Coolier - 新生・東方創想話

死ねない男 「遭遇」

2014/08/08 20:30:46
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「っ!」
目の前にあったのは、金髪の少女だった。
何故こんな所にいるのか?そんな疑問はすぐに消し飛んだ。
少女の口からは血が滴っていた。
俺は悟った。殺される、と。
少女は昔テレビに出てきた口裂け女のような笑みを浮かべた。
俺が逃げる為に一歩踏み出そうとしたときには、
もう遅かった。
少女は俺の右肩を掴むと、左肩を喰い千切った。
「うあああああ!!!う、うぐぅ、ううわあああ!」
未だかつてこんなに叫んだ事は無いだろう。
俺は左肩を押さえたが、そこには俺の腕すらなかった。
前を見ると、その少女はまるで骨付き鶏唐揚げを食うかのごとく
俺の腕を満面の笑みで喰っていた。
俺は立ち去ろうとした女が腕に夢中になっているうちに逃げようとした。
しかし、それすら叶わなかった。
足が動かない。既に折られていた。
肩の痛みと全身を覆う恐怖で気付かなかった。少女は俺の足を折り、逃げられないようにしていたんだ。やがて、腕を喰い終えた少女は手を舐めとると、俺の方を向いた。
もう逃げる気はなかった。逃げられはしないんだ。少女は鼻歌混じりに俺の側に寄ると、足から喰っていった。既に痛みは無かった。むしろ、心地いい浮遊感すらあった。
ただ、少女が俺を喰い終えるのを静かに待った。痛みが無い中、少しずつ俺が少女の胃の中に収まっていくのだけは感じた。聞くだけでも吐き気を催すような音が、酷くゆっくり鮮明に聞こえた。肉に歯が食い込み、骨が噛み砕かれ、千切られる。永遠とも思える時間、気絶する事も出来ず、死を待つ事しか出来なかった。
そして、とうとう俺は、意志を手放す事になった。

少女、ルーミヤは幸せそうにしていた。
先程、まだ5歳にも満たないであろう少年を喰ったばかりだったが、
体が小さい為、ルーミヤは満足出来なかった。
新しい食べ物を探しているときに人間を見つけた。
ルーミヤは嬉しくて彼に近寄った。彼は此方を警戒しているのだろうか?
そんなことはどうでも良かった。ルーミヤにあった考えは
「喰いたい。」
これだけだった。
その後ルーミヤは彼を喰い終えた。今は喰い散らかした肉片が散らばっているだけとなり、青年の面影は無かった。先程得られなかった満足感を得たルーミヤは幸せそうに笑い、証拠隠滅する事は頭になかった。そして、その場を一瞥すると彼方へ飛んで行った。

また目を覚ました。さっきのように笑う余裕はもう無い。
真っ白な空間、立っているのかさえ判ら無い状態だった。
…俺は、死んだんだ。あの少女に喰い殺されたんだ。
不思議な気分だった。あの場所にいたことも、少女に喰われていたことも、
もうどうでも良かった。もう、何もしなくてもいいのか…。
いや、違う。まだ、何もしちゃあいない。やり残した事だらけじゃないか。
親孝行もしていない。友人達とももっと遊びたい。今度は全国で一番になりたい。
やり残した事ばかり、やり遂げたい事だらけだ。死にたくない、俺はまだ生きたい! 
「まだ、死にたくない!!!」
咆哮とも思える声で叫んだ。誰に届くかも判らないが、この思いを口に出さずには居られなかった。俺に力があれば、あの場所で死ぬ事も無かった。俺に、力があれば…
そう思って俯いていると、声が聞こえた。
「君は願うか、生きたいと欲すか。」
誰が言っているんだ?俺に対して言っているのか?
周りには人影は無い。どこからともなく声が聞こえた。
そう考えていると、再び
「生きたいと欲すか?」
「ああ、生きたい!!」
俺は無意識のうちに叫んでいた。 
「ならば誓え。この先、何を捨てても、己が信念の為に生きると。」
「誓う、俺は、絶対に生きる!まだ終えて無いこと終える為に!」
俺の声が木霊した。暫しの静寂の後、再び声が聞こえた。
「なら、君に力を与えよう。この先、君に幸多からんことを願う。」
強い光が俺を包んだ。

目を開くと、そこはさっき俺がいたであろう場所だった。
あの時よりは明るい。下を見ると、そこには、大量の血と肉片が散らばっていた。
これは、俺のか?体に異常は無い。むしろ、今までで一番体調が優れている。
さっきのは夢か?いや、あの時痛みを感じていた。なら、蘇ったのか?
ゾンビにでもなったのか?数々の疑問が頭を埋め尽くしていると、
ガサガサ
「!?」
俺は音のなる方を睨んだ。あの悪夢がよみがえっていた。
「ん?あんた人間か?」
現れたのはまたしても金髪。しかし、服装や顔が違う。
この少女は大きな黒い帽子を被り、エプロンのような服を着ていた。
「なあ、あんた何でこんな所にいるんだ?」
俺はその言葉を聞き我に帰った。
「お前こそ何者だ?」
警戒心を表にして問いただした。
「ああ、そういえば名乗ってなかったな。私の名前は霧雨魔理沙。
普通の魔法使いだぜ☆」
「俺は、藤海斗」
名乗られたから俺も名乗ったが、魔法使い?胡散臭せぇ…
「そうか、それで海斗」
「いきなり呼び捨てかよ…」
「細かい事は気にすんな!」
ニシシと笑いながら言った。不思議な事にこの魔理沙なる魔法使いとは気軽に話せていた。
「海斗、お前は多分、外の世界から来た奴だな。」
「外の世界?」
訳が判らなかった。外とは?つまり此処は俺のいた東京とは別の、異次元か何かとでもいうのか? 
「とりあえず、細かい説明は面倒だからお前を専門家の所に連れてくよ」
「専門家?そんな奴いんのか?とりあえず、早く東京に帰りたいよ。」
「?まぁ、その東京が何なのかは知らんが早く行くぞ~」
そういうと魔理沙は俺の袖を掴むと箒に跨がった。
「あ、あの~魔理沙さん?一体何を?」
「何って、飛ぶんだぜ☆」
血の気が引いて行くのが判った。
そんな風に感じた直後、叩きつける風と浮遊感が俺を襲った。
「うおおおおぉぉぉぉ!!!」
物凄い速さで飛んでいた。襟を箒の先端にくくりつけられ、少し動いたら落ちそうだった。

暫し人生初のフライトを青い顔で楽しんだ後、目の前に建物が見えてきた。
「そろそろ着くぜ~」
上から魔理沙が話しかけてきた。
ということはあれが専門家がいる所だろうか?
見たところ、神社みたいだか。
「降りるぞ~」
再び魔理沙が話しかけてきた。
漸く降りれるのか…。
周りには誰もいない神社に、
俺と魔理沙は降りた。
降りたといっても、俺は魔理沙に振り落とされるようにして着地した。

「霊夢~?おーい霊夢~。」
魔理沙は誰かを呼んでいた。振り落とされるようにして着地した俺はその場に尻餅をついてぼーっとしていた。霊夢だったっけな。
何だか、不思議な名前の奴が多いんだな…。
「大きな声で言わなくても聞こえてるわよ。」
神社の奥からこれまた不思議な巫女服を改造したような格好をした少女が出てきた。
「おお、霊夢。今日は話があるんだが。」
「キノコの試食は嫌よ」
ジロリと睨みながらいっていた。
「?そこの人は?まさか攫ってきたんじゃないんでしょうね?」
霊夢なる人物は俺の存在に気づいたようで、魔理沙に聞いていた。
「ああ、こいつの事で話があるんだ。ちなみに、攫ってきてはないぜ」
「それならいいけど、彼がどうしたの?」
「こいつ、外の世界の人間じゃないかって思ってな。霊夢か紫なら何とかなると思って連れてきたんだよ。」
「そう…。ねえ、あなた名前は?」
「藤、海斗だ」
「そう、私は博麗霊夢よ。よろしく。此処は幻想郷の博麗神社よ。といっても今の時期なら早くあなたを帰せそうだから関係ないか、」
「それは無理よ。」
!?空から突然声がした。
周りを見渡していると、空に亀裂が入った。
そこから女性が降りてきた。
一目見て思った。綺麗だと。
「はじめまして、八雲紫と申します。」
その女性はとても穏やかな声と物腰で俺に名乗った。
「藤海斗です。」
俺はお辞儀をしながら挨拶した。
「それで、紫。無理ってどういう事よ?」
俺が見とれていたら霊夢が紫に問いただしていた。
「ええ、彼を帰す事は、残念ながら無理よ。正確には、帰せば、彼は体験したことの無い絶望の淵に追いやられるということよ。」
「ちょっと待ってくれよ。俺はこの訳判らん所でし、!?」
「どうしたんだ海斗?」
聞いてきた魔理沙に対し、俺もまた質問した。
「魔理沙。俺とあった場所、あそこは何だったんだ?」
「ああ、あそこは魔法の森っていうんだぜ。」
「そうじゃない。俺は、あそこで死んだはずなんだよ。なのに今生きている…」
俺が、切羽詰まったような声で魔理沙と話していると霊夢が
「一回落ち着いて。これまでに何があったか話して。」
と言ってきた。
俺は深呼吸をしてこれまでにあった事をすべて話した。

話終えて暫しの沈黙の後、最初に口を開いたのは霊夢だった。
「つまり、あなたは今、幽霊ということ?」
俺自身、その事について解決に至っていなかった。
再び沈黙。すると紫さんが
「霊夢。彼の状態は私が説明するわ。」
といった。 
俺の状態?
「あなたは今、この幻想郷の住人の多くが持つ能力と同じものを持っているわ。
この地には、あなたのような外の人間が能力を持ち、この地に住まう事を選んだ人間がいます。あなたはこの地に来てから能力を手に入れているわ。幻想郷は全てを受け入れるけど、外の世界でそれが通用するとは言えません。そして、あなたの能力は言わば、外の世界の人間が求めるものだと思われます。」
長い説明の前半を聞き、俺は戸惑っていた。今思っている全ての疑問を紫さんにぶつけた。 
「ちょっと待って下さい!俺はただの人間です、あなた達みたいに何か出来る訳ではありません。それに、何ですか、その能力って?」
俺はなるべく落ち着いて冷静になっていようとした。
「そうよ、あなたはただの人間。しかし、力を手に入れてしまった人間よ。
そして、あなたの能力はあなた自身がよく知っている筈だわ。」
ゆっくり、落ち着いて考えた。これまで起こったことを振り返った。霊夢と魔理沙が息を呑んで待っているなか、
俺の口から出た答えは
「…死なないことか?」
有り得ない話だった。しかし、それは常識の中だったらだ。俺は既にその常識を覆される体験をした。なら、充分に有り得る。
「御名答。そう、あなたは生きる事を強く願ったため、死ななくなった。」
何故紫さんが知っているのかは判らないがどうでも良かった。
「死なないこと」それは人間の俺にしてみればとても良いことだろう、けど。
その力のせいで帰れないとはどういうことだ?俺は、向こうにやり残した事があるから生きたいと願った。なのに、幻想郷を出ずらくなって、むしろ、俺を縛り付ける鎖みたいになっている。俺がいけないのか?あの時願ったのが。紫さんの話どおりなら、俺は多分、向こうの世界で今までどおりに生活する事は不可能なのを感じていた。俺がしなくてはならない選択肢はなんだ?
「いきなりこんな事を言われても困るでしょう。あなたに時間をあげますわ。一週間後、再びあなたに会いに来ます。その時にこれからについて最後に確認しましょう。それではご機嫌よう。」
そういうと、紫さんは半分無理やり話を終わらせ、先程のように亀裂の中に入っていった。
俺が選ぶべき選択は?俺は、どうすればいいんだ…

To Be Continued
はい、二回目の投稿です。前回のコメントを参考にし、自分なりに頑張って書きました。実を結ばなければ意味ない気がしますが…。そんな訳で今回の第二回はどうでしたか?多くのコメントをお待ちしております。また、助言等もお待ちしております。それでは、次は第三回でお会いしましょう。さようなら
子雀
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コメント



0.160簡易評価
2.50名前が無い程度の能力削除
序盤
俺「おっ、前より大分文章よくなってんじゃん。オリキャラ作者にしては殊勝だな」
中盤
ル      -      ミ      ヤ
俺「」

はい、そこで読むの止めました
東方界隈でキャラの名前間違いはタブーですが、ここ創想話においてはその傾向がより顕著に現われています。
原作キャラの名前を間違えるほどこちらの読み気を削ぐものもありません。
とはいえ、前回よりも大分文章も改善されており、作者さんのやる気だけは感じました。
一応、次回への期待を込めてこの点数で。テンプレオリキャラ物がどんな奇想天外な作品に化けるのか楽しみにしておきます。
3.30名前が無い程度の能力削除
この調子で成長するならある程度のところまではすぐ行くんじゃと期待 がんば
4.40名前が無い程度の能力削除
作品集チェンジの為の一発ネタかと思いきや、続いた
そこに少し期待してしまった人は自分だけでは無かったらしい
歓迎されていない傾向の作品だとしても、最後まで続けば感性の合う人も出てくるかもしれない
テンプレオリキャラ幻想入り(連載)で最後まで書ききった人は創想話にはまだいないはず
史上初の人間になるか?それとも良くある「序盤だけ書いて散々言われて終了か…」と言う作品になるか?あなた次第です
7.10名前が無い程度の能力削除
ルーミヤってなんかヤギの毛織物みたいで良い名前ですね!良いオリキャラだと思いました!
次も頑張ってください!
9.50名前が無い程度の能力削除
成長してる気がするのでこの調子で頑張って下さい
12.30名前が無い程度の能力削除
とりあえずキャラの名前を間違えるのはダメですが
前回より成長が跡が見えるのは間違い無いので30点差し上げます
他の方のSSも読んでぜひ色々吸収してみて下さい
14.無評価名前が無い程度の能力削除
まずは博麗神社に飛ぶなんて初めて聞きましたそれはともかく、僕の苦手な類いの話なので点数はつけられませんが、最後まで書ききる事を応援しています
15.無評価名前が無い程度の能力削除
もう少し物を書く力を養ってから投稿を始めてはいかがでしょうか?
キャラクターの名前の間違え方も誤字で済まされるレベルではなく、そもそもちゃんと知っているかどうかさえ怪しまれる代物です
投稿を続けるにしても、話数を重ねるより先にやるべきことがあるでしょう
16.無評価名前が無い程度の能力削除
勘弁してくれ
18.10名前が無い程度の能力削除
ルーミヤはルーミアの姉
20.無評価名前が無い程度の能力削除
ルーミヤは笑えました。
話は論外ですが。