Coolier - 新生・東方創想話

夏の風が運ぶもの

2013/09/11 23:29:16
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 魔法の森のどこか、魔理沙亭。ここへ時たま遊びに来る氷精チルノは、今日も元気にドアを開ける。
「魔理沙ー! あたいが遊びに来てあげたよ! “てみやげ”はないけどね!」
 一方の家主、霧雨魔理沙はというと。
「……あー、すまん、風邪をひいた。今日は遊んでやれん」
 それだけ言うと、ベッドから起こした体をばふんと横たえた。


 翌日、“魔理沙が風邪をひいた”という噂がうっすらと。
 幻想郷のごく狭い範囲に、ごくうっすらと広まった。


「あら、ほんとに寝てる」
「んー? なんだ、記念すべき最初の見舞い人は霊夢か」
 風呂敷袋を手に二つ下げ、意外そうな顔をする来客。
 幻想郷の核となる人物の一人、幻想郷の守護者を務める博麗の巫女、博麗霊夢である。
「なんだとはお言葉ね。私も半信半疑で来たのよ」
「私たちの仲に疑う要素があるのか」
「チルノから聞いたからね。正直あんまり信じてなかったわ」
 霊夢は見舞いの品を机に置き、一見ガラクタにまみれた部屋を見回す。
 その辺りから椅子を見つけてベッド脇まで引っ張ってくる。
「だいたい風邪ごときが言いふらして回る程のことかしら。まったく子供なんだから」
「なによ、よくわかんないけどなんか聞き捨てならないわね!」
 チルノが別の部屋からひょいと顔を出す。あらいたの、と霊夢。
「そうなんだよ霊夢、こいつ今朝から居座っててさ。ああ、この風邪もきっとお前のせいだな。だから霊夢、退治してくれ」
「はいはい、病人は黙って寝てればいいの」
 体を起こした魔理沙の肩をつかんで無理やり寝かす。
「で、症状はどうなの? 見たところ深刻じゃないようね」
「ん、あぁ」
 聞かれた魔理沙は鼻を一すすりして。
「ちょっと頭が痛くて咳が気になるぐらいだな。どこかの氷精が朝からいるせいで、正直体温は分からん」
 熱くはないと思うんだが、と魔理沙。
「それより霊夢、その風呂敷はなんだ?」
「一応風邪薬は持ってきたんだけど、いらなかったかしら」
「私は薬には頼らない子だからな。寝てればすぐになおるぜ」
「ふうん、じゃあいらないのね。最近真面目に病院やってると噂の、永遠亭から貰ってきた薬なのだけど」
「おいちょっと待て、あいつの薬か、それなら話は別だ。私はすぐにでも健康になりたいんだ。待て、隅に寄せるな」
 癪だから、どこかに常備してあるであろう薬箱でも発掘してやろうか。
 そんなことを霊夢が思っていると、きっちり二回、ノックの音がした。


「あら、寝込んでるっていうのは本当だったの。妖精の言うことだからあてにしてなかったのに」
「霊夢と同じ事を言いながら入ってくるな」
 二人目の声の主は、同じ魔法の森に住む魔女、アリス・マーガトロイドだった。
 体を傾けて霊夢越しに覗くと、見えたのは本とリンゴ一つを抱えたアリス。と、いつも侍らせている人形、上海人形。
「はいこれ、お見舞い。自分で剥ける?」
「聞く前に突きつけるな。霊夢といいチルノといい、私に何か恨みでもあるのか」
 アリスが握ってぐいと突きつけた赤い果実を、私は負けじと押し返す。ついでに空いている手で包丁の方を指さす。
 アリスはちらと見て、歩かずに人形に取りに行かせる。
「体調はそんなに悪くないみたいよ。だるいのと咳と、チルノが居座って困ることぐらいですって」
「そう、なら大したことないわね」
 霊夢から差し出された椅子に座りながら、アリスが何でもなく言う。
「大したことなくないぞ、どうして患者の部屋が天然冷蔵庫にされなきゃならんのだ。寒気の原因がこいつなのか風邪なのか分からん」
「冷蔵じゃないわ、冷凍よ!」
「ならばますますここから出て行け」
 チルノと小競り合ううち、皿と包丁を持った上海が帰ってきた。
「……魔理沙、もう少し掃除した方がいいわよ。すでに上海が疲れてるわ」
 アリスの手のひらを土台にして、リンゴを回しながら上海が皮を剥いていく。
「魔理沙、食欲はある? お粥ぐらい作ってあげるわよ」
「ああ、昨日の夜も食べずに寝たんだ。すまないが頼むぜ」
 霊夢が席を立ち、台所へ向かう。
「夕飯もすぐ作れるよう適当にしといてあげるから」
「あ、じゃあ私も手伝うわ。チルノ、このお皿持ってて」
 霊夢に続いてアリスが席を立つ。まかせなさい!と皿をリンゴの下に当てるチルノ。不安だ。
「高いとか低いとかあったらあたいに遠慮なく言いなさい!」
「シャンハーイ」
 上海は飛んでるから関係ないと思うけどな。上海人形の手元が狂うと面倒なので口には出さない。
 食器扉を開く音。やがて水をくむ音、火のつく音で騒がしくなる。
 二人の立つ台所からアリスの「そうなの?」という声が聞こえる。


 上海の剥いたリンゴを食べ、少し後に霊夢の作ったお粥を食べた。
「最初はどうなることかと思ったが、なんだかんだ言って看てくれるのな」
「さっきは驚いてただけよ。嘘だと思ってたから」
「そうね、珍しいと思っただけ。本当だったことが」
「なによ、あたしはいたずらはするけど嘘ついたことないわよ!」
 霊夢とアリスに掴みかからん勢いのチルノ。
「ただ日頃の行いが信用を招かないのよね」
「あなたのお友達の、聞き分けの良さそうな子ならまだしもね」
「ああ、あっちは賢そうだしな」
「魔理沙まで! 頭は関係ないでしょう!」
 昨日に比べると、少し楽になった。せっかくなので便乗する。
「そんな言葉がなんかあったよな、バカがどうとか」
「バカは嘘つきの始まりでしょう?」
「それを言うなら、嘘つきはバカの始まりじゃなかったかしら」
「どっちもちがう!」
 無論、チルノ以外の全員は分かった上だ。あんたたちバカなの! とチルノが騒いでいるが、こういうちょっかい出しやすいあたりだよな。
「これ以上あたいを馬鹿にするなら決闘よ! なんならここでやってもいいわ!」
「それだけはやめろ」
 霊夢のはまだしも、チルノの弾はどこへ飛ぶか分からない。
「いいわよ。あたしとアリス、どっちとやる?」
「おい霊夢」
 霊夢は構わず、風呂敷の一つを引っかける。
「ただこれから行くところがあるから、道すがらお相手するわ」
「おうとも! やってやるわよ!」
 床を地団駄して戦意を表すチルノ。なにか踏んだりしてないだろうな。
「そうね、私も聞いた以上、見舞うとするわ」
「なんだ、アリスも行くのか」
 ばたばたとドアが開かれる。
 一度背を向けたアリスが、手に持ったものに気づいたように振り返る。
「そうそう、これ、前にパチュリーが渡してくれって言ってたの。せっかくだし、暇潰しにいいんじゃないの?」
 パチュリー・ノーレッジ。
 魔法の森からそう遠くない、霧の湖の畔に立つ館に居候している魔女の名。
 以前遊びに行った時に、たしかにその本の話題を出したのは記憶している。
「ああ、前に貸して欲しいって言った本だな。アリス経由で来るとはな。助かったぜ」
 アリスから受け取る際、両手に本特有の重みが伝わる。
 大量の紙束と、秤に現れない、知識の重み。
「珍しい、勝手に持って行かなかったのね」
「訪ねたときに読んでた本だからな。私も目の前の本をかっさらったりはしないぜ」
「さすがに全部の本を人形に読ませるのは現実的じゃないわね」
 ひらひらと手を振り、アリスがドアから出ていく。先ほどまでの喧騒と比べると大分静かだ。
 窓の外に目をやると、雪弾の流れ弾が降ってきた。幸い洗濯物には当たっていない。
 本を撫でながら考える。お見舞いに行った相手とは誰だったのか。そういえば聞き忘れていた。
 雪の気配が遠ざかって行き、再び夏の太陽が顔を出す。
 本をめくり始める。ああ、霊夢の包みを見忘れた。
 ただもう本を開いてしまったから、後でいいや。確かに健康にはなりたいが、薬に頼らなくてもなんとかなるだろうというのは本当だ。
 アウトドア派の私が風邪で一日家にいるなんて珍しいが、たまにはいい。
 前から興味のあった本を風呂敷一つに遮られるよりは、ずっといい。


  ◆  ◆  ◆


 妖怪の山にはいささか不釣り合いな、機械音、打撃音、炸裂音。回転する音、鉄を打つ音、火花の散る音。
 そんな音が頻繁に聞こえるここ、河童の工房。
 その作業場で丸くなる小さな背中の持ち主――河城にとりは、今日も新しい発明品に全身全霊を注ぐ。
「にとり? いますか?」
 入口から聞こえたそんな声も、耳に入らないくらいに。


「……よし、これで一段落だ! あとは他の部分を完成させて――」
「にとり」
「ひゅいっ!? 椛、いたのかい?」
 作業場につながる扉から、哨戒天狗の友人、犬走椛が顔を出している。たぶん彼女は声をかけていたのだろうが、全く気付かなかった。
「あはは、いつもすまないね。今日は一段とうるさかったかな」
「こういってはなんだけど、いつものことだよ。にとりの事だからまだお昼もまだなんでしょう」
「うん、昨日から持ち越した作業を終わらせてから朝ごはんを……って、あれれ!?」
 椛の言葉に慌てて外へ駆け出すと、もう太陽はすっかりのぼっていた。すっかりお昼時である。
「……まさか私も、朝からとは思わなかった」
「とほほ、朝のきゅうりを食べ損ねたよ」
「お腹が減ったとかより、そっちなんだね」
 とりあえず椛に椅子をすすめ、自分の分のきゅうりを持ってくる。椛の手にはおにぎりの包みが見えたから、恐らく昼休みだろう。
「今日はどうしたんだい? なにか珍客でもいたのかい」
 椛は真面目な性格だから、大抵は昼休みも休憩もそこそこに警備をしている。わずかな時間もここに来るということは何か話があるのだろう。
「山の客はまあいつも通り……むしろ、すこし少ないぐらいだ。それよりにとりが元気にしてるかと思ってね」
「元気に? 私はいつも元気さ」
 数週間ぶりに会ったわけでもないのに、変だねぇ。
「いや、そういう訳じゃないんだ。どうやら広く風邪が蔓延してるらしくてね」
 かぜ、か。
 風と一回頭に書いて、正しく変換しなおす。風邪、ね。
「椛が気にするってことは、それはわたしとか妖怪もかかるほどのかい?」
「そうだね、幼い天狗が既に発症してるらしい」
「ふむ、そりゃ大変だ」
 そういえば、外の世界ではミクロ光線を使って人の体内に入って、病原体を直接倒す話があったなぁ。なんだっけ。
「文先輩、意地張って無理しそうだな。そうならなければいいけど……ん」
「どうしたの?」
 椛が意識を外へやり、しばし口を閉ざす。
「山の方に誰かが飛んでいったんだ。あれは……」
 目をとじ、ああ、であるとかまあ、であるとか呟いている。おーい、具がこぼれそうだぞー。
「仕方ないかな、報告だけ……おっと」
「新しいレーダー……探知機を作ってるけど、椛にはかないそうにないなぁ」
 目の前で本物の千里眼使われちゃあ、さすがに敗北感もあるな。
 椛が食べ終わり、ごちそうさま。にとりもしゃくしゃくと食べ終わり、ごちそうさま。
「さて、さっそくだけど私は報告に行ってこようかな。にとりはどうする?」
「ううん、外がそんななら私は作業を終わらせちゃおうかな。もうすぐ終わるから何か注文するなら今だよ?」
「はは、そうか。なにかあれば頼むとするよ」
 それじゃあ、といって椛は席を立った。
「うん、射命丸によろしく。椛も気を付けてね」
「ああ。うまく会えれば伝えるよ。先輩はどこにいるか分からないからなぁ」
 椛に手を振り別れると、伸びをして今日のスケジュールを考える。予想以上に時間をかけてしまった。昼下がりにはテストする予定だったのだが、この時間と風邪の情報ではなぁ。
 ふと思い出したミクロ光線もなかなか興味深いけど、原理がさっぱりわからない。拡大はどうしてたんだろう。そんなシーンあったかな。
 外の世界に詳しい山の巫女に聞こうか。あ、そのためには外で風邪と戦わなくては。
 どうしたものかと考えながら、作業場を眺めてもう一本だけきゅうりをかじる。


  ◆  ◆  ◆


「もう、霊夢さん来るなら言ってくださいよ」
 困ったように微笑みながら、少しのんびりした声で彼女は振り返る。
 私と霊夢の少し前を飛ぶ、緑色の髪をした幻想郷二人目の巫女、東風谷早苗である。
「危うく入れ違いだったじゃないですか」
「どうやって会う前に言うのよ。あぁ、外の世界だと電話を使うのか。うち電話無いわよ」
「ええっ、そんなに普及してないんですか。アリスさんもですか?」
「うぅん、マジックアイテムとしての電話機ならあるけど」
「はっ……よく考えたら、こっちに来てからケータイも使ったことないかもしれません……! 充電すらしてないから、電池切れてるかも……!」
 本来の電話機は電話機同士を繋ぐために線を張り巡らせてるんだっけ。座標指定と魔力探知ですむ分、魔法使いの電話機は便利ではある。
 早苗はなにやらギャップを感じているようだが、その言葉もおそらく外の単語なので、私にはよく分からない。
「まあともあれ、うちに来てくださるなら丁度よかった。丁度霊夢さんとお話できたらな、と思ってたんです。それもできるだけ早いうちに」
「そんなこと言うくらいなら、素直にやられておけば良かったのに」
 数分前、霊夢と早苗は弾幕ごっこを一試合終えたところだった。
「せっかく幻想郷流のお誘いを頂いたんですし、お断りするわけにはいきませんよ。受けた以上、霊夢さん相手でも本気で挑まなくては!」
「私が端から聞いてるに、霊夢にそのつもりは無いように思えたけど」
 たぶん早苗の勘違いで、あれは霊夢なりの挨拶であって、弾幕ごっこのお誘いでもなんでも無いと思う。
 霊夢自身も、そんなこと言ったっけ、と小さく眉を寄せている。
「それに私だって妖怪退治のため修行してるんですから。霊夢さんに成長した成果を見ていただきたくて」
「んー、魔理沙には及ばないけど、まあまあじゃない? 自分の得意な部分は出せてるし、思い切りもいいし」
 おや、素直に誉めた。これはなかなか珍しい画かも。
「それにしても風邪ひいてるなんて聞いて来たら、むしろ元気溌剌じゃない。ほんとに病み上がりなの」
「ええ、まあいろいろありまして」
 そう。
 私たちは、というか正確には霊夢は、早苗が風邪をひいたとどこからか知り、魔理沙と同じ風呂敷を片手にお見舞いに向かうつもりだったのだ。
 一方の私はというと、魔理沙の家で「早苗も体調悪いんだってさ」と霊夢から何気なく聞き、一緒にお見舞いに行くことにしただけ、悪く言えばただの付き添いである。
 しかし早苗は博霊神社や人里で度々顔を合わせたり、知らぬ仲でもない。そんな相手に「そう、いってらっしゃい」と言うほど私は冷めてもいない。
「で、霊夢、守矢神社に行って何するつもり?」
「そうね、早苗がこの調子だから帰ってもいいんだけど。せっかくだし情報収拾していこうかしら。でも、ぱぱっと聞いて次行きたいから、お茶は遠慮しておくわ」
 情報収集? 博霊の勘がなにかを感じたのか。
「勘じゃないわ、推理よ。永遠亭に行ったとき、既に人里の、酒屋のおじさんも体調崩しててね」
「あの人が。珍しいわね」
 その店主は私も知っている店主だった。
 いつも汗をかきながら愛嬌ある笑顔を振り撒く主人で。風邪など無縁と思えるほど健康的な人だったが。
「ぽこぽこ夏風邪ひくほど、幻想郷の住民は馬鹿じゃないわ。まだ詳しく分からないけど何かが起きてる。季節外れに雪女でも出たか、はたまた本当にチルノのせいか」
「確かに、これはもしや異変ですね!」
 早苗はぐっと拳を握りしめ、目を輝かせる。しかし思い出したように早苗の目は現実に帰り、霊夢の手元へ。
「ところで霊夢さん、ずっと気になってたんですが、その袋はなんですか?」
「これ? そうねぇ、今となってはなにかしら。弾幕ごっこのハンデ?」
 素直に言えばいいのに。


「さて、着きましたよ」
「どうして神社ってこうも階段が長いのかしら」
「巫女やってるけど私も聞きたいわ」
 早苗と霊夢に続いて足をつけると、守矢神社本殿の前に二人の神様が立っていた。ほらね帰ってきた。と話している。
 胸元に鏡を下げ、しめ縄と柱で着飾った神様と、小柄で特徴的な麦わら帽を被った神様。それぞれ名前は知っているが、直接話したことはない。
「おやおや、早苗が踵を返して来たと思ったら、珍しいお客様だ」
「土産よ。取っときなさい」
 霊夢は手に引っかけた風呂敷袋を、躊躇いなく投げつけた。しめ縄と柱を背負った神様、八坂神奈子は、怯みもせず片手でそれを受け流す。
「で、博霊の巫女様が、うちの神社に何用だい?」
 風呂敷包みを受け流した勢いで、器用にもそのまま指でくるくると回し始める。薬大丈夫かしら。
「風祝とか言うくらいだから今回の夏風邪騒ぎの原因かと思って、早苗をとっちめにきた足で情報収集を」
「おいおい」
 アリスは分かっているが、もちろん冗談である。
「駄洒落でうちの早苗を疑ったって言うのかい」
 怒り半分、呆れ半分といった調子で抗議する小さい方の神様、洩矢諏訪子。
 神社と同じ名前を冠するのだからここで一番力のある神様のはずだが、山の開発など表で仕切ってるのは神奈子の方であるし、神様としても同格のよう。
 宗教自体そんなに詳しくないし、この神様二人の関係性は、私にはよく分からない。
「あんた祟りがどうとかよく言ってたわよね、さては元凶はこっちか」
「私は土着神だし、とばっちりだ」
「はいはいそこまで。言いがかりにもほどがあるわ」
 私は早苗としか面識がないが、霊夢は守矢神社に関わるときはやたら喧嘩腰になる癖がある。信仰の変化とか、参拝客をとられたとか、口では強がっているが、まだ気にしているのだろう。
 今のに至ってはただのいちゃもんである。
「ごめんなさい、さっきの包みも投げつけるために持ってきた訳じゃないんです」
「いや、流石に分かるよ。あんたも真面目ね」
 あら、神様って聞いてたからてっきりもっとお堅いものかと。口には出さないけど。
「そちらの巫女様が体調を崩されたと聞いて訪れたのですが、お元気そうでよかったです」
「早苗も昨日の夜まで寝込んでたんだけどねー。汗びっしょりなもんだから、さすがに焦ったよ」
「まあ私たちレベルの神二人がついていれば、あの程度の病簡単だったがな」
「諏訪子様にも神奈子様にも、本当に心配をお掛けしまして……」
 なるほど、神様がちゃんとついてくれてるっていうのは心強いわね。
「ちょっと、なんでそこで私を見るのよ」
 深い意味は無いわ。
 ああもう、と霊夢は仕切り直して。
「とにかく、完治したならしたで、聞きたいことがあるの。とりあえず、発症はいつ?」
「三日前です。一昨日の晩には発熱がありました。昨日になっても悪化し続け、昨晩にはお二人の判断で、その、お力を借りちゃいました」
 後ろで神様二人が誇らしげにしてる。微笑ましいわね。
「ふうん。じゃ次、山の現状はどうなってる?」
 それについては寝込んでいる間に神奈子が調べてきたのか、幾ばくか真剣な表情で答える。
「はっきりいって、異変だね。数日前から下級妖怪のみならず、一部の天狗にも蔓延していると聞く。妖怪にかかる病など数えるほどしか聞いたことがないが、症状がどれも人間でいう風邪に酷似しているのが気になる」
 早苗もよくなったし、これから本腰を入れようと思っていたところだ。と。
「神奈子も私も、病気とかそこらは正直専門外でね。水や風に問題はないし、どうしたものかと」
「成る程ね。あんたたちが原因でないのは分かったわ」
 まだ言うか。ただ目を伏せて考える姿を見るに、異変解決専門家は真面目モードらしい。
 こっちが先なのね。
「何?」
 霊夢の口が確かに呟いたが、その意味までは分からなかった。
「アリス、付き合わせて悪かったわね。ここからは私の出番だから。用心するなり、魔理沙の看病でもしててあげなさい」
 踵を返し、神社を出ていこうとする霊夢。さっきの言葉が気になるが、異変解決に関しては私は部外者なのだろう。
 数歩歩いたところで霊夢は宙を見上げ、どこへともなく声を上げる。
「ブン屋、どうせどっかにいるんでしょ。ネタあげるから出てきなさいよ」
 ブン屋? 何のことだろう、誰か見ていたのか。もう少しで辺りを見回しそうになったとき、両脇にそびえる木々の一つががさりと動いた。
「あやややや」
 神社の入り口、霊夢の行く先の木の上から顔を出したのは、カメラを片手にした烏天狗。黒い羽根に黒い髪、そして鼻までしっかり覆うマスクが特徴的である。話に聞くブン屋がそれというなら、名前は射命丸文といったか。
「なによそのマスク」
「子供とはいえ天狗にも発症者がいましてね。いちおう用心をば」
「似合わないわね」
「そりゃどうも」
 どうやらマスクは標準装備ではないらしい。
「ちょっと見てきてほしい場所があるのよ。もしかしたらもう一ヶ所回ってもらうかもしれないから、急ぎの方がいいわ」
「天狗使いが荒いですねえ。まあこっちとしても、今回の事件が知れるなら構わないんですが。して、何処に行けばいいので?」
 別に雇われ探偵が仕事ではないはずだが、記者だから聞き込みぐらいは構わないのだろうか。もしそうだとしても、妖怪相手にギブアンドテイクの関係を成り立たせるのはそうそう簡単なことではない。たまに、霊夢の妙な人脈ならぬ妖脈に感心する。
 目線の先の霊夢は烏天狗に視線を返し、こう答える。
「紅魔館」
 紅魔館?
 どうしてこの場で、あの館の名前が挙がるのか。紅魔館と言えば、湖の近くに位置する、吸血鬼が根城にしている館だ。
 私だけでなくその場にいた三人も、要求された射命丸すら驚きの表情を滲ませた。
「紅魔館ですか……さすが博霊の巫女の勘というやつでしょうか、私も盲点でしたよ」
「無理に上がり込まないでいいわ。また揉めてあんたを行かせたのが私だとばれたら面倒だし。門番に館の状況だけ聞けば、まあ嘘はつかないでしょう」
 完全におつかいじゃないですか。と射命丸は少しつまらなさそうにしていたが、最終的に了承し、飛び立っていった。
 続いて霊夢はこちらにも一瞥くれ、石畳を蹴って飛んで行く。
「あ、霊夢さん、妖怪退治なら私もご一緒させてくださいよ」
 横から早苗が駆け出し、後を追っていく。
「病み上がりでも、止めなくてよかったんですか?」
「最近張り切っててね、止めても無駄だよ」
「それに早苗の完治は私たちが保証するよ。そっちこそ、よかったの?」
 元はといえばお見舞いに着いていくという話だった。急に霊夢のスイッチが入っただけで、ここで別れるというのは別におかしいことではない。うん。合ってる。
 神二人に肯定の返事をし、自分の周りも気を付けておくと伝え、その場を後にした。


  ◆  ◆  ◆


「とりあえず文を働かせておいたけど、私はどこから聞き込みを始めようかしらね」
「そんな勢いで射命丸さんに遠征をさせてたんですか」
 山の連中が発症してるならまともに聞ける相手も少なそうね、と霊夢。
 とりあえず山を降りる方向に飛んでいると、一行は滝の辺りで河童のにとりを見つけた。製作所と名付けていた洞穴から顔を出し、きょろきょろしている。
「あれ、にとりさんです。誰か探してるんでしょうか……あ、こっちに気付いた」
 何気なく早苗が高度を落とすので、仕方なく霊夢も地面に降り立つ。
「巫女さま、それに霊夢も。ちょうどよかった、ホントにちょうどよかったよ」
「ホントにちょうどよかったなんて、何かあったんですか?」
 にとりが手招きするので、早苗はするすると入っていく。後ろから霊夢がずるずると着いていく。
「いま新しい探知機が完成してね。テストしようにも、外は風邪が蔓延してるらしいじゃないか。誰かお願いできる人がいれば、って思ってたんだけど」
 工房の机の上から、まさに開発段階、といったような、仮の外装に包まれた装置を持ち上げる。ちょうど両手で収まるか収まらないかといった程度の大きさだ。
「起動するかは確認できたんだけど、何分精度が不安でね。部屋の端から端までなんてテストじゃ分からないし」
「へぇ、これはすごいですね。私も実物は見たことないですけど、テレビで見たのはこんな感じでした」
 テレビねー。映ればいいんだけどねー。
 などど近代的な二人が和やかに話し、それを遠巻きに見つめる霊夢。実に興味がなさそうである。
「霊夢さん、折角ですしこれ預かってみるのもどうですか?」
「なんでよ、興味あるなら早苗が試しなさいよ」
「あー、わがままを言えば、霊夢の方が助かるかな。この辺りじゃない所で使われる方が、いいテストになるし」
 ほらこう言ってますし、と早苗がにっこり。
「こっちが本体で、こっちが発信器……まあ、探すものだね。これから出る電波を拾って、方向と大体の距離をここに映すんだ」
 はい、と霊夢に手渡された機械の表面には、確かに黒い液晶がついていた。以前見せられたテレビと同じように、ここに明かりがついて印にでもなるのだろう。
「はいって、まだ同意してないのだけど」
 言いながら霊夢は、早苗に渡された発信器も回収する。
「そうね、それなら行動半径がもっと広い奴を知ってるから。これは文に渡しておくわ」
 あ、それはいい案かも、とにとり。
「確かに普段どこ飛んでるか分からない射命丸が適任なんだけど、最近なかなか会わなくてさ。それに一応河童と天狗だし、テストに付き合わせづらくてね。霊夢から渡してもらえると助かるよ」
「あんた、ずいぶん図太くなったわよね」
 そうかい? 私は元から、発明のためなら努力を惜しまないよ。
 はいはい。
「そうそう、あともう一個」
 にとりは思い出したように言うと、さっと自分の部屋に入った。自然と早苗が後に続き、霊夢は帰るタイミングを見失って、仕方なく部屋を覗く。
「ちょうど探してたビデオテープが見つかってね。いろいろ記憶と違ってたんだけどやっぱり面白いし、時間があれば一緒に見ないかい?」
「向こうにもまして、ここは外の世界みたいなもので溢れてるわね。なんか息苦しいわ」
 霊夢は普段見慣れない金属の塊や、取っ手のついたこれまた金属製の箱を触りながら、にとりの側にしゃがみこむ。
「でも生憎急ぎでね。ざっとでいいから要約して話してよ。つまらなさそうなら見ないし、面白そうなら今度気が向いたときに見るかも」
「だいぶ望み薄だね。まあ構わないけど」
 あれ、けーぶるはどこだっけ。と、開き戸の中を探りながら、にとりは説明する。
「宇宙人がね、地球にやってくる怪獣を退治していく話なんだ。ただ今回の怪獣はちっちゃくて人間の体内に隠れてるんだ。どうするかっていうときに、宇宙人が機転を利かせて自分もちっちゃくなって体内に入って退治するっていう回なんだけど」
「あっ!あの回ですね、宇宙細菌ダリ――」
「ちょっと待って」
 早苗が立てた指を片手で遮って、霊夢が割り込む。
「今なんて言った」
「ひゅいっ?」
「怪物がどこにいるって?」
 怪物じゃなくて正確には怪獣だけど、と一呼吸おいてから。
「人間の体内だよ。盟友を傷つけずに怪獣をどう倒すか、考えた結果、ヒーローがミクロ化……ちっちゃくなって、怪獣を倒しに体内に入るんだ」
「それよ」
 言い終わるや否や、霊夢はすっと立ち上がる。
「ごめんなさいね、お陰で急用ができたわ」
「急用? ってことは見ていかないのかい?」
「霊夢さん? 異変解決も急用だったんじゃないんですか?」
 何事か分からず、テレビの前で屈み込むにとりと早苗。
「どんなものか興味が出てきたから、今度宴会の席かなんかで見ましょう。それと早苗、疑って悪かったわね」
 霊夢は唖然とする二人に声をかけて、工房を出ていく。ある人物を探すため、再び空へ飛び立ったのだ。
 あまりに急な勢いで出ていったため、早苗とにとりは霊夢の出ていった扉をぼんやりと見つめる。
「……霊夢さん?」


「霊夢さん、霊夢さん」
 初めは早苗が追いかけて来たのかと思ったが、その気配は無い。とうとう空耳か、と思ったら、傍らを一匹の妖怪烏が飛行している。
「私ですよ。門番さんと他愛もない世間話をしてきましたよ」
 文か。と呟く。ずいぶん小さくなったわね、とも。
「どの辺りを飛んでるのか分からないので、少々手伝ってもらいまして。今、烏にうまいこと憑依みたくして、喋っているというわけです」
「そんな妖怪らしいことできたのね」
「伊達に烏天狗長くやってませんよ」
 少しの沈黙。横を向いても烏の横顔しか見えないので、表情を読むも何もない。気のせいか、烏の首が傾げたように見える。
「いえ、霊夢さんがからくりを持ってるなんて珍しい画だなと」
「何か悪い?」
「似合いませんね」
「そりゃどうも」
 言葉と一緒に、烏に接近する。妖怪烏なだけあって、近くで見ると、少しばかり大きい。
「そこまで言うならこれ、そっちが持っといて」
「なんですか、これ。ていうか、烏に持たせる気ですか?」
「河童の作った探知機。あたしの持ってるこれに反応して、どっちにいるか判別するんだって。あんた本人に来てもらわなくちゃ困るから、これなら最短ルートが分かるでしょ」
「そりゃそうですが。ってちょっと、無理にくくりつけないでください」
「伝書鳩とかあるでしょ。あれを見習って頑張りなさいよ」
「伝書とは重さが違いすぎますって」
 伝書鳩とは似ても似つかない、背中にからくりを背負った烏は、ふらふらと高度を下げていく。どこからかやって来た二匹の烏が器用に紐をくわえ、三匹で一緒に旋回して、おそらく、文のいる方へ飛んでいった。
「全く、烏使いも荒いんですから」
「烏使いが悪いのはあんたでしょうに」
 改めて後ろからやって来た烏から、やはり文の声がする。
「で、本題ですが」
「ああ、そうだ忘れてた」
 表情こそないが、烏に意味深な間を持たれると少しむかっとする。
「新発見です。烏ってため息はつけないんですね」
「文、後で覚えておきなさい」
 ん、ん、と仕切り直す声が聞こえる。あくびができなければ咳払いもできないはずだから、かなりわざとやっているのだろう。
「結論から報告すると、問題なしです。皆さんいたって健康だそうですよ」
「やっぱり」
 先ほど得た確証が、さらに強いものになる。
「山の異変も知らないみたいでしたよ。あそこの図書館の館長はかかったら危ないんじゃないかとか、彼女が外にいっぱなしでも平気なのは自慢の健康法のお陰だとか話しましてね」
「次に行ってほしいのは」
 えー、と不満の声が聞こえる。頭をはたいても、烏の間の抜けるような鳴き声が聞こえただけだった。
「永遠亭。本来なら私が行くべきなのだけど、これを見せれば話は通るでしょう」
「永遠亭。特効薬の配合でも分かったんですか?」
 先程走り書きした紙を口にくわえさせる。勿論特効薬ではなく、魔理沙に渡した物と同じ、普通の薬を注文するという文である。
「思いますけど霊夢さん、頼まれているにしては、私の扱いが雑だと思うのですが」
 口を開けずに喋れたのか。思わずそちらに目が行く。
「わりと余裕無くて急いでるのよ。あんたとしても、ノーリスクで真相に近づけるんだから構わないんじゃない? そのおつかいが最後の一手よ」
「むむむ、まあ乗り掛かった船ですしね」
 とりあえず、何かしらの預かりものを届ければいいんですね。と口を開けない烏が確認する。
「あと霊夢さん、折角だから伝書は足に結びましょうよ」
「嫌よ、面倒くさい」
 そう言うと思ってました。そう言い残して、烏は永遠亭のある竹林の方へ曲がっていった。
 確かに、私にしては力を借りすぎているかもしれない。が、今回は時間をかけると各々の面倒が広がるだけなので、文にも永遠亭の面々にも手伝ってもらうとしよう。
 大義名分を見つけ、霊夢は少し開き直る。


  ◆  ◆  ◆


 妖怪の山を降りてから捜索を続け、魔法の森に差し掛かった辺りで、霊夢は地表に人影を見つける。ほぼ同時に、向こうも霊夢の存在に気がついたようだ。お互いの存在を確認したところで、音もなく芝の上に降り立つ。
「霊夢じゃないか。どうしたんだ、こんなとこで」
「どうしたはこっちの台詞よ。今日も気分は良さそうね」
「そうね、さっきもそこらの集団にお邪魔してきたとこでね……ああふらふらする。酔い醒ましの散歩もずいぶんかかるよ、それじゃ」
 立ち去ろうとする相手に無言で手をかざし、霊夢はその足を止めさせる。
「いいえ……やっぱりあんた、やけに顔赤いわよ。それこそ“風邪でもひいたみたいに”――ねえ、萃香?」
 巫女の威圧を受け、目をぱちくりさせるのは、伊吹萃香。
 普段は博霊神社に入り浸って酒を飲んだり、宴会に突如現れては酒を飲んだり、川辺で一人酒をしていたり。その後は酔い醒ましと称してふらふら徘徊し、そこらで昼寝をしている、側頭部から伸びた大きな二本の角が特徴的な鬼の少女である。
 常に酔っぱらっていると言われるほどの彼女だが、確かに今日の顔色は異常と言えるほどだ。ほおずきのように顔を真っ赤にして、さらには鼻水のおまけ付きである。
 そんな彼女は急に殺気を向けられた理由も分からず、霊夢から一歩後ずさる。
「ちょっと待っておくれよ、いきなり何を、ふぁ、はぁっ――」
 瞬間。萃香は大きく息を吸い。
「――はっぷしょん!」
 “口から飛沫弾を発射した”。
 くしゃみの飛沫とは思えないそれは霊夢の側を掠め、背後の木に命中する。鈍くて重い、軋む音。幹と葉が大きく揺れる。
「そう。今回の元凶はずいぶんせっかちね。不意打ちとはやってくれるじゃない」
 先程の飛沫弾も、霊夢が避けたから木の幹に当たったのだが。
「ちがっ……だから元凶とか、何の話か……っぷしっ!」
 やはり萃香の口からは、高速の飛沫弾が飛び出す。霊夢はごく自然に身を捻り、足を進める。背後で木々が悲鳴を上げる。
「あまりの体調不良に技の制御ができてないようね。たしかそれ、宴会芸の延長線上の技じゃなかったかしら。さすがに酒の席でも、くしゃみは少しばかり下品ね」
 霊夢はあと五歩といったところで、ぴたりと足を止める。
「……それと、制御できてない技がもう一つ」
 萃香の足の間から見える微かな空間。そこに小さな気配が一つ降り立つのを、霊夢は見逃さなかった。
「そこよ!」
「おぉっ!?」
 足元を狙って鋭く放たれた札を、萃香は咄嗟に足を開いて避ける。さすがの萃香も驚いて目線をやると、札の下に何かが、正確には、札が何かを押さえつけていた。
「――! ――!」
 退魔の札に身を押さえつけられて手足をばたばたさせる、小さな萃香の姿がそこにはあった。小さいながらに苦痛を感じ、何かしらの声を上げている。
「あり? これは私の分身じゃないか、どうしてこぼれてるんだ?」
 萃香は小さな自分の側にしゃがみこみ、指でつまみ上げようとしてみる。が、札がそれを許さない。
 そればかりか。
「おわっとっと、あぶないな」
 背後からのお札数枚をかわしきり、萃香が振り返る。
「見て分かったでしょう、あんたは今、“疎と密を操る”という自分の能力すら制御できていない。自分の一部が分裂した事にも気づかず、ただのくしゃみには密の力がかかってしまう」
 危険ね。実に危険よ。と霊夢。
「さ、覚悟しなさい萃香」
 髪止めを一度強く縛り直し、袖から退魔符を取り出し、指の間に纏めて挟む。御払い棒を回しながら、その身は宙へと舞う。巫女の目が戦闘モードへと変わっていく。
「異変を解決し、危険な妖怪を退治する。それが私、博霊の巫女だから」


「ど、どうした霊夢? やけに目が怖いぞ?」
 すっかり大人しくなったちび萃香に体を向け、首だけでこちらを振り返る萃香は、大きな疑問符を浮かべている。どうやらまだ事態を把握できていないらしい。
「事情聴取……は不要ね。自覚はないみたいだし、ねっ!」
「おわっ!」
 萃香の左足を狙い、割りと本気の速度で札を放つ。間一髪回避した萃香は、右足を軸に半回転するように向き直る。
「なんだかよく分からないけど、理由も分からず撃たれっぱなしなのは不満だね!」
「酔っぱらいには何を言っても無駄って経験で分かってるのよ。特に鬼の酔っぱらいはね」
 逆上した萃香が手から火の玉を投げつけてくるが、この程度、当たる心配はない。
 それよりも。
 頭に血がのぼった事が原因か、萃香の後頭部から、分身の飛び出すスピードが上がっている。萃香が無茶苦茶に弾幕を撒いている様子からすると、その変化には気づいていないようだ。
「どうした霊夢、大見得切って、牽制ばかりかい!」
「あんたも端から見たら八つ当たりにしか見えないわ。鬼のあんたの機嫌を損ねること、何かあったのかしら?」
 大見得切っての牽制か、言われても仕方ないわね。
 だが、今はこれで問題ない。今回の異変の原因が恐らくあの分身であるとすると、本体を叩くより分身を押さえることの方が先だ。
 霊夢が札を放つ。萃香がくぐるように避け、札は分裂したちび萃香を挟むように、地面に張り付く。
「おっと!」
 痺れを切らした萃香が鎖を振り回し、接近戦を挑んできた。少々無理に体を捻って最初のラッシュを避けきると、返す脚をそのまま萃香に叩きつける。胸に達する寸前に、腕で受けられるのが見える。
「痺れを切らしたわね。体術は疲れるから好きじゃないんだけど」
「そういえば腕で止めちゃったけど、今日のルールではOKだったかな?」
 さすがは鬼。結構思いっきり行ったけど、この程度こたえてないか。
「いいんじゃない? 普段からあんたたち、当たってもシラ切るし、ねっ」
 今度は逆の脚を振り抜き、受けた隙に頭上で陰陽玉を展開させる。
「こっちはどう収拾つけようか、今考えてて忙しいのよ!」
 発射された陰陽玉は地面に当たり、拘束していたちび萃香を数体まとめて押し潰した。本体はすんでのところで霧になり、回避したようだ。
 避けきるのは容易いけど、やっぱり状況は良くないわね。
 後ろから現れた萃香の一撃を、潜り込んでかわす。
 私を追っかけて宙に来ちゃったから、さっきより分裂体を捕まえづらくなってる。それに文が到着したとして、投薬の仕方と、落ち着かせる方法をあまり考えていなかった。下手に本気を出させて事態が悪化するのは避けたい。
「ぷしっ!」
 相変わらず勝手に飛び出るちび萃香が、くしゃみとともに飛沫弾を放つ。規模は小さいが、弾源が多い。
「ぷしっ!」
「ぷしゅんっ!」
 一つ一つ沈静化の札を貼りながら、気持ち大きめに回避する。適当に本体をあしらいながら、飛沫弾を撒き散らすちび萃香を仕留めていく。
「この面倒な感じ、どこぞの人形師を相手にしてるみたいだわ」
「聞き捨てならないわね。誰がそんな汚い人形作るものですか」
 霊夢の目の前、ちび萃香が槍に貫かれ、煙と共に消える。


「あれ、あんた、帰ったんじゃ……」
 霊夢の背後から飛行してきたアリスが、槍を手にした手製の人形を引き戻す。片手には、薄い青色をした無地の風呂敷を引っかけている。
「どこまで知ってるの?」
「神社を出て、早苗が着いてきた辺りからかしら」
 それでは全部ではないかと言う前に、霊夢の懐から手のひらサイズの人形が飛び出てアリスの元へと帰っていった。
「実は私も通信機を同伴させてたの。魔力探知を主に使ったタイプ、糸がついて無い優れものよ」
「仕掛けた側が話しかけないなら、通信じゃなくて盗聴って言うのよ」
「その分複雑な操作はできないから、音を拾ってのやり取りが限界。以前魔理沙に渡した物の改良版で、視覚の確保と別の人形での投影が主な実験だった。糸なら容易い事も魔力に乗せるとなると難しくて、これから発展はいくらでもあるのだけど」
「だめね、もう聞いてないわ」
 呟きながら、霊夢は接近してきたちび萃香を蹴り返す。
「研究成果は私じゃなくて魔理沙にでも話しなさい。それで? どうやって左手のそれ、受け取りに行ったの?」
 霊夢は永遠亭で預かったであろう、無味乾燥な包みを示す。
「あなたご丁寧に、神社に風呂敷ごと奉納していったでしょう。元凶が誰であれ、薬は必要。遅かれ早かれもう一回永遠亭に行くと思ってね」
 霊夢が御払い棒で叩きのめし、アリスの人形が槍で刺し貫く。
「推理はあなたに任せて、私は自分で手を打ってみた。そうしたら、さっきの天狗に会ってね」
 タイミングと飛行速度を考えると、たぶん途中で文が追い付いた形だろう。無駄に『幻想郷最速』の看板を振り回す文なら、多少の先回りにも追い付くのが予想できる。
「帰りは天狗がからくりに従って、私はそれに引っ張られて来たわ」
 肩が抜けるかと思った。と溢すアリス。
「文もそこまで来てたの?」
「遠目で鬼と確認した途端、急用を思い出して帰っていったのよ」
「成る程」
 鬼と天狗は過去の山の支配者と現の支配者で、天狗と河童以上に関係が厳しい、というか悪い。
 正確には天狗側が接触を避けてという状況らしいが、それこそ霊夢の知るところではなく、早苗の方が詳しい問題である。
 やがて目の前の鬼が、二人に目を凝らす。
「んん? やっぱり。やけに霊夢がぼやけて見えると思ったら、ほんとに二人になってたか」
「今さらね。まあ酒が回ってればいつものことだけど」
「いえ、いっそこのままシラをきれば数的有利を誤魔化せるんじゃないかしら」
 アリスがぼそっと溢した言葉に、鬼がピクリと反応する。
「ほう、鬼の目の前で嘘吐こうってかい。そんなもの聞いた日には黙っちゃいられないね」
 鼻水を垂らしているので絞まりはないが、確かに萃香の目付きが変わる。
「ちょっと、余計なこと言わないでよ。あれがあるから刺激したくなかったのだけど」
 萃香が懐から取り出したのは、一枚のカード。ああ、とアリスが溢す。
「とにかくその気にさせちゃった以上、もう叩き伏せるしかないわ。それも手早く」
「分かったわ、あの鬼を止めればいいのね」
 アリスは人形を展開し、ちび萃香の弾幕を避けつつ急接近させる。萃香の正面から三体、少し上空から一体。
「そんなもので止めようったって、今更遅いよ!」
 腕の鎖を振るい、突っ込んできた人形を二体叩き落とす。
 もう一体が回避のためにブレーキをかけた隙に、萃香は右手を掲げ、宣言する。
「『鬼符・ミッシングパワー』」
 スペルカードに込められた魔力が解放され、予め決められた契約に従って効力を発揮する。幻想郷の少女たちの切り札であり、段幕ごっこの華。
 萃香の発動したスペルの場合、自身の疎と密を操る力を生かした、単純に言えば巨大化。
 それでありながら、今回霊夢が恐れたスペル。
 風邪菌を抱えた者が巨大化すれば、それだけ吐息や咳での蔓延スピードは上がる。あまり想像したくないが、このサイズで不意に人里に向かってくしゃみでもすれば、一発だろう。
 その上現在の萃香は分身を制御できていない。通常サイズならまだしも、尺にして十数といったところか、約5メートル程のサイズのどこからか溢れる分身を、霊夢たちは見逃すかもしれない。
「さて、ここからが本番だよ!」
 体が大きくなれば、それだけリーチも延びる。今度こそ人形は回避しきれずに、三体目が地に落ちる。
「萃香、あんまり喋るのよしなさい! ……それで、怒らせた元凶は収集つけられるんでしょうね」
「巨大化相手は予想外だったけど、まあ恐らく」
 霊夢が不安になる反応を返してから、アリスは巨大な鬼に問う。
「さてあなた、私が人形を向かわせたのは見てたわよね。いくつ向かわせたか、覚えてる?」
「あん、なんの謎かけだい。たしか、いや、四つばかり……」
 萃香が思考しながら上を向くのと、頭上の四体目が何かを投げるのはほぼ同時だった。
 弾幕ではない。もっと小さな、人間が飲み込める程度のサイズの丸いもの。
 二つ投げられたそれは眉を潜める萃香の口に入り、本人も気づかぬうちに体内へ。
「さ、いくわよ」
 上空に構えた人形が、萃香に真正面から接近していく。アリスは魔力の糸を手繰り、人形の制御に集中する。
「お人形が、今更何をしようと!」
 萃香が鎖を振るい、攻撃をしかける。しかし巨大化したそれは人形相手には余りにも大振りで、回避のみに集中した人形は、なんとか萃香の目の前まで接近する。
 小粒ほどの大きさとはいえ、至近距離まで人形の接近を許した萃香は少し身構えた。が、人形は弾幕を放つ様子も無く、上空へ飛んでいく。
 人形を見上げ、思わず人形師に目線を移す萃香。
「なんだ、一体なんの……つもり……」
 しかしその言葉は最後まで紡ぐことなく。
 目が虚ろになる。
 酔いつぶれるときとよく似た、瞼を無理矢理持ち上げようとする姿勢。頭が揺れ、落ちる首を戻そうとぐっと顎を上げる。
 萃香の様子がおかしい。それは霊夢にも見てとれた。
「……あれ、これは……」
 下を向きそうになる頭を無理矢理上げ、その反動で後ろへ。バランスを崩しそうになり、一歩二歩と足を動かす。
「……おかしいな」
 萃香の体はついに限界を迎え、後ろへ傾いた勢いで、そのまま仰向けに倒れた。
 巨体が地面を揺らし、木々の音がする。やがて聞こえてきたのは、聞き間違いもしようのない。
 寝息だった。


「さて、これで異変解決ね」
 ぱんぱん、と人形師の手を払う音が、萃香の寝息に紛れて響く。
「アリス、あなた一体なにしたのよ」
「睡眠をとって安静に、ってよく言うじゃない」
 人形が静かに手繰り寄せられる。ごちゃごちゃした横文字で読みづらいが、人形は液状の薬品が入った……正確には、薬品が入っていたであろう瓶を抱えていた。ラベルの雰囲気から察するに、どうせ永遠亭でくすねて来たのだろう。
「医者の言うことはできるだけ守った方がいいかと思って」
 目前で振り撒いたか、蓋を開けてひっくり返したか。どちらにせよ、飛んでくるであろう人形の弾幕に気をとらせて、気づかない方法で吸わせるか飲ませるかしたのだろう。
「あんたにしてはずいぶん強引な手ね」
 そんなことより。とアリス。鬼に睡眠薬を撒くことぐらい、アリスにとってはそんなことらしい。
「大きくなったところに投下しちゃったけど、薬って効果あるのかしら」
「疎と密。大きくなってるけどその分密度は多少薄まってるから、結果的に変わらないんじゃない?」
「ああ、どうりで効きが早いわけね」
「それは直にいったからでしょう」
 普段はおとなしいくせして、時たま危険なことをさも当たり前にやってのける。まったく、これだから妖怪は。
「やや、お見事でしたね霊夢さん、アリスさん」
 背後から聞こえた声に振り向くと、木陰からマスクをつけた天狗が顔を出していた。
「いやー、急用を片付けて急いできたものの、間に合いませんでしたか。これは失敬」
「白々しいわね。ホント、これだから妖怪は」
 今度こそ口に出した。気づいているのかいないのか、アリスは顔色一つ変えない。
 萃香が完全に寝入っていることを確認して、文は羽根を広げて近づいてきた。アリスが片手を指しながら言う。
「ところで天狗さん、写真は撮っておかなくていいの? 絶好のシャッターチャンスだと思うのだけど」
「それなんですが、このネタは使えないかな、と。まさか鬼が絡んでるとは……。こんな犯行直後の写真、私の新聞に載せるわけにもいきませんしね」
「ふーん、そう」
 油断していたところを、私は文の右手から写真機を掠め取る。見よう見まねだが、数枚現場を撮ってやろう。
「フラッシュはここでいいのかしら。おー、撮れた撮れた。あたしでも撮れるんだから写真機って便利ね」
「あや、ちょっと、困りますって! 証拠は残しちゃいけないんですってば! 私はここに来てませんから!」
 鼻先につけたときのレンズ越しの景色は少し違って、距離感に慣れるのに少し手間取った。
 私が数枚撮って満足すると、あわてふためく文に写真機を返した。
「今回はいろいろ世話になったわね。報酬よ。とっときなさい」
 写真だけにね。


  ◆  ◆  ◆


 宴会。
 大まかに言って、何か節目となる日や記念事を祝う際に開かれる行いである。幻想郷では異変解決の終わりに、区切りをつけるためにもよく開かれる。
 異変解決の締めとして開かれる場合、解決の立役者や異変発端の者が中心となり、居合わせなかった者への語りや、種明かしなどが主となる。
 初めのうちはこの狭い幻想郷、一度敵対した仲と言えど改めて一緒に、という意味もあったのかもしれない。しかし今回は、別に誰が仲違いしたわけでもない。それでも躊躇いなく宴会が開かれるあたり、もはや慣性と言わざるを得ない。
 慣性で開かれた今回の宴。守矢神社の一角に広げられたいくつもの敷物の上、一応の関係者たちが勝手に飲み食いを楽しんでいた。にとりが用意した特設スクリーンでは先日話していた映像テープも上映され、どこまで興味があって観ているのか、一握りの者だけがちらちらと眺めていた。
 残念ながらその一人には含まれなかった霊夢は早々に見るのをやめ、酒と食事に集中した。やがて今回の異変の全容について、目の前の人物に語るのであった。
「感染が始まる前、萃香は地底の旧地獄区、あそこで開かれた宴会に行ってたのよ」
 ほうほう、と酒をあおりながら続きを促すのは魔理沙。既に数日経っているので、体調の程はばっちりである。
「その時、たまたま地底をうろついてる土蜘蛛が体調を崩していた。病を操る土蜘蛛が体調を崩すなんて滅多にあることじゃないけど、それでもあったことは確かね」
「そしてあの土蜘蛛が、萃香の居た宴会に参加してたと。なるほどな」
 ふと顔を上げれば、本殿の前辺りで文が萃香に絡まれているのが見える。御愁傷様。
「恐らく抱えてた風邪菌が、病を司る土蜘蛛の力でどうにかこうにか成長しちゃったんでしょうね。結果妖怪に症状が出るレベルになって、萃香を通して幻想郷に拡散された」
 地底から森を横切り、山を上る方向に。ある程度で停滞して、尚且つ紅魔館や永遠亭、人里の方へは感染が広まらない。
 今回風邪の広まった場所、順番は、酔った萃香の徘徊ルートと一致していた。そこで気づかぬうちに小さな分身を落としていけば、土蜘蛛によって感染力の拡大した病の、新たな感染源がそこに停滞することになる。
 あまり寄り付かない人里にもピンポイントで感染者がいたのは、たまたまそこが酒屋だったからだろう。道中勝手に溢れた分身がやがて各自徘徊を始め、それによって一部が魔理沙の家の付近、魔法の森にも運ばれて来て、彼女も巻き添えを喰う羽目になったのだ。
 そう、霊夢は推測する。
「なんだよー、また地底の連中か。地底の妖怪は有害なやつばっかりだな」
 言いながら魔理沙は、敷物の上に仰向けになる。
 悪気があるかどうかは置いといて、地底の妖怪は大方そういう理由でそこにいることになったのだが。
「ま、医者の不摂生ならぬ土蜘蛛の不摂生だったわけよ。きつく言っといたし、当分は平気なんじゃないかしら」
 その“当分”も、人間と妖怪の時間感覚の違いでは、どうなるか分からないのだが。
 これは今更な事なので、別に改めて言う必要もなかった。
「ん、待てよ」
 だらしなく敷物の上に寝転んでいた魔理沙が、足を組んで体を起こす。寝転んだときに指につまんでいた肴の柳葉魚は、今は唇にくわえられている。
「元凶の元凶が土蜘蛛なんだろ、じゃあその地底はどうなってる、大変なんじゃないか?」
 さも大変でなさそうな、あっさりしたトーンで言う。
「そうね、大変でしょうね。忠告しに行っただけで、私もあんまり内部の詳しい様子は知らないんだけど」
 霊夢もさして大変そうに話さない。
「でも地底が旧地獄になって随分経つし、ちょっとした病なんて今まで一度も無かったわけじゃないでしょう。今の地底の管理人も、有事の際はちゃんと働くだろうしね。向こうは向こうでなんとかするわよ」
 一通りの顛末を話し終えた霊夢は飲むにも食べるにも少々疲れ、魔理沙がしていたのと同じように、背中を地に預けてみた。敷物の面積の関係上、体の半分近くが芝に触れる格好になる。寝心地はいまいち。
「あ、まてまて、そもそも土蜘蛛が出歩いたって説は無かったのか? 素直に考えればそれが妥当じゃないか」
 何時なんどき何事においても、人は過ぎたことをあれこれ考えるのを好んで話の種にする。
「それは無いわ。地底に潜り込んで、その途中、あいつをこらしめたのもついこの間よ。一度痛い目見てるし、下級妖怪が反旗を翻すには規模も速度も小さすぎる。早苗を巻き込む理由がないし、あなたと同時に私にも病が来るはずよ」
「んー、巫女を狙ったには狙ったけど、間違えて早苗を襲ったとか」
「天狗や神二人を出し抜いて?」
「そう、だから山ごと攻めたんだ。あの二人は、まあ神だからな、さすがに効かなかった。どうだ」
 どうだ、と言われても。
 霊夢は苦笑しながら、たぶん出し抜いた顔をしているであろう、向かいの旧友を想像する。
 言ってしまえばその線も無いのだが、彼女が気持ちよく呑んでいるのだ。黙っておこう。
 体を起こすと予想通りの笑顔を湛えた魔理沙と目が合った。もう一度仕方なく笑うと、それをどう捉えたのか。彼女はへへへと愉快そうに笑う。
 どちらから言うこともなく酒をつぎ、御猪口を合わせてから、私たちは再び呑み始めた。
ページを開けばその分だけ幻想郷が。
当サイトはちょっと前に知りましたが、いろいろな方の小説をガンガン読ませて頂いてます。羨ましい。
それに触発されて自分なりの幻想郷を表現できたらなと思い、今回投稿に至った次第です。
自分なりの反省として、ちょっと当たり障りの無い物になってしまったかな、という感じはありますが……。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
厳しいお言葉でも構いません。何か思うことがあればコメントしていただけると幸いです。

9/18 改行ミス、鉤括弧抜けを2点修正。
くろさわ
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コメント



0.180簡易評価
1.80名前が無い程度の能力削除
大山鳴動してなんとやら。幻想郷のいつもといった感じがしました。
途中までアトムやらミクロの決死圏を思い浮かべてましたが意表をつかれました。
テンポが良くて面白かったです。
2.80奇声を発する程度の能力削除
幻想郷らしい感じで面白かったです
5.70非現実世界に棲む者削除
内容としては良かったです。
ですが誰が話しているのかわからない台詞がいくつかありました。
あと鬼神「ミッシングパープルパワー」かと。「パープルパワー」は一瞬です。
私も書き始めただけで荒削りですが、今後も頑張ってください。
8.無評価くろさわ削除
>1さん
 ありがとうございます。大山鳴動鼠一匹は、幻想郷っぽいということで褒め言葉として受け取っていいんですよね(少し不安)。ミクロも少し考えたんですが、幻想郷にしては素っ頓狂な話になってしまうかと思い、この着地です。
 テンポが良い。とても嬉しいお言葉です。励みに自分なりに書いていこうと思います。ありがとうございました。
>奇声を発する程度の能力さん
 80点もありがとうございます。
 あくまで私のイメージですが、幻想郷らしさを少しでも出せたみたいで良かったです。
 また投稿した際はよろしくお願いします。
>非現実世界に棲む者さん
 括弧の外で誰が話してるかをあまり説明したくないので、極力使わないようにしてたんですが限界でしたか……やっぱり神様二人のあたりですかね……?
 ミッシングはPPの方が良かったですか。いきなりパープル切るのもおかしいかなと思ってしまったので(悩んだ末パープルはゲーム中での差別化だと祈ってました)……反省。
9.無評価非現実世界に棲む者削除
コメレスを読んでの返答をお許しください。
確かにあの二柱の辺りが一番わかりにくかったです。多分私の読解力の無さです。気にしないでください。
ミッシングパワーの事ですが、緋想天での効果を考慮した上でおかしいなあと思って指摘しました。
次回作をお待ちしております。
11.603削除
>私の想像する幻想郷の日常。手始めに異変解決と行きましょう。
このテーマは良く書けていたと思います。
異変らしきものが起きて、実はあまり大した事がなくて、最後に宴会、と。
内容としては良かったのですが、「厳しいお言葉でも~」と書かれているので、書かせていただきます。
一人称と三人称がごちゃごちゃになりすぎです。とてももったいない。
「魔理沙」なら「魔理沙」、「私」なら「私」で統一するのが基本です。
それが同じ段落の中で両方が出てきたり、三人称視点なのに一人称でないと知り得ない情報が出てきたり……
次回はぜひこの点を注意して書いていただけると……。