Coolier - 新生・東方創想話

ハートウォッチングwithバンパイア

2014/04/04 21:25:48
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「お嬢様」

 紅い部屋に、澄んだ声が響いた。
 今までその空間に何もいなかったのは間違い無い。
 しかし部屋の主は驚きもせずに、手にしていた新聞から眼を離し、趣味の良い意匠の椅子から、首だけ振り向いて返事をした。

「おうよ」

 可憐な容姿に似合わぬ低く抑えた声だったが、どこかで迫力を損なっている。
 忽然と部屋に現れたメイド、十六夜咲夜も、その返答に一瞬目をぱちくりとさせたが、そこはさすがメイド長と言うだけあり、用件のみを淡々と告げた。

「お客様です。お取次ぎしてもよろしいでしょうか」
「どなた?」
「古明地さとりと名乗っています」
「ふーん。いいよ」

 あっさりと部屋の主――レミリア・スカーレットはそう言い、咲夜は用を足そうと時を止めかけて、思い出したように言った。

「先ほど『おうよ』と仰いました?」
「威厳を出そうと思ってね」
「成果は芳しくないようですわね」

 主の言をその鋭い舌鋒で両断してしまったが、言われた本人は特に気にする様子も無く、

「そのようだ」

 と、ティーカップを片手に微笑を浮かべつつ返答した。
 どうやら、今日のレミリアの機嫌は悪くないようであった。
 彼女の気紛れは今に始まった事では無いが、毎回問い質しておくのが傍に侍る者の務めだろうと、咲夜は言葉を続ける。

「何故急にそのような事を?」
「フランに、お前は迫力が無いと言われたのよ」
「真に受けない方がよろしいかと。妹様への教育にもよろしくありません」
「教養自体は充分に身についているわ。500年近くも生きてる奴に少しばかり教育を施しても、そうすぐに変わるものじゃないし、自分で物事の判断すらできない程の無知でもあるまい。あいつの問題は、自立しているか否か、ただそれだけ」
「だとすると、お嬢様はただ妹様のオモチャにされたも同然なのでは」
「それも姉の役目なのかもしれんよ」

 寛大な事だ、と咲夜は主の態度に感心していたが、実際は弄ばれたレミリアの虚勢かもしれないと思うと、複雑な気分になった。
 無表情のまま不動の咲夜だったが、「そんな事より」と言うレミリアの何かを促す様な言葉で、己の今すべき事を思い出した様だった。

「失礼致しました。すぐにお客様をご案内いたします」
「うん」

 レミリアは、そう言って再び新聞に眼を落とした。
 そして、ティーカップをソーサーに戻す時、眼に入ったものがある。
 目玉だ。
 何と形容すれば良いのか彼女にはわからなかったが、テーブルの上に触手の伸びた目玉が乗っている。
 再びいつの間に現れたのか、咲夜が「ごゆっくり」と言い残して姿を消す寸前で、レミリアは慌てて問いかけた。

「咲夜」
「どうなさいました」
「変な物がいる」
「医者をお呼び致しましょうか?」
「私がおかしくなったのか? テーブルの上に何かいるのは錯覚か」
「お客様がおられます」

 それを聞いて、レミリアはまじまじと目玉を見たが――それは、ただ不気味に鎮座している。目玉周辺の赤、触手に続く赤と黄のグラデーションが何とも毒々しかった。
 先ほど咲夜は、客を『古明地さとり』と言ったか? これが?

「悪質な冗談はやめろ」
「そう名乗られましたので。御用の際は、またお申し付け下さい」
「いやあの、ちょっと」

 文句を言う時間すら無く、再度咲夜はその場から消失した。
 テーブルの上にはちゃんともう一人(?)分のカップが用意されている。よく気がつく癖に気の利かない奴だなあとレミリアは嘆息し、彼女は「名乗った」と言っていたはずだと、気を取り直して目玉と見つめ合った。

(お久しぶりです)
「わぅ」

 急に頭の中に声が響いた。レミリアは驚きの余り、妙な悲鳴と共に、椅子ごとひっくり返る所だった。
 体勢を立て直すと辺りを見回して、この目玉と自分以外の存在は無いものと確認してから、改めて目玉を凝視した。
 よく見ていると、そいつはまばたきをしている。どうやら本当に生き物らしい。
 目玉だけでもまばたきはするんだな、と妙な所でレミリアが感心していると再び、

(どうかなさいました?)

 と頭の中にさとりの声が響いたので、

「……何これ、どうやってるんだ。どうかしてるのはそっちの姿じゃないの」

 と実に的確なツッコミを入れた。

(いちおう、こんな姿でも私を古明地さとりだと認めてはくれるんですね)

 レミリアは、それを聞いて「ホントに古明地さとりだった……」とおかしな表情を作った。
 確かに、この目玉は古明地さとりにまとわりついていたサードアイに酷似している。
 この目玉の騙りである可能性もあるが、わざわざ紅魔館にやってきて自分は古明地さとりだ、と目玉が嘘をつく理由に、心当たりは欠片も無かった。

(やはり、この格好は変でしょうか?)
「そんな事も無いよ。近くの湖には着物を着て水中で暮らす人魚が棲んでいるらしいし、スキマから手だけ出して此処の菓子を摘み食いする奴もいる。ウチのメイド長は、最近逆立ちした城で逆さまの妖怪とやりあったそうだ」
(ただ『目』と言うだけでは驚きにも値しませんか)
「幻想郷って言うのは、そう言う場所らしい」

 こうやって何も話さぬ目玉相手に一人でお喋りをしていると言う図は、滑稽を通り越して狂気すら感じられるのだが、レミリア自身はその状況を割と楽しんでいた。
 貴族の余裕か、はたまた刺激に餓えていたか。或いは目玉相手にお茶をするのも一興だと割り切っているのか。

(しかし先ほどは、ひどく狼狽していらっしゃった)
「急に頭の中に声がすればそりゃ驚くよ」
(しかし先程のメイドさんは、表面も心中も、全く驚いていませんでした)
「そりゃ私のお付きってのは伊達じゃ――待て、心中?」
(はぁ、『覚』ですから)
「そんなんでも心は読めるの?」
(ええ、一応。メイドさんは、『さとりってこんなのだったかしら? まぁお嬢様のお客様だし不思議でも無いか』と)
「私が変な人みたいじゃないか。それに、知り合いは知り合いだけどトモダチじゃないだろ」
(地霊事変の時、神社の宴会で挨拶したじゃないですか。其方の魔法使いさんには世話になったと)
「それしか接点無いじゃない。顔見知りの紹介で知らない奴に一度紹介されたら、もうお友達気分? 一度挨拶しただけの私に何の用があるって言うのよ」
(妹の事で、ちょっと)
「フランがどうしたって?」

 レミリアが、じろりとサードアイを睨みつけながら言う。
 さとりは取り繕う様な慌てた声で、

(いえ、そちらのお嬢様の事では無くですね)

 と、フランドールの事ではないと否定した。
 確かに、余所の者に家族の事をとやかく言われる筋合いは無い。ヨソはヨソ、ウチはウチだ、とレミリアは思い直す。言葉の使い方は間違っていたが。
 じゃあ、一体誰の妹だと思いなおし、先日の宗教合戦を思い出す。
 自らの妹に負けぬほど、キュートな容姿の娘がいた。勿論妹の方が可愛いが――確か名前は古明地こいし。そこではたと思い当たり、なるほどと頷きながら、レミリアは目玉に語りかけた。

「そちらも妹がいたんだったか。人気の取り合いで戦ってる場面を一度だけ見た」
(私も、妹と同じように、地上をフラフラしてみようと思いまして)
「は?」
(心を閉じた妹の気持ちが少しは理解できるようになるのかな、って。あの子の心を開くきっかけになれば良いな、と)

 よりによって、今更人生に迷って放浪の真似事と来た。
 面白そうな運命を持った者なら付き合っても構わないが、それ以外は基本的に除外だ。
 ただ、家族に――妹に懸念事項があるのは、さとり(目玉)と、この吸血鬼の数少ない共通点でもあった。その点ではまださとりには、レミリアと会話を続ける余地があった。
 普段のレミリアなら「帰れ」と一言あってもおかしくない場面だが、やはり妹絡みの話とは無視し難い物があるらしい。

「わからんでも無い。だけど、何でウチに来た? 散策なら一人で勝手にやれ」
(それが、一人と言うのはともかく、『勝手に』と言うのが難しい立場でして)
「何で? 地底で一番偉いんだろうが」
(管理を任されているだけで『偉い』と言うのは少し違うのですが……だからこそですよ。先の異変で、地底と地上の間にあった約款はもはや失われようとしています。しかし完全に失われた訳では無い。私が地上をうろつくのに良い顔をしない者もいると言う訳で)
「鶴の一声、と言うわけには行かないの?」
(ええ。私や鬼の四天王クラスが地上に行きたいなら、然るべき手続きをとってから、と言うのが望ましい。実際、その四天王の方は、知り合いと一緒に、人気取りの見物をして酒を飲む。ただそれだけなのに、天狗と鬼、双方の監視がついていたんですよ)
「へぇ」
(だから、私も出歩くとなれば、完全に自由と言う訳にはいかない。本当に一人になりたければ――)
「そいつらの目を欺く必要があって、それがその姿だと」
(仰る通りです)
「話はわかったが、それはウチに来た理由と微塵も関係ないよね」
(私がここに来た手段をご存知?)
「いや」
(この『サードアイ』のみの姿となって、鬼の四天王の方に、)
「うん」
(風穴の最下部……地底から遠投をしてもらいました)

 無茶な移動方法に、レミリアは何とも言い難い表情で、

「お怪我は?」

 と投げ遣りに尋ねた。
 すると、この辺りに着弾する寸前、門の前にいた妖怪が受け止めてくれた、とさとりは語り、むしろよく受け止められたなと感心している様だった。
 紅魔館の力の一端を、キャッチングと言う謎の手段で示した門番だが、それでもさとりを感心させた、と言う事の方が重要だったらしく、レミリアは、

「化勁って奴だな。健康体操もたまには役に立つ」

 と上機嫌に語った。喜怒哀楽の入れ替わりが激しい。

(それでまぁ、ここが噂に聞く紅魔館――奔放な妹を抱える者同士、何か掴めるかなと)
「渡りに船って訳ね。ウチの妹は奔放と言うのとは少し違うが――わかったよ。それで、収穫はあったの?」
(今の所はゼロですね)
「でしょうね。貴様はここでのんびり私と雑談をしていただけだし」

 レミリアの普段の二人称は『お前』の方が多いが、今回は『貴様』であった。
 今の時代では見下した表現に近いという事を知らない様だが、一応、お客様扱いをしているらしい。

(そもそもペット以外の他者とのんびり――と言うのが私にとっては中々無い事なので、それが収穫と言えば収穫かも)
「私が怖くないのか」
(むしろ安心しますね。あなたの様に、イヤな物にイヤと言える人は、そう多くありません)
「そんなもんかね」

 さとりは、会話を続けながらもレミリアの心を読んでいた。
 が、これほど読心に意味が無かったと言う事は中々無い。
 ここまで言っている事と内心にギャップが無いと言うのは、鬼と話している時くらいだ。『直截』とはこういう事を言うのだろう。
 稀に博麗霊夢の様な、『表面と内面が違っても不快にはならない』と言う者もいるが、あんな人物は今のところ他に存在しない。
 ただ、レミリアと鬼では決定的に違う事がある。
 鬼の場合は単に己の力にモノを言わせればウソをつく必要が無く、結果的に裏表が無いと言うだけの話だが、これは強者の理論だ。ややもすれば傲慢ともとれる。
 レミリアの場合は己の心中を吐露し、否定されようがされまいが関係無いのだ。己の意思と発言に責任と誇りを持っているからである。
 だからこそ正直であると言う話で、そこにはレミリアの貴族的な信念が根底にあるのだ。
 軽いウソをつく事もあるが、それはジョークの範疇だ。
 ともあれ、傍にいて安心できると言う評価に、レミリアは少々舞い上がったらしく、

「ま、これからどうするにせよ、希望があったら言いなさい。当家のお客様でいる内は、不自由はさせない」

 と安請け合いをした。
 怖がられたら怖がられたで、悪魔として畏怖を受ける事が嬉しいのだから、結局レミリアは喜ぶ訳で、そう言った点ではポジティブと言うか得な性格である。
 それが紅魔館の抱え込む問題の数を加速度的に増やしているのだが、その住人達は「退屈しない」「興味深い」「修行になる」等と重宝がっているのだから、この館の者は集まるべくして集まったと言う事だろう。

(では、まことに心苦しいのですが、一つ。無茶なお願いかもしれませんが)
「無茶にも二通りある。できる無茶とできない無茶だ。とりあえず、言ってごらんなさい」
(私は妹と同じ様に、一人で散策がしたい)

 つまり、こいしの足跡を辿る様にして、彼女と同じ心理に至ろうという事か。
 先ほど聞いた言葉だが、どうもそれは不可能に近い様に思える。
 そんな事で妹との距離を縮められるなら苦労は無い、とレミリアは嘆息しながら言った。

「さっき聞いたな。で、それが?」
(天狗や鬼の監視を逃れる為この姿をとりましたが、目玉がうろついていると言うのも不自然です)
「外にはそんな妖怪がいるって聞いたんだけどな。幽霊族がどうとか」
(それは特殊なケースだと思います。ですから、私を――サードアイを身に着けて、辺りを散策して頂けませんか)
「別に良いけどさ。私が貴様を身につけて歩いたら、それは一人になりたいって目的とはズレるんじゃないの」
(そこはまぁ、臨機応変に)
「適当だね貴様も」
(そんなもんです。それともう一つ)
「うん?」
(実に美味しそうなお茶なのですが――この姿ではご相伴に預かれません。また今度ご馳走して頂けますか)

 実に残念そうなトーンで、さとりは言った。
 サードアイの眼前に置かれたカップの中身は冷め切っている。

「ああ、そう言う事。許してやってくれ。アイツはパーフェクトだが、優秀すぎて常識を忘れる事がある」

 そう言ってレミリアが指を鳴らすと、そのメイドが再び音も無く出現した。
 そんな適当な合図で即座に姿を現せるとは、「この女、もしかしてこの部屋に張り付いて会話を聞いていたんじゃないか」と、さとりが思わざるを得ないほどの手並みだ。
 しかしレミリアは慣れているのか、或いは気にしていないのか、頓着する事も無く用件を告げた。

「少し天気が悪いけど出かけるわ。傘を」

 空は抜ける様な青空で、気持ちが良いとすら言える天気だが、吸血鬼にとっては逆。
 すると、差し出した可愛らしい手の中に、愛用の日傘が出現する。
 これもメイドの仕業だろう。なるほど優秀だ、とさとりは感心した。

「それと、こいつはこのままじゃお茶を楽しめないのよ。普通の姿の時にまたご馳走してやって。それと、来客があるかもしれない。天狗か鬼なら取り次がなくて良いよ」
「かしこまりました。いってらっしゃいませ」

 そう言って、咲夜は手をエプロンの下に差し込んで、メイド流の丁寧なお辞儀をした。
 彼女はついてこないらしい。レミリアの発言からではわかり難いが、彼女が咲夜を同伴する場合は「行くぞ」と促し、一人の場合は「出かける」と言う。長年連れ添った様な見事な呼吸だ。
 ただ、彼女が一人で外出をする場合、闇夜の時間帯が圧倒的に多い。
 陽が照っているこの時間に出ようとするのは、さとりの為か、単に夜まで待つのが面倒なのか。
 レミリアが傘を手に持たない方の手を差し出すと、その腕にサードアイの触手が巻きついた。

「何だかワケありの悪党みたい」
(寄生されたとか、何者かに体を乗っ取られているとか?)
「そうそう」
(実際に私の意を汲んで行動する訳だから、そう言えない事も無いですね)
「ちょっとカッコイイかも」

 寄生云々は、さとりの悪戯心から出た言葉だったが、その反応はと言えば、厨二染みた中高生の様な物だった。
 レミリアの事を良く知るものから見れば、予想通りと言えば予想通りだし、逆に良く知らない者からすれば予想外の台詞に、(ははは)と、さとりは乾いた笑いを浮かべる事しかできなかった。
 さとりがそんな事を考えているとも露知らず、門番にも必要事項を伝えておく為に、レミリアは門前に降り立った。
 門柱にもたれかかって、呆けた顔で空を眺めている美鈴に、釘を刺す。

「こら」
「……あれ? お嬢様?」
「気を抜くのは良いけど、そのマヌケ面は何とかしなさい」
「これが普通でして」

 美鈴は適当な言い訳と共に伸びをした後、マヌケ面と言われた意趣返しかどうかはわからないが、「お嬢様も今日は奇抜なファッションで」等と、神をも――この場合は悪魔だが――恐れぬ言葉を発した。
 ちょっと気に入っていた姿を『奇抜』と言われ、レミリアは少しむくれながら会話を続ける。

「うるさいな」
「で、その姿をお披露目に出かけると」
「間違ってはいないけどさ……レレレみたいに道すがら話しかけた訳じゃないのよ」
「何か御用で?」
「今日は珍しい客が来るかもしれない」
「は?」
「それが鬼か天狗なら追い返せ。事情も聞かなくて良い」
「はぁ、承知しました」

 鬼と天狗を問答無用で追い返せと言う無茶な命令に、美鈴が緊張感の欠片も無くあっさりと頷いた事に、さとりは驚いていた。
 そう言えば咲夜と言うメイドも、何の逡巡も無く承諾していた事を思い出し、この館の連中は正気か? と言う疑いすら持ってしまいそうだった。

「じゃあ、頼んだわ」
「おまかせください」

 美鈴は相変わらず緊張感の無い声で返事をし、胸をドンと叩いた。
 どうにも優しげ、と言うか小春日和みたいな雰囲気が抜けていないので、頼りになるのか、ならないのか、さっぱりわからない。
 しかしレミリアはこれで良い、と言う表情で歩き出したので、彼女の事は信頼できると言う事なのだろう。
 歩き出してしばらくしない内に、レミリアにさとりの声が伝わった。

(あの方、何者なんです?)
「さて」
(本当に鬼や天狗を追い返せるんですか)
「できないならできないって言うさ。普段からホウレンソウはちゃんとしろと檄を飛ばしてる」
(……)
「アイツがどこの誰かと言うのは正直わからん。スーパーチャイニーズワールドの住人かも」
(すーぱー……?)
「冗談だよ。けど、実際にあいつがどこの誰かってのを知ってる奴はいないわね。もし、力ずくで従わせようとするなら、私に匹敵する力を持つか、パチェの様にあらかじめ手段を講じておくか――貴様を追ってウチに辿り着く者は運が悪いとしか言い様が無い」
(まさか)
「チャイナってわかる? チューゴク」
(直に見た事は無いですが、文献や伝聞なら)
「奴は『中国』そのものなのよ」
(それはまぁ、見れば分かります)
「見た目の話じゃない。奴は中国という概念そのものなんだよ」
(は?)
「中国には4000年の歴史がある」

 突然レミリアが宣言したので、さとりは――目玉の姿だが――怪訝な表情を向けた。

「中国人は気の使い手。中国人は拳法の達人。中国人は道術を修めてる。中国人は語尾に『アル』」
(迷信なのでは……)
「だがそれを信じてる奴がいる。信仰と言い換えても良い。まさに妖怪の在り方だと思わないか?」

 さとりの返答は「はぁ」と一言のみだった。
 余りに薄い反応に、わかり難かったかとレミリアは思い直し、コホンと咳払いをしてから再び美鈴について語り始める。

「つまり美鈴は、間違った中国人信仰が形を持った様な奴――なのかもしれないって事ね。実際の年齢は知らんが、仮にそうだとすれば、中国4000年の全てが奴の中に詰まっているんだな」
(ですが、言葉は普通でした)
「生まれて幾年も経たない内に、変だと気づいて矯正したと言ってたよ。とにかく美鈴は、その長い歴史から必要に応じて、力・技術・知識を引っ張り出して行使できる。プラス強大な信仰。もしアイツが全てを使いこなせるなら、それは化け物としか言いようがあるまい」

 これは冗談では無さそうだ。違うとしてもレミリアはそうだと信じており、おまけに彼女は運命をそう言う方向に誘導できるかもしれない。
 事実、レミリアの心の声と台詞には、やはりと言うかギャップがほとんど無いのだ。

(では、仮に貴女方の領域に無理矢理入ろうとすれば――)

 やや緊張感を孕んださとりの声がレミリアの頭に響くが、本人はニヤリと笑って、

「気の毒にね」

 と、全然気の毒そうでは無い表情で言った。
 さとりは、そこに紅魔館が悪魔の館と呼ばれる理由の一端を見た気がした。
 住人はそれぞれ個性的ではあるが、概ね親しみ易さを発露している。
 ――なのに、皆が皆、どこかに牙を隠し持っている。
 地底の妖怪は牙を剥き出しにしている者の方が多いから、警戒し易い分そちらの方がマシでは無いのか。
 今更ながらヤバい人物に貸しを作ってしまったかもしれないと、さとりは一人肝を冷やしていた。


 ◆


 レミリアの体格は見ればわかる通り、童女並である。
 だと言うのに、その歩幅ではあり得ない速さで人間達の集落に辿り着いてしまった。
 レミリアはゆっくり、優雅に歩いていたはずだが、かなりの速さで辿り着いたと言うのは、摩訶不思議としか言い様が無い。

「さて、どうする」
(あの子――こいしが、戦っていた広場と言うのは)
「普段は、本当に何の変哲も無い風景だよ。喫茶店とか飲み屋はあるけど、それくらいかな。そこで良いの?」
(ええ、お願いします)
「はいよ」

 会話を終えて再び歩き出すと、程なくして人気取り合戦の戦場となっていた場所に到着した。
 弾幕少女達が暴れられるような場所と言うだけの事はあり、かなり開けた所で、様々な人間が行きかっている。
 近くの店でお茶をしていたり、或いは、魔法使いの人形劇を観劇したり。
 さとりが、あちらの女性は――と疑問をなげかけると、

「アリスか」
(あの方も地底に関与した魔女でしたね)
「詳しくは知らないがね。人形に石ころ、通信機なんか持たされて穴倉に入らされる方はたまった物じゃない」

 レミリアはそう言って、人形を操りながら微笑するアリスを見た。
 あちらもこちらに気づいたのか、口元は笑っているものの、レミリアに向けた視線は一気に氷点下にまで落ち込んでいる。
 それに気づいたレミリアは、呆れた様な顔でアリスを一瞥した。

「相変わらず、罪も無い者にとんでもない視線を送るな、あいつは」
(それでも地底の者よりは、ずっと社交的ですね。ただ、『面倒な奴が来た、腕に巻きついてるのは――』と。それ以降は障壁を張ってしまったのでわかりませんが、私の事に気づいた?)
「さあね。それにしても面倒な奴とは失敬な。こんな陽が出てる内から無茶をやらかす訳が無い」

 文句を言いながらレミリアが近づこうとすると、その頬に朱線が刻まれる。
 舌打ちして、レミリアは足を止めた。頬からは赤い筋が滴っていた。
 彼女の魔法の糸か。人形劇を平然と行いながら、レミリアの進路にその魔糸を設置し、その歩みを止めたのだと知る者は、斬られた本人と操る本人だけである。

「皆が怯えるから近づかないで」

 耳元から声が聞こえた。同じように、糸を通じてアリスの声が伝わったのだ。
 今、彼女は確かに劇の為に用意した台詞を喋っているはずだが、これも謎である。
 レミリアが頬を親指で拭うと、血とともに、その斬線が何事も無かったかの様に綺麗に消えうせた。

「私たちはお邪魔らしい」
(は?)
「子供が怖がるとさ。お優しい事だ」
(会話が、あったのですか)
「さて」
(魔法? それとも――人形はあそこで劇をしていますし)
「その為に必要なモノは?」
(――糸)
「たぶん」

 本当に糸かどうかはわからないので――的中しているのだが――レミリアが苦笑い気味に言うと、さとりが「多分?」と疑念を呈した。
 彼女の戸惑った様な声を聞いて、レミリアはやれやれ、と言う風に欧米風のジェスチャーを交え、魔法使いには隠し事が多い、とぼやく。
 レミリアだって、そんな技がある事をしっていれば、あっさり傷つけられる様な事は無かっただろう。

「パチェも奥の手を山ほど隠してると言ってたよ」
(誰しも人には言えない、言わない事の一つや二つ、抱えているのは当然かと)
「仰るとおり。私も、貴様も――貴様の妹君(いもうとぎみ)もね」

 事も無げにそう言うと、さとりは絶句した様だった。
 心が読める内はそれ程でもなかったのに、読めなくなったとなると、途端に心配になった。彼女の事を測りたくなった。
 心を閉ざし、一体何を考え、何の為に『覚』としての生き方を捨てたか。

「で、その妹君の心理に至る切欠は掴めたか?」
(いえ)
「当たり前だ。心の中の事と言うのは結局本人の物で、他人には理解できる訳が無い。心が読めても、それは変わらない、表面の思考、心理ならまだしも、行動原理や無意識まで、手は届かないよ」
(あなたに何がわかると――)
「他人の事はわからないと言った。だが、妹の事で少しだけ複雑な想いを抱えていると言う点は同じでは無かったの?」
(少しではありません)
「それは失敬」

 さとりのサードアイがレミリアを睨み付けた。
 彼女はそれを見て口では謝辞を述べたが、何が面白かったのか、その顔に浮かんでいるのは冷笑である。
 それを見て気分を害したか、さとりが、

(貴女の心、全部暴いてしまおうかしら)

 と、並の人間なら背筋どころか、その血液まで凍りつきそうな冷たい声で威嚇を始める。
 しかし、レミリアは澄まし顔を崩さなかった。

「穴倉に篭っているからか、血の巡りがよろしくないようね。心の中の事など、全て理解できるはずが無い。もう一度言うが、暴いた所で、それは私の意識の上にある物とか表面的な思考に過ぎん」
(……わかりません)
「なら気分を変えよう。どう、そこで甘いものでも食べて、頭に栄養を補給するって言うのは?」
(しかし、この姿では)
「本来の姿を晒しても、少しくらい分かりゃしない。お茶も飲み損ねた様だし不便だろう」

 持ち前の傍若無人ぶりを発揮し、レミリアはさとりの姿に言及した。
 一度決めたら、叩き伏せられるまで止められはしない。
 それ以外に彼女の行動を止められるとしたら、彼女自身が自発的に「やっぱやめた」となる以外に無いだろう。
 だが、この果断さ、決断力こそが、レミリアが自分を偽る事無く生きている事の証であり、周囲に人の集まる理由でもある。
 ――おお、そのカリスマ(魅力)性の高さよ。
 吸血鬼の能力としての『魅力』も勿論あるが、レミリア本人の魅力が相乗――否、遥かにそれを凌駕しているのだ。
 ただ吸血鬼の魔性の魅力と言うだけでは、パチュリー・ノーレッジは親友とならなかったに違いない。
 十六夜咲夜は別の名で、メイドとは違う人生を歩んだに違いない。
 紅美鈴は「紅」と言う文字を頂かず、あての無い放浪を続けていたに違いない。
 それをレミリア本人は知る由も無く、だが自分がレミリア・スカーレットなのだから当然だ、と言う風に理解している言う、複雑怪奇な様相を呈している。
 悩むさとりに、レミリアはダメ押しをした。

「付け加えるなら、妹君は戦いの後、そこの店で食事をして行ったそうだ」

 選択の余地は無かったらしい。結局、さとりはレミリアの提案を受け入れる事にした。
 店に入ると、人間の給仕が現れたのだが、レミリアの姿を見るにつけ、急に奥に引っ込んでしまった。
 怪訝な顔をしていると、今度はショートカットに赤い頭髪が特徴的な別の給仕が現れ、「お一人様ですね」と空いている場所を案内しようとした。
 レミリアが「いや、二人」と言うと、一瞬だけ「大丈夫かこいつ」と言う様な表情をしたものの、二人用のテーブルに案内される。
 その赤髪の給仕はお茶を二人分置いて、ごゆっくり、と言い残し、首を傾げながら去って行った。

「店内に入ってしまえば問題無いだろう。元の姿を晒したくないなら、サードアイとやらに口をつけられないのか? 私が食べさせてやっても良いよ」

 レミリアは実に尤もな事を言ったが、さとりは即座に元の姿を現して、

「『眼』に『口』がついてたら不気味ですよ」

 と、さらに尤もな事を言った。

「こいしは――妹は何を思って、何を食べていたんでしょうね」
「そこまでは知らない。姉さんなら好みくらいわかるだろう」
「仰せの通りで」

 そんな言葉を交わして、レミリアはチーズケーキとブラックコーヒー、さとりは抹茶寒天と、同じくブラックコーヒーを注文した。

「紅茶党かと思っていたが、そうでも無いのか」
「そちらも」
「そう言う気分だったと言うだけの話よ」

 要は、カッコつけたかっただけだ、とレミリアは微笑しながら言った。
 そのレミリアを見てつられたか、さとりも微笑し、同意と言う風に頷く。
 さとりの微笑は「全く、正直なお方だ」と言う感情による物だ。少々自分勝手ではあるが、好人物である事は間違い無い。

「……私もです」
「気が合う様で結構」

 そう言って、運ばれてきたコーヒーに口をつけ、レミリアは文字通り苦い顔をした。
 同じく、コーヒーを一口飲んださとりが、その苦々しい表情で言う。

「大体、あの子お金なんか持ってたのかしら。お小遣いはあげているけど、滅多にウチにも戻ってこないのに――まさか、無銭飲食を」
「小銭なら稼ぐ方法くらい、いくらでもあるよ」
「私達は嫌われ者ですよ。あの子にできる仕事が?」
「当然だ。例えば、さっきのウェイトレス。アイツは妖怪だろ?」
「えっ」
「心を読めるのに、そんな事もわからないのか? 貴様は内面ばかり見ているからか、表面とか雰囲気をハナから切り捨てている。『見た感じ』から得られる情報と言うのは大きい」
「……そのこころは?」

 さとりが問うと、

「表面――つまり『形』も『心』の表れなんだよ」

 と間髪入れずにレミリアが答える。
 悩んだ風も無いと言う事は、日ごろから彼女がそう思っている事だからだろう。

「例えば私付きのメイドは、必要以上に瀟洒で完璧だ。それは私の役に立ちたいと言う心の動きから出ているんだと思っている」
「しかし心中で舌を出している者もいます」

 とさとりは反論したが、即座にレミリアは切り返した。

「そうでない奴もいる。たまたま機嫌が悪い時もある。じゃあ、逆に心中で慕われていれば、相手にぞんざいな態度をとられても良いって言うのか?」
「いえ」
「私のメイドが、心から私の為に働きたいと思っていたとしても、クソみたいな仕事をされた後に、『貴女の為にやりました』と言われたら、私はそいつをブン殴るかもしれない。貴様を慕っているペットが、貴様の為にならない事をしたらどうする」

 不問にする――と言いかけ、さとりは地獄烏の事を思い出した。
 あれは結果的に丸く収まったものの、解決されなかったら相当ヤバい事件だ。
 自分のペットが地上を焼き払う姿を夢想して、さとりは背筋をぶるりと震わせながら言葉を紡いだ。

「お仕置きとまでは行きませんが――叱りはするかもしれません」
「つまり心中を相手に理解させる為には、『そういう』態度をとるべきなんだよ。『形』と言うのは大事だ。貴様は妹君の事を心配だ、大変だと言いつつも、深くは干渉せずに腫れ物を扱う様な態度だったんだろう。心配しているのなら、それを表面に出すべきだった」

 すると、今初めて気づかされたと言う様な表情がさとりに浮かんだが――少ししてから神妙な顔で頷いた。

「――肝に命じます。それにしても、給仕の娘が、妖怪?」
「そう。これもメイドから聞いた話だが、力の弱い妖怪達は、互助会の様な物に参加しているし、里や竹林に隠れ住んでいる者も多いそうだ。なら、日銭を稼ぐ為に、ウェイトレスの真似事をしている妖怪がいても不思議じゃない」
「妖怪のお客には、妖怪の給仕を――それでは、最初の給仕の方は妖怪の娘と交代する為に」
「だろうね。ま、妖怪と分かって雇っているのも珍しいが――妖精が氷を作って金を貰っている時代だし、そう言う事もある。例え妖怪でも、嫌われ者でもね」

 チーズケーキを上品に口にしながら、レミリアはしたり顔で言う。いかにも自慢げだ。
 私は今良い事を言っている、と言う感情が滲み出ており、それがさとりに対してプラスになる事を、微塵も疑っていない。
 一方のさとりは、難しい顔をして寒天にスプーンをブスブス刺している。

「凄いのになると、バンドと屋台を掛け持ちでやってる様なのもいる」
「退治されないのですか」
「度が過ぎればそりゃ退治される。弾幕ごっこで穏便に、な」

 考え込むさとりに、レミリアは諭す様な口調で言葉を続けた。

「今は、例え忌避される能力を持っていようが、嫌われるだけの世界じゃない。それに人間誰しも好き、嫌いと言うのはある。『嫌われている』と言う所だけ見て、その他全ての者を遠ざけるおつもり?」
「私の妹は心を閉ざしたままです」
「なら、なぜ彼女は外に出てきた? 心を開いている方は地底に引き篭もり、心を閉ざした者は陽の当たる世界で活動するって言うのも変な話だ。心を開いていないのは、貴様じゃないのか」
「それは――」

 再びさとりが反論しようとした時、店の入り口から、凄まじい気配が立ち上った。
 一瞬、客が理由もわからず恐怖にすくみ、席を立つ者も出たほどである。
 入り口には、所謂『鬼』が二名、何かを探して視線を振りまいている。
 男性の鬼が人里で活動するのは、その外見の恐ろしさがまずいと判断したのか、小さな角を二本側頭部に持っているのと、もう片方も小さな角が一本、前髪に紛れている女性の鬼であった。
 確かに女性特有の、物腰の柔らかさのようなモノはある。しかし、視線だけは異様に鋭かった。
 天狗側の監視が来ないのは、対さとりにはウソをつくのが嫌いな『鬼』の方が有利だと判断した為だろう。
 その視線は当然の様にさとりとレミリアの所で止まり、応対をしようとした例の給仕を押しのけて、淀みの無い動きでそちらへ向かう。
 さとりはそれを見て、うんざりした様な表情で言った。

「今日はありがとうございました、スカーレットさん」
「レミリアで良いよ」
「また今度付き合ってくださいますか」
「時間はたっぷりあるさ」

 そんな事を話している内に、鬼達がテーブルの脇に辿り着いた。

「ようやく見つけた。地霊殿の主と言う立場を弁えているなら、勝手な行動は慎んで頂きたい」
「ご苦労様。勝手ついでに、もう少し一人にして」
「我々も遊びで来ている訳ではありません。地底の代表者が勝手に地上をうろついて、地上の者との間にまた不和が発生したらどうするおつもりです。オマケに――」

 二人の鬼はそう言ってレミリアに視線を移し、

「故郷から追い立てられ此処に流れ着いた、浮浪者の如き吸血鬼と連れ立っているとは」

 あからさまな侮蔑の表情をレミリアに向けている鬼を見て、さとりは「あーあ」と思ったが、意外にもレミリアは、それを聞いても澄ました顔を崩さず、微笑すら浮かべていた。
 ただの変人か、と思ったか、鬼はすぐにレミリアへの興味を無くした様だった。

「表へ出ましょうか。お店に迷惑をかけられないし、『友人』にケチをつけられたんじゃたまりません」
「友人だって?」

 今度はさとりに侮蔑の視線が注がれる。
 それを無視し、さとりは伝票を手に取った。

「お会計は私が。またお話をしましょう。この葛藤を分かってくれる者は貴女くらいしかいない」
「今日は気分が乗っただけよ」
「そこを何とか」
「妹の事か?」
「妹の事です」

 そう言って、さとりはベージュ色の謎の皮でできた財布を取り出し、中身を確認して、惜しそうな顔でウェイトレスに料金を払った。
 手持ちが少なかったのだろう。それを見た監視の鬼が、

「『お小遣い』が少ないならお貸しするが」

 と嘲笑う様な声をかけたが、

「皿洗いでもウェイトレスでもして稼ぎますよ」

 と突っぱね表へ出、レミリアはそれを聞いて上機嫌にコーヒーを飲み干した。
 席にはそのレミリアだけを残し、鬼二人もさとりに続いた。
 表へ出た瞬間、

「まずは、監視の目を誤魔化して勝手な行動を取った事の責めをとって貰いましょうか」

 と声がするや、さとりの首根っこを掴もうと二本角の鬼が手を伸ばしたが、それは空しく空を切った。
 単にさとりはしゃがんだだけだ。だが、背後からの伸びた手をあっさり空振りさせたのは、第三の眼でそれを確認したからに違いない。
 驚愕で眼を剥く二本角の喉に、お返しとばかりにさとりの手が伸びた。

「げ!」
「鬼の声は癇に障りますね。周りにも迷惑ですし、少しの間抑えていて下さいますか」

 さとりの、心に染み入る、だがトラウマになりかねない声と共に、その喉は濡れた音と共に潰れた。
 ヘタをすれば死ぬ様な攻撃だが、そこは妖怪だし、丈夫な鬼だから平気だろうと言うのもあったろう。
 それでも効果はあったらしく、二本角はしゃがみ込んで涎を垂らしながら咳き込んでいる。
 まさしく一瞬の出来事であった。もう片方の髪で角を隠した一本角が、問う。

「お見事。争いは苦手だと伺っておりましたが、間違いの様だ」
「苦手ですよ。ただし、『苦手』と『できない』は違います。こいしを見てればわかるでしょう。それとも、外見で私を判断しましたか? 私は表面にも気を払えと忠言を受けましたが、貴女方はもうちょっと内面に注意を払った方がよろしい」

 そう言って、いつの間にか席を立って外に出てきていたレミリアの方に視線を向けると、彼女は両手を上げて、

「そうね。私も一面しか見ていなかったようだな」

 と謝辞をさとりに送り、さとりもそれを聞いて微笑した。
 一本角はその会話を聞いて薄ら笑いを浮かべながら言った。

「余り地上でハデに暴れる訳にも行かないのですが、そちらがそう来るならば、此方も相応の手段を取らせてもらう」
「貴女の心は丸見えなのですよ。……そう、私の――!?」

 慌ててさとりは後ろへ退がろうとしたが、一瞬遅かった。
 彼女の足を、しゃがみ込んでいた二本角がしっかりと掴んでいる。
 さとりの表情が驚愕に染まり、身を引く事も適わないその顔面に、間髪入れず一本角の拳がめり込んだ。
 こちらも妖怪だから即死こそしなかった物の、鼻骨は砕け、ボトボトと鼻血を流しながら、さとりの意識は暗黒へと連れ去られた。

「おっと、まだだ、まだ倒れるなよ」

 倒れるも何も既にさとりは気を失っていたが、そのまま崩れ落ちる事を許さず、一本角は彼女の胸倉を掴んだ。

「今の一発は勝手な行動を取った罪の責め苦。これから相棒の分をかましてやらにゃならん」

 そう言って再び拳を振り上げ、もう一度さとりに叩きつけようと言う段で、彼女の腕は凍りついた様に動かなく――否、動かせなくなった。
 レミリアがその腕を掴んでいたのである。

「くっ!」

 慌ててそれを振り払い一本角は距離をとったが、その腕は青く、まるで死人の様な色に染まり、その機能を全て停止させていた。
 まるで力が入らない。それ以前に、感覚自体が消えている。

「流れ者の吸血鬼風情が――一体何をした!?」
「知らないのか? 吸血鬼に掴まれた箇所は痺れて使えなくなる。昔、カーミラと言うレズビアンのクソガキが良くやっていた手だ。興醒めだから余り私は使わないんだが――」

 貴様らには丁度良いだろう、と言葉を続け、レミリアは獰猛な笑みを見せた。

「おのれ」

 さとりを手放し、一本角は残った拳を繰り出したが、それが直撃する寸前にレミリアの姿は紅い霧となって、文字通り霧散した。
 鬼の背後にその霧が収束し、再び吸血鬼の姿を取り、その肩がポンポンと叩かれる。
 一本角は憤怒の表情で振り向きざま拳を振り回したが、やはり同じ様に霧となったレミリアにはヒットせず、バランスを崩してみっとも無く膝をついた。
 その顔には殺意と怒りが漲っている。並みの相手ならこれだけでも恐怖で動けなくなりそうな物だが、三度姿を現したレミリアの表情には薄ら笑いが浮かんでいた。

「鬼ごっこか。あまり面白くも無いな」
「――当たりさえすれば貴様なんか」
「当ててみろ。私もバンパイア・ミストは使わん」

 超サイヤ人とフリーザみたいな会話を交わし、レミリアは楽しそうに笑った。
 まさかこんな理想的な反応が帰ってくるとは。内心大喜びしながらレミリアは気に入っていたマンガの台詞を吐いた。
 そんなナメられた状況になっているとは知らず、楽しそうな表情が気に障ったか、一本角は拳を繰り出し、その拳は凄まじい音と共に――レミリアの小さく、可憐な掌の中に納まった。

「こんな程度か? あの四天王のチビ鬼なら、今のパンチで私の手なんかブチ砕いていたろうに」

 レミリアは、自分を棚に上げてチビ――伊吹童子を引き合いに出す。

「な、何だと……!」
「鬼もピンキリか。夜の私と互角に戦える奴。そして、日が照っている時の私に手玉に取られる奴――お前の事だが」

 確かに、光を受けている部分のレミリアの肌はチリチリと焼かれているようで、闇夜よりも、彼女の顔には生気が無い。アンデッドキングに生気と言うのも妙な話ではあるが――。
 それを考えると、陽の光が彼女へどれほどの負担となっているのかは想像もつかない。

「故郷に境界(ボーダー)を引いて逃げ出してきた悪魔の癖に」
「勘違いするなよ。私はこの幻想郷を第二の故郷と定めたんだ。地上を捨て逃げ出したのはお前らじゃないのか?」
「お前に何がわかる」
「わからん。しかし、お前にもわかるまい。私達は人間からも神からも――太陽からすらも忌避されている」

 神と悪魔は同列では無い。
 基督教において神は唯一絶対なのだから、全ては、悪魔も含めて神が創ったと考えるのが正しい。
 悪徳の象徴として悪魔を存在させたのだから、否定される為の存在として、神は悪魔を作りたもうた。
 対して妖怪は、人間が理解の及ばぬ事に出会った時に、それを受け入れる為、納得する為に生み出された者であった。
 受け入れられる為に存在する者と、否定される為に存在する者では、境遇は遥かに違うだろう。
 レミリア達紅魔館の住人がどれだけ過酷な運命を辿って来たか、それは正に血と悲劇に彩られた物であったに違いない。

「私達は全てを否定される運命にある。だがお前たちはどうだ? 力ずくで封印されたのならともかく、祀られていた者もいるだろうに、全てを投げうって地底へ逃げ出したお前らは、ただの根暗としか言い様が無い。地底でネチネチくだを巻いて暮らすのがお似合いだな」
「うるさい!」
「おまけに、お前達は紛い物とは言え太陽を手に入れた。吸血鬼にはそれも許されん。夏の夜に凍え、冬の日差しに肌を焼かれ、永劫の渇きに餓えなきゃならない」

 レミリアの瞳が紅い光を帯び始めた。そこに宿る物は、こいつらを始末すると言う意思。
 一本角はその魔眼の力に押されたか、単に迫力負けしたか、思わず視線を逸らしてしまう。
 それと同時に今度は一本角の拳が悲鳴を上げた。

「その薄汚い手を離せ」
「鬼は力自慢なんだろう。太陽の下では、おそらく私は平時の半分ほどの力も発揮できまい。そんな非力な手も振り払えないのか」
「ぐっ……!」
「幻想郷は全てを受け入れるそうだ、私たち悪魔には非常に助かる。――どう生きるも、どう死ぬも自由。穴倉に篭りたいならお前達だけでやれ」

 そう言ってレミリアが手を離すと、その拳も腕ごと死んでいた。
 いつまで麻痺しているのかはわからないが、両腕を封じられた鬼は、最後の手段とばかりに倒れているさとりに駆け寄って、その華奢な首に狙いを定めた様だった。
 その足で首を踏みつけて、

「お前の友人がどうなっても良いのか」
「鬼というのは卑怯な手が嫌いじゃ無かったのか? まぁ、その馬鹿力だけに裏打ちされた程度の自信ではそんな物か。格上相手ならあっさり掌を返す。やはり所詮その程度だね」
「それ以上に私達は負けるのが嫌いなんだ。お前の所為で、友人は重症を負う事に――」

 言葉を続ける前に、別の物が一本角を心胆寒からしめた。
 その背後から、天上から舞い降りた女神の様な声がかけられたのである。
 絹糸の様に繊細で艶やかな――ただし、それを向けられた者がゾッとする様な声音であった。

「初めまして」

 ここは弾幕少女が暴れても大丈夫な位の広さがある。そう、定期的に人形劇が開かれる程度には。
 おそるおそる一本角が振り向くと、まるで天才芸術家達の魂の欠片で創られた様な美姫が、こちらを冷たい眼差しで見つめていた。
 ――アリス・マーガトロイド。
 その表情に何を感じたか、ただの魔女相手だと言うのに、一本角の全身から汗の珠がどっと噴き出した。

「近づくな」

 恫喝したつもりだったが、その声は震えていた。

「貴女達が好き放題やった所為で、私の観客が逃げてしまった」

 声すらも光を放っている様だ。
 ただ、その内容は怨嗟の声としか思えない。
 美影身の発する身の毛もよだつような呪詛に、一本角は震えが止まらなかった。

「今、撤収する。近づくな」

 ――何故、たかが魔女に怯えなければならないのだ。
 自問自答を行うも、答えは出なかった。
 ただ、美しい。
 その感情だけが鬼の思考を塗り潰し、本当に綺麗な物を見た時、人は恐怖を覚え、震える事しかできないのだと、彼女はその時初めて理解した。
 両腕が使えない以上、一本角はさとりを抱える事ができなかったので、相棒に彼女を確保する様に伝えようとしたが、二本角もしゃがんだ体勢のまま凍りついている。
 一体何をやっていると叱責を与える前に、一本角は状況を把握する。
 全身が硬直している。おそらくは、相棒も。
 いくら力を込めようが足は勿論、指先一本まで動かす事ができない。
 まるで見えない『糸』か何かで縛られたかの様に、別のベクトルから加わっている力が、鬼二人の身動きを許さなかった。
 不可抗力とは言え一緒に暴れていたレミリアも、こらまずいと感じたか、苦笑しながら、

「すまなかったわね、アリス」

 と、いの一番で逃げに入った。
 あの豪胆その物だったレミリアが素直に謝った辺りで、アリスがかなり怒っていると言う事を察したのか、鬼達は何とか逃れようと身をよじろうとしたが――体は勿論、その舌すらも動かず、荒い息をつくだけであった。

「責は今とらせるわ。その足をどけなさい」

 しかしその足はさとりの首を踏みつけたままだ。動けないのだから当然である。
 動けないようにしているのは、おそらくアリス本人なのだから、サディストの素質があるな、とレミリアは思うと同時に、「やはり魔法使いは研究や実験の邪魔をされると凄く怒るのだなあ」と妙な納得を覚えていた。
 どうやら以前パチュリー相手にやらかした事があるらしい。

「レミリア」
「なに」
「彼女が後ろへ退がるのを手伝ってやって」
「なんで私が」
「貴女達が暴れた所為で――」
「はいはい」

 どうも同じ魔女の親友がいる為か、アリスの言葉も妙に断り難い。
 レミリアが一本角の体を押し戻してやると、そいつから苦鳴が漏れた。
 こいつはひどい、とレミリアが思ったかどうか。
 一本角の体が後ろへ退く毎に、いつの間にか背後に張られた糸が、その膝の裏辺りに食い込んでいく。
 それを知って尚、相手を退がらせるレミリアもレミリアなのだが――。
 一本角は悲鳴をあげる事も許されず、動く事もままならず、レミリアに押し返されるまま、足がゆっくりと確実に切断されている事を認識し、溢れ出る血潮が足の裏までしたたる感触に心底慄いた。
 それが『反対側』へ通り過ぎた後、ようやく彼女は激痛と恐怖の余り失神した。


 ◆


 その夜、レミリアは再び一人で外出をし、永遠亭を訪れた。
 応対した鈴仙に見舞いと言う事を伝えてさとりの病室まで案内させ、彼女の顔を見て破顔すると、安心した様に口を開いた。

「元気そうね」

 顔面に巻かれた包帯が痛々しかったが、妖怪なら数日で治癒するだろう。
 永遠亭の治療を受けているのだから、さらに完璧である。

「おかげさまで。感謝します」
「何の話かな」
「私の相談に乗ってもらった上、助けてくれました」

 さとりは申し訳無さそうに言う。

「勘違いは良くない。貴様を助けたのはあの魔女」
「監視の方達を最初に制してくれたのは貴女です」
「本物の鬼で、鬼ごっこをしてみたかっただけと言ったじゃないの」
「そして逃げる方も鬼、と」

 そう言って二人は、悪魔や地底の妖怪と言うには邪気の無い顔で笑った。
 そして、困ったように微笑みながら、さとりが疑念を呟く。

「でも、何故ここまで私に親切を?」
「さて」
「助けてくれたのはまぁ、貴女の言う通りだとしても、病院に入れてもらった上、治療費はタダだそうです」
「ここは基本的に趣味でやってるボランティアの様なものらしい。薬代くらいは勿論取るけど、大した値段じゃない」
「しかし薬師さんは凄い金額を口にしていました。地霊殿のお金は旧地獄の運営費で私の自由になるお金は少ない。とても払えないと言ったら、貴女から貰うと」
「明日から門番を増やすよ」

 そう言ってから、レミリアは背後の鈴仙に凄まじい視線を送った。
 鈴仙は、彼女の師匠の所為でとばっちりを受けた形になる。この後レミリアに何を言われるのかと考えると、非常に憂鬱だろう。

「とにかく、その辺りは気にしない事だな。何より貴様は私の事を『友人』と言った。なら、友人の為に骨を折ってやるのはおかしな事かな」

 レミリアはあさっての方向を見ながら言った。
 自分の台詞に――照れているのだ。心を読まなくても分かる。
 なるほどこうして見ると、彼女の『形も』『心』の表れであると言うのは至言であり、それを見ているのも楽しいものだな、とさとりは微笑し、「ありがとう」と伝えた。
 それを聞いて、レミリアはさらにあさっての方向を向いたが、急に真面目な顔で、

「骨折りついでに、もう一つ報告がある」

 と何でも無い事の様に語りかけた。

「――何か?」
「多分、貴様の妹君が見舞いに来る」
「……! それは、貴女の能力で?」
「貴様の監視だ。片方は完全に意識を刈り取られていたが、もう片方は苦痛だけで済んだ。連中が地底に戻っていれば、貴様の動向がご自宅に伝わるのも当然じゃないか」

 どうやら、一本角は想像以上に過酷な責めを受けたらしい。
 自分の勝手で起きた事態なので、少し申し訳無いなとさとりは思ったが、自分も鼻を砕かれ――女性の顔を傷つけられている。それなら差し引きゼロで良いだろう。

「それがこいしに伝わったとして、彼女が私を心配して駆けつけるなんて」
「もう少し妹君を信じてやる事だな」
「それも忠告ですか」
「経験則さ。私達と平等に、彼女達にも時は流れている。少しは腹を割って話をすると良いわ。お互い、言葉にしなければ伝わらない事もある」
「表面に出すのも大事――でしたか。どう言う経験をされたのか聞いてもよろしい?」
「想像に任せる。ところで――貴様は大分地上を出歩くのが難しくなったようだが」
「許可をとって監視を撒いたりしなければ平気です」
「それは良かった」

 再び笑顔を交わし、ここで終わればこの話はさわやかな涼風の様に二人の心に残ったであろう。
 しかし、無遠慮な足音がその空気を崩壊させた。
 一体何事かとレミリアが不機嫌に振り向くと、そこには憤怒の形相で博麗の巫女が立ちつくしていた。
 怖いもの知らずの悪魔も、これには思わずビビらざるを得ない。
 一体何事かと事情を問うと、里において妖怪同士で揉め事を起こした事の文句を言いに来たらしい。

「ちょっと、あれはアリスが」

 レミリアは冷や汗混じりに言い訳を試みたものの、帰ってきた返事は、アリスは見ていただけ、と言う事だった。巫女の台詞は無根拠な物ではなく、目撃証言があるようだ。
 ただし、事実では無い。
 やられた――とレミリアは歯噛みした。思い返せば、あの場にいたアリスは糸を操って喋っていた以外は、『突っ立っていただけ』なのである。
 人形も出さなかったし、魔法を使いもしなかった。
 彼女は実に鮮やかな手腕で鬼二人に制裁を加え、おとなしくさせた。誰もそれを『アリスの仕業』だと気づいていなかった事を除いては。
 まさかあの細く美しい繊手が、ハープ奏者の様な優美な動きで以って、相手に呵責の無い残酷無比な責め苦を与えていたとは、想像の埒外だろう。
 確かにあれは、レミリアが彼女たちの行動を封じ、嬲り殺しにしていた様にしか見えまい。
 例の鬼たちになすり付けようと口を開けば、既に彼女達にはヤキを入れたと絶望的な答えが返ってきた。あの二人は二重に懲らしめられた事になる。きっと問答無用だったんだろうなと、レミリアは根拠は無いものの、確信に近い感情を抱いた。
 他に申し開きはあるか、と言う巫女に対して、もはや三十七計目を決め込むしか無いと考えたらしいレミリアの答えは、

「バンパイア・ミスト!」

 であった。
 霧状のレミリアに慌てる事も無く、巫女は結界で彼女を取り押さえ、説教をかます為に彼女を神社へ連行し、鈴仙もレミリアのプレッシャーと巫女の剣幕に相当気疲れしたか、胃薬を求めて調剤室へと足を向けた。
 病室には、ポカンと口を開けたさとりが残され――彼女は、今までのレミリアのイメージからは程遠い喜劇的な面を見て、一人きりにも関わらず、声を出して笑った。
 部屋の隅に、大笑いしている彼女の姿を見て、同じ様に口を開けたまま驚いているらしい、フロッピーハットをかぶった薔薇が似合いそうな少女がいる事にも気づかず、さとりは大いに笑った。

 翌日、さとりの姿は病室から消えていた。
 患者に対して事故の無い様、永遠亭のケアや警備は完璧だったはずなのだが――まるで姿の見えない何者かに連れ去られたかの様だったと、永遠亭の兎達は語った。


 ◆


 ――それ以降の文々。新聞、小さな記事より抜粋。日付はわからない。

 最近、地上で稀に『覚』と言う種族が目撃される様になったのはご存知の通りだろう。
 心を閉ざした『覚』――あても無く辺りを散策し、仏教に入信したり、人気取りに喜び勇んで加わったり、その行動には突飛な所が多い様に見える。

 最近、稀の稀――極々稀に、その『覚』の横に、別の『覚』を見かける事がある。
 彼女は自分を嫌った、腹に一物ある様な――特に地上の――他者が嫌いと思われているものの、その時の二人は喫茶店で、お茶などを楽しんでいた。
 誰も二人に気づかぬ風であり、本人達もそれを気にしていない様なのだが、時折、日傘を手にした吸血鬼と行き会った時にだけ、二人は心を開いたみたいな晴れやかな顔で会釈を交わすと言う事だ。

(記者:射命丸文)
10作目と言う記念にいっちょ長編でもやってやるかと考えていたのですが、大体いつもの中短編になり、レミリアとさとりの話なのにアリス目立ちまくりなので、反省はしていません。
世の中こいフラが大分前から色々ありましたが、自分はどちらかと言うと姉同士の存在が気になっていましたカテゴリなので、自分なりに形にしました。

読んで頂き、ありがとうございました。
磯野ー、野球しようぜ
ぶゃるゅーょ
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コメント



0.2690簡易評価
3.100名前が無い程度の能力削除
 うん、面白かったです。
5.90名前が無い程度の能力削除
おぜうとさとりんの交流みたいなのは好物です
しかし、アリスは優しいのか優しく無いのかどっちなんですかね…
6.90奇声を発する程度の能力削除
こういうの好きです
7.100さとしお削除
 普段はやらないだけでその気になればスゴイ、というのが大好きなので、この作品の登場人物がそうであったことがとても楽しかったです。
8.90桜田ぴよこ削除
上に同じ。
9.100名前が無い程度の能力削除
「お嬢様」
「おうよ」

ここで躊躇い無く吹いてしまった自分には瀟洒さが足りないと思いました。
12.100名前が無い程度の能力削除
レミリアもさとりも、その生き様というか、その心の有り様が格好いいなと思いました。
しかし、これだけ強いレミリアやアリス、さとりを退治出来るとか、博麗の巫女はどんだけ強いんだ(汗)
15.100名前が無い程度の能力削除
お話はとても面白かったし、それとは別に美鈴の考察が面白いなと思いました。

ずっとカリスマを纏ってたのに霊夢にあった途端たじたじになっちゃうおぜうかわいい。
21.80名前が無い程度の能力削除
鬼に自分を投げさせたり鬼の喉潰したり、割と脳筋なさとりんが斬新で面白かったです。
あまりに計り知れない美鈴とアリスも○
23.100名前が無い程度の能力削除
エンターテイメントとして素晴らしい。
25.90名前が無い程度の能力削除
いいね
30.100名前が無い程度の能力削除
なんてカリスマなおぜうさま!ばんきっきが人里に馴染みすぎてて、私も一緒にアルバイトしてみたいと思いましたw
とても面白かったです。
40.100名前が無い程度の能力削除
威厳あるお嬢様やサードアイだけさとり、美鈴の正体など素敵な世界を楽しませていただきました
お嬢様が実にかっこいいし、アリスもかっこいいというかクールビューティーですねぇ
あと、人里の店で給仕をやっている赤蛮奇とか妄想がたぎります
43.90名前が無い程度の能力削除
が、、

喜劇もこなすからこそカリスマが輝くのがお嬢様の魅力です。
49.90お姉ちゃん信者削除
こうしてみると、やっぱり長い時間をかけて熟成されてきたレミリア他紅魔勢のキャラクターとしての深みは、創作において大きな影響力を誇っていると感じました。中華の化身・紅美鈴の解釈や、氷の美少女アリスの描写なんかにも、何気ないキャラクターの日常の裏側にある『超常者』としての側面がよく現れていて良かったです。
53.90名前が無い程度の能力削除
格好つけてみるとおかしなことになりますが自然体だとすごく格好いいんですよね、レミリア。
特にこのお話のレミリアは格好いいと思いました。
72.90名前が無い程度の能力削除
おぜうさまはどんなシチュエーションでもサマになりますね
笑いもカリスマも見せて行くスタイルはさすがです