Coolier - 新生・東方創想話

赤蛮奇、月を眺めて考える

2013/08/31 17:24:49
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 生きるということはままならぬという事だ。
 おそらく、この意見は多くの人妖の賛同を得るであろう。
 そして、今この瞬間において、私――赤蛮奇はその見解に対する、最も熱心な信奉者だ。
 私の目の前にある長屋の一室からは、相も変わらず下品な叫び声が聞こえてくる。
 私はというと、月を眺めながらどうしてこうなったのか考えるばかりである。



 そもそも、何故こんな事になってしまったのかというと、根本的には私が妖怪である事に由来する。
 と言っても、例えば力を付けて、いずれは幻想郷の支配者になってやろうだとか、強者と闘う事だけが生き甲斐であるとか、あるいは人間なぞ我らの餌に過ぎぬと大見得を切ってみせるとか、私はそういった類の妖怪ではない。
 私には到底そんな力はないし、第一そんな面倒な事はごめんだ。この間の宗教騒ぎの時も、盛り上がってる奴等の気持ちが全く理解出来なかった。
 巷間に紛れ、日々を何となくだらだら細長く生きていく。それが私の種族の生き方であるし、私の性分にもあっている。
 聞けば唐傘お化けなる妖怪は、人を驚かす事を生き甲斐にしているというが、私もその類なのである。
 というよりも、人を驚かせるという目的を持っている以上は、唐傘お化けの方が上等な部類に入るやもしれぬ。
 何せこちとら、雑踏を適当に歩いているだけで問題なく生きていけるのである。人間を驚かさなければ腹が減るというような不都合もなし。
 強いて言うのであれば、人々に混じって生きていくというのが種族的な欲求であり、それで腹が膨れるのだ。
 手元に小銭がある時などは、裏通りの一膳飯屋で飯を食ったりもするが、別に食わずとも飢えるわけではない。何となくそうしたいからそうしただけである。
 勿論、酒は旨いものだが、中毒になるほど染まるつもりはなかったし、そもそもそんな金はない。
 よって、私の妖怪としての業であるとか、あるいは凶暴性というものが、この災難を引き起こしたのではない。


 とにかく、何をするでもなく、腹が満たされているというのは私としては結構幸せなことではあるのだが、そんな私の生活にも一つ問題がある。
 当然ではあるのだが、人間の中で生きる以上はひっそりと、目立たないように生きていかねばならないのだ。
 もっとも、私の暮らしぶりであれば、さほど目立つ事はない。妖怪としての服も持っているが、常にあれを着ていては人里での生活もままならぬ。
 そんな訳で人里で着る為の普段着も持っているし、人目を引く自慢の赤髪も必要によっては鬘で隠している。入り用な時にする仕事も殆どが内職だ。面倒な客商いなどはご免被る。
 では何が問題になるかというと、老いないのだ。
 よく言われるように、我々妖怪という奴等は人間に比べるとひどく老いるのが遅い。中には全く老いぬ、ずうずうしい奴も居ると寡聞にして聞いている。
 そうなってくるとどうなるか。ひとつところに住んでいると、それだけで違和感を持たれる原因になってしまうのである。
 幻想郷は妖怪には寛大ではあるが、妖怪として見られては人里で生きていくには何かと不都合が多い。そもそも、私の種族的な本能はこっそりと人に紛れて暮らしてこそ満たされるのだ。
 隣人が妖怪であるとなれば、近所の目を引くであろうし、一事あった時にはやれ退魔師だの拝み屋だのという奴等が押し掛けてくる事になる。
 それぐらいならまだいいが、何かの拍子に悪妖扱いされれば、やってくるのは博麗の巫女なる暴力装置である。そんな事態はご免被る。
 そんな訳で私は、定期的に引っ越しをしている。これも人里で長く過ごしている私の、平穏な暮らしを守る秘訣の一つである。
 ところがこの引っ越しが、今回に限って平穏に繋がらなかったわけではあるのだが。


 定期的に引っ越しなどと言うと、随分裕福に聞こえるかも知れぬが、所詮妖怪の住まいだ。専ら下町の安い長屋、何だったら多少曰くありでも構わないという選び方をしている。
 それであっても、引っ越しをするとなればせこせこと内職に勤しむ事になるので、その間は部屋で拘束される為、それなりに苦痛ではある。
 その痛みに耐える事が出来ず、今回は内職を早々に切り上げてしまった為、いつもより手元にあった金は少なかった。
 しかし蛇の道は蛇というが、何度も貧乏長屋を転々としている私にはこの金額でもいけるだろうという自信はあったのだ。
 事実、私に入ってもいいという大家が現れたのだから。当然ながらそれは有徳の人などではなく、怪しげな連中向けの長屋の大家である。
 その大家は、如何にも因業親爺という風体ではあったのだが、その風体に相応しい、金さえ払えば細かい事は聞かぬという態であったのは幸いである。
 中には人の面倒を見るのが生き甲斐としか思えぬ大家なるものもいるのだが、私のように人とかかずらって生きるのを避けている妖怪にとっては面倒な事極まりない存在である。
 第一、私にあまり関心を持たれては、いつ何時私が妖怪と露見するやもしれぬ。こういった金だけの関係というやつが一番気楽なのだ。


 親爺に紹介された長屋は、成る程これぞ貧乏長屋であるといった年季の入り具合であった。
 屋根の傷み具合といい、ところどころ見える障子の破れ具合といい、目視で確認出来る隙間といい、戸の立て付けの悪さといい、近年稀に見る逸物である。
 部屋の中の畳も酷く擦り切れており、煙草のものであろう焦げ跡が目立ち、煤けた壁にはなにやら汚れのようなものがところどころ付いている。最もこれは外観の痛み具合から考えれば綺麗とも言えるぐらいであったが。
 長屋の裏手通りに沿って流れる川も、恐らくはここの住人達が投げ捨てたであろう桶だの襤褸だの木片だの得体の知れぬものが漂っており、溝と見まごう景観で、いっそここまでくると清々しい。
 親爺の話によれば、入居者も殆どいなく、静かなものだという、確かにこの荒れ具合を見て住もうという気を起こす人間がいるとしたら、余程に住まいの環境に興味がないか、切羽詰まった人間であろう。
 他に住んでいるとしたら幽霊ぐらいではあるが、幽霊の身でここに住むとしたら相当の物好きという言葉しかない。彼らの為に柳の下は空けてあるのだし、もしここで知己になる事があれば引っ越しを勧めてやってもよい。
 こんなところに住む人間なぞろくな奴がいるはずもなく、そういった輩は大抵隣人には無関心なので、私にとっては好都合だ。
 親爺と家賃の交渉をした上で入居を決めると、親爺には、若い身空でここで暮らすのは厳しかろう、お前さんは今どこか働き口はあるのかと聞かれた。
 ぶらぶらとその日を暮らしていると答えると、下卑た笑みを浮かべながら、お前さんの器量と若さであれば稼げる働き口があると言われたが、それは丁重にお断りした。
 客商いですら避けている私に、この手の親爺の薦める仕事が勤まるとは思わぬし、何よりそんな仕事は、私の妖怪としての矜持が許さない。


 私の家財などささやかなものなのだが、それでも一人で運ぶとなるとそれなりに時間が掛かる。かと言って人を雇う程の量があるかと言うと微妙なところではあるし、先立つものがない。
 よって大八車を借りて、えっちらおっちらと新居に荷物を運びこみ、障子の補修なんぞもして、一応の形を整えた時は既に日が落ちていた。
 くつろぐ為に、私の妖怪としての服装に着替える。着物類も持ってはいるが、部屋の中で着ることはない。あれらはあくまで人間の中に混ざる時の為の服装であるし、実のところあまり好みではない。
 今から大通りに向かうのも面倒であるし、今日は何をするのでもなく、ごろごろとして過ごそうか。幸い古書店で先日買った、講談本も一冊ある。
 解いたばかりの風呂敷の中から、講談本を取りだし、万年床の煎餅布団にごろりと転がった時、開け放した窓の外にあったものが目に入った。
 薄暗い外の景色と、雲のない空に浮かぶ望月――――そういえば、今日は満月であったか。
 講談本から手を離し、上体を起こして、改めて窓から外を眺めてみる。灯りが少ないのも相まって、実によい眺めだ。
 溝川も夜となっては、その汚さも目に入らず、なかなかの風情を感じさせた。この眺めが楽しめるのであれば、この長屋は当たりだったかもしれぬ。
 私は虚けのように、しばらく月に目をやっていた。これで酒でもあれば心ゆくまでこの眺めを楽しめるのだが、その為だけに動くのも面倒である。
 

 さて何時ほど立ったかは解らぬが、そうやって月を見ていると、不意に瞼の辺りが重くなってきた。
 これはいかんと思い、身体を動かして雨戸を閉める。解っていたはいたが、やはり立て付けが悪く、苦戦を強いられた。
 寝相が悪い方なので、こればかりは怠る訳にはいかぬ。万が一、迂闊な体勢で寝ている私の姿でも見られたら大事である。
 もしそうなってしまえば、すわ事件かと番所の連中が飛んでくるか、はたまた神妙不可思議な秘術を使う巫女が駆けつけるか、人里の守護者を称する半人半妖が来るか。
 誰が来るとしても、関わり合いになりたくない輩しか来ないのは解りきっている。となると、それだけは何としても避けねばならぬ。
 何としても閉めねばならん、そういった思いを込めて力強く引くとがたがたと音を鳴らしながら雨戸は乱暴に閉まった。
 やれやれ、これでゆっくりと寝れる。明日はどこか酒屋にでも行って、一つ酒でも買ってこよう。欠けてしまうのは残念だが、美しい事には代わりはないし、月は月である。
 そんな事を考えていると、引っ越しの疲れもあるのだろうか、急速に頭の中が重くなっていき――――



 どすん、どすん。
「何か言えよ!てめえ、俺の話聞いてんのか!」
 どすん、どすん。



 物音と激しく罵る男の声で目が覚めた。目覚め方にも色々種類があるが、これは間違いなく、下から数えた方が早い目覚め方だ。最悪ではないが最悪に近い。
 貧乏長屋の壁は大抵が薄いもので、隣りの部屋の声など筒抜けではあるが、いくらなんでもこれは度を過ぎている。少しは近所の事も考えると良い。

 どすん、ばたん。
「何とか言ったらどうなんだ!この売女!」
「茂さん、止めてよ!」
「何で謝らねえんだよ、この売女!」

 寝起きの働かぬ頭でも、男女の諍い、それも痴話喧嘩じみたものである事は理解できた。そして男の方は何となく酔っているのも解る。
 これは貧乏長屋で長年過ごした経験から解るのだが、男の方の大きく、そして引きつり気味の甲高い怒声。こういう声を出す男というのは大体において酔っている。

「俺は嘘が嫌いだって言ったろうが!淫売!」
 どすん、ばたん。

 そして、大抵この手の男というのは頭が悪い。罵り文句にしても、人に話を聞く手段としても他にももっと色々とある筈である。少しばかり語彙が貧弱過ぎるし、口よりも手が動いている。
 ついでに柄も悪い。もっともこんな貧乏長屋に住んでいる男というのは概ねそういった輩なので、当然と言えば当然か。
 隣りの部屋で暴れている男の方が今少し良識なりなんなりがあれば、こんなところに住んではいない筈である。女の方も同じだ。こんな男を連れあいに選んでいる時点で、少なくとも賢くはあるまい。
 しかし、こういったのは大体が男が暴れ疲れて終わるか、誰かが仲裁に来るというも経験上知っているので、壁の染みなり、畳の焦げ跡なり数えていればいい。
 何も私が関わる必要はないのだ。危険を冒して、殴られている女を救ったとして、それがどう私の平穏な生活に繋がる?

 どん。
「私、嘘はついてないよ!もう殴らないで!茂さんってば!」
「俺が騙されるとでも思ってんのか!」

 壁が揺れた。壁に頭でも叩きつけられたのか。
 男の方の調子を見ていると、今更何を言ったところで堪忍してくれる筈もなかろう。何をしでかしたのかは知らぬが、尋常な怒り方ではない。
 大概は何もしでかしてなくて、男の酒が過ぎたか、機嫌が悪かったといったところなのだろうが。
 
 どすん。げぇー。
「とっとと吐かねえからこうなるんだ!」

 壁越しに耳障りな音が聞こえた、大方のところ、腹を殴られて女の方が嘔吐したのであろう。妖怪の身と言えど、この音はどうにも好きにはなれぬ。
 女の方は大分弱っているようで、茂さん茂さんと名前を呼ぶ声は聞こえなくなり、代わりにめそめそと泣き声が聞こえる。

 どすん、どん。
「いい加減に認めちまえって!この淫売!」

 また壁が大きく揺れた。こんな事を繰り返されては壁に穴が開いてしまう。
 しかし、男の方の暴力はいささか度を過ぎているように感じられる。これは相当に荒っぽい奴であろう。
 侠客気取りの三下か、はたまたぽん引きか。そこまでは解らないが、ごろつきの類である事に疑いようはない。きっと薄汚れた着流しを着て、だらしなく髭なんぞ生やして、どこぞの兄さんとつき合いがあるとか、誰それは昔俺が面倒見てやったとか吹いている口である。
 そして、言うことを聞かない相手であれば、女であっても手を上げて、是と言わせるのをよしとする輩である。
 
 どん、どん、げぇー。
「おら、さっさと答えろ!」
 どん、どん。

 少なくとも私は、酒に酔った勢いで人間を手に掛けるような事はしない。ところが隣人の男、茂ときたらこの暴れぶりだ。
 茂の荒い呼吸と、女の吐瀉音、何かを殴りつける音、何かが壁に叩きつけられる音は衰える事なく、私の部屋に響き続けている。
 ここまで暴れられるのであれば、弱小妖怪の組合ぐらいになら加入出来てもおかしくはなかろう。万が一、私が推薦状を書くことになったとしたら、朱色でこの男凶暴につき、という注意書きも入れてやるつもりだ。
 少なくとも私が知る限りでは、泥酔した挙げ句に女房なり情婦なりを撲殺した妖怪というのは寡聞にして聞かぬ。


 ところで、ここまで暴れているのに長屋の住人が止めに入らないのは、茂が相当な札付きであると考えていい証拠だ。
 私の過去の経験に則れば、ここまで来ると大抵は近所の顔役なり、ご隠居さんなり、あるいは女房仲間なりが止めに入って、事は収まる。
 それがないという事は、前に止めに入った者がいたが痛い目を見て、それ以来は関わりを避けているという事だろうか。存外、人間という奴等は薄情な生き物なのはこれまでの人里暮らしで勉強した事の一つでもある。
 あるいは、親爺と昼に話しをした時、間借り人は少ないと言っていたが、この放置ぶりではひょっとすると今間借りしているのは私と茂だけなのかもしれぬという心持ちになってきた。
 もっとも、茂が毎夜この様な乱痴気騒ぎを繰り返しているとなれば、真っ当な貧乏人は出ていくであろうから、今残っているのは茂のご同類ぐらいしか住まぬだろう。
 どのような背景があるにせよ、誰も止める人間なぞいないというのを結論づけてよさそうだ。
 
 どん、どん、どん。
「何とか言え!」

 この調子で殴られていると、女の方はじき死ぬだろう。壁越しに聞こえる女の弱り方で何となくそんな気がした。最早戻すものもないのであろうか、吐瀉物をまき散らす音だけはなくなった。
 別に人間がこういったくだらぬ事によって死のうが不具の身になろうが、私の知った事ではない。
 私が人間の友人を自称する、河童なんぞであれば血相変えて飛び込んで、腰にすがりついて茂を止めるのであろうが、生憎と私は河童ではない。
 しかし、私が引っ越したばかりの日に隣りの部屋で殺しがあるのは如何にも具合が悪い。
 隣りで殺しがあったとなれば、番所のご詮議は免れぬ。幸いにして、今まで生きてきた中で番所の世話になった事はないが、どうにも楽しい事ではないのは容易に想像が付く。
 ましてや、茂がこのまま逐電して、物取り目当てなどと番所が考えたら、下手をすれば私は犯人扱いで取り調べを受ける事になる。
 あまり考えたくはないのだが、何かの手違いで私が下手人とに見なされる事があれば、末路は知れたものだ。少なくとも畳の上では死ねまい。
 

 相変わらず茂が女を悪罵する声と、何かを打ち付ける音、泣き声、その他諸々が混然となったものが壁から漏れ聞こえてくる。
 茂の手から、女を助けない限りは引っ越したばかりの長屋に居られぬばかりか、下手をすれば妖怪退治屋からのお尋ね者になってしまう。
 勿論、面倒を避ける為の逃げの一手と言うのもある。しかし引っ越しをしたばかりで手持ちは少ないし、この時間から動くとなれば運び出せる荷物も限られてる。
 何より、ごろつき相手に逃げたとなれば、由緒正しき我が一族のご先祖様に顔向け出来ぬ。そう考えると、逃げるのは論外だが、助けるとしても問題が多い。
 

 私とて妖怪の端くれではあるから、こんな貧乏長屋住まいのごろつきに遅れを取るとは思わぬ。
 しかし、仮に私が妖力を使って茂を打ちのめして、茂が妖怪にやられたなどと番所に訴え出られると、非常に面倒な事になる。
 そうなった場合は申し開きぐらいはするつもりではあるが、少なくとも番所からは要注意妖怪としての監視ぐらいは付くだろう。
 人里で目立たず生きており、今後もそうやって生きていくつもりの私としては、それは何とか避けたい。
 万が一やりすぎて、茂を殺してしまったとなれば、いよいよ事は最悪である。博麗の巫女という暴風が吹き荒れるか、普通の魔法使いを名乗る雷雲が立ちこめるか。
 先日、性に合わぬ馬鹿騒ぎに加わり、彼女たちに手酷く痛めつけられたのだが、私が里で人を殺したとなれば、あれ以上の仕打ちをうける事は想像に難くない。
 
 
 では妖力を使わないで闘うとなると、これは難しい。
 だいたい茂のような手合いは白木の鞘に入った匕首であるとか、甚だしい奴になると長ドスのような大物を持っており、これを殺す殺すと喚き散らしながら出鱈目に振り回すのである。
 やたらと振り回して、殺せるものではないし、そもそも殺す気構えもない。そんな奴に刺されて死ぬような事はないとは思いたいが、相当に痛いのは疑いようがない。
 腐っても妖怪、身体能力は人間よりは上だが、圧倒的に人間よりも優れてるとは言いづらいし、なにぶん相手は見境の付かぬ相手とあれば、事故が起きる事もある。
 人間の中には妖怪というのは精神の生き物であるし、強靱な肉体を持っているから物理攻撃は云々とか講釈を垂れる奴が居るが、私に言わせれば勘違いもいいところだ。
 例えば、その妖怪というのが妖の大賢者と言われる八雲某であるとか、かつて妖怪の山の頭領であったと伝え聞く鬼であればその通りだろう。
 だが、私のような弱妖が同様であるかは大分怪しい。先日も内職の針仕事で指を刺してしまった際はしっかりと痛かった。つまり、私のような力の弱い者であれば、物理的な攻撃によって受ける傷は、人間よりややまし、ぐらいであろうか。
 それ以前に、刃物が出てきて、女の方が大騒ぎして番所に駆け込みでもしたら一大事である。大捕物になって、私の平穏な生活というのは取り戻せなくなる。


 
 要件を整理してみると、私は妖力を使わず、なおかつ身の危険が迫るような荒事は避けて、それでいて騒ぎにならぬように、茂を退けねばならない。
 なかなかに難題だろう。
 もっとも、力ではなく頭を使って闘うのが私の一族の闘い方でもあるし、茂ごときをやりこめるのは造作もない筈だ。

 どすん、どすん、どすん。
「何とか言ってみろよ!」
「……嘘じゃないから、許してよ……」
 どすん、どすん。

 ごほごほと咽せるような音と殴打音はまた聞こえてきた。
 あまり考えている時間はなさそうだ。
 何か使えそうなものは無いか、狭い部屋を手早く見渡しながら考える。
 卓袱台、箪笥、鬘、姿見、布団、枕、雑多な道具を包んだ幾つかの風呂敷包み。
 一張羅の外套を羽織ると、いくつか使えそうなものを思いついて、それらをひっつかんだ。 




 ――――かくして、包丁と風呂敷包みを持った私は、月明かりを浴びながら、隣りの部屋の前に立っている。
 どうしてこうなったのやら皆目検討が付かぬ。人と関わらぬよう、面倒な事に関わらぬように生きてきた私が、よりによってこんな騒ぎに首を突っ込む事になろうとは!
 全くもって、生きるということはままならぬという事だ。月明かりを眺めながらそんな事を考えてはいたが、あまり考えている暇もない。
 「全く、どうしてこうなったのかしら」
 月に向かって一人ごちると、長屋の戸に手を掛け、静かに開けた。
 
 
 部屋の間取りは、私の部屋と変わらなかったし、今散らかった分を除けば部屋の傷み具合も変わらぬであろう。もっとも、どこまで今散らかった分なのかは判然とせぬところだ。
 行灯に照らされた薄暗い室内には、先程からの大暴れで残骸になった枕屏風や蠅帳、布団などが無惨な姿を晒しているが、日々あの暴れ具合ならいつ壊れたかも定かではあるまい。
 先程の暴行の結果であろう血と吐瀉物、それに長い髪の毛が布団や畳の上に不規則にまき散らされており、鉄臭さと、酸っぱい匂い、家主の体臭等が締め切った部屋の温度によって合成され、何とも言えぬ臭気を放っている。
 妖怪と言えども私は繊細な部類なのだ。むしろ人間よりも優れた知覚を持っているだけに、こういった匂いはあまり嗅ぎたくない。
 

 さて、焦げ茶の着流しを身に纏った腹の出た男、こちらが茂である。比較的声からは若い感じがしたのだが、姿形は中年めいていた。恐らく首の下のたるんだ皺であるとか、だらしなく伸ばした髪や髭がそういった印象を与えるのだろう。概ね予想通りの外面である。
 女房だか情婦だかは知らぬが、薄水色の地味な着物の女性の方は茂と体の線を見る限りでは同年代なのだろうか。顔については青痣赤痣、曲がった鼻に泣き腫らした目では何とも言いづらい。何だか解らないという風な目で私を見ている。こちらの痛めつけられ具合もだいたい考えていた通りだ。
 しかし、喜んではいられない。予想通りだということは、大方このあと光り物が出てくるのも、この阿呆な男が騒ぎ出すのも恐らく予想通りにいく。
 となれば、私は先手を打たなければならない。近寄れば近寄るほど取っ組み合いの危険性が高まるので、この土間から動かずに茂をその場に張り付けにするのが最良だろう。
 

 「全く、手間を掛けさせるな。こんな処に住んでいたとはね」
 ここで一発、凄みのある声でも出ればいいのだが、生憎私の声質だとそれは難しい。代わりに出来る限り冷たい声を出したつもりだが、私の意志がどれぐらい反映されているのやら。
 「さて茂。あんたに恨みはないけど、ここで死んでもらわなきゃならない」
 素面で聞いたら笑ってしまうであろう台詞を言い放つと、左手で戸を閉めながら、右手に持った包丁を茂の方に向ける。


 全く予想通りの返答が帰ってきた。これはすぐに刃物が出てくるな。
 「なんだ手前ぇは!」
 そう言いつつ、茂の腰が着流しの帯の方に動いていく。帯に挟んでいるとなれば匕首が精一杯だろう。しかしそんな物を抜かれても、面倒事が増えるだけだ。
 女の方はと言うと、あまりの事態に何が起こっているのかを掴みきれてはいない風で、私と茂の顔に視線を行ったり来たりしている。これであれば、部屋で震えている以上の事は出来ないだろう。
 「あまり騒がないで頂戴。下手な動きをすると、あんたの首と胴が泣き別れになる」
 さて、ここからだ。茂が匕首を取り出す前に、一気にまくし立てて、まずは戦意を奪い、騒がないようにしなければならない。


「私は殺し屋だ。顔を隠してるのはそのためさ。茂、あんたに先日見られちゃまずいものを見られたって人がいてね。それで私の出番になったわけ」
「人違いじゃねえのか。俺ぁ何の身に覚えもねえぞ。だいたいお前ぇみたいな小娘に殺し屋ですなんて言われたところで、はいそうですかって引き下がるかよ!」
 私の想像よりも多少は頭が回るようである。茂にはこれぐらい解りやすい話が良いかと思ったのだが、意外にも正論を吐く。流石に包丁一本で殺し屋を名乗るのは無理があったということだろうか。
 しかし私の外套は、いかにも訳ありの人物が好みそうな顔半分を覆う立ち襟になっており、それなりの説得力が有るはずだ。赤と黒の渋い配色もなかなか雰囲気があるだろう。私は自分の服装の趣味にそれなりの自信がある。
 服装とやかくは抜きにしても、私の持つ風呂敷には私が殺し屋だという決定的な証拠が収まっている。そう、決定的なものが。
 肩をすくめ、やれやれといった仕草をして、出来るだけ何気ない調子で茂に言う。ここが勝負の鍔際だ。
「さっきも同じ事を言われたよ。実はもう一人始末を頼まれた娘がいたんだけどね。あんまりにも抵抗をするもんだから」
 そこで言葉を区切り、左手の持った風呂敷包みを掲げて、茂に見せつけてやる。
「ほら、この通り」

 
 茂の唾を飲み下す音が土間まで聞こえ、視線は私の左手を凝視している。頭の働きの悪いこの男でも、私が何を言わんとするのか、私の持った風呂敷包みの中身が何なのかを察したのだろう。
 ただ、疑っている、というか信じたくはない筈だ。いや馬鹿な。そんなまさか。この餓鬼が?悪い冗談に決まっている。でも、だとしたらあの包みの中身は何だ?そんな顔が覚りならぬ私にも聞こえそうな表情だ。
「もう一度言っておこうかな。二人とも騒ぐな。大声を上げたりしたら、すぐにこの子のお仲間になってもらう」
 ここでだめ押しに、左手に持った風呂敷包みを茂の足下に投げてやる。
 ごろん。上手いことに茂の足下に転がった風呂敷包みは結びが緩かった為、解けかかって隙間が出来、そこから中身が一部はみ出ていた。
 

「ひっ」
「ああっ」
 中身を見てしまったのであろう。茂と女、両方とも情けない声を上げて、私が投げたそれから飛び退くように部屋の奥へと動いた。
 ここからでも包みから黒い髪がはみ出しているのは確認できるが、残念ながらその表情までは伺い知れぬ。出来映えが気になるのだが。
 しかし、二人の反応を見る限りであれば、上々であったようだ。女の方は壁に張り付いてがたがたと震えており、茂はと言うとがちがちと歯を鳴らしながら、包みから目を離せないでいる。
 私が茂の足下に投げつけたのは、それはもう正真正銘、出来立ての少女の生首である。


 私――赤蛮奇は、格調高き、ろくろ首の一族だ。
 と言っても、人里でたまに立ち読みする妖怪図鑑に掲載されているような首が伸びるあれではない。あれは私の一族の兄弟分ぐらいの位置づけだ。
 私の一族は首を外し、それを自由自在に操る事が出来るし、その気になれば自分の首の複製を作り出す事も出来る。
 作れる個数というのは、自身の妖力に比例するのだが、先日の異変騒ぎの時に作れた数は、九つを数えるまでになった。もっとも今はあの時の力がないのでそこまで多くは作れない。
 それでも一つ作るぐらいは訳もない事なので、ここに乗り込む前に一つ作って、鬘を被せておいた。茂の足下に転がっている風呂敷包みの中身はそれである。
 ここでもし、風呂敷包みを完全に解いて冷静に観察すれば、風呂敷にも首の切断面にも血がついていないとか、目元が私と全く同じであるとか、すこし引っ張ると鬘が外れるとかして見抜けるような代物なのだが、流石にそこまでやる人間はいなかろう。
 いきなり足下に転がされた生首を、動じずに検分できる奴がいるとしたら、そいつはもはや妖怪としか思えない。


「畜生、殺される覚えなんてねぇぞ」
「私の雇い主には殺す覚えがあるんだろうね。とは言っても、この子みたいに解体するのは面倒だし、すぐに楽にしてあげるよ」
「おい待て、誤解だ。何の覚えもねえんだ」
 解体、という言葉選びが心の琴線に触れたのであろう。女の方は大きく体を震わせると、壁と一体化したかのように張り付いて動かない。
 茂の方はすっかり話を信じてくれたようだ。青い顔をして、包丁を持った私に縋るような視線を向けてくる。
 こちらとしても上手くいくか不安だったが、ここまでくれば後は落としどころに持っていくだけだ。


「……女の方は仕事の勘定に入っていない」
「そ、それじゃあ私は」
 壁の一部になって震えていた女が始めて口を開いた。とりあえず自分が生きていられるという事だけは理解出来たらしい。
「あんた、この事をどこにも口外しないって約束できるかい?」
 女は無言で首肯する。
「番所に駆け込まないと約束できる?」
 先程よりも激しく首を何度も縦に動かした。


 そこで茂が情けない声を出して訴えた。
「俺はどうなるんだ!」
「そこの首と同じ事になる。それぐらいは解って欲しいね」
「待ってくれ!お前も、お前の雇い主も何か勘違いをしてる!」
「私が知ってるのは、あんたの首を金出してでも欲しい人がいるってことだけ。これだけ知ってれば充分なんだよ」
 出来る限り冷たい視線を茂に送るようにするには、さほどの努力は要らなかった。私はこういう輩が好きではない、率直に言うと嫌いな部類だ。
 かといって、ここで殺してしまうぐらいなら最初からそうしている。あくまで茂が何処に訴え出る事もなく、消えてくれるのが最上の結末である。


 少し間を置くと、私は茂に一つ取引を持ちかけた。
「ところで茂、あんたは今幾ら持っている?」
「あ、ああ?何の話だ?」
 いたく戸惑った様子だ。どうにも察しが悪い。もう一度、解りやすく言い直してやる必要があるな。
「あんたの命に幾らの値段を付ける気があるか聞きたいのさ」
 言われるや否や、茂は懐中に手を突っ込んで、せわしなく動かす。それは私にとってあまり宜しくない。そのぐらいのゆとりであっても収まる刃物はあるからだ。
「ああ、あんたは動かないで。懐の中身は女に出してもらいな。それと腰のものも出しておいてもらおうか」


 しばらく待つと、薄汚れた畳の上に、茂の財布と匕首、意外な事ではあるが女の財布が置かれていた。
 この辺りは妖怪の私には理解出来ないのだが、茂のようなろくでなしであっても愛しているということか。それとも、私の言葉がいまいち真が置けぬということか。
 随分と味の出過ぎた財布の様子からは、二人合わせても大した額が入ってるとは思えないが、問題はそこではない。大事なのは妖怪ではなく、殺し屋に狙われて、金を支払って見逃してもらったという事実を作ってやる事なのだから。
 「よし、女。それを土間の方に蹴ってもらおうか」
 女の様子を見ている限りでは、いきなり刃物を抜く事はないだろうが、万が一という事もある。こういった事はあくまで慎重にやらなければならない。
 女は震える足取りで動くと、畳みの上の財布と匕首を、土間へと蹴り落とした。匕首はからんころんと小気味良い音を立てて転がったが、財布が落ちた時は随分と情けない音がした。
 匕首と財布を拾い上げてみると、成る程、やはり財布は軽い。私が本当に殺し屋だったら、間違いなくこの額では見逃すまい。


「大した額じゃなさそうだね。まあいいよ、雇い主には既に逃げた後だったと報告しておいてあげる」
 私の言葉を聞いて、二人の顔に安堵の色が浮かぶ。こちらとしても刃物を捨てさせたし、これでほぼ終わりと考えてよさそうだ。この分では幕引きも近そうだが、最後まで油断できない。
「さてと、それじゃあ女、ゆっくりと窓の方に歩いて。そう、そこで私に背を向けて止まる。茂はその場から動くな。物事には順番ってものがあるからね」
 女の方を窓の前まで進ませ、そこに立たせる。これも一応の用心というやつだ。戸から出そうとして、すれ違いざまに突き飛ばされでもしたらたまらない。
「さてお待たせ、それじゃあ窓から出ていきな。くどいようだが、余計なお喋りはしないでね」
 女は私の方をちらりと見た後、窓を開け放つと一目散に外へと転がり出て、すぐさま駆けだした。随分と重傷ではあったが、こういった時だけは機敏に動けるようだ。


 同じ要領で茂を窓際に立たせると、しばらくそのまま待たせた。女にこの男から逃げる時間をくれてやろうという私なりの気遣いである。何せ財布を貰ってしまったので、些か責任を感じているのだ。
 窓際に、膝を振るわせながら立つ茂の背中を見ると、焦げ茶の着流しの背がひどくびっしょりと濡れていた。三下というのはこういうものだ。弱いものには強いが、自分が追いつめられると酷く弱い。
「そろそろお別れの時間だよ、茂」
 お別れの時間、という表現が拙かったのか、ひどく驚いた表情でこちらを振り返ってみせた。顔を見ると、私が最初に対面した時よりも幾分老けたように見えた。
「安心しなよ。私は今更お前に興味がない。但し、最後に一つ警告しておくよ。もし、あんたが今後私の事をどこかで見掛けたとしてもほっておく事だ」
「解ってる、解ってる、解ってるからやめてくれ」
「そんなに怯えなくてもいいじゃないか。もし私の姿を見た時に、余計な事をしようとしたら、今日よりも恐い目に遭う。さ、解ったらどこへでも行きな」
 そう言ってやった瞬間、茂はもの凄い勢いで窓枠を乗り越えると、脇目も振らずに逃げていった。



 こうして一通りの決着がつき、今の私は土足で茂の部屋に上がり込んでいる。
 いささか荒唐無稽な筋書きではあったが、茂も女もあの様子であれば信じ込んだようなので、もうここには戻る事はないだろう。
 殺し屋と、自分を付け狙う得体の知れぬ者に住まいが割れてしまったのだ。どうしてそこで暮らしていく事が出来ようか。
 かくて私の幽霊長屋での暮らしは一歩平穏に近づくし、あの女の方も茂とは縁を切ろうと考えるだろう、ひょっとしたら茂もこれまでの悪行を反省して真人間になるやもしれぬ。
 まあ、女が相変わらず茂とくっついて暮らして非業の死を遂げても、あるいは人里では暮らせぬと思った茂が森辺りに逃げこみ、そこで何かの餌になったとしても知ったことではない。
 大事なのは、私の人里での静かな暮らしが、少し危ない橋を渡った結果ではあるが、きちんと守られたという事だ。それ以外は私の気にするべきところではない。
 そんな私が今ここで、悪臭に耐えて探しものをしているのは、一つの思いつきがあったからだ。そして、私が考えた通り、それはそこにあった。
 ちなみに首は茂達を追い払った後に検分してみたが、今にも叫びだしそうな恐怖と苦痛を上手いこと表現出来ていた。我ながらいい表情をするものだと感心してしまった。
 
 
 私が探していたのは、素焼きの味気ない源蔵徳利に入っている透明な液体、つまり酒である。
 茂の様子であれば、絶対に酒を飲んでいたという確信があり、そしてそれを裏切る事なく、部屋の中にこの徳利が転がっていたのだ。何本か転がっていたが、中身が残っているものが一つだけあった。
 半分ほどしか残っていないが、それでも私がちびちびやる分には問題ないだけの量であろう。念のため、匂いも嗅いでみたが、安酒特有のあの匂いしかしなかったので問題はなさそうだ。

 
 周囲を警戒し、外に誰もいないのを確認すると茂の部屋から出る。空を眺め、月の傾きを確認すると丑三つ時ぐらいだろうか。あの騒ぎもあったことだし、もはやこの辺りで起きているか、ぶらついている者もいないだろう。
 そう思うと私は、ほんの少し意識を集中させ、身体を宙に浮かせて、長屋の屋根に足を着けた。
 ごろごろしていた時に考えていた、この月を眺めながら酒を飲むというのを屋根の上でやったら、さぞや気持ちいいだろうと思ったのだ。
 風呂敷を敷き、だらしなく胡座をかいて腰を下ろすと、窓から見たときと変わらぬ、丸い月が目に入った。眼下の川に目をやれば、水面の月も見てとれた。やあ、これは最高だ。 
 まさかあのやっかい事が、こうして決着になり、幾ばくかの臨時収入と、この酒をもたらすとは思ってもみなかった。
 生きるというのはままならぬ事ではあるが、時としてそうでもない。少なくともここで酒を飲んでいるうちはそう考えているだろう。



 「たまには首を突っ込んでみるのもいいかもね」
 そう口にしてみた時にふと、首を突っ込むという言葉が、私が使うには何だかひどく滑稽な言葉に思えて、屋根の上で月と共にくすくすと笑ってしまった。
4作目、普段とは違う雰囲気のものを、頭を使って書いてみました。
「人里で静かに暮らしている妖怪」とはどんな暮らしをしているのだろうか?というのがこの話を考えるきっかけでした。
こういった話は始めて書きますので、ご意見等是非お願いします。

9/2 誤字修正致しました。ご指摘ありがとうございます。
9/8 脱字等修正致しました。ご指摘ありがとうございます。
アイ
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コメント



0.2120簡易評価
1.80名前が無い程度の能力削除
いいですねぇ
静かだけど穏やかではない蛮奇の日常
結果的に人助けになっているか微妙なとこも彼女の主張に説得力がでていいかんじになってます
2.100名前が無い程度の能力削除
全体的に漂う「私が良けりゃいい」感が妖怪っぽいし、やり口も小物らしい。
いい奴じゃないけど、ダークヒーローでもない。
赤蛮奇ってこういう妖怪なんでしょう。

3.80名前が無い程度の能力削除
赤蛮奇は静かに暮らしたい、とかなんとか。妖怪の日常って感じ。
4.100名前が無い程度の能力削除
誤字です
〉我ながらいい表情をするものだと関心→感心

涼しげな雰囲気をまとう赤蛮奇が格好いい。
どことなくハードボイルドです
5.80奇声を発する程度の能力削除
赤蛮奇の雰囲気が良かったです
6.90名前が無い程度の能力削除
落語っぽいのにすげー渋いな
ばんきちゃん男前ー
7.90超空気作家まるきゅー削除
妖怪らしさがもう半歩ほどであらわれる、ような
そんなところがよかった、かも
8.90名前が無い程度の能力削除
未だ謎の多い赤蛮奇の暮らしぶりについて、一つの回答を見せて貰えたような気がします。
締めの一文も好き。
11.100名前が無い程度の能力削除
利己的に、冷静に、淡々と動き、自分の性質を見事に利用した赤蛮奇。
女を助け、男は逃げ去り、己の懐まで温め月を肴に酒を飲む。
正に妖怪。
これはカッコいい。
13.90名前が無い程度の能力削除
貧乏長屋の寂れた一室でどこにでもあるような陳腐な三文芝居。そんな小さな小さな物語に、赤蛮奇が入り込める隙間があったということでしょう。

金の力は妖怪をも縛る。つまり、妖怪でありながら人間の社会システムの中で生きるしかない。表舞台に立つ力も度胸もない弱小妖怪の悲哀です。
16.90名前が無い程度の能力削除
赤蛮奇の日常や性格がしっかり練られていて面白かったです。こういう作品に会えるのがまさに二次創作を良さですね。
ええぞ!ええぞ!
21.80名前が無い程度の能力削除
作者さんと読者の両方が想像力をつかう話。こういうのはいいですね。
しかし、妖怪が居てくれた方が現実というのはギスギスしないのかもしれん。そんなことも考えてしまいます。
31.100名前が無い程度の能力削除
これは良いばんきっき
33.100名前が無い程度の能力削除
赤蛮奇の日常の中のちょっとした非日常という感じが実に良いですねぇ
日常の部分も良く練られていたと思います
34.100絶望を司る程度の能力削除
なにこれかっこいい
35.無評価名前が無い程度の能力削除
ゆるかっこいい……
36.100名前が無い程度の能力削除
ゆるかっこいい……
37.100名前が無い程度の能力削除
ままならない人生を、それでも幸福に謳歌しようとするばんきっきが可愛かったです。パーフェクトだばんきっき。
39.70名前が無い程度の能力削除
普段見られないキャラの日常を魅せてくれる
これぞまさに二次創作の王道かも知れない
41.100名前が無い程度の能力削除
こういう日常の範疇に含まれてしまうようなちょっとした事件物は大好きです
最後のセリフも気が利いてていいですね

>彼らのために柳の下は空けてあるのだし、
なぜかよくわからないけど、この一節が妙に印象に残りました
43.100名前が無い程度の能力削除
こういう二次創作が見たかったんだよ。
44.100名前が無い程度の能力削除
酒目的であるあたり、立派に妖怪してますねw
自称弱っちい妖怪である赤蛮奇のあまりにもらしい日常で、えらく楽しかったです。
46.100名前が無い程度の能力削除
オチがいいねぇ。面白かった。
蛮奇ちゃんは演技派ですなぁ
47.90ばかのひ削除
うん、こいつぁ綺麗に終わって良いね
51.100名前が無い程度の能力削除
これは面白かった
54.100名前が無い程度の能力削除
やだ、この子かっこいい……
こういう雰囲気大好きです
57.100満月の夜に狼に変身する程度の能力削除
ストンと落ちる感触。爽快さとは似て非なる快感がある読了感。
クソくだらない会話を肴に安酒で飲み交わしたくなるいいバンキッキ
62.1003削除
素晴らしい出来だったと思います。
もうこれを公式設定としてしまいたいほどに赤蛮奇の魅力があふれていました。
純粋な正義では無いあたりが特にこの妖怪らしいな、と。
65.90名前が無い程度の能力削除
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