Coolier - 新生・東方創想話

橙「もうさぁ、ネコ被るの辞めようと思うんだけど。」

2013/05/17 22:31:32
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▽ ~深まる混沌~


「”忘れ去られたものは幻想入りする”。この法則とも相性が良いのだ、”二次ゅう人格”は。 本来の性格が適正に認知される、造り上げられた共有イメージが時の流れと共に風化したり変質する、などして
立ち消えになったキャラ付けすらも入り込んでくる場合があるんだ。この前説明した通り、”二次ゅう人格”は外界で完結したのち自然消滅するのが一般的で、こういった事はあくまで非常に稀なケースなんだが、今回はどうにも
東風谷くんの無駄な ─ 切腹しようとするのは止めてくれ。誰か彼女から刃物を取り上げろ ─ もとい若干、ちょっと、少々、方向性を誤った行動により、”二次ゅう人格”が活性化してしまっている為、特例が生じているのだな。
とにかく放置していては事態は悪化する一方だ。このままでは僕や魔理沙たちも、いつまで正気を保っていられるか──」


「極めて由々しき事態と判断できます──以上。」


「何だよ霊夢、急にポーカーフェイス&事務的な口調になって。気味が悪いぜ?」

「『本来は誰に対しても冷たい』という設定が拡大解釈的に膨らんで、霊夢に取り憑いてしまったようね」
「何だか裏の神社が騒がしいと思ったら、宴会とか呑気な話じゃないみたいだねぇ」

「これは、パチュリー様に紅魔館の皆様。本日は生憎のところ、お茶をお出ししているいとまも御座いませんで、ご容赦のほどを──以上。」

「この無法者たちに茶なんて振舞わなくていいと思うが、んなことよりその異常な語尾はウケ狙いでやっているのか?」

「またしても某特定の作品つながりの、中の人ネタという非常に判りにくい設定であると推測されます──以上。」

「・・・・くそ、よく分からんが霊夢まで壊れちまったのか。私の政治手腕で何とかしてやりたいが、手遅れか…!」

「貴方も微妙に釣られてるわよ、口調が男っぽいままだから違和感ないけど。  そういえば魔理沙、毎度の事ながらうちの図書館からまた本を盗み出したでしょう?(ジト目」

「毎度の事ながら、そのうち返すって。私の没後にな。」

「前にも言わなかったかしら?お前に本を貸すつもりなど微塵もない、と」

「それはアレだよな?貸しはしないからうちの図書館へ寄って読んでいけという、好意として受け取って良いんだよな?」

「・・・は?なに言ってるの?泥棒を好き好んで招き入れる莫迦がどこの世界にいるというの。あんたが嫌いだから本も貸さない、という言葉通りの意味よ」

「」

「『ツンデレだと思っていたら、普通に嫌われていただけだった』これほど悲惨な思い違い、思い上がりもありませんね──以上。」

「ふん、いい気味ね、三流魔法使いめ。自業自得じゃない!・・・まったく、いつもパチュリーの処にばかり行って・・・た、たまにはうちで一緒に手芸でも(ボソボソ…)な、なんでもないわよ!!///」

「こちらはどうやら筋金入りのツンデレのようですみょん」

「ゴも゛べもい゛い:栗ふぁfくあ゛ンどGaびでよ゛!(どうでもいいから早くなんとかしてよ!」

「ルナさあ、もしかしてその栗ネタ結構楽しんでない?傍目にはあんまり面白くないよ?」

「ぐ、栗がぐぇびdgdgじぇい微ゲン・・・・(く、栗だけにトゲトゲしい意見・・・・」


「ときに霖之助様──」

「う、うん?」

「そろそろ衣服をお脱ぎになり、褌一丁にはなられないのですか?──以上。」

「ああ゛ん!?あのなぁ、”森近霖之助”と”こーりん”は別人だから!似て非なるものだから!そことっても大事だからッ!」

「はあ、左様でしたか。失礼をいたしました──以上。」

「おいおい、”二次ゅう人格”と関係なくキャラ崩壊起こしてるぞ」

「はっ・・・僕とした事が、とりみだしてしまった・・・・不覚」


「ときに霖之助様──」

「・・・・随分と侮られたものだ。二度、同じ手を食らうと思っているのかい?」

「いえ、至って真面目な質問です。”二次ゅう人格”なるものは外来の産物と仰いましたが、このような事件は、外の世界では日常的に起こっているものなのですか?──以上。」

「ん・・・・そうだな。近年は特に著しいそうだよ。情報が飛び交い、噂の戸口もへったくれもなくなっているのが現状と聞くからね。───げに恐ろしき哉、世に跋扈する”二次ゅう人格”たちよ!」


・河城みとり
・オコ○ギさんの熱い視線
・上杉謙信女性説(そのうち東方キャラになるかもな)
・なのは完売
・○ちゃんのおぐしも完売
・コミケの来場者数ほんとは○十万人
・CDとかカードゲームとか無断商業流通(事例多すぎ・・・
・棘スレ炎上マーケティング作戦
・例大祭と超会議の大人の事情
・純情ミラクル100%に続いて儚月抄もアニメ化
・超不夜城レッドを呑むと金運が上がり異性にモテる
・あの方とあの方の同一人物説(おっぱいおっぱい (←最近おっぱいって書かれなくなったんですね


「ほとんどが単なるデマや妄想、尾ひれの類じゃねえか。あとまた微妙にキャラ崩壊。」

「ああ、我々エンジニアの業界用語でも似たようなのあるよ。精神的ポロロッカ現象っていうの。」

「河童にも久米田イズムが浸透しているとは意外だぜ」



「それにしても何ちゃら人格とやらは恐ろしいものですねえ、レミリアお嬢様」

「そうね、中国ちゃん」

「ちょ、何年前のネタですか!古傷を引っ掻かないでくださいよ・・・ねえ、咲夜さん?」

「そうね、みすずちゃん」

「む・・・・む~!・・・分かりました、では私も”二次ゅう人格”とやらを行使するとしましょう。咲夜さんってばー、最近弾幕が避けやすくなったんじゃありません?だってPA」「『デフレーションワールド』」
「ちょ、いきなりラストワーdぎゃあああああああああああああ」

「身の程知らずが。495年早いのよ。」


「なーんて。今のって、私じゃなければ即死でしたよお?」

「!?」

「少し本気になっちゃったじゃないですか。咲夜さんってばー、大人げないんだから♪」

「くっ、天則のイケメーリンが発動したというの・・・・!?」


「こ、これは一体なんというあり様ですか!」


「おやぁ、閻魔様までお出ましかい。いよいよ大変なことになったね」

「白玉楼から報せを受けて来てみれば、なんという無秩序な・・・・」

「どうでもいいんだがよ、この閻魔に見下されていると違和感を覚えるんだが。」

「わたくしのエンディングを踏まえて考えますに、映姫様の身長はお付の小町様とほぼ同等でいらしたので、小柄な魔理沙様が見下される形になるのは当然かと──以上。」

「こ、この際、神でも、閻魔でもかまわんから・・・ふぅ・・・・体重・・減らして・・たもれ・・・・・」

「そうですみょん!事態の収拾を願いますみょん!」

「むぅ・・・これは、私の権限を以ってしても些か手に余る・・・・・」


「『シュライン・メイデン”ハクレイ”第二層への書き込み───当自動人形は、主人格の交代を最善と判断、可及的速やかにアクセスポイントの破棄・外部偏向イメージとの切断を───』 っぷはあ!生き返った!」

「お、霊夢が復活した。大丈夫なのか?」

「大丈夫じゃないわよ!いろいろ降ろしたり払ったりするのは得意だけど、今回の敵は手ごわかったわ。何しろ目に見えないから・・・・ああ、もう、どうしたら良いわけ!?」

「・・・・こうなってはもう、仕方がないな。最後の手段を使おう」

「最後の手段?」


「”True Administrator”・・・・『創造酒』を、呼び覚ますのさ。」



▽ ~たぶん佳境~


「もっと神酒を!幻想郷中の酒をかき集めるんだ!特に創造酒が好まれる麦酒を中心に!」

「ぜえぜえ・・・手分けして酒蔵という酒蔵を漁ってきたわよ。いったい何を始める気なの!?」

「これほどの酒を目の前にしてお預けとは、生殺しだねぇ。ちょびっと呑んじゃダメ?」

「お、畏れながら……萃香様が”ちょびっと”嗜まれると、全てのお酒が無くなってしまう危険性が…。」

「ん~?あんた、悪魔の館の小悪魔さんか。小悪魔だけに、実は小悪魔的な性格だったりしないの?」

「い、いえ、そのような事は……///」

「意外性がなくて詰まらないこと。」

「なぁ香霖よ、酒を蒐めるだけ萃めておいて、これからどうするんだよ?」

「あとは”彼”の登場を待つだけさ・・・ん、霊夢、どうしたんだい?」

「……何か感じるわ。かつてないほど強大で、それでいて捕らえどころのない力を有した何かが、石段を登ってきている。」

「石段?それって、つまり外の世界じゃ……。」

「おい、鳥居の向こうに何か見えてきたぞ。あれは、シルクハット・・・・かと思いきや、深緑のハンチング帽…。」

「…あの人物から力の源を感じるわ。それにしても、見慣れない顔だけれど、もしかして・・・・」

「…うん、僕もお初にお目にかかるのだが、まさしく、彼こそが」



『おやぁ?あれま、随分と懐かしい顔だこと』


「みょ!?・・・わ、わああ!幽霊が出たみょん!幽霊が出たみょんッ!」

「落ち着きなさいな半分幽霊。」

「・・・・!?こ、この幽霊は・・・お、お師しょ・・・いや、私の星の技は独学で身に付けたものだし?うふふ、うふふだぜ?だぜうふふ?」

「あー?なんだ?森の魔法使いの”二次ゅう人格”が暴走しだしたよ?」

「おそらく幽霊のせいよ。霊夢、アリス、幽香に至ってはATフィールド全開で幽霊と関わろうともしていないわ。あいつら流石ね」


『・・・まったく、何年もの間神社を留守にしていたと思ってるのさ。さては外界にコレでもできたのか?』

「いやぁ、相変わらず魅魔様は鋭いね。おかげ様で、昨年入籍させてもらいましたよ。」

『ほほう。それは目出度い。宴の席を設けなくっちゃね』

「それはまた、次の機会という事で。今日はどうやら別件で呼ばれたらしいから。貴方にはもう少し、眠りに就いていてもらいたい」

『なんだね、久方ぶりの出番かと思ったのに、つれない男さね。いいよ、あたしゃ気楽に高みの見物とさせていただこう。(スッ…』

「あ、幽霊が消えた。」

「ん?何のことだ?俺は何も見てないし聞いてないぜ?」

「動揺してオレマリサになってるわよ。」


「創造酒!貴方を、”博麗”の由緒を統べる創造酒とお見受けする!」

「ん。いかにも。僕は創造酒であるが?」

「どういうことだよ香霖?」

「ええと、つまりだね・・・・」

「待って待って。ここは僕から説明しよう。えー、つまりは、すべてゲームなんですよ。」

「ゲーム?」
「僕が創った、ユルくて激しいストーリーのゲームです。」
「どういうことだ?」
「僕はね、TAIT○でのルーチンワークに飽き飽きしていました。そこで幻想郷を創ったのです。」
「なに、考えてるのよ! あと伏字になってないわよ!」
「幻想郷の世界観は膨らみ、面白い展開になりました。だが、それも束の間のこと。旧幻想郷にも退屈してきました。」
「そこでゲーム…なのかしら?」
「そう、その通り。僕は弾幕STGの既存概念を打ち崩すスペルカードシステムを考案したのです。」
「なにもかも、あんたが考えた筋書きだったわけね。」
「中々、理解が早い。多くのキャラたちが、スペカ戦に敗れ、消えていきました。よっちゃんに遠く及ばぬちっぽけな地上の人妖が
必死に生きていく姿は、僕さえも感動させるものがありました。僕は諸君にお礼がしたい。どんな望みでも叶えてあげましょう。」

「ならば、お言葉に甘えて。」

「あれぇ、ケンカを売らないの?どこまでも楽しい人たちだ。」


「幻想郷OB代表、森近霖之助の名において神託す!阿那田寸也大御守尊命(far Another ZUN no yano Oh Mimamori/Oh Kuninushi no Mikoto)よ!
御柱の神業に寄りて、大結界の張り直しを!遍くこの地への”リセット”を施し給え!!」


「お、おう、香霖。なんだか格好いいぜ?」

「うん、なるほどねえ。僕は二次創作顔出し担当の神なんで、僕の一存だけではちょっと。そうねえ、とりあえず分霊を招集して、”黄昏の客分”にも声をかけて、と」

「担当・・・?黄昏・・・・?」

「いや、こっちの話。うん、まずは社務所で会議だね。これらの供物は、その席にて有難く振舞わせてもらうとするよ。
よろしい、其の願い、たしかに聞き入れた。創造酒の名に賭けて、叶えて進ぜようぞ。・・・ちょっと違う形になるかも知れないけどね。まぁ、期して待たれよ。ンフフ♪ (淡い光……」


「き、消えちまった……おびただしい、酒たちと……共に……アーメン」



▽ ~最終章~  ゲームだとラレミソミレが流れ始める辺り


「あれからもう十年── か。」


「・・・いや、いやいや、経過しすぎでしょ。せいぜい一ヶ月よ」

「そうだったか?それで、件の”二次ゅう人格”異変だが。」

「何事もなかったかのように、パタリと鳴りを潜めてしまったわね。ズンタタノミコト、だっけ?あの神様、何をどう操ったんだか。ちょっと戦犯娘、ケロッとした顔してないで、あんたも何か知らないの?」

「ケロッとしてるのはご先祖様だけで充分です。・・・私もよく理解できないんですが、諏訪大社のネットワーク経由で送られてきた情報によりますと、何でも香霖堂さんが提案した”リセット”ではなく
『幻想郷自体を分割』してしまったのだとか。」

「は?」

「はあ?」

「はあ?って感じですよね。けれど神奈子様もそれしか教えて下さらなくて。なにがなんだか。」

「(シュルリ)つまりねえ、所謂パラレルワールドってやつよ」

「うお、びっくりした。」

「・・・毎度の事ながら、唐突に現れるわねこのスキマは。」

「お聴きなさいな。…神様って、依代さえあればいくらでもコピーが可能でしょ?創造酒たちは合議の結果、それを幻想郷全体に適用したのよ。『人々の想いの数だけ二次設定が生まれ、”二次ゅう人格”も生まれる。
ならば、その分だけ幻想郷も増やしてしまえば良い』と言ってね。魔法使いさん、”一人称が俺の貴方”や”赤髪紫衣装で女言葉の貴方”がいま、”他の幻想郷”で同時存在しているとしたら、実感湧くかしら?」

「・・・・胡散臭いスキマの言うことなど信じる気にもなれんが、千歩譲って、そんな事が可能なのか・・・?」

「それが出来てしまうのですよ。彼ら・・・ひっくるめて彼は、”True Administrator”だもの。・・・昔の私なら、そうね、これらの神術を指して『エヴェレット解釈』、根底にあるのを『不確定性原理』とか呼んでいたかも」

「エヴぇ・・・?なんだそりゃ。またいつもの外来呪文か?」

「そして同窓の彼女に突っ込まれるのよね。『貴方って、どうしてそう文学性を欠いた言い回ししかできないわけ?普通に【波】か【粒】か、でいいじゃない(呆)』って。想像に難くないわ(クスクス」

「なんだか独りで夢の世界に入り込んでるわねえ。年寄り臭いわよ?」

「おおかた夢の中で羊とデートでもしてるんだろ。メェア・リ・ヴェリィのひつじ、ひつじ、ひつじ♪ っと」

「あ、私、ちょっとだけ理解できましたよ。昔そういうアニメありましたもん。つまり、”アトラクタフィールドが分裂して別の世界線が複数できた”わけですよね!Ψのゆらぎが1%を超えた幻想郷ですね!コンガリィ!」

「おいおい、こっちも呪文を唱えはじめたぞ」

「放置放置。夕餉の献立でも考えましょ。」


「ゆかりさまぁー!」

「さわがしいなあ。藍い奴が名前より青い顔をして来よったわ」

「橙が、橙がグレてツッパリをはじめました!”東方舐猫隊~Yang Man Crazy cat's Age~”なる珍走団まで結成して・・・これはまたしても”二次ゅう人格”でしょうか!?それとも・・・・」

「毎度の事ながら、式の事となると心配性ねえ。貴方のそれは、間違いなく天性の気質だわ。あの子に関しては……そうね。ネコは気まぐれなものだから、」


「蓋を開けてみるまで、分からないんじゃない?」

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