Coolier - 新生・東方創想話

世界への扉

2014/03/05 10:39:15
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世界とは、一体何なのだろうか。

暗闇に閉鎖された真夜中の地下室。

きっと外の空には、美しい月が浮かんでいるのだろう。

外なんてもう、随分見ていないから、月の形なんて覚えちゃいないけど、確か凄く綺麗だった。

私、フランドール・スカーレットは今日も平淡な一日が過ぎるのを体育座りで待っていた。

朝が来て昼が来て夜が来る。

当たり前の一日。

幻想など、ありゃしない。

愉快な文字の綴られる事の無い、情景も心情も何一つ綴られる事の無い白紙の本。

例えるのならそれが私。

私にとってはどこか物悲しさを感じさせる本だけど、他人から見たら、只の紙切れ。

何だか悲しくて、今日も私はただ暗い部屋の殻に閉じ籠る。

目を閉じて意識を手放せば、今日も朝が来る。

吸血鬼を苦しめる太陽の光は、ここには届かない。

それ故、朝が来ているかなど確かめる術は無い。

ただ今が朝だと信じて目を覚ます。

また空っぽで虚しいだけの一日が始まる。

もう何故起きるのかさえ、生きるのかさえ解らない退屈な日々。

ずっと眠っていれたら、どれだけ幸せだろうか。

外の世界の空は、今何色をしているだろう。

遠くで聞こえる筈の妖精逹の喧騒は、まだ眠っている。

静かな静かな地下室は、小さな世界から遮断されて私と供に孤立する。

私は今日も独りぼっちでここを生きます。

だけどたまにはお外に出たいから、私はドアノブに手を掛けてみる。

確か、昨日もこんな事したっけ。

いや、一昨日も、何年もだ。

けれど、開いた先の世界がもしも、今より暗く、虚しく寂しい結末しか与えてくれないのなら、私はここに閉じ籠る事を選ぶ。

だってその方が、幸せだから。

もう、耐えられない。

これ以上苦しむくらいなら、妄想の中の皆と暮らしていく事を選ぶ。

この扉を開いたら、皆は居るのだろうか。

騒がしい妖精逹の声はここまで響くけど、もしも、もう誰もこの館に居なくて、この明るい音楽逹は、皆私の作り出した幻聴なら、私は何も見たくない、知りたくない。

お姉様、お姉様、もし居るのなら、ここに来て、昔みたいに外の世界を教えて下さい。

私一人じゃ開く事の出来ない扉を、供に開けて下さい。

苦しくて溢れ出した涙は止まらなく、足元に、小さな跡を付ける。

私は今日もここで独り眠る。

明日こそ、扉を開いてみせるから。
どうも、卯月弧です。
二作品目です。
今回は、フランちゃんの葛藤を書きました。
明日やろうと思ってずっと後回しにしちゃう事って結構ありますけど、後々大変な目に 笑
アドバイス頂けると、大変嬉しいです!
卯月弧
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コメント



0.70簡易評価
2.70名前が無い程度の能力削除
ひきこもりの苦痛?永く生きる妖怪にとって、暇こそが最大の課題なのでしょう。
3.90絶望を司る程度の能力削除
頼むマスター、このフランちゃんに救いをやってくれ。俺にはもう……苦しそうな彼女を見ていられないんだ…!
4.80奇声を発する程度の能力削除
うーむ、苦しい…