Coolier - 新生・東方創想話

『オズワルドの祈り』上

2017/07/17 16:41:55
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 真夏の昼下がり、里の民家に置き薬をするというごくごく日常的仕事からの家路を急いでいた私は、恐ろしいものを見つけてしまった。それは、あまりにも危険な姿をした妖怪?だった。
その妖怪の大体の出で立ちというのは、一見すると黒い毛並みに覆われていて、顔と思わしき部分は白い毛並み、目と鼻は黒豆のような形をしていて、ふと純真さを思わせる、子供受けしそうな見た目をしている。
まぁ何が言いたいのかというと、某夢の国のヒーローを縦長にしたような形をしているのだ、それが、つぶらな瞳から涙を流して「くすんくすん」と泣いている、いかにも気の毒な光景だが、私はどの戦場にいた時よりも緊張していた。
 いや、まずいっしょこれ
例のネズミ男のチャームポイントとおぼわしき耳の部分は、まるでウサギのように細長くなっていて、赤いパンツも青色になっている。なんというか、とても似ている、もしかすると、夢の国の諜報員が幻想郷にやってきてこの国の妖怪をせん滅する作戦でも始めたのではないだろうかと不穏な予想が私の頭をよぎる。これに話しかけたら、どこかのSCPのように襲ってきて首をへし折られたりするのではなかろうか?私もこの世界にきてしばらくたつから、某有名テーマパーク、ネズミの夢の国の作品はいくつか目にしたことがあるし、軽快な音楽やリズミカルなアニメーションなどというのは、兵士であった私にとって素晴らしい娯楽であったし、しばし現実を忘れて彼の活躍に心を躍らせたものである。
 だとすると、この目の前にいる、彼のそっくりさんは一体全体どういう存在なのだろうか? 大陸の皆さんが作った海賊版ネズミ? それともどこかの躍進的な絵描きが作った版権ギリギリのキャラクター? いずれにしても私の手におえる代物ではない、博麗の巫女ですらこの妖怪に対してなすすべはあるのだろうか? 一番最善の作戦はこのまま何も見なかったことにして立ち去ることだったが、それはそれで後々夢の国の世界から、キャラクターをないがしろにしたという理由により幻想郷に宣戦布告された場合私は幻想郷壊滅の原因を作ったA戦犯ということになりえる。
 しかし、なんというか、彼の出で立ちを見ていると、どうにも妙な感じを受ける。大陸の海賊版のキャラクターにしては、実にコミカルだし、親しみ深い、まるで、そうまるで「同じ作者が作った」と言われても何ら違和感のないフォルムをしている。もしかしたら、私が知らないだけで埋もれてしまった夢の国のキャラクターなのかもしれない。しかし、私もあのテーマパークのアニメーションが好きなので、色々と作品を見てきたが、こんなキャラクターは見たことがないし…。いやはや、どうしたものかこの摩訶不思議で危険な生き物を。
 私が持った、彼に対する第一印象はおおよそはそういうものだった。



『オズワルドの祈り』



オズワルドを取り戻せ
ひそかに私たち歴代管理者達がウォルトから受け取った静謐で固い決意を決行する日が来た。世界中から保護法などと揶揄されるキャラクターたちを守る版権まわりの偏執的とも呼べる対応はすべて彼から始まった。貧しい一人のアニメーターが初めて作り出したウサギの友人を奪われてからもう80年近くが過ぎようとしていた。いや、友人ではなく、息子と呼ぶべきだろうか。実際彼はそういう風に考えていたようだ。しかし、80年という長すぎる月日が経過した今、私たちも初代社長の長男をまたどうやって舞台の上に立たせるかという問題はある。
「ゲームはどうだろうか?」
「ひそやかではあるが、ランドのどこかに彼の人形を売りに出したい」
そういった話もちらほらと聞き及ぶようになった。さぁ、今からこの書類を届けに行くとしよう。



「父親を捜しに?」
 仕方なく、本当に仕方なく、私は彼に話しかけてなぜ彼が悲しく泣いているのか聞き出すことにした。それと、彼の種族は、ネズミではなくて、ウサギらしい、なるほどそのアンテナのように細い耳はウサギだといわれてみるとそんな感じだ。最近ウサギとかかわるとろくなことがなかったが、彼と話していると、なんだか優しい気分になれた。同種族ということもあって、彼も多少は私に気を許したようで色々と話してくれた。
「お父さんの名前は?」
 幻想郷にはるばる父親を捜しに来るなど、なんと孝行息子なことか、ということで早速父親の名前を聞くと、このパちものウサギはとんでもないことをのたまってくれた。
 父親の名前はウォルター・ディズニー
 どうやらこのウサギ、あの夢の国のちょびヒゲ総統の息子らしい。しかし、私は彼が登場した作品のことを知らないので、おそらくボツになったキャラクター?ということなのだろうか。それならばこの黒いうさぎが幻想郷に流れ着いた理由にも納得がいく。にしては、書きなぐり感がないし、妙にキャラクターが立ってる感じがあるが、創作の世界というのはかくも厳しいものである。
「とりあえず、この辺危ないし、うちに来ない?」
 この時の私は、彼に昔の自分を重ねていたのだろう。行く当てもなく項垂れる、かわいい彼のことが気に入っていたのかもしれない。庇護欲という奴だろうか。ともかく私はこの愛嬌のある黒いうさぎを永遠亭に連れて帰ることにした。連れて帰った後に彼を見つけた、てゐが青い顔をして卒倒したり、師匠が弓を持ち出して彼に照準を合わせたりと、まぁそれは大変なことになったりした。
「へぇ、父親をね」
「ねぇ、師匠、幻想郷はどんなものでも受け入れる、でしょ? うちで面倒見てあげましょうよ、一応はウサギだし、夢の国からの亡命者ですよ?」
「このウサギの声、なんか、例のアレに似すぎてて怖いんだけど」
「ね、貴方、なんか面白いことしてみて」
 永遠亭は久々の珍客に大いに賑わっていた。彼は姫の要望通りに軽快なタップダンスを踏んでみたり、平面になったりして大いに姫を喜ばせていた。
「面白いわね、貴方、しばらくここで遊んでいきなさいな」
「え~…」
 てゐは彼がここに滞留するのが嫌らしい、なんでだろうか、こんなにかわいいのに。
「だって、やばそうじゃん…」
「姫がそういうなら、いいでしょ、うどんげ、暫くはあなたが面倒見なさい」
「はーい」
「そうそう、貴方の名前、何だったかしら? ねずみ男?」
「やめてください姫」
「オズワルドですよ、オズワルド」
 私は、彼の代わりに答えた、私の知る夢の国のキャラクターたちとは少し雰囲気の違う、賢そうな名前のように思えた。彼も私の言葉に笑顔で答えた。
「なんだか、どこかの大統領を暗殺しそうな名前だね」
 彼はそれを聞いてぷんぷんと怒る仕草をした、「あぁ、悪い悪い」と誰かが言うと彼はまたにっこりと笑顔で答えた。
 私は彼がこの世界に向いている気がした、この娯楽の少ない世界は彼のような愛嬌のある、かわいいうさぎにぴったりだと思った。
 彼の名前は、オズワルド。ひっそりと忘れ去られた、夢の国の長男。
 私は、彼がずっとこの国で私たちと一緒に暮らしていくことになるのだろうと、そう思っていた。
大統領暗殺犯の真実が明かされるのはあと10年後くらい
neo
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コメント



0.30簡易評価
1.20名前が無い程度の能力削除
最近は小学生の間でここに投稿するのが流行ってるんですかね?
3.10クソザコナメクジ削除
文献を漁りながら書いたことがよく伝わる文章ですね。何が言いたいのかっていうと他所でやれ。
4.80名前が無い程度の能力削除
不思議で面白かったです
5.70怠惰流波削除
一章で終わってしまっているのが残念です。そうそうわの風潮上、短いものでしたら一本にまとめて上げたほうがよろしいかと思いました。彼の国のネズミを鈴仙たちが知ってるのかとかはメタ的にともかくとして、あえてオズワルドを選び幻想入りさせる辺りが面白いと思いました。
8.無評価ゆうぱん削除
いくら名前変えても著作権とかありますからね、どうなっても知りません。

内容は、面白くなかったです。