Coolier - 新生・東方創想話

To my friend

2016/10/26 09:37:10
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 そう。すべては幻想であった。友達以上の関係になど、なれるはずがない。パートナー以上の価値など、異変解決の道具でない自分など求められるはずがないのだ。やめてしまおうか。私がいなくなれば、私が私でなくなったら、魔理沙は私を愛してくれるだろうか。後悔してくれるだろうか。愚かしい考えばかりが頭をよぎる。私がいなくなれば、誰が幻想郷を守るのだろう?紫?いや、違うか。私が使えなくなれば、きっと代わりを準備するだけ。私は何?なんで生きてるの?どうして生まれたの?教えて。誰か教えて。 助けて。
 愚かしい考えは頭をよぎるだけのはずであった。しかし頭から抜け出ても同じ考えが頭に流れ込む。頭を満たし、意識を犯してゆく。愚かしい考えは既に仮面を脱ぎ捨てた。
 仮面の下から、絶望が顔を覗かした。

 人形遣いの少女は石段を駆け上がる。黒い入道雲が後ろから迫り、道を濡らしてゆく。タイムアップぎりぎりで神社に駆け込む。すぐに屋根に雨が当たる音が聞こえてきた。
「どうやら雨漏りはしてないようね。れーいむーすこしあがるわよー」
ほこりの溜まった縁側へ上り、障子に手をかけ部屋の中へ入る。
「だめじゃない。ちゃんと掃除しないと・・・って、え!?」
布団に寝ている巫女の顔を見て少女は小さな悲鳴を上げる。涙で削り取られたかのようにくぼんだ頬。光のないうつろな目。よく見れば腕も木の枝と見まがうほど細く、血色が悪かった。今や巫女は餓死寸前であった。 部屋は雨音で満たされ、遠くから雷鳴が轟いた。

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