪魔が住み着いている館だ。
霧雨魔理沙は紅魔館の前へ来ていた。

「美鈴......は寝ているのか? いや、実は寝ていなかったり......」

紅美鈴は門番だがいつも寝ている。起きているこ自体が珍しい。
 実は狸寝入りという噂もある

「そ~と、そ~と。気づかれずに......」

 忍び足で秘密の入口に向かおうとする。秘密の入口とは本を借りるために外壁の下に小さな抜け道を作ったのだが、すぐに咲夜に見つかってしまい、意味のない結果になってしまったのだ。それでも魔理沙は挫けない。

「.........魔理沙さん?何してるんデスか?」
「っおぉ!?起きてたのか!?」

 急に起き出す美鈴に驚きを隠せない。実にいい仕事をする門番である。

「はい。魔理沙さんの気配がしたので......あの何か御用ですか?」
 
 ニコニコと微笑みながら呼び掛ける美鈴

「あ あぁ、ちょっとフランに会いに行こうとな......」

 頭を掻きながら、少し躊躇い口調で答える。

 「そうですか......フラン様に会いに......分かりました。通ってください」

 お辞儀をして、門を開ける。

「はっ?いいのか?そんな簡単に通して」
「はい。今日は泥棒じゃないようですので。ちゃんと門を通ればお客様です」
「そうかよ。でも私が盗まないと信じられるか? もしかしたら盗むかもしれないぜ? フランとな」
 魔理沙は人を騙すのが得意で、息を吐くように嘘をつく。
  
「ご冗談を。本当に盗むならそんな事言わないでしょう? 信じてますよ魔理沙さん」

 美鈴はしたり顔で話す。
「あぁ、そうだぜ。 ......美鈴あまり人を信じすぎるのはダメだぜ?.......」
「ん? 後の方が聞こえなかったのですが......」
「あー、気にしないでくれ。一人言だ。そろそろ通らせてもらうかね」
 
美鈴は門の横に立ち魔理沙が中に入るまで見届ける
 
「ありがとさん。じゃあな美鈴。しっかり"門番の仕事"しろよ?」
 
 そう述べた魔理沙は門の中へと入っていった。





「.......魔理沙さんは何を言いたかったのでしょうか......」






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長くどこまでも紅い廊下。外見とは異なった広さ。まさに悪魔の住み着く館だ。
 
「何度もお邪魔している私はこれくらいじゃ迷わないぜ?」
「あらそう、お邪魔しないでほしいわね。見栄を張らない方がいいわよ魔理沙」

 後ろから透き通るような声が聞こえてくる。
 
「張ってないぜ? 咲夜。後、私がいつ邪魔したんだ?」
「パチュリー様の読書を邪魔するネズミでしょ?」
「おいおい。私はネズミじゃない。人間だ。困るなそこ間違えちゃ」
目を細めて鋭く魔理沙を睨み付ける。

「今日はフランに会いに来たんだ。他に用事はないぜ?」
「ふーん。分かったわ。勝手に行きなさい」
「そう言ってくれると助かるぜ。じゃあな咲夜」
 
 言うが早いが魔理沙は咲夜の横を通りすぎて行く。

「仕事の続きをしましょう」
  
 咲夜は長い廊下を少し速く歩いていった。








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 目の前には閉ざされた巨大な扉。普通の人間では開けることすら出来ないであろうこの扉をどうやって開こうか悩んでいた。

「でかいな......開く方法は.......あっ! アレを使ってみるか!」

 ポケットから取り出したものは少し赤黒い液体が入った小さなボトル。
 「前より威力が上がってるぜ? これを投げれば開くに違いないな!」
 
 自信満々な笑みを浮かべ、投げる構えをとる。
「いくぜ! 合言葉は、爆発はパワーだぜ!」

 扉に向かってボトルを行き良いよく投げつけた。
    ドバァァァン!
 扉に接触した瞬間、ボトルは大爆発した。が目の前の巨大な扉はびくともしない。
 
「嘘だろ? ......ありえないぜ.......」
 
 魔理沙は肩を落とし、唖然と巨大な扉を見つめる

「どうしたらいい? 開くのか? これ.....」


    バァァン!
「うるさぁぁい!」

 いきなり扉の前にいた魔理沙を吹き飛ばし
扉が行き良いよく乱暴に開かれた。扉を開けた本人はフランドール。吸血鬼だ。なので人間の力では開けられなくとも、フランであればこの所業を普通にこなす。

「.......ってて....なんだ?」
「うるさいよ! ゆっくり寝てたのに!」
 
 魔理沙の目の前には、背後に何か凄いオーラを纏っているフランがいた。

「フ フラン!?まて!起こして悪かったぜ!」
「許さない.....ワタシの眠りを邪魔するものは......壊しちゃえ!あはははは!」

 フランの瞳には理性が宿っていない。寝起きでしかも、無理やり起こされたのだから機嫌が悪くなっても仕方ない。
 フランは高く手を挙げた。そのまま魔理沙へ降り下ろす。人間が食らえば即死だろうという威力。



  ___フランは本気で殺しに来ている......
         このままでは殺られる!......___
 
「フラン私を恨んでくれるなよ!」
     
      恋符「マスタースパーク!」
 
 瞬間、フランは眩い光線に包まれ吹き飛び、部屋の奥の壁に激突し
落ちる。



「まさに危機一髪だぜ。......フランは大丈夫か?

 魔理沙はフランを吹き飛ばしたこと心配している訳ではない。むしろ、精神状態を心配しているのだ。
 
「すまん!大丈夫か?」
「ぅぅぅぅ......大丈夫。私の方こそごめんね」


頭を抑えながら答える。

「謝るなよ。大丈夫だって。危ないときは私が止めてやるからよ!」
 
 フランの肩に手を置き、笑いながら慰める。
 
「うん!魔理沙を信じるよ!」

 いつも通りの調子に戻り、元気を取り戻した。

「おう!私を信じろ! で、聞きたいことあるんだがいいか?」

 周りをキョロキョロしながら、最後の方の声をわざと小さくしてフランに聞く。
「何を聞きたいの?」
「実はだな......」





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「ここでいいんだよな?」

 魔理沙達がいる場所はフランの姉ことレミリア・スカーレットの寝室前だ。
 
「うん。そうだよ! 確かお姉様の部屋に繋がっていたき気がするの」
「...よし!開けるか!」

 意を決して扉を開く。
中に入っていくと、まず最初に目にしたのは紅い天蓋付きベットだった。
 
「相変わらずめが痛いぜ。レミリアは紅にこだわっているのか?

わざとらしく目を抑える
「さぁね。私もお姉様の趣向理解出来ないし」
「あはは......それはいいとして。咲夜は来ないのか?」

 今いるのはレミリアの寝室。すなわち一番危険な場所にいる。

 「大丈夫だよ。今はお姉様のところで紅茶をいれている時間だと思うから」
「そうか。それは良かったぜ......」

 レミリアは紅茶を飲む時間にはこだわっている。
 
「あ、ちょっと待ってて!」
 
 そう言うとフランはポケットから紙切れみたいなモノをベットの中に入れた

「うふふ。絶対お姉様の戸惑う姿が見られる! うふふ......」
 
 うふふと笑うフラン。ちょっとばかし不気味な雰囲気である。
 
「お、おう......その笑い方止めてくれ...」

 嫌そうな顔でずっと"うふふ"と笑うフランと見つめている。










 「で、落ち着いたか?」

 暫く笑っていたので待つことにした。

「うん。ごめんね!お姉様の困っている姿を想像したら笑いが止まらなくて!っぶふ! アハハハハ!」

 再び笑い出す。いや、もはや爆笑という領域である。

「何を入れたんだか.....。で! 本当に図書館はここから繋がっているのか?」

 魔理沙はほぼ呆れを通り越している

「本当だよ。えっとね......確かにここに.......」
 
 フランはベットの裏側の壁を叩く。次に腕を伸ばし壁に爪を立てる。そのまま壁を引き裂く!......とはならず、壁紙を剥がすように
下へ引く。
 現れたのは木製の壁だ。

「ここを押すと......」

 木製の壁を手で押す。すると、壁は開き狭い階段が現れた。足場は暗くて見えない。

「ほら! あった! 図書館への通路!」
「いや何でレミリアの部屋にあるんだよ!?」

 魔理沙は溜まりに溜まった疑問をぶちまけた。

「いざという時のために私が作ったの! お姉様が出かけている間とかにこっそりとね。もちろん咲夜と出かけている時だけだよ!」

 まだまだお姉様のお部屋を改装(改造)していくつもり付け足す

「何だかレミリアが可哀想に思ってきたぜ......」

 姉は妹が知らず知らずに自分の部屋を改装されていることに気づいていないとは......魔理沙は少し同情した。

「行こうよ! 魔理沙!」
「あぁ!」









「暗いな......転けるなよ? フラン」
「魔理沙こそ転けないでね」

 足元が見えないし狭い。魔理沙は最初から通路に期待はしてなかった。今から行くところ危険地帯だ。

「虎穴に入らずんば虎児を得ずだぜ......」

 そんな事を思いながら着実と進む

「ん? なんか言った?」
「何でもないぜ。ただの一人言だ」











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 アレから魔理沙達は結構進んだ。今のところ何の問題も起きていない。

「もうすぐか? しっかし本当に何も見えないな」
「当たり前だよ。私しか通らないんだから」

 すぐ後ろにフラン。魔理沙にしがみついている。

「いい? 魔理沙。作戦通りにだよ。引き出しの中にあるから」
「あぁ。分かってるって。あれだろ? 成功しても完璧に見つかるから派手なのを一発カマして逃げりゃいんだろ」

 それでも上手くいくかわからない。でもそれしかない。

「おっと、出口だ!」

 やっと狭くて暗い通路から逃げ出せた。出口の先には広大な図書館が目に映った。真ん中に、机に向かいながら本を読んでいる少女がいる。彼女はパチュリー・ノーレッジ。全く外出しない不健康な少女だ。

「よし、行くぞフラン」
「うん!」

 腰を落とし静かにパチュリーへと近づいていく。正確には机の引き出しに用がある。

「準備はいいか?」
「いつでもいいよ」

 魔理沙はポケットから石ころを出し、遠くへと投げつける。
      コトォン
 音が響く......パチュリーは音がした方へ注意を向ける

「今だ!」

 魔理沙が動きだし、パチュリーが注意を払っている間に目的のモノを盗み出す。チャンスは一回。これを逃せばもう盗むことは不可能であろう。

「よし! ゲットしたぜ!」
「っ!? 魔理沙!? 何をっ...それは!」

ようやく気づいたのかパチュリーは魔理沙に目を向ける。

「警戒が厳かだぜ? パチュリーさんよ!」

 どこから取り出したか分からないが箒に股がり広大な図書館を駆け抜けて行く。パチュリーの警戒は完璧だ。ただ、今日は運が無かったのだ。

「むきゅ!? 小悪魔! 魔理沙を追いかけなさい!」
 
 パチュリーはすかさず小悪魔を呼ぶ

「パチュリー様ー! ご無事ですか!? またあの白黒ネズミですか! 直ちに片付けて見せましょう!」

 直ぐに駆けつけた小悪魔。戦闘態勢に入るが

「そうはさせないよ!」

 本棚の後ろに隠れていたフランは小悪魔の背後から蹴りを入れる。

「むぐっ!?」

 小悪魔は不意な一撃で倒れた。

「フラン! 何を!?」
「ゴメンね! パチュリー。何の利点もないけど、今日は魔理沙の味方なんだ!」

 満面の笑みで返す。

「くっ!......全く今日は不運ね...」

 流石に諦めたようだ。パチュリーにとっては本は命と同じかそれ以上。どんな本であろうとそれはかわりない。パチュリーが諦めたのは今日戦う事であって、けして本を諦めた訳じゃない。



     「おやすみ! パチュリー」











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「静かになったな。フランが上手くやってくれたのか? まぁいいか! 手に入れたいモノがゲットできたんだからな! うふふ......っと無意識って怖いな」
 
 図書館の窓へ近づいた。そこを越えれば外にでれる。魔理沙は窓ガラスを割り、飛び出す。



「よう! 美鈴! ご苦労さん」

 上から美鈴を見下ろす。

「魔理沙さん! 信じていたのに! 盗んだのですか!?」

 既に魔理沙のしたことは知り渡っているようだ。見ていた妖精の仕業だろうか。
 怒りを露にする美鈴。単に、不要人すぎるのだ。

「最初に言ったろ? "門番の仕事"はしっかりしろよってな! それと、"盗む人はそんな事は言わないですよね?"ってセリフはもう通じないぜ? 盗むからわざと"はいそうです"と答えるんだ! その言葉を言ったら最後利用されるんだよ。肝に銘じとけ! 門番!じゃあな」

 それだけを言うと猛スピードで飛んでいってしまった。

「......次からは絶対に騙されませんよ!」




















「.........むきゅ......私の......私の大事なモノを盗まれたわ。次来たときは魔理沙、責任取りなさいよ」

 パチュリーはまた1つ大事なモノを盗まれたのだった。たぶん魔理沙が次来たときは最初から激しい歓迎が待っているであろう。
寝室にて



「咲夜何だか今日は騒がしかったわね」
「はい。何だか、ネズミが入り込んだとの話が」
「そう」
「それで...お嬢様......これは...」
「ち、ちがうの! これはそう!フランの仕業よ! わ、私が咲夜の寝顔を盗み撮ったりしないわよ!」
「お嬢様......分かりました」
「ちょっと! 全然分かって無いでしょ!?.........フーラーン! 覚えておきなさい!」


 そしてどこからか、笑い声が響いていたと後日妖精達が話していた。



      「うふふ。大成功!」





*******************
私は書くことを諦めない! 魔理沙を書くのが楽しいです。
もっと試行錯誤をしていきたいです。
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コメント



0.130簡易評価
1.無評価名前が無い程度の能力削除
だからなんで毎回闇討ちするの?
6.無評価名前が無い程度の能力削除
引き出しが少ないうえに浅いから配役だけ変えたワンパターンの映像を繰り返し見せられてる気分