Coolier - 新生・東方創想話

火の十六夜咲夜

2005/09/30 13:51:41
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 よく晴れた昼下がり。咲夜は自室で束の間の休憩に勤しんでいた。
 手には細かな装飾の施されたカップ。視線の先には図書館より拝借した本。
 何もしていないのに時が止まったような錯覚を覚えるこの時を、咲夜は心から楽しんでいた。故に、何人であろうと邪魔する者は許さない。
 どんな緊急用件があっても、休憩中に訪ねると物凄い殺気に襲われる。
 それを経験したメイドたちが、いつしかこんな言葉を言い伝えるようになった。

 ――メイド長の休憩中は、物音一つで殺される












 コンコン

 咲夜の耳に響く、控えめなノックの音。

「誰?」

 軽くため息をついてから本に栞を挟み、ドアに向かって声を投げる。並ではない妖怪さえ裸足で逃げ出すような殺気はサービスだ。

「わた」

 瞬間、ドアが開く。

「し」
「お嬢様。どうなされたのですか?」
「うんとね、ちょっと聞きたいことがあって」

 少し潤んだ大きな紅い瞳は、よく懐いた子犬を連想させる。
 背中に申し訳程度に生えている羽は、とてもではないが飛行の役に立ちそうも無い。
 燃えるような青色の髪だけが、持ち主の威厳をわずかに主張していた。

 あまりに早すぎる対応にも地獄体験ツアーご招待な殺気にも微塵も動揺しない客人は、他でもないレミリアであった。
 前の晩が新月であったため、魔力が不足して体が縮んでいる――というよりも幼児化している。
 月が空に上り始めるまでもう幾許も無い。レミリアがいつもの威厳と貫禄を取り戻すのも、もうすぐのことであろう。

 立ち話もなんだから、と咲夜はレミリアを部屋の中へと招き入れた。
 とてとてと歩く姿に卒倒しそうになりながらも、いつからか用意されている幼児用の椅子と小さめのカップを文字通り一瞬で用意し、自身も先程まで座っていた椅子に腰を下ろす。
 時を止め、自分は完全で瀟洒な従者なのだと二十回ほど言い聞かせてから解除。
 柔らかい笑顔を浮かべながら、咲夜はレミリアに尋ねた。

「それで、聞きたいこととは?」
「ねーねー咲夜ぁ」
「はい、何でしょう」

 小首を可愛らしく傾げながら問うてくる姿に色々と失いそうになるのを必死に耐える。瀟洒な従者も楽ではない。

「主人公ってなーに?」

 普段とは似ても似つかない甘ったるい声色で発せられた疑問は、咲夜の想像を余裕でぶっちぎるものであった。
 そんな単語が出てくる会話というものが全く想像できない。それ以前に、レミリアは基本的に小さくなっている間は部屋で眠っているはずなのだ。それも裸で。もちろん、それは寝ている間に体が大きくなってしまったら服が裂けてしまうからであり、咲夜の趣味ではない。と本人は語っている。
 だが咲夜も大したもの。ここでエンジン全開、思考ベクトルを右に!

「そうですね。分かりやすく言えば物語の中心人物、でしょうか。この館ではもちろんお嬢様が主人公ですよ」
「わーい、わたし主人公だー」

 レミリアがきちんと意味を理解しているのかどうかは定かではない。だが、それはさしたる問題ではないのだ。
 愛する主人が両手を上げて喜んでいる。そのあまりに可愛らしい姿は、咲夜に至高の幸福をもたらすのだ。目からビームが出そうなくらい。

「咲夜は何なの?」
「そうですね……」

 ――時符「パーフェクトスクウェア」

 私はれみりゃ様の従者だけど、それじゃ質問の答えになってないし……。
 アリーナとクリフト? いやでもそんなこと言ってもお嬢様に分かる筈無いか。
 ヒロイン? うー、理想はそれよね。でもれみりゃ様はそういうのとは違う次元で私を見てる。
 ああ、何か完璧な返答は無いものなの?
 このままじゃれみりゃ様の「咲夜は何でも知ってる物知りお姉さん」のイメージがマシンガンに粉々にされた日本刀の如く砕け散ってしまう……!
 考えるのよ十六夜咲夜、考えて考えて考え抜いてれみりゃ様の期待に応えるの。
 それよりぎゅってしてえ。頬擦りしてぷにぷにしてさわさわしてすーはーしてえ……!

 ――そして時は動き出す。

「主人公のお嬢様を影ながらサポートし、ピンチには駆けつける頼れるお姉さん、でしょうか。主人公とは切っても切り離せない大切な役割なのですよ」

 さりげなく自分とレミリアの繋がりを強調する辺りが流石である。それよりも特筆すべきはその立ち振る舞いだろうか。
 涼しげなその姿は正に完全で瀟洒。レミリアの大好きな咲夜そのままであった。

「咲夜が助けてくれるならわたし頑張れるよ!」
「はい。お嬢様なら頑張れますよ」

「――何を馬鹿なこと言ってるの、あなたたち」

 扉の向こうからノックと共に、第三者の声。レミリアはその声に目をますます輝かせ、咲夜は露骨に顔を顰めた。もちろん、レミリアの視線が扉の方へ向いているのは確認済みである。
 扉を開け入って来たのは、この頃ちょっと動き出した大図書館、パチュリー。
 宴会で出会った半獣やら薬師やらと仲良くやっているらしく、最近になって知識の幅が無駄な方向にかなり広がっている。

「今日はご本読んでないんだね、パチェ」
「偶には体を動かした方が効率よく本を読めるの。疲れるのは嫌いなんだけど」

 咲夜の舌が僅かに音を立てたのを、パチュリーは聞かなかったことにした。
 触らぬ神に祟り無し。藪を突いて幼女狂いの刃物マニアを刺激するほど、魔女は愚かではないのだ。

「パチュリー様。何が『馬鹿なこと』なのでしょう?」

 表情も声質も完全にいつも通り。
 それなのに、数々のどす黒い感情をはっきりと感じ取ってしまう辺り自分も咲夜という人をよく理解しているのだな、今更のように思う。
 良いことなのかどうかはパチュリー自身判別が付かないが。
 パチュリーは、何も咲夜の邪魔をしようと思っているわけではない。
 幼児化したレミリア――咲夜が言うれみりゃ――に、パチュリーも興味があるだけ。
 その興味は可愛いなり愛くるしいといった感情よりは魔女としての観察という側面がやや大きく、咲夜の心情とは大きく異なるのは言うまでもない。

「レミィが主人公、っていう話。どう考えてもラスボスでしょう、レミィは」
「ラスボス?」

 レミリアの興味は完全にパチュリーへ。
 咲夜の表情は全然変わらないのに、悔しいとか憎たらしいとかいう感情が部屋の中を吹き荒れていた。

「レミィのような――そうね、全てを圧倒する力と威厳と貫禄を持って多数の人を従えている人のことかしら。確固たる信念を持って、それのためには他を支配することも辞さない人をラスボスというのよ」
「えー、人をいじめちゃだめだよパチェー」
「そうですわパチュリー様。お嬢様はお優しい方なのですよ」

 反論するレミリアに次いで、ここぞとばかりにパチュリーに攻撃を仕掛ける咲夜。
 風のような穏やかな声なのに、帰れという言葉が呪詛のようにパチュリーに襲い掛かる。
 パチュリーはそれを興味無いとばかりに受け流し、ほんの僅かに口元を歪めた。

「そうかしら? 残念だけど、夢の時間は終わりよ咲夜」
「え……? ま、まさか――」

 直後、レミリアの体が光を帯びる。カーテンを閉め切った部屋からは見えないものの、線のような月が空に姿を表したのだ。
 満月とは程遠いとはいえ、そんな月でもレミリアに与える力は絶大。
 輝いて見えるほどの魔力がレミリアの体に浸透していく。夜を統べる紅い悪魔、レミリア・スカーレットが戻ってくる――

「時よ止まれ!」

 ああもう、パチュリー様のせいでれみりゃ様とあんまりお話出来なかったじゃないの!
 でもいいか、もともと今日はそんなつもりじゃなかったし。
 それよりご自分で服を着て私の所まで来て下さったことを誉められなかったのは一生の不覚。れみりゃ様の笑顔を拝むチャンスだったのに!
 来月は絶対に忘れないようにしないと。小さい時にたくさん誉められるといい子に育つって本にも書いてあったし……。
 とりあえず今は早くお召し物を変えないと元に戻った時大変ね。このままじゃ今着ているのは破れてしまうし。

 ……ああ、お嬢様ったらどうしてこんなに綺麗な肌なのですか?
 なでなでしたい、すりすりしたい、ふにふにぺろぺろぴちゃぴちゃくちゅくちゅ!
 想像しただけで死んでしまいそう。でもれみりゃ様、私は絶対にそんな卑怯なことはしませんから。
 いつかれみりゃ様が望まれるまで、咲夜はずっと待っています!
 多分。



「あら咲夜、それにパチェ。ここは――咲夜の部屋かしら?」
「ご名答。久しぶりねレミィ、一日ぶりかしら」

 レミリアは幼児化している時の記憶がほとんど無い。別人と言っていいほどに、その関係は希薄である。
 しかし、それは生まれた頃からの宿命。眠る前と全く違う場所にいることも、もうすっかり慣れきっていた。
 辺りを見回し、レミリアは一瞬で状況を把握する。それもいつものこと。

「で、何の話をしていたの?」

 咲夜はそれまでの話を掻い摘んで話した。若干脚色されていたが、いつものことなのでパチュリーは口を挟もうとは思わない。

「ふーん。つまり私は館の中では主人公で、外から見ればラスボス。そういうこと?」

 紅茶を片手に、やや興味無さげに。咲夜は頷くことで肯定の意を示す。

「じゃあ私がラスボスの場合の咲夜やパチェの立場は?」

 思いがけない質問に、咲夜とパチュリーは目を見合わせた。僅かなアイコンタクトで意思を交換し合い、二人同時に口を開く。

「四天王よ(です)」
「へえ?」

 レミリアはほんの僅かな言葉しか――しかも意味など無いのだが――発していないものの、二人にはレミリアの意思がきっちりと伝わっていた。
 付き合いの長さ、深さの賜物である。

「ラスボスをやっつけにくる主人公と相対する四人のこと。まぁ所詮ラスボスの部下ね。私は部下になったつもりは無いけど」
「基準は?」
「ラスボス――お嬢様に対する忠誠心と、強さですわ。この館で選ぶなら……私とパチュリー様と、それから美鈴と小悪魔でしょうか」
「やけに強さに差がある気がするんだけど」

 うちも人材不足かしら、と割と本気で呟くレミリア。
 それを見て、咲夜は色々と計画を練るのだった。訓練とかいじめとか調教とか。相手は言うまでも無い。

「いいのよそれで。四天王は全員が強い必要は無いの」
「どういうこと?」
「四天王っていうのは、言わば主人公の強さを測るものさし。全員が同じ程度の強さを持っているよりは、むしろ弱い人がいた方が役割としては適してるわ」
「ふうん」

 四天王は主人公の強さを測るものさし――つまり、ラスボスと相対する資格があるかどうかを試す試験官なのだろう、とレミリアは思う。
 ならば。ラスボスである自分より高い能力を持つ――

「フランは? あの子はどうなるのかしら」
「フランドール様、ですか」

 答えつつ、咲夜は高速かつ多数の回路を以って思考を巡らす。
 それぞれの回路が別の方向から命題に向けてアプローチすることにより、答えに辿りつく速度が相乗倍に跳ね上がるのだ。
 これを極めし者は、戦闘において未来予知に近いほどの正確な戦略の組み立てが可能になるという。でも意外と弱い。

「隠しボスでしょうか。万が一お嬢様が破れてしまった時、全て終わったと思った主人公が不意に出会う知られざる実力者。それがぴったりですわ」

 答える咲夜の口調はいつもと同じ。しかし、レミリアにもパチュリーにも、その言葉が持つ重さを分かりすぎるほどに分かっていた。
 レミリアより強いことが問題なのではない。知られざる、隠された者であるということが問題なのだ。
 未だ地下牢に拘束し続けているわけではない。しかし、紅魔館の外を思う存分見せてやれているかというと、そんなことも無い。

「いつか、私じゃなくてフランがラスボスになる日は来るのかしら」
「来るわよ。絶対」

 間髪いれずにパチュリーが断言した。

「来させましょう。私たちが」

 穏やかな中に確かな強さを込めて咲夜が宣言した。

「……当然よ」

 静かに、厳かに、レミリアが締めくくった。



「ところで咲夜」

 ふと、思い出したように言うパチュリー。

「何でしょう?」
「もうすぐ魔理沙とアリスが来るから、お茶の準備をお願い」
「分かりました」

 いつもの簡単なやり取り。しかしレミリアには思うところがあったらしく、楽しげに笑った。

「レミィ?」
「あの二人を中心に考えれば、あの二人が主人公なのよね」
「……本気?」

 レミリアの意図を理解し、パチュリーはさも面倒そうにため息と共に言った。
 しかし、レミリアが本気であることなど分かりきっていた。だからこれは確認ではない。止めようという制止。

「ラスボスの言うことは聞くものよ」
「やれやれ、余計な話するんじゃなかったわね」
「……なるほど」

 一瞬遅れて理解した咲夜は、どちらかと言えば楽しげに一人ごちた。弾幕ごっこなど、もう久しくしていない。
 相手方にとっては理不尽だろうが、少しばかり無意味な悪役を演じてみるのも悪くない。

「では美鈴に伝えてきます。今回は全力で撃退に向かえと」
「ああ、ちょっと待って。美鈴のところに行くのならついでに伝えて欲しいことがあるんだけど」
「何でしょう?」

 パチュリーは言うべきか言わざるべきかをしばし迷い、くすりと笑って決断を下した。

「やられてしまったら、アンデッドになってでも後ろから奇襲をかけなさいと」
「…………ふふふ、伝えておきます。ああ、それと――」

 咲夜はパチュリーを見定めるようにじっと見つめる。不思議そうに見返すパチュリーに向けて花が咲いたような笑みを向け、告げた。

「二人のために飛び切りの料理でも作っておこうと思いますがよろしいでしょうか?」
「ッ……好きにしなさい」

 瞬きをする間に、咲夜の姿は消えていた。
 しかしパチュリーは見逃していなかった。パチュリーだけに見えるように、挑発するように整った口元がつり上がっていたのを。

 残されたのはくすくすと笑うパチュリーと、意味が分からず置いてけぼりを食らっているレミリアだけ。

「パチェ、どういう意味?」
「レミィは分かる必要の無いことよ。それより、さっさと図書館に行きましょう。ラスボス様の玉座をこしらえないと」
「むー」

 不満げなレミリアを促す。レミリアには申し訳ないと思うものの、パチュリーは何も考える気にならないほど一つの想いに思考が支配されていた。

「隠し事なんて酷いわよ、パ……!?」

 文句を言おうとして、レミリアは思わず体を硬直させた。目の前の人物が誰であるか、本気で分からなくなったのだ。

「そんなに楽しみなの……? あの二人と戦うのが」

 パチュリーの表情は、戦うことに至上の喜びを見出す戦士のそれ。どう転んでも病弱な魔女が浮かべる表情ではなく、レミリアが初めて見る表情であった。
 想像すらしなかった表情を浮かべている彼女を別人だと思うのも無理は無い。

「さあ、どうかしら。……私のとっておき、嫌というほど見せてあげるわ」
「が、頑張ってね」
「ああ、それとレミィの側には咲夜が付くから。私は三番手」
「そう、なの? 分かったわ」

 レミリアは分かっていないのだ。四天王が主人公と対する順番は弱い順だということを。
 そして、咲夜は自分が最後にいくと宣言した。それはつまり――

「何だか喘息の調子が良くなってきたみたい。今ならどんなスペルだっていくらでも使えそうよ」

 全身から膨大な魔力を撒き散らし怖い笑みを浮かべるパチュリーは、レミリアでさえ近付き難い威圧感を醸し出していた。
 レミリアは思う。こんなパチュリーが相手では、いくらあの二人でも勝てないのではないか? 自分の順番が来る前に終わってしまうのは残念だけれど、部下が優秀なのは誇るべきことだろう――









「ようレミリア。後はお前だけだぜ」
「全く、面倒なことさせてくれるわね。私たちは本を読みに来ただけだっていうのに」

 図書館に備え付けられた即席の玉座に座るレミリアの前には、二人の魔法使いが僅かに服を傷つけただけの状態で立っていた。
 さぞかしボロボロになって来るだろうと思っていたレミリアは、その姿が不思議でならない。

「……二人とも、やけにピンピンしてるね。うちの四天王はそんなに弱かった?」
「私たち二人が本気でやって相手になるヤツなんてそうそういないぜ? 手荒な歓迎は久しぶりだからな、思う存分やらせてもらった」
「それにパチュリーも咲夜も、とても本気を出せるような体調じゃなかったわよ。パチュリーは喘息が酷かったし、咲夜は疲労か何かで動きが悪いし。気で無理矢理体を動かしてまで襲ってきた美鈴とはえらい差だったわ」
「おまけに咲夜は何か凄い飲み物を出してくれたし。飲んだだけで魔力と体力が一瞬で戻るなんて冗談みたいなもの、よく作れるもんだぜ」
「何だって……?」

 二人の言葉に、レミリアはピクリと眉を動かした。
 あの時のパチュリーは、レミリアでさえ凌駕しそうな貫禄があった。それなのに、喘息で実力が発揮できなかったという。
 確かに喘息の発作は急に起きるものではあるが、あのパチュリーはそういう問題を軽く超越していた。体調が悪くなるとは到底思えない。だとしたら何故。
 一方、咲夜は疲れが溜まっていたという。今の今まで休憩していたのに、である。
 確かに咲夜は普段から働きすぎである。全力を出し切ることは出来ないかもしれない。それでも、明らかに弱るほどの疲労など抱えているとは到底思えない。
 しかも、咲夜はレミリアさえ知らない飲み物を二人に振舞ったという。どうして敵に塩を送る必要がある? 全く以って理解できない。

「まあ、いいか。後でじっくり聞き出せばいい」

 レミリアは思考を放棄し、目の前の二人に全力を注ぐことで一応の結論とした。
 ボロボロになって実力を発揮できない相手に引導を渡すより、無傷で向かって来られた方が楽しいに決まっているのだ。
 もしかしたら、そういう意味で気を利かせたのかもしれない。元々レミリアが言い出した遊びなのだから。少々、面子というものに対する配慮が無さ過ぎる気がするが。

「……待たせたね、二人とも」

 にわかに空気が軋みだす。スカーレットデビルの圧力が、物理的なものとなって二人を襲う。

「ヒュウ、さすが。全力でいかせて貰うぜ、大怪我しても文句言うなよ?」
「やれやれ。私は本を読みに来ただけなのにね」

 大して消費の無い二人も、負けじと全身に力を巡らしていく。
 個々の力では劣るものの、総合的な戦力ではレミリアを少し上回っていた。新月の次の日、という時はレミリアに多量の不利を与えている。
 しかし、レミリアには五百の歳月を積み重ねた経験と、二人には無い圧倒的な身体能力がある。どちらか一人を戦闘不能に出来れば、天秤は一気にレミリアへと傾くだろう。

 どこか遠くから、金属同士が噛み合うような甲高い音が響いてきた。
 それを合図に、三人が同時に床を蹴る。
 幻想郷でも稀に見る、手加減抜きの大勝負――






 その後静かになった紅魔館には、本や瓦礫と一緒に眠るぼろ雑巾になった少女が五人ほど倒れていたとかいないとか。

小悪魔は風使い。
上以外からの攻撃を完璧に防ぎきる風の防壁やほとんどの体力を削り取る竜巻など強力な術を操る。
さらには対象を石に変えてしまう強力無比な特殊能力も備えており、対決するパーティにとってはかなりの脅威となるのは確実である。
でも風の防壁が魔法に対して無力なので、魔理沙とアリスにとっては楽な相手なのでした。合掌。

妙にはまっている気がするのは気のせいでしょうか?

リメイク版「燃え上がる十六夜咲夜」をHPにアップしました。よろしければどうぞ。
蛇足を削って色々と分かりやすくなっ……てるといいな(弱気)
木村圭
kkdkrufterlike@hotmail.com
http://paraset.hp.infoseek.co.jp/
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コメント



0.1820簡易評価
10.40てーる削除
そういわれると咲夜は火使ってますね・・

パチュリーは・・・一人で全部こなsギャー(津波

と、こんなFFが好きでした。
17.無評価名前が無い程度の能力削除
パチェはそうなると雷に弱いんでしょうか?
18.無評価志郎削除
これは実に瀟洒なルビカンテですね。

にしても、属性決定戦の様子が見てみたい。ドリームマッチ。
19.50名前が無い程度の能力削除
妹様がクラスチェンジしたり、てるよと協力してレミィが隕石落したり、それを妹様が防いだり、なんか変な妄想が出来て面白かったです。
20.無評価RAY削除
みごとなFF4ですね。パチェさんは水壁で力つかいすぎたんでしょうか??
いちばんウケたのはゾンビになって復活のめぇりんですがw
21.70RAY削除
点数入れ忘れましたorz
25.無評価名前が無い程度の能力削除
後ろから襲えのくだりで スカルミリョーネかよ!?ってつっこみいれて
からはじめて「ああなるほど」とタイトルの意味が分かりました。
 でもパチュリーの不調の理由が分からない・・・誰がラスト(=最強)かをめぐってメイド長とバトルしたから? でも三番手宣言してるし・・・
26.無評価名前が無い程度の能力削除
ってことは魔理沙かアリスの姉がレミリアだったことに!!
32.70名無し毛玉削除
最後にまた4人終結して最後の反撃をしてもらわないとダメですな
なんかノスタルジィーを感じる作品でした。
34.60名前が無い程度の能力削除
うあぁ、元ネタが分からないのがもどかしい・・・でも面白かったからオッケー
元ネタが分からない身としては「気で無理矢理体を動かしてまで襲ってきた美鈴」で
レガート・ブルーサマーズを思い出してみたり