Coolier - 新生・東方創想話

告白

2014/08/08 17:26:33
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みなさんへ、
私は、隠していたことがありました。
ね、ムラサ。ちゃんと聞いてくれ。本当に真面目な……いや、私の話だから、いいんだけれど、さ。

聞いて欲しいんだ。

聖がああなって、もう千年になろうとしている。
あの時私は、立場上――しょうがなかった。という言い訳だけれど。とにかくしょうがない、事だったんだ。この手で、あの人を地に堕としたのは。他でもない私だ。
一輪、そんな顔しないでくれ。わかっていますよね。前に話したものね。それで、言いたいのは。

ムラサや一輪が帰ってきた今、聖を取り戻しにいくしかないと……言われましたね。あの時、一番最初に。
あの時はまだ後ろめたさとか、そういうので私は悩んでいて。後押しをしてくれたのはナズーリンだったね。

ああ、いや……私が反対するという話ではないんだ。賛成だよ。というよりそれしかないじゃありませんか。
改めて、みんな帰ってきてくれてありがとう。私も――頑張るよ。あの時の償いを。

これから聖の封印を解きにー助けに行くだろう。きっとそれは成功する。失われた宝も、彼女が見つけ出してくれるだろう。探し物なら世界一のナズーリンだ。心配いらない。

済まない。私は話すのがあまり上手くないみたいだ……言いたいことは、こういうんじゃないんだ。

あ、お茶、冷めましたか?……いや猫舌には一輪の熱々のお茶はキツイですねえ……。ずっ……、ふぅ。……うん、ちょっと整理できました。


みんなは、人間の事をどう思っているだろうか。
あの人は、人間であれ妖怪であれ同じと言った。
困っていれば、助ける。苦しんでいれば、救うべきだと。

……端的に言いましょうか。なんだか回りくどくなってしまうのが癖みたいだ。


私は、人間を憎んでいます。
其れが愚かな事もわかっています。


あの時、小さな妖怪を介抱していたね、聖は。人間だろうが、妖怪だろうが助けるのが彼女だから。
でも、それを見た人間は彼女を助けなかった。それどころか、憎んだ。
当たり前だと思う。人間にとっては敵である、人でないモノを彼女は助けたのだから。
そして人間は愚かだ。人でないモノを救う彼女ですら、人でないモノとした。
当たり前かもしれない。だって、彼女はずっと、ずっと前からあの姿で。老いることない人間であったから。そして妖怪を助けた。王手なんだ。人間が彼女を憎むべきものとするには、充分すぎた。


けれど私は、代理として、彼女と同じにはなれなかった。
それは人間の針だ。私は神であるべきモノだから、つまり神は裁かなければならない。当たり前だ。人間はそうやって、正当化してきたのだから。


昔話は、やめよう。

つまりね。人間の都合で、妖怪は敵、迫害すべきモノとされる。人間の都合で、神は迫害すべきモノを退治しなければいけない。

そう。人間の都合で。生き物は死に、神は産まれる。


神になったかのように。
人間は。
そうして自分が生きやすい世界をつくる。
私達は所詮人間の掌の上なんだ。妖怪であっても、人間であっても。生きるも殺すも。
きっと、みんなは嫌というほど解っているだろう。



私は、そんな人間というモノが、憎い。

きっとそれは、聖が戻ってきたとしても変わらないだろう。
人間は繰り返す。連綿と。愚かにも。そしてその愚かな人間に、私達人でないモノは支配されているのだ。自分勝手じゃないか。自分たちにとっての敵を助けたモノは敵で、それを排除する。それが正義であるかのように。
そうやって、聖も。


なんでこんなことを話したかって、それは私が毘沙門天の代理だからだよ。
人間が崇めるべきモノ、拠り所としての神だからね。
人に産み出された私が、人間を憎むことは許されないんだ。
あ、いや…そんな顔をしないでくれ一輪。別に毘沙門天の代理を辞めるとは言っていないよ。



これは、ただの告白だ。


私は、人間が憎い。


にんげんはずるいかみさまだ
もなつ
http://www.pixiv.net/member.php?id=1035509
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コメント



0.480簡易評価
9.70名前が無い程度の能力削除
中々インパクトのある内容だったと思います。
最初の余裕ある敬語から、男性的な口調になっていくのは、星自身の昂ぶりから来ているのでしょうね。
ただ個人的にはもう一歩、もう一歩を見てみたかったですね。
このSSは「星が『私は人間が憎い』と告白する」という内容です。
ラストにその一文を持ってきて印象づけたかったのかもしれませんが、
その前の会話の地点でそれは十分に読み取れるので、そこまでショッキングな告白にはなっていません。
であれば、憎いから、どうする。を示すか、
いきなり「私は人間が憎い」から入ってみても良かったかもしれません。
14.60ルミ海苔削除
前後の文脈が分からないので、なんか唐突な印象がありました。
人間も、妖怪も、平等に愛するって聖の理想と相反するのでは?
星蓮船の面々がいる中でそんな告白をしたのはいったい何故?
そんな疑問が湧いて出ます。
なんとなく、前に人間と妖怪が共存する理想の世界談義でもあったのかな?って思いましたが、この文章ではなんともつかない感じです。