Coolier - 新生・東方創想話

山積みの言の葉

2014/02/13 18:06:27
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ーあおがえるさんの「ことばのない雪の日」のパロディ的な作品です



『山積みの言の葉』




あなたとわたしの出会いは一期一会
みつけてくれてありがとう




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「おうい、パチュリー!お邪魔するのぜー!」

「…あら、魔理沙だったの。お久しぶり。」

「今日はいい天気だぜ。たまには大図書館から出たらどうだ?」

「いやよ。夏の真っ昼間に外出なんて、人のすることじゃないでしょ?」

「ごもっともだぜ。ところでパチュリー、頼みたいことがあるんだが…」

「魔理沙の手をにぎっているその子が関係しているのかしら?」

「ご明察だぜ。さ、セミちゃん、挨拶して。」

(セミちゃん…ひどい名前ね。センス0。あだ名かしら)

「こんにちは、ぱちゅりーさん。わたし、セミちゃんっていいます!」

(ガチネームかよ)

「こちらこそ。紅魔館へよく来たわね。それで、ご用件は何かしら?」

「はい。じつはー、」




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一日目

「それにしても、今日は暑いぜ。パチュリーは平気なのか?」

「動かないからね。それより魔理沙、あの子はいったい何者なのかしら。そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」

「その名の通り、あの子はセミの妖精だ。寿命も七日間しかない。今朝、博麗神社の裏の山でクワガタ狩りをしていた時に出会ってさ…。『本が読みたい』って頼まれたから連れてきたんだぜ。」

「そうだったの…。」




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二日目

「あら、おはよう魔理沙。今日も来たのね。」

「ああ。パチュリー、セミちゃんはどこなんだぜ?」

「たぶん、8D2F区画よ。食事とか、身の回りのことは小悪魔に頼んでおいてあるわ。」

「そうか。










…あらためて見ると、ここの蔵書の量は常識はずれだな。いったい何冊くらい保管されているんだ?」

「引きこもり系魔法少女100年分は優に超すわね。」

「その中からとびきりの、自分好みの一冊を見つけ出すとなると、気が遠くなりそうだな。」

「まあね。選ぶ時、参考になるのは題名くらいよ。題名がいまいちな物語は、永遠に埃をかぶったまま、誰の手に取られることもないでしょうね。」

「そうなのか?この前、霖之助が『作品に貼られたラベルで評価を下すのは愚かな行為だ』みたいなことを言っていたんだけど」

「でも、そのラベルがぱっとしなかったら、読む気も起きないでしょ?それじゃ本末転倒じゃない。」

「まあ、あいつがしてたのは絵の話だったしなぁ…。
あ、パチュリー。わたし明日は来れないから、セミちゃんのことよろしく頼むぜ。」

「わかったわ。…ねぇ、魔理沙」

「なんだ?」

「あの子の名前ってー、」

「もちろんわたしがつけたぜ!」

(あなたが犬飼ったら名前が『スーパーカー』とかになりそうね)




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三日目

「パチュリーさん」

「どうしたの?小悪魔」

「私、これから少しばかり出かけてきますので、セミちゃんのお世話をお願いしていいですか?」

「もちろん、構わないわよ。」

「ありがとうございます。では…」



(さて、セミちゃんはどこかしら…)









(ずいぶん遠くにいたわね。)

「おはよう、セミちゃん。大図書館の古本はお気に召したかしら?」

「うん。すごくおいしい」

「食べんなッ!!」





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その日の夜、セミちゃんは消えて無くなった。どうやら、魔理沙と出会った時点で既に四日が経過していたらしい。
何日か後、あの子の読んでいた本に目をとおしてみたが、なかなかいいものを選んでいた。




また会えたら、ちょっとうれしい。










あおがえるさんの「ことばのない雪の日」を読んで、『なるほどなぁ』という気持ちと、『いやでもこれはこうで…』という気持ちが出てきて、どうしても書きたくなってしまいました。

「ことばのない雪の日」との間に他の作品を入れぬよう速さ命で書いたのですが、抜かれてしまいましたw
そして速さ命の代償で、クオリティが低い(言い訳)。

題名って大事ですよね。そういう類のセンスが欲しいです。
BoiL
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コメント



0.140簡易評価
2.80飯場 直人削除
 確かに題名は悩みますよね。でもこのリズムは個人的に好きです
4.80奇声を発する程度の能力削除
テンポ良く読めました