Coolier - 新生・東方創想話

わんこ魔理沙

2005/09/08 19:16:57
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幻想郷に朝が来るのは当たり前な事だ。
そして、目覚め。
いつもどおりの生活。
いつもどおりの起床時間。
そう、なにもかもがいつもどおりだと思われた。

「ふっ……ふぁああああ~~」
魔理沙は大きな欠伸をした。
しかし魔理沙は何かに違和感を覚えた。
魔理沙は頭に手をやる。
そこで………
ぽよんっ
「ん…」
魔理沙はさらに頭を触る。
ぽよんっ
「な、なんだこれ~!!! も、もしかして……」
魔理沙は後ろを見る。
「や、やっぱり…」
尻尾もスカートの下からちょっとだけ姿を見せている。
「いったいどうしたんだ? 何か組み合わせの悪い物でも食べたのか?」
自問自答する魔理沙。
「うーん、やっぱり『あれ』が不味かったのかなぁ…とりあえず霊夢にでも聞いてみるか?」
魔理沙は箒に手を伸ばし、博麗神社へと向かった。
「なんだか乗りにくいぜ」

「おーいれいむ~」
「ん?」
霊夢は空を見上げる。
そこには一匹の犬?もとい魔理沙がこちらに向かっていた。
「霊夢っ、実は聞きたい事があるんだ」
「まあ、いろいろとつっこみたい所はあるけど、言いたい事はその事でしょう」
「そうなんだが…」
「犬ねぇ」
魔理沙は居間に案内され、帽子を取り、座っていた。
「魔理沙、せっかく来たんだし何か食べる?」
「おう、なんでもいいぜ」
(尻尾振ってる…喜んでいるのね。 それにしてもあれじゃスカートの中身丸見えね)
「はい、高級なお茶よ」
「確かにいいにおいだな」
(まあ、おおかた紫の仕業でしょうね…こんな事が出来るのは…あえて言わないけど)
「でしょ?」
「じゃあ、遠慮なくいただくぜ」
二人はつかの間の休息を取った。
「ふぅ~、これからどうするかな?」
魔理沙は尻尾を横にどかし、ねっころがった。
その横になっている魔理沙の頭付近に霊夢は座る。
(触ってみたい…)
霊夢の手は魔理沙の耳に触れていた。
「きゃっ………」
ぴくっ、ぴくっ
魔理沙の耳が小刻みに震えた。
「やーんっ、可愛い~~~~っ」
「れ、れいむっ?」
ふにふにふにふに
「きゃっ…ちょ…霊夢、駄目だってば」
ぴくぴくぴくぴくっ
「もう、魔理沙は可愛いなぁ。 じゃあ尻尾は………」
さわっ
「くすぐったいよっ、れいむっ」
なでなでなでなで
「きゃははっ……だめ……だって」
しばらく魔理沙は霊夢の玩具になっていた。

「ごめん…魔理沙」
「まったく霊夢が犬好きだなんて知らなかったぜ」
「たまにはいいじゃない」
「たまには…な」
「でも、どうするの?」
「どうするか…」
「霖之助さんにでも聞いてみる?」
「香霖にか…一応期待はしないが当たってみるか」
二人は香霖堂へと足をのばした。

「霖之助さん居る?」
「霊夢か…どうしたんだい?」
「実はね…」
魔理沙が後から入ってきた。
「香霖…実は、犬耳と尻尾が生えてきちゃったんだ」
「!!!!!」
香霖は魔理沙の姿を見ると素早く魔理沙に近寄り…
「素晴らしい!!!!」
「「え……」」
「これは素晴らしい事だよ!魔理沙!人気投票一位の君がさらに萌え~な犬耳と尻尾をつけるとは! 君は順位を不動の物にするつもりかい!!??」
魔理沙にビシィッ!!と指差す霖之助。
「確かにこれ以上人気者にはさせるわけにはいかないわね…」
霊夢もその時の事を思い出し…
「ちょっとまって…霊夢、香霖」
「「問答無用!!!!」」
「きゃあああああああ!!!」
魔理沙は再びいぢられた。

「私、汚されちゃった………」
「霖之助さん!! なんてことするのよ!!」
「いや、その事で分かったんだが」
「何がよ!」
「魔理沙に生えている耳と尻尾の事だよ」
「何か分かったのか! 香霖!?」
「ああ、さっき触れた時に分かったのだが、それは魔力の塊だ」
「魔力の塊?」
「それは誰かの意思で故意に付けられた物だ。 だから魔理沙と一心同体になり、触られただけでも感じるんだ」
「なるほど………」
「僕に聞くより後の事はあのメイドの館にでも入って聞いてみるといいだろう」
「ああ、ありがとう香霖」
「いやいや」
霊夢と魔理沙は紅魔館へと向かった。
「僕も色々と楽しませて貰ったからね…フフフ」
霖之助のメガネが光った。

二人は紅魔館へ着き、咲夜の部屋を訪れた。
「おーい、メイド長」
「魔理沙?じゃない」
「なんか引っかかる言い方だな」
「だってねぇ…」
「「犬だし」」
「酷いぜ二人とも……」
「ここで犬のスペシャリストである咲夜に聞きたいのよ」
さくっ
「いだだだだだだ!!」
霊夢の額の中心にナイフが刺さる。
「誰が犬のスペシャリストよ!」
「だって色々言われているじゃない…?」
「私だっていつの間にかだったのよ」
「最近は猫だって言われてるぜ」
さくっ
「いたいっ、いたいって」
魔理沙の額にもナイフが刺さった。
「その事は言わない! で、私にどうしろと?」
「魔理沙をなんとかして欲しいのよ」
「つまり、調教してほしいのね」
「え? そういうわけじゃ」
「任せなさい! この十六夜 咲夜! 必ず魔理沙を純情な犬に育てて見せるわ」
「違うって!」
「お手」
「わんっ」
魔理沙は無意識に反応して咲夜の差し出された手に自分の手を置いてしまう。
「こう見ると本当に犬ねぇ…」
「だから…」
「おすわり」
「わんっ」
魔理沙は今度は座った。
「ほーら、とってこーい」
咲夜はナイフを投げた。
「わんわんっ」
魔理沙は空中でナイフを口で掴んだ!
「「おお~~~っ」」
ぱちぱちぱちぱち
「はっ、私は何を…」
「じゃあ、次は………」
「これ以上やらせると…撃つぜ…」
魔理沙の手には既に魔力100%の恋符が握られていた。
「わ、わかったわよ…だったら紫にでも頼んでもとにもどしてもらったら」
「そうか、その手があったか」
「おもしろそうだから私もついていくわ」
「それじゃあ、マヨヒガへ行きましょう」
三人はマヨヒガへと向かった。

「到着~」
「おや、霊夢殿、魔理沙殿、咲夜殿いかがなされた?」
「紫起きてる?」
「今日は珍しく起きてるわよ」
紫が隙間から出てきた。
「紫、これをなんとかしてほしいんだが………」
「わかったわよ、それじゃあ、奥に来て」
(今日は楽しんだ?)
(もちろんよ、あんな魔理沙2度とみれないわ)
(魔理沙も可愛いわよね、素直なら)
紫、霊夢、咲夜の三人はぼそぼそと話しをしている。
「さっきから何話しているんだ?」
「どう、戻すのかなってね」
「じゃあ魔理沙、そこの魔方陣の中心に立って」
「お、おう」
魔理沙は魔方陣の中心に立つ。
「今から魔理沙の身体をもとに戻すからね」
「………………………」
紫は詠唱する。
「はっ!!」
魔方陣から光が溢れる。
徐々に光が静まる。
「どうかしら?」
魔理沙は頭を触る、後ろを見る。
「治った! もとの私に戻った」
「ありがとう! 紫! 後で私の酒を御礼にやるぜ」
「あら、ありがとね。 じゃあ私はこれで…」
「霊夢、咲夜、紫、ありがとな」
魔理沙はそれだけ言うとさっさと戻っていった。

「今日は楽しかったわ、ありがと、紫」
「気付いていないの、魔理沙だけみたいね」
「今日一日魔理沙は私たちの玩具だったのにね」
どうやら、三人はグルだったようだ。
人気投票一位の宿命からして、下位の者に妬まれるのは必然。
それをどうやって気付かずにやるかが問題なのだ。
それで、魔理沙はまんまと騙された訳。

終わり
魔理沙がいぬでもいいじゃないか!
カシス
[email protected]
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コメント



0.2110簡易評価
1.80名前が無い程度の能力削除
「わ、わかったわよ…だったら紫にでも頼んで基にもどしてもらったら」
誤字?

新鮮でした。いぬでも…いい…
6.無評価カシス削除
いやはや失礼いたしました。
「もと」という漢字は意味も含めて多彩なので苦手です。
平仮名にしました。
7.90シゲル削除
目がさめました、ありがとうございます♪
12.30no削除
題材としてはありがち故に容易に萌え転がれる類のものですが、
文章があまりに平坦なのが残念でした。
平たく言うと魔理沙への〝ねちっこさ〟が足りな(星型弾
13.70こゆき削除
犬魔理沙可愛かったです。そしてソレで遊んでる霊夢ももとても可愛かったです♪
22.70名前が無い程度の能力削除
作者メッセージで吹いた
35.60名前が無い程度の能力削除
みんな犬が好きなのかそれとも魔理沙が好きなのか・・・?
魔理沙は原因に気付いていないようだし、あるいみ全員がハッピーエンドですね
52.40名前が無い程度の能力削除
う~ん…話が好きな方向なだけに惜しいなぁ…