Coolier - 新生・東方創想話

深く御覧ず、反転談

2005/09/04 22:18:06
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数々の難問難題をまみえて解決、武勇伝も数多く。

事件あるところに我は在り。郷の平和を担うもの。
博麗に住まい、博麗を守り、博麗の使命を帯びて。

博麗霊夢は今日も湯呑みから湯気を垂らす。
それは平和な証拠であり、不変的な幻想郷の平穏のしるしであるはず。

しかしところがドッコイダー。最近というものは事件は向かわなくとも
向こうからやってくる始末。武勇伝?そんなもの広めたことはない。
いや、あちこちに話してはいるんだけど、どうも広がらないのよ。

とにかく事件は向こうから、そりゃもあれこれ鬱陶しい。
はてさて待ってと言われても、待たぬ人々十人十色、傍若無人の暴れん坊。
彼女ら住まうは幻想郷、あら摩訶不思議の大世界。

いえともかく。賽銭はやってこないのに災難ばかりがやってきて。










~深く御覧ず、反転談~










「霊夢~・・・・・・霊夢~・・・・・・」

ふらりふらふらしなる影。
ゆらりゆらゆら幽霊か?

「あら、妖夢、珍しいじゃない」
「ぐすっ、ぐすっ・・・・・・」

半分幽霊でしたとさ。
さて今日のクライアントは妖夢のようで。

「幽々子様が・・・・・・幽々子様が・・・・・・」
「・・・幽々子がどうしたの?」

あれは今日の朝早くのことでしたと、回想に頭をフル回転させて。










白玉楼にて朝は始まりまして。

『う、ううん・・・・・・はっ!!いけない!!』

寝坊、寝坊の大寝坊。となりでふわふわ半身が。
ガバリ布団を飛び出して、着替えて梳かして急げ急げ。
頭のリボンふりふりと、走れ厨房台所。

『あら妖夢おはよう』
『へ?』

ところが先客がすでに立ち、とんとんととん包丁で。

『あんまり気持ちよさそうに寝てたから、私が作っちゃったわ』
『(幽々子様が自分で起きて料理してるーーー!!!!?)』
『もうすぐできるから、卓袱台と・・・・・・』

あれとこれとの用意、お願いね。
私は夢を見ているのかな。頬をつまんでつねってみても、痛い痛いと夢覚めず。
ぐるりぐるぐる思考がまわる。
いえ、決して幽々子の頭のあれ(@)を見たからではなく。

『さ、できたわ。これ運んで頂戴』
『は、はい―――――』

朝食を並べて箸を出し、いただきますと食べ始め、静か静かに数分後。
おかわりと言ったところまではよかったのでございます。
いえ、この時点ですでに異常なのですがさきほどのショックで思考が麻痺しているようで。

『はい、どうぞ』
『ん、ありが―――あら、妖夢。それは盛り過ぎよ。もっと少なくてもいいわ』

空いた口がぽっかりと。空洞奥まで音も無く。食欲無いとは一大事。
頭の端で、何かのいたずらでしょうと高を括っていた思考も吹っ飛びまして。
盛った茶碗をほっぽり投げて飛びつきたるは幽々子の顔に。
髪をかきあげおでこに手を当て、体温計。
熱はなし。顔色よし。変な気配もからっきし。

『幽々子様、舌出してください』
『やだ、妖夢。そんな破廉恥なこと何処で覚えてきたの』
『勘違いですっ!!』

喉の奥を見るものの、風邪の気配もてんで無し。

『一体どういう・・・・・・』
『どうしたの、妖夢。今日の貴方、ちょっと変よ?』

変なのはあなたですと驚愕に顔を染め上げた妖夢は言うのでした。










「そこまではまだよかったんです!!!!」
「・・・」

十分変なのは今に始まった話ではないわけで。

「そのあとのおやつの時間に!!!何て言ったと思います!!?」
「さぁ」

こうしてクライアントの愚痴を聞き(流し)、問題の原因を思考している霊夢。

「『妖夢。こんなに砂糖を入れては太ってしまうわ』ですよ!!!?今までだってそんな―――」
「(幽々子の人格に変化・・・・・・誰か乗り移ってるとか???いや、もともと幽霊だったわね)」

ティッシュ片手に鼻をチーンと。一息の妖夢。
それからまたべらべらと、日ごろの鬱憤を晴らしているようにも見えるのはご愛嬌。
幽霊が取り付かれるなんて聞いた事も無いわと霊夢。
とりあえず見てみないと何ともわからないか。
ともあれ白玉楼に向かうとして、

「お茶のおかわり、飲む?」
「いただきます!!」

お茶で一服することにした。
時刻は午前の日が山の中腹に差し掛かっておりまして。
要は午前の十時をまわったところで。

「(昼前には終わるかな・・・・・・?)」

ずずず、湯気を立ち上らせて、ふぃと一息つく霊夢でございました。
ま、湯気が立ったということは幻想郷にとっては大した事ではないわけで。









日は中腹へと昇りかけ上々、白玉楼にて日が照らし。

「ひゃあ・・・・・・」
「・・・・・・はぅ」

着きましてご覧になりましたるは幽々子の姿。
今日は天変地異の日でありましたでしょうか?
畳に座りて目を細め、彼女が向かうは活ける花。片手ハサミに花持って。
こりゃ重症だわ、と霊夢が呟きまして。

ちなみに妖夢は昏倒してしまっています、はい。

「あら、霊夢。いらっしゃい―――妖夢、帰ってきてたのなら」

ただいまぐらい言いなさい。
シンと空気は透き通り、漂うカリスマ、頬を撫で。

「幽々子。最近何かあった?」
「いいえ―――あ、でも、今年の幻想郷は豊作らしいわ」

と、普段の幽々子なら狂喜乱舞するものを。
ところが幽々子の周りには、不審な気配は微塵にも。

原因は別にあると見た霊夢。
数々の事件の解決にて最も使うかと思われる力であります。
その上で通る道通る空で関わる者を捌いているわけですが。

「さ、そんなところに立ってないで入りなさいな」
「あ、いや。今日はちょっと寄っただけだから―――」

そそくささっさと立ち去ろう。そう思う霊夢でありましたが。

「―――待ちなさい。霊夢」
「え―――」
「そんなに急がなくともいいじゃない―――」

不意に幽々子に止められて―――――。













「重・・・い・・・・・・っ」

幽々子に頼まれて紅魔館に届け物をする霊夢。
その両手には風呂敷包み、詰まった餅をぶら下げて。
兎にも角にもゆらゆら揺れて、真っ直ぐ飛ばぬは虫の様。
ここで一唱。

秋空や ふららふらりと 紅白の 仰ぎ眩しき 照る日の様

要は昼過ぎ。ああまだこんなにも暑い、ああおなかすいた、ああ重い。
駄作を頭にちらつかせながら紅魔館へと足を運ぶのでした。

いえ、元々足なんて地につけてませんでしたね。










さて、紅魔館にて。
門を過ぎて、はて、いま誰もいなかったかしら。
いえ、決して霊夢は意識も無く相手を潰すようなことは無く。
今日は門番は休日かなと、ふと頭を過ぎりて耳の外。

ちゃちゃと済ませて行こうかと、思った矢先に話し声。
用事は詰まっているのよと、目を這わせて見てみれば

「そんないいんですよ~」
「ちょっと美鈴!!」

メイドと門番が庭先で、ごちゃりごちゃちゃ話し中。
対談よりは揉め事で、笑顔の門番、宥めるメイド。

「名前で呼んでくれなくたっていいんですよ」
「そんな開き直らなくったって―――――」

はあ、どうやら美鈴は開き直ったようで。
これも幽々子と同じ状態かしら。

「名前で呼んでもらわなくたって私は私ですから~」
「そんなこと言わないで。ちゃんと呼んであげるから―――」
「いえいえ―――」

格別、害はなさそうなので放っておくことにしまして。
紅魔館の奥へと歩を進めるというか符を進めるというか。





「レミリアー?」
「ん、霊夢、いらっしゃい―――あら?」

その背に抱えた風呂敷は―――私に嫁ぐつもりでも?

「生憎、幽々子からのお土産よ」
「珍しい。変なものでも食べたのかしら」
「変といえば変だったわ、相当」

まぁ、見る人が見ればあのカリスマは―――――。
そこで思考をやめにして、どさりテーブルへ風呂敷包み。

「変といえば、今日は中国が変だったわ」
「うん、さっき見てた」
「あらそう」

たまにはちゃんと名前で呼んであげようかしらと呟いて、叩き鳴らしますは手のひら。
どこから現れたりますかは神のみぞ知る?紅魔館メイド長の参上で。

「ティータイムにしましょう?―――そうだパチェも誘ってきて」
「はい」

空気騒がず消える咲夜。レミリア、頬をついて霊夢に向かい。

「そういえばあの黒白も来てたわね―――ついてくるかしら」
「当たり前じゃない。それにしても紅魔館はずいぶんと手薄になったのね」
「そんなことはないわ。今日は門番があれだから―――」

ふぅと一息つきまして、遠い目したるは二人の瞳。

なんだか苦労してるわね。
そういう貴方も相当ね。

ツウと言いますか通と言いますか、二人になるとそんな風。

「大変です!!パチュリー様が!!」
「今日の咲夜は驚きの沸点が低いのね、レミリア」
「中国にあんな風に開き直られたら―――ね」

紅魔館の門番の名前は、案外重要な位置を占めていたようで。





さてはて、やっとお天道様から逃れたと思いきや、ふたたび見参。
咲夜に連れられえっちらおっちら。向かった先は庭の中。
ピンクの日傘を揺らしながらの吸血鬼。
ああ、目立ちたるは紅白巫女。

二人が見たものは日の下でベンチに横たわるパチュリーでして。
日の下気持ちよさそうに、目を閉じてまったり。
強いて言うなら本持たず。まぁ、直接日光は痛みますので。

二人見合わせ同じ疑問。これがどしたと声揃え、メイドに尋ねたその瞬間。

「ん~~・・・・・・やっぱり健康には日光浴ね」

「「どええぇえぇぇぇぇ!?!?!?」」

爆弾発言もいいところ、ぐぐっと伸びをして一息。
顔はさんさん太陽浴びて、健康的―――にはなっているのでしょうか。
ただただ普段とは違うパチュリーに驚くあまり。
さきほどからこんな感じでしてと咲夜の呟きはどことなく疲れていまして。

中国といいパチュリーといい―――幽々子もそうかと霊夢の思考。
私もそのうちこうなっちゃうかなとの思いは閉まっておいて。

「そういえば魔理沙は?いるんでしょう??」
「あ・・・・・・ここに」

見れば木の元にちょこんと座って本を開いておりまして。
すたすた近寄る霊夢を前にどこかおどおど目を躍らせまして。

「今日は見ないと思ったら、こっちに来てたのね」
「ぁ、霊夢、そんな近―――な」
「え?何て言ってるのか聞こえな―――」

小鳥のさえずりのごとき声を聞かんと耳を傾けましたら

「きゃあぁああぁ!!」
「ぎゃあーー!!」

魔理沙の音撃(悲鳴)の直撃にて。喰らいボムもいいとこ。
きゃあってアンタと目を傾かせれば、赤く鬼灯、魔理沙のお顔。

はぁ、なるほど、お前もか。
あれだけ豪快な性格だ。変われば変わると踏んだ霊夢は

「えいっ」
「きゃっ――」

ちょっと遊ぶことにいたしまして。
ま、おでこを指でつついただけでですが。
胸に本を抱きしめて、顔沈めたるはしおらしく。
魔理沙は相当うぶな性格になってしまっているようで。

「(弄りてぇ―――)」
「れ、霊夢・・・・・・?」

攻めと守りの立場が変わってしまってさぁ大変。
いや、霊夢ほど悪魔顔をするのは誰でも出来そうにはなさそうですが。

「さぁ、大人しく貴方の貞操を私に・・・・・・」
「い、いや・・・・・・」

そんな目で見られると余計に虐めたくなっちゃうじゃない。
外道の巫女の目ぐるぐると、息を荒くハァハァと。

「ちょっと、そんなとこで魔理沙弄ってないで何とかしなさいよ」
「まだ弄ってないもん」
「その怪しい指の動きは何かしら」

レミリアに言われてやれやれと、ああ、なんて仕事に真面目なんでしょ私。
蠢く触手のごとき指を正し、ふわり浮きまして手を顎のした。

「やはりここは幻想郷一の天才に聞きにいくべきね」

そうしようと一人頷き、巫女は飛んでいったのでありました。

「パチュリーならここにいるわよ?」
「多分それよりも頭がいいと思うわ」
「ハクタク?それとも薬剤師?」
「ううん、意外と近くに居るのよ。今限定だと思うけど」

レミリアに答えながらふわりふわりと。










これは性格の反転と見た巫女。
ま、そんなことが出来るのはこの世に一人しかいないわけで。

わざわざ天才のところへいくのにも奴のところへ行くためで。


さて、ここから物語はクライマックスへと―――え?
他の人たちは・・・うんうん、どうなっているのか?
仕方ありませんなぁ。それじゃちょっとだけ、見ちゃいますか。










永遠亭にて。

「永琳~、こんな引きこもってないで外へでましょう~?」
「ああ?何でそんな姫に付き合わなきゃいけねーんだよ」
「永琳、冷たいよー」
「師匠!!また勝手に私の調合薬を自分のって偽っただろ!!」
「うるせぇ、ウドン!!弟子は黙って師匠のことを聞いてればいいんだよ!!」
「ウドンじゃねぇ、略すな!!そんなんだから馬鹿なんだよ!!馬鹿師匠!!」
「なんだと、この馬鹿弟子があぁぁあああ!!!」
「あんたなんて師匠じゃない!!!」
「永琳~・・・」

「もう人に幸せなんてくれてやるかぁぁあぁぁあああ!!はーっはっはっは!!!」(てゐ

なんだか反転というかダークサイド。





虹川。

「平和だな、リリカ」
「静かが一番よね、ルナサ姉さん」
「ZzZZzzzzz・・・」





人形遣い。

「へーい!!魔理沙愛してるぜー!!・・・・・・っていない。神社かな?」





虫+闇+鳥。

「この手の先が―――――そしてここ―――『蟲』あるいは『みどりもの』と・・・・・・」

「カットカットカットカットカットカットカットカットぉぉぉぉぉぉ!!!!」

「俺の歌を聴けぇえぇぇぇぇぇぇえええ!!!!」






とまぁこんな感じ。
え?最後のは誰かが乗り移ってる?
気のせいに決まってるじゃないですか~。










意外と近いというのもすぐ近く、紅魔館の湖の上にて。
涼しくなった空気をよそに、さらに涼しく彼女の周り。

「それであたいのところに?」
「まぁね」

巫女と氷精が相対し、何を思うか水の上。

「多分頭良くなってると思って」
「ふーん」

馬鹿なら天才になるはずだと霊夢。
つまらなそうにチルノは佇む。

「マヨヒガの空間の位置とか割り出せたりしない?」
「今の時間ならこっからあっちにまっすぐ行ったところの」

木の間からとあっさり答えまして。

実際頭は猛烈に良くなっているチルノ。
裏返せば以前が相当―――考えるのはやめましょう、悲しくなるから。

「どうせならそのまま頭が良いままでいいのにね」
「自覚はないよ。あたいはどちらにしてもチルノには変わりないから」

すうと目を細めておっしゃること、頭が良さそうな仕草。

「頭がよくなって気づいたけど、あたいは馬鹿のままでいいと思う」
「―――」
「霊夢は『反転』しないのは、博麗の巫女だからだと思う?」
「っ・・・・・・」

心の奥に閉じ込めておいて置いたものの噴出しを、ふっと心を水の様。
静め沈め鎮めしずめしずめ・・・・・・。

「・・・・・・馬鹿に言われるとは思って無かったわ」
「自覚しているなら―――」

最後の一言聞きもせず、霊夢はびゅんと飛んでいきまして。
ふぅと腕を抱くように組み、空を見上げて一時。

「霊夢―――貴方はもう『反転』しているというのに」

紅魔館の湖のうえに一時の天才が一人。










ラストを飾るはマヨヒガの、その先にある一軒家。
八雲の表札・墨の黒、住まうものの名を掲げ。

「たのもー」
「ああ、霊夢か。今は忙しいから適当に座ってろ」

出てきたのは八雲式こと八雲藍。
割烹着に身を包み、洗面器に手ぬぐいに、後ろに橙が粥持って。
誰か風邪でもひいたのかしら、勝手気ままにあがりこみ。
二人のあとを追えば部屋、ムンと湿気が立ち込めて。

「さ、紫様。お粥です」
「ありがとう―――あら」

布団から体を出しますは八雲家・大黒柱、八雲紫の寝巻き姿。
頬を赤く染めてダルそうに。ああ、風邪ですかと一目瞭然。

「霊夢いらっしゃ―――はくしゅんっ!!」

どわんっ。
藍の頭から煙がもくもく。

「・・・はて、私はどうして紫様に仕えているのだろうか」
「ああ・・・・・・また―――えいっ」

どろんっ。

「・・・ん?私はいったい」

首を傾げて、はて何だっけ。

「私にお粥を食べさせてくれるんじゃなかったのかしら」
「え、ああ。そうでした」

はむ、と粥をおほばる紫。
さてそろそろ本題ねと霊夢は話を始めまして。

「あなたのおかげであちこち大変なのよ」

妖怪でも風邪をひくのねと付け足しながら。





かくかくしかじか話を終えて、一息つけば部屋は二人。
紫と霊夢の二人きり。
要は紫のくしゃみであったのだ。おかけで力が漏れる漏れる。
ちょっとした拍子で性格の境界がずれるずれる。風邪ひきなので尚更と。
そんなこんなで皆、変に。

「それはごめんなさいね、気をつけるわ」

と布団にもぐりながら紫は懺悔して。

「今すぐ戻せるの?」
「ええもちろん」

えいと手をふらり。まるで魔法使いが杖を振るかの要に。










「妖夢、おかわり」
「はい―――これぐらいでいいですか?」
「ええ、ありが―――」

どろんっ。

「あら?私はどうして―――?」
「幽々子様?」
「ん、何、妖夢。そんな少量で私のおなかが膨れると思って?」
「へ―――?」
「もっと盛って頂戴」
「・・・戻った。幽々子様が―――」
「妖夢?」
「っ・・・足りないのでもっと炊いてきますね」
「―――何泣いてるのかしら・・・・・・あらこの生け花綺麗。私もやってみようかしら」






「ふふ、魔理沙。かわいいよ―――」
「あ、アリス・・・・・・やめ―――」

どろんっ。

「・・・私は一体何を・・・あれ、魔理沙」
「どうことだか知らないが、私の胸を直に触ろうとするとはいい度胸だ」
「え?ち、違うのよ、魔理沙。そもそも魔理沙は触れるほど胸なんて―――」
「うるさーーーい!!!!」
「ぎゃーーーーー!!!!」





「どうしてこんなに日焼けを!?肌が!肌がぁぁぁ!!」
「パチュリー様、気を確かに!!」





「門番・・・・・・いえ美鈴」
「っ!!レミリア様・・・・・・私のこと名前でちゃんと・・・・・・ぐすっ」
「へ?な、何泣いてるの―――!」






「・・・・・・・・・そろそろかな―――さよなら、頭の良かった『あたい』」

どろんっ。

「・・・ん?あれ、あたいどうしてこんなところに???」
「チルノちゃーん」
「お、大妖精~」





「・・・・・・あれ、何してたんだろ、私。あ、ルーミアにミスティ・・・」(リグル
「まわれまわれまわれまわれまわれまわれ―――――!!!!」
「突撃ラヴハァァァァァト!!!!!」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」














「・・・・・・ん?今何か違うものが・・・」
「どうしたの?紫」
「いえ―――何でもないわ」

この騒動に混じって乗り移った者たちは放っておくことにして。

「ちなみにさっきから気になってるみたいだけど」
「あ?わかる?」

霊夢の顔にはっきりと、聞きたいオーラが滲み出て。
要は妖怪の風邪について。

「人間と一緒よ。妖力の―――体力かしら―――使いすぎ」
「珍しいじゃない。貴方が力の使いすぎなんて」
「貴方がお茶を飲んでいる間、私は結界の修理で忙しいの」

遠まわしに霊夢は怠惰だと言っておりまして。
やれやれとため息一つ。
今日一日で何回したでしょうか、お賽銭が逃げるのも分かる気が。

「さ、霊夢。最後はあなたの番よ?」
「何が?私が答えることなんて特に何も―――」
「違うわ。反転のし直しよ」
「―――っ」

気づいていたんでしょうと紫は天井へつぶやく。

「おそらく一番初め・・・・・・とは言わないけれど」

貴方も『反転』してるのよ、私の力のせいで。
ぐぅの音も出さずに霊夢は同じように天井を見上げる。

気の目がとても鮮やかな天井だった。

「不変の巫女、霊夢。私以外で境界の上に立つ貴方は反転しても貴方だったわ」

半端な反転であんまり変わらなかった奴も多かったけど貴方は違うのよ、と。

「―――いいじゃない、それで」
「違うわ、そうでなくてはならないのよ」

空気が重いのは決して湿気のせいではないはずで。

「だって・・・・・・皆は変われるのに、私だけ変われないなんて」

切な過ぎるじゃないの―――――

言ってることが直前と違うなんて言わせない。どちらが本音でもない。
どっちも『博麗霊夢』の思いなのだから。

「―――変わったわよ」

仰ぎ涙をたらす霊夢は答えない。

「私たちは・・・・・・幻想郷は博麗によって変わっているのよ」

その事実は霊夢に届いたのだろうか。誰も知らない。
神になんぞ、知られてたまるか。

「不変はどこの世界にもいなくてはならない」

変われる者と変わってはいけないもの。これは境界の鉄則。
ものは不変を通して変となす。

「でも今の貴方にはちょっとつらいわ、だから」

もっと大人になったらねと。

「大丈夫よ、貴方は『博麗』の名を冠するものよ?」

まるで今までずっと見続けてきたように―――何を?いや、彼女達を―――。

一時の不変による一日はこうして幕を閉じる。















数々の難問難題をまみえて解決、武勇伝も数多く。

事件あるところに我は在り。郷の平和を担うもの。
博麗に住まい、博麗を守り、博麗の使命を帯びて。

博麗霊夢は今日も湯呑みから湯気を垂らす。
それは平和な証拠であり、不変的な幻想郷の平穏のしるしであるはず。

彼女は何も超えようとはしない。変わってはいけないからだ。
それこそが博麗の証。郷の変化を担うもの。

それでも事件は向こうから、そりゃもあれこれ鬱陶しい。

「霊夢~・・・霊夢~・・・」
「またきたのね、魔理沙」

はてさて待ってと言われても、待たぬ人々十人十色、傍若無人の暴れん坊。
彼女ら住まうは幻想郷、あら摩訶不思議の大世界。

いえともかく。賽銭はやってこないのに災難ばかりがやってきて―――







お粗末。

人にとっての変化やターニングポイントってのは
イニシエーションっていうのを飛び越えて恐怖だと思う。

それは誰もが知っていていつか越えてしまってたりするんですよね。
閑話。

ああ、相変わらず語り手調だと最後までなかなか持ちません。
でもこれが今のところの最も得意とするところなので。
そこで一唱。

秋空や ふららふらりと 物書きの 仰ぎ遠しき 照る日の様

精進精進。
唐々素
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コメント



0.5280簡易評価
9.60七死削除
これは中々の御調子もので。

秋空と 女心は 変わるもの 変わる変わるも いつもの君なり

お粗末様でした。
17.70吟砂削除
これは面白いお話ですね。さっくり読んでしまいました。

霊夢は博麗の巫女であり、博麗の巫女は不変である。
でも、博麗の霊夢と年相応の少女である霊夢、
この霊夢の中に在る立ち位置は変わってたのかもしれないですね。
最後の紫との会話でそう読み取ったのですが・・・どうでしょうね。

一唱返せればいいのですが、無作法で心得ありませぬ故、
コレにて失礼させて頂きます。良作ご馳走様でした♪
29.80空葉削除
とても面白かったです。
一唱返したいのですが、歌の才がないのでこれにて。
失礼しました。

45.無評価赤雪丘陵削除
これはとてもおもしろいですね
それぞれの反転具合が良いです
     それにしても天才チルノ(゜∀゜*)ハァハァ

                   俺の歌を聴けぇぇぇぇっ!!

秋涼の 蒼き湖水に 漂いて 行くべき道を 魅せる者かな

お粗末様
46.80赤雪丘陵削除
ぐはっ 
点数入れ忘れました
ごめんにゃりよ(゜Д、゜) 
50.60床間たろひ削除
面白い、面白いんだけど……霊夢の下りを読んで何か切なくなっちゃい
ました。望むとも望まずとも変われない、選択の余地がないのは哀しいですね。

秋風に 転びの煙 混じれども 愁う心も 染まず漂ふ
66.90名前が無い程度の能力削除
「動←→静」「生←→死」そんな反転すなわち変化すら許されなさそうな
巫女にしんみりしてしまいました

しかし、一番記憶に残ったのは
蟲師リグル+ワラキアルーミア+熱気ミスティアでした
特に「開戦直後より弾幕乱舞、烏合迎合の果て名プレイヤーの奮戦は荼毘に伏す!
回せ回せ回せ回せ回せ回せ……!」とか言い出しそうな現象吸血鬼に乗っ取られた
ルーミアが一番のツボでした
67.無評価名前が無い程度の能力削除
↓の感想の最後に書き忘れました
駄作ですが、せっかく作ったので送ることにどうかご容赦を

秋の日に 日々是騒日 思い知り これこそ望む 日々と楽しむ
81.80コヨイ削除
吹き出したところが多数ありました。
性格を反転させただけで面白いように変わる幻想郷堪能させてもらいました。
チルノかっこいいいよチルノ。
中国・・・悲しいよ中国・・・。

駄作ですが。
秋の刻 翠は紅へ 移りゆく またその姿も 美しきなり
88.70名無し毛玉削除
⑨を裏返せば、永琳や慧音を凌ぐ天才になる…その発想は私にはなかったなぁ。
妙に悟った風なチルノがよかったです。
98.50名前が無い程度の能力削除
誤字脱字がひどい。
119.100無を有に変える程度の能力削除
反転チルノが某スイカ剣のチルノのように見える
反転チルノの消滅に哀愁を感じた私は異端であろうか・・・・?
124.90名前が無い程度の能力削除
チルノ天才すぎワロタ