Coolier - 新生・東方創想話

妹紅と慧音 序

2013/07/10 00:25:48
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慧音「こんばんは人間さん」
妹紅「誰だお前は?」
慧音「私は慧音、上白沢慧音というものですけど・・・」
妹紅「私は妹紅、藤原妹紅っていうんだ。それで、ですけどってのはなんなんだい?」
慧音「いえ、その・・・あなたは私のこの姿を見ても驚かないのですか?」
妹紅「なんだ、さっきからこっちをこそこそ覗いてやっと出てきたと思ったら私を驚か為だったのかい?」
慧音「それは違います。私はただこんな山の中であなたが何をしているのかと気になりまして」
妹紅「そうかい。まぁ見てわかるだろうけどただの月見酒よ。今日はお月様が綺麗だからね」
慧音「月見酒って・・・それなら何もこんな危険な場所でしなくても」
妹紅「プッ、アハハ」
慧音「えっ?私は何かおかしなことを言いましたか?」
妹紅「いやいや、実はあなたが何か目的があって近づいて来たんじゃないかと疑ってたんだけど本当に私のことを知らないようね」
慧音「は、はぁ」
妹紅「私はね、姿形は普通の人間に見えるんでしょうけど実は化け物なんだよ」
慧音「人間ではない、と?」
妹紅「いいえ、人間よ。ただし不死身っていう化け物じみた人間だけどね」
慧音「不死身って、そんな人間がいるはずありません」
妹紅「それがいるんだなぁ。まぁ私も生まれつき不死身ってわけじゃないんだけどね」
慧音「吸血鬼・・・ではないでしょうから魔術か何かの類ですか?」
妹紅「違う違う。昔どっかの馬鹿が作った薬を飲んでね。それで不死身の体になんてなっちゃったのよ」
慧音「不死身になる薬があるだなんて話聞いたことありませんが」
妹紅「私だってないよ」
慧音「・・・もしかして私をからかってるんですか?」
妹紅「からかってなんかないよ。それに聞いたことがないのも当然。なにせその薬を作ったのは月に住む人間なんだから」
慧音「やっぱりからかってるんですね?」
妹紅「アハッ、アハハハハッ」
慧音「はぁっ、もういいですから今日は帰りなさい。私が家まで送ってあげますから」
妹紅「家まで送る?それはつまり私の家にお呼ばれされたいってことかい?」
慧音「何故そうなるのですか。私は山の中は危険だから付いていってあげると言っているのです」
妹紅「なるほど。しかしそうは言ってもねぇ」
慧音「なんですか?」
妹紅「私の家はあそこだから」
慧音「えっ?」
妹紅「ほら、あの家」
慧音「・・・」
妹紅「あの家」
慧音「・・・」
妹紅「聞こえてる?」
慧音「ここに住んでるんですか?」
妹紅「そうだよ」
慧音「本当に?」
妹紅「本当に」
慧音「・・・あなたは人間?」
妹紅「そうだよ」
慧音「本当に?」
妹紅「本当に」
慧音「・・・それじゃああなたが不死身の体というのも」
妹紅「本当」
慧音「・・・」
妹紅「本当に」
慧音「・・・」
妹紅「ついでにいうと正確には不老不死ね」
慧音「・・・信じがたい話です」
妹紅「うーん、そんなこと言われてもねぇ。・・・そうだ、それじゃああんたのその角で私を刺しちゃえば-」
慧音「私はそんなことはしませんっ!!」
妹紅「あっ、い、いや冗談だって。私も刺されたりなんかしたら痛くて嫌だし」
慧音「・・・取り乱してすみません」
妹紅「別にいいよ謝んなくったって。私も冗談が過ぎたしね」
慧音「・・・はあっ、あなたの話を信じましょう。あなたの体を傷つけてまで証明して欲しいことではないですし」
妹紅「そうかい?それはよかった。まぁ私も心配しなくていいって言いたかっただけでどっちでも構わないんだけどね」
慧音「・・・それじゃあ私はそろそろ帰りますね」
妹紅「帰っちゃうのかい?せっかくだし月見酒にでも誘おうかと思ってたんだけど」
慧音「すみません、実は気晴らしに散歩をしてただけで今日は仕事で忙しいのです」
妹紅「そうかい、それは残念だ。じゃあまた今度暇な時にでも遊びに来ておくれよ」
慧音「はい、是非。それでは失礼します」
妹紅「あぁ、そうだ」
慧音「はい?」
妹紅「私のことは妹紅って呼んどくれ。あなたなんて呼ばれるのは気持ち悪い」
慧音「・・・は、はい。では私のことは慧音と」
妹紅「えぇ、じゃあまたね慧音」
慧音「はい、それではまた、も、妹紅」

◇◇◇

来てしまった。昨日の今日だというのに非常識だろうか?
しかし「今度暇な時」というのが正に十六夜の今日なのだから問題はないはずだ。
私は自分にそう言い聞かせるようにして考えるのをやめた。
何しろもう家の前まで来てしまったのだから。
いや、正確には家の前に着いてからかなり時間が経っているのだが。
コンコン
私はこれ以上迷っていても仕方がないと意を決して戸を叩いた。
「こんばんは妹紅」
・・・。
コンコン
「こんばんは妹紅」
・・・。
どうやら留守のようだ。
何とはなしに昨日と同じ時分に訪ねてみたのだけれど、よくよく考えてみればその時分に妹紅は外で月見酒をしていたわけで、こんな夜更けだからといって家に居ないとしても何もおかしくはない。
しかしそうなるとここで待っていたとしても朝までに戻るかどうかさえ定かではない。
元々今日訪ねるのも躊躇していたわけだし仕方がないので帰ることにしよう。
そう思い踵を返そうとした瞬間
ガタッ、と物音がした。
間違いなくこの家の中から。
「妹紅?」
私は再び呼びかけてみる。
・・・。
が、返事はない。
「もう一度だけ問う。妹紅ではないのだな?私はここに住んでいる者を知っている。
もしお前が妹紅でなく且つ姿を隠さなければならない者となれば犯罪者の類と疑わざるを得ない。どうだろう、一度出てきてはもらえないだろうか?」
・・・
やはり返事はない。
「仕方がない。それでは無理矢理にでも入らせてもらうぞ」
ガタガタッ
私は戸に鍵が掛かっているのを確認してから腕を振りかぶり、戸を破壊するために一気に振り下ろし-
「わーっ、待って待って。今開けるから」
振り下ろそうとした瞬間に中からの声でそれを制止された。
しかしこの声は・・・
観念したように戸が開き中から姿を見せたのは
「もうっ、なんなのよお前は?いくら居留守を使われたからって見ず知らずの人の家を壊そうだなんていい根性してるわね」
やはり妹紅だ。
「どうもこんばんは妹紅」
「こんばんわじゃないわよ。大体なんであんたが私の名前を知ってるのよ」
「え?」
何を言っているのだろうか?いや、妹紅と会ったのは月明かりの下での一回だけだ。
きっと姿形ははっきり見えていなかったのかもしれない。
「妹紅、私です。昨日お会いした上白沢慧音です」
「慧音?ふざけてんじゃないわよ。お前のどこが慧音なのよ。
わざわざ服まで同じのを持ってきて私を騙す気なのね?」
どうやらちゃんと見えてはいたようだ。
しかし騙すとはどういうことだろうか?私は正真正銘上白沢慧音なのに騙すも何もない。
「妹紅、もしかして昨日は酔っていたので記憶が曖昧になってしまっているのですか?」
「ムキーッ、とことん私を馬鹿にする気のようね。どんなに酒に酔っていようと人間と妖怪を間違えるほど私の頭は悪くないのよ」
なるほどここにきて私もようやく気付く。
妹紅からすれば今の私にこのような態度をとるのは当然である。
なにしろ昨日妹紅が見た私は獣人の姿の私で、今はどこからどう見てもただの人間にしか見えないのだから。
「そうでした。妹紅、話してはいませんでしたが実は私はワーハクタクなのです」
「わーはくたく?何よそれ?」
「簡単にいうと狼男のようなものです。満月を見ると昨日のようにワーハクタクという獣人になってしまうのです」
「そんな妖怪の話なんて聞いたことないわよ」
「確かに。私もワーハクタクの話は人から聞いたことはありませんね」
「・・・もしかしてからかってるの?」
「からかってなどいません。それに聞いたことがないのも当然です。何しろワーハクタクはこの世で私ただ一人しかいないのですから」
「やっぱりからかってるのね」
「プッ、クククッ」
思わず笑ってしまった。
「ちょっと、何が可笑しいのよ」
「いえ、すみません。昨日と同じようなことを逆になってやってるなと思いまして」
「え・・・アハハッ、確かにそうね」
やっと妹紅の昨日と同じような優しい笑顔が見れた
「それで、今日は家まで送ってくれるのかしら?」
「え、それはどういう意味でしょうか?妹紅の家はここですよね?」
「もうっ、お呼ばれされたいのかって聞いてるのよ」
「・・・フフフッ。はい、そうですね。今日は是非ともお誘い頂きたいです」
「それではどうぞ変わった獣人さん。不老不死の人間の家へようこそ」
お初です。
言い訳がましいですが所謂台本形式のSSしか書いたことがなくて地の文がこんなものでいいのかなど反応が見たくて序盤で投稿しました。
無評価で構わないのでコメントで意見など貰えたら嬉しいです。
眞シ
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コメント



0.200簡易評価
4.無評価名前が無い程度の能力削除
読み辛い
文間開けた方がいい
5.無評価名前が無い程度の能力削除
間の使い方がヘタクソ過ぎてメリハリが全く無い。
6.無評価絶望を司る程度の能力削除
場面展開とかにメリハリつければいいんじゃないかな・・・なんか、起承転結でいうところの起しか読んでない感じがするので。
8.60星鍛冶鴉削除
地の文の役割の大きなところって情景描写ができることだと思います。
天気がどうなのか、妹紅の家はおんぼろなのか、ふつうなのか。
とりあえず試すなら、そういうことを含めたものを投稿されるのがいいかと。
それと地の文を使うとセリフと地の間の行間が非常に意味を持ってきます。
大きく地の文から区切ってセリフを入れるとインパクトが出るとか。

僕も語れるほどうまくありませんが参考になれば幸いです。
続き期待してます。
9.無評価名前が無い程度の能力削除
コメントありがとうございます。
間の取り方がよくわからなかったのですが行間でそれを表現するという方法もあるんですね。
他にも色々参考になりました。重ねてありがとうございました。