Coolier - 新生・東方創想話

幻想三十篇

2015/11/13 18:44:05
最終更新
サイズ
12.19KB
ページ数
1
閲覧数
3639
評価数
17/51
POINT
2940
Rate
11.40

分類タグ

1.跡

ある日、霊夢が境内を掃除していると魔理沙が三人やってきた。どうやら一人が本物で、他は狸と狐らしい。
魔理沙『さぁ、どれが本物の私か当ててみろ! 外したら今日の当番はお前だぜ!』
息巻く魔理沙たちは自信たっぷりだった。対する霊夢はいたって冷静。ただ、自分の首元をトントンと指差すだけだ。
二人の魔理沙が意味が解らず首を傾げる中、一人の魔理沙が慌てたように首元に手をやった。その顔は何故か真っ赤になっていた。
間抜けを見つけたような表情を浮かべる霊夢は一言呟いた。
霊夢「今夜もあんたの番ね。ご飯とか色々」



2.邪心

豊聡耳神子やその部下たちが住まう神霊廟、そこには仙道に憧れた者たちが多く入門してくる。
そのうちの大半は男性が占め、彼らは一様に目を血走らせて修行に励むものだから、神子は感心半分、疑問半分で聞いてみた。
神子「修行に励むその姿勢、大変素晴らしいものですが、何故そこまで必死になるのです?」
彼女に問われた壮年の男性は、気持ちのいい笑顔を浮かべながら答えた。
「えぇ、それはもう必死に頑張りたくもなりますよ。だって、いずれは仙人の方々直々に房中術を仕込んでもらえると、入門の際に青娥様が仰っていましたから!」
翌日、入門者の中に男性の姿は一人もなく、青の仙人は雷にでも打たれたような悲惨な姿で発見された。



3.甘言

さとり「人の心とはすなわち家です。誰もがそこでくつろぎ、荒れ、悲しみ、楽しむ。自分だけのプライベートスペースを持っています。それだけに、そこへの侵入は容易くさせず、鍵を掛けて守っています」
こいし「その鍵もお構いなしに土足で踏み躙るのが私たち覚なんだけどね」
さとり「その通り。私たちは鍵を必要としませんが、他の方々は言葉を鍵にして、相手の心を開かせるのです」
こいし「ふふーん。そうは言うけど、私の心の鍵はそう簡単に開かないんだから。お姉ちゃんに私の心を開かせることはできるかなー?」
さとり「今日の晩ご飯はこいしの大好きなお姉ちゃん特製カレーライス。食後にプリン付き」
こいし「にゃーん♪」



4.口達者

ある日、霧雨道具店の前でその親子が言い争いをしていた。いや、正確には父親が一方的に捲し立てているという方が正しいか。
お前ひとりのせいで自分が白い目を向けられる、お前は親の顔に泥を塗ったのだ、とそんな調子である。
そんな父親に対する魔理沙は柳に風といった調子でこう宣う。
魔理沙「あぁ、すまないな、親父殿。泥を貼り付けたその顔のままじゃ生き辛かろうが、まぁ、これからも私という恥を上塗りしたまま頑張ってくれ」
これに父親は怒りのあまり酸欠で倒れてしまった。不肖の娘に助けられるなどこれ以上の恥はないだろう、というなけなしの気遣いを発揮した魔理沙は、さっさとその場を去っていった。



5.キラキラ

燐「カラスは光ものが好きだって言うけど、お空は全然そんな感じじゃないねぇ」
空「うん、そう欲しいものはないかな」
燐「そうかい。もし欲しくなったらあたいに言いなよ。あんたの頼みなら多少の無茶くらいはしてやるからさ」
空「お燐の瞳は綺麗だもんね。わかった、欲しくなったら言うね」
燐「うんうん……ん?」



6.パパ募集

小鈴はお父さんが好きです。でも、ご本を買ってくれるパパはもーっと好きです。



7.人間って大変

妖怪の相手に頭を悩ませているのが霊夢。
霊夢に対して頭が上がらないのが魔理沙。
メイドとしては頭が切れる方なのが咲夜。
とにもかくにも頭が古いのが妖夢。
見ているこっちが頭を痛めるのが早苗。



8.これぞ本当の一山

ナズーリン「ご主人様、貴方の能力については知っていますし、それが資本となっている我々妖怪としてはどうしようもないことだということは重々承知しています」
星「はぁ、すみません」
ナズーリン「だからって、何もこんなものまで当てる必要はないでしょう……」
星「どうしましょうかね、これ……」
二人の目の前には妖怪の山の利権書が所在なさげに置いてあった。



9.耳年魔

魔理沙はある日、風邪を引いてしまいました。熱もありましたが、大変な鼻風邪で、ごみ箱の中身はあっという間にちり紙で埋まってしまいました。
そんな中、どこで噂を聞いたのやら、咲夜が看病に来てくれました。普段なら追い返すのですが、風邪で弱っていた魔理沙は柄にもなく感謝を述べます。
咲夜もそれに気を良くしたのか、魔理沙を甲斐甲斐しく看病してくれました。
着替えとご飯を済ませると、咲夜は部屋の掃除に移ったのでしたが、たまたまちり紙でいっぱいのごみ箱を彼女は見つけてしまいました。
咲夜は少し顔を赤くして、しょうがないなとでもいった感じの表情を浮かべて魔理沙に言います。
咲夜「魔理沙もそういうお年頃だものね。でも、ヤり過ぎは身体に毒よ?」
魔理沙の中で咲夜への感謝が一気に吹っ飛んだ瞬間でした。



10.トレイン行為

正邪が今日も今日とて幻想郷転覆の考えを練っていると、もの凄い勢いで文が突っ込んできました。
カメラを取り返しに来たのかと身構える正邪でしたが、彼女は逆に自分の下駄の片方を押し付けてきます。
文「私の下駄は貴方に預けましたよ!」
そう言って飛び去る文をしばらく呆然と見送る正邪でしたが、後ろに気配を感じて振り向きました。
幽香「空から下駄が落ちてきたからどこの命知らずかと思ったら、ふーん、噂の天邪鬼じゃない。とりあえず、覚悟はできてるんでしょうね?」
正邪のドメスティックな逃避行が始まりを告げます。



11.親友毒見済み

パチュリー「んん、まだ眠れないっていうのに、なんでこのタイミングで眠気が……」
咲夜「気付けのお茶でも淹れましょうか?」
パチュリー「えぇ、お願い。目が覚めるような一杯を頼むわ」
咲夜「お任せを。とびっきりの福寿草茶をお持ちしますわ」
パチュリー「待ちなさい。それ逆に起きれなくなるやつだから」



12.純狐様は径産婦

クラウンピース「ご主人様、あたい意外に部下は作らないんですか?」
ヘカーティア「考えたこともなかったけど……欲しいの?」
クラウンピース「はい! そうしたらあたい、先輩風吹かせられますから!」
ヘカーティア「あらあら。じゃあ、用意しちゃおっかな。十月十日ほど待っててねん」



13.免罪符

魔理沙「なぁ、どうしてポケットに手を突っ込んだまま戦うんだ?」
妹紅「え? だってこうすればさ、手を汚さずに済むじゃない?」
その言葉と共に、魔理沙の視界は炎でいっぱいになった。



14.女の顔

鈴を鳴らすと音もなく現れるのが咲夜。鈴を鳴らすと別の顔を表すのが小鈴。



15.運命と書いてサダメと読む

ある日、紅魔館が爆発した。
レミリア「うわあああああああああああああああ!?」
あまりのことに飛び起きたレミリアが見たのは変わらぬ自室だった。つまり、つい今しがた見たのは夢だったのだ。
悪態を吐きながらレミリアが起きようとすると、手に何かが触れる感触がした。
それは固かった。角ばっていた。投げやすい形をしていた。レミリアはむしゃくしゃしていた。だから投げないはずがなかった。
それは壁に当たった。カチリという音が響いた。まるでスイッチが起動したような、そんな音だった。
紅魔館は爆発した。



16.火気厳禁

その日、鈴奈庵は炎上した。
小鈴「うわあああああああああああああああ!?」
あまりのことに飛び起きた小鈴が見たのは変わらない自室だった。つまり、つい今しがた見たのは夢だったのだ。
悪態を吐きながら小鈴が寝床から身を起こす。もしもこの珠のような肌にケロイドでもできようものなら、どれだけの人間が嘆き悲しむかと想像しながら。
枕元に置いてあったタバコに火を点け、紫煙を燻らせる。しばらくそうしているとトロトロと睡魔が追いついてきて、ロクに後始末もしないまま、小鈴はまた眠った。
案の定、鈴奈庵は炎上した。



17.女子三日会わざれば刮目して見よ

幽々子「三日見ぬ間の桜とは言うけど、西行妖はちーっとも変わりがないわね」
妖夢「はい、まったく。お帰りなさいませ、幽々子様」
幽々子「はーい、妖夢、ただいま。三日ぶりの貴方はどこか変わったのかしら?」
妖夢「えぇ、その、幽々子様がいない間に少しだけ……」
そう言う妖夢の頬は微かに桜色を乗せていた。



18.夜の弾幕ごっこ

魔理沙「アリスは人形が使えていいな。色々と便利そうだ」
アリス「まぁね。お陰で楽はできてるかも」
魔理沙「益々羨ましいぜ。例えばどんなことに使うんだ?」
アリス「夜の相手とか」
魔理沙「夜の相手……」
アリス「……使う?」
魔理沙「……うん」



19.根本的問題

霖之助「最近、客足が遠のくばかりなんだけど、どうしたものかな」
紫「まず、店主が客に歩み寄る気がないのが問題ではなくて?」



20.遺伝

メリー「蓮子、貴方は過去と向き合うべきなのよ」
蓮子「いや、嫌よ、私には無理……」
メリー「そうは言ってられないわ。この境界の向こうにある過去を直視しなければ、貴方は今よりもっと惨めな思いをするだけよ」
蓮子「だって、それを受け入れたら、私……」
メリー「さぁ蓮子、貴方の辛い過去と向き合いなさい!」
蓮子「ひっ、い、嫌ああああああああ!!」

メリー「ほーら、蓮子。境界の向こうの貴方のお婆様の姿をよーく見なさい。女として色気に欠けた肢体! 成長とは無縁の大平原! ディスイズジャパニーズを象徴するような寸胴のおみ足を!」
蓮子「いやぁ、やめてぇ……私は違うもん……もっと成長するもん……」
メリー「あんな厨二病真っ盛りなお婆様であの程度なんだから、貴方が今以上に育つはずないでしょう! 目を覚ましなさい!」
菫子「おいこら後輩ども」



21.触らぬ仏に崇りなし

数々のオカルト、都市伝説が飛び交った幻想郷。その中でも、白蓮のターボババアという都市伝説はいささか自虐が過ぎるのでは、という声が上がっていた。
しかし、当の白蓮本人は気にした様子もなくこう答える。
白蓮「確かにそのような声も聞かれますが、むしろアレは他の都市伝説と比べれば若い方。それを選んだ私は身も心も若いのだと、そうは思いませんか、皆さん?」
白蓮が入門者に同意を求める。すると、皆は一様に目を逸らすのだった。



22.魔理沙よりはある

霊夢「咲夜、なんかご飯作って」
咲夜「いいけど、どうかしたの?」
霊夢「この前の火事とかでちょっと懐が寂しいのよ」
咲夜「どれどれ……あぁ、これはちょっと寂しいわね。ご飯は食物繊維多めにしてあげるから。なんなら食後にマッサージも付けてあげましょうか?」
霊夢の昇天脚が咲夜の顎を打ち抜いた。



23.火のある所に天狗の影

今日も文々。新聞号外の声が幻想郷に響き渡る。この日の一面は妖怪による人攫いが飾り、里の人間は気の毒に思いながらも号外を我に我にと受け取っていた。
文の幻想郷最速の二つ名は何も飛行速度に限らない。情報の伝達においても最速で、それ故に天狗たちの新聞の中でも人気を得ていた。
そんなものだから、同業の天狗の一人が文の家に赴いて、その速さの秘訣を聞いてみた。どうやったらそんなに速くネタを仕入れられるのか、と。
彼女は渋ることもなく、笑顔まで浮かべてそれに答えてくれた。
文「えぇ、何故なら事件は常に私の側で起きていますから。速く書けないはずがないでしょう?」
部屋の奥から、くぐもった声が聞こえた気がした。



24.火の車

霊夢は燐が神社にやって来ることを酷く嫌う。何故なら途端に日々のやり繰りが難しくなるからだ。



25.百年越しの茶番

レミリア「なぁ、パチェ。たまには笑ったりしたらどうなんだい」
パチュリー「嫌よ。特にレミィの前では絶対に」
レミリア「おや、悲しい事を言ってくれる。まったく、綺麗な顔なのに勿体ない。ひとたび笑えば、きっと私を魅了してくれるに違いないのに」
パチュリー「えぇ、ちょうど百年前も同じような事を言って、誑かされた私を見て笑い転げてくれたものね。不器用で悪かったわね」
レミリア「そう言って不貞腐れる顔も堪らなく魅了的なんだから、お前はズルい魔女だよ」



26.立って、そして戦いなさい

一人の青年が慧音に尋ねた。どうして人は争わなくてはいけないのか、と。それに慧音は悲しそうな表情を浮かべながらも答えた。
慧音「例えばだ、お前が妹紅の薄い春画を見ている時に横から『いやー、妹紅ちゃんは貧乳だろう。分かってないなぁ』とか言われたら拳を構えるだろう? 私だってそうだ。人には争わねばならない時がある。そして私は貧乳妹紅派だ」
あぁ、と青年もまた悲しそうな表情を浮かべ、ピーカーブ―スタイルを取った。彼が稲妻の一閃が如きストレートを放つよりも早く、慧音の頭突きが炸裂して、彼は昏倒した。
残された慧音は、争いとはかくも虚しい、とポツリ呟いて、その場を去るのだった。



27.(物理)

布都「青娥殿にかかればどんな男も骨抜きと聞くが、それは真か?」
屠自古「あぁ。骨の一片だって残らない腑抜けにされちゃうよ」



28.郷に入っては郷に従え

清蘭「はぁ、いつになったら月に帰れるやら……」
鈴瑚「あの巫女が何とかしてくれるでしょ。飢える心配もなし、のんびりしてましょうよ。お団子食べる?」
清蘭「それ私がついた団子だけどね」
清蘭はボヤき、鈴瑚はのほほんとしています。かく言う清蘭もそこまで気にしていません。何となく、出会った巫女が何とかしてくれるという確信のようなものがありました。
清蘭「あ、美味し」
鈴瑚「やっぱり団子はつき立て、材料も取れ立てに限るよねぇ」
何より、この地は妖怪を飢えさせません。
清蘭「と言ってる間にまたカモ発見」
鈴瑚「どれどれ……あれ、あの紅白って」
そして、この地で妖怪は退治されるべき存在なのです。



29.忘れようがない

小鈴「嫌な事を忘れるって、人の大事な防衛機能よね?」
阿求「なぁに、忘れない私への嫌味かい?」
小鈴「そうじゃないけど、嫌な事をいつまでも引きずって生きていくのは精神衛生上よろしくないじゃない? 忘れるって何も悪いことばかりじゃないわ」
阿求「ふむ。まぁ、そうかもね」
小鈴「だから、あんたん所の爺やが一度私を買ったって事もいい加減忘れるべきなのよ」
阿求「ちょっと待って、それ初耳なんだけど」



30.爆発しろ

最近、里で「すきのない二人」として霊夢と魔理沙の名前がよく上がるらしく、ネタの無いはたては暇つぶしがてら本人たちを取材してみることにした。
しかし、当の魔理沙は苦い顔をしている。どうしてか、と聞くと彼女は悔しげに語った。
魔理沙「あぁ、こいつは本当に隙がない。私がどれだけ「好きだ!」って気持ちを周知しようとしても躱しやがる。好きってのは見せるもんだとお前もそう思うだろう?」
霊夢「馬鹿ね。そういうのは自分たちの間だけで確認し合えばいいの。好きは見せるもんじゃないの。語り合うものなのよ」
二人の世界でやいのやいの言い合っている霊夢と魔理沙を見て、はたては思った。あぁ、これは確かに入り込む隙がない、と。
また来てね、幻想郷へ。

忘れられないうちに年内中に上げておこうと思って苦肉の策で毎度のショートショートもどき。
もう一本上げられたらいいなぁ、と思っております。ではでは。
完熟オレンジ
http://twitter.com/maturity_orange
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.1490簡易評価
2.70奇声を発する程度の能力削除
良かったです
6.90名前が無い程度の能力削除
よかったです。
7.100名前が無い程度の能力削除
~ご飯とか色々の原作のセリフの色々という部分で妄想するレイマリファンは俺だけじゃなかった
8.80名前が無い程度の能力削除
作者様の好みというか嗜好というかせいへ( がうっすらと見える気が
気に入ったのは24ですかねーシンプルイズベスト。
あとこんなにネタ出せるのパルい。
10.100非現実世界に棲む者削除
初に入るのなら終に出るのもレイマリ。今日も幻想郷は平和です。
11.90名前が無い程度の能力削除
くすっと笑える御話が多くて面白かったです。
個人的には26が好きです。
14.100永沢削除
ヤり過ぎた魔理沙ちゃんについて詳しく
15.100名前が無い程度の能力削除
一つ一つくすりとしてしまいますね。
上手いこと落ちをつけるものだなぁ、と感心してしまいました。
16.50名前が無い程度の能力削除
ほとんど下ネタと言葉遊びしか無いじゃないか(半ギレ)
17.100名前が無い程度の能力削除
見た目の割に成熟したレミパチェが素敵です
18.70とーなす削除
よくまあこんなにたくさん小ネタが思いつくなあ、と作者さんの引き出しの多さに驚嘆。
しかし各話のオチにもう少し意外性やら捻りやらが足りなく感じたので、個人的にはもっとひねった、予想外のところに綺麗にオチるものがもっと多いとうれしかったです。
「5.キラキラ」「23.火のある所に天狗の影」みたいなのが好き。

それにしても、作者さんの中で小鈴ちゃんはいったいどんなキャラなんですかね……。
22.90大根屋削除
くすくす笑っちゃう面白さw たまに見返して確かめちゃう小ネタ集ですね
25.100名前が無い程度の能力削除
小鈴ちゃん……小鈴ちゃん!?
初っ端から香る百合百合な雰囲気が良かったです
26.100名前が無い程度の能力削除
青年よ、すまない。
オレも貧乳妹紅派なんだ……
36.100名前が無い程度の能力削除
楽しい。幻想郷を垣間見た感じが良いですね
37.10名前が無い程度の能力削除
 個人的な意見です。と前置きしておきますが。

 結局何がしたかったのかが、さっぱりわかりませんでした。思いついたネタを並べた、ということでしょうか? 少なくとも私には、そのネタのどこに面白さを感じてほしい、と作者さんが考えているのか、わかりませんでした。
 ショートショートということでしたら、よほど文章の切れ味が鋭いか、発想の切れ味が鋭いか、どちらかが必須でしょう。そしてそれは、文章をどの程度練るか、ということがモノを言うでしょう。残念ですが、本作品からは私はそういうところを感じられませんでした。例えば、「経産婦」を「径産婦」と誤字っている辺りからも、練りの足りなさを感じます。何を言いたいのかさっぱりわからないものもいくつかありました。
 また、これで創想話の「いち作品」ということなのですから、多かれ少なかれひとまとまりの作品として成り立っていてほしい、とも思います。ですが、本作品が「一つの作品であること」の意味も私にはわかりませんでした。これが、こういう順序で並んでいること、あるいは並べて出したことに意味はあったのでしょうか。それとも、とりあえず溜まったし創想話にまとめて出してしまおう、という程度の意図だったのでしょうか。

 結論すれば、全体的にネタ出しにとどまっていて、いささかずさんだったのではないかと。それぞれのネタを掘り下げたり、練ったりすれば面白い作品になったものも多いのかもしれません。ですが、このように出されても、それを作品として評価するのは難しいと思います。
 こういうネタを料理してこそ、腕の見せ所ではないでしょうか。

 私の意見はきっと少数意見でしょう。このような意見もある、ということで、さらっと目を通して、すぐご放念いただければ幸いです。
 長文失礼いたしました。
44.無評価名前が無い程度の能力削除
「薄い春画」に吹きました
幻想郷に買いにゆきたい
46.100名前が無い程度の能力削除
小鈴ちゃん悪い子ですね。