Coolier - 新生・東方創想話

丸くなった鉛筆

2013/06/08 00:18:38
最終更新
サイズ
1.71KB
ページ数
1
閲覧数
1433
評価数
6/15
POINT
910
Rate
11.69

分類タグ


おばさん、鉛筆削って
なんだい。霊夢自分で削れば良いじゃないかい?
ううん。違うのおばさんに削ってもらうから意味があるの
そうなのかい
そうなのよ。おばさん









霊夢は、嫌いだったんや。鉛筆削り器で出てくるあの鰹節みたいなかすがな。

それに、何故か肥後ナイフで鉛筆を削る人に甘えたくなるやろ。

霊夢はそれだったんや。


「仕方ないね。鉛筆だしな」
「ありがとう。おばさん」

筆箱から出された鉛筆は、6Bだったんや。なんや知らんが、寺子屋で鉛筆書きで綺麗に字を書くコンクールでつかうんや。


「6Bかい?めずらしいね」
「どうしてめずらしいの?」
「普段使わないだろ?」
「たしかに使わないわ」

練習して丸くなった鉛筆はおばさんの手に渡ったんや。おばさんのごっつい手に渡った鉛筆は小さくみえたんや。

大丈夫何やろか?

「じゃあ、何に使うんだい?」
「今度寺子屋で字の勉強に使うの」
「へー。そうなのかい」


シュ、シュとおばさんは鉛筆を削り出したんや。鉛筆を手で綺麗削るのってわな。結構繊細なんやで。ワシはおばさんが出来るか心配やったんやが、杞憂やったようや。

「ところで、どれくらいにすればいいんだい?」
「とても、尖ってるは困るの。良い感じに尖ってるが、いいの」
「難しい注文だね」

おばさんは、その子供の霊夢の腕ほどある無骨な指で、器用に鉛筆を削ってたんや。

ひやひや、していたのはワシだけだったんや。

それが、なんやあっという間に綺麗に削ってしまったんや。

良い感じにまわるく尖って鉛筆は新たに息吹いたんや。

「どうだい霊夢?」
「すごい、綺麗にありがとう。おばさん」
「なんだい?まあ、どういたしまして」

それを受け取った霊夢は、本当に嬉しかったんや。顔を赤く染めてな。でも、てれ隠ししてるんやで。別に隠す必要なんてないのにな。








後日、その鉛筆を使って、正式名称を後でしったんやがな。硬筆展で銀賞をとったんや。

それを聞いたおばさんは、父母や無いけどとてもうれしかったんや。

簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.350簡易評価
2.80名前が無い程度の能力削除
余韻の残る良作
今回のはストーリーが分かりやすくて良いかと
3.100名前が無い程度の能力削除
何だ急に?でも良いな昔を思い出した。
6.100名前が無い程度の能力削除
   
10.100奇声を発する程度の能力削除
素敵
13.100名前が無い程度の能力削除
子供な霊夢かわいい
しかしオチが意味もなくおかしかった
15.803削除
短いけどいい話。
語り口がいいですね。