Coolier - 新生・東方創想話

人気投票対策幹部会議会 vol9

2012/10/31 17:36:50
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「人気よ」

神社の巫女は呟く。

「いい?この世の理はね」

くるりとその場で一回転してテーブルに手をつく。

「人気しかないの。1に人気2に人気3,4に人気で5も人気。わかった?」

「ゲシュタルト崩壊しそうです霊夢さん」

早苗が小声でいさめる。


テーブルには3人。

神社の巫女、霊夢。同じく神社の巫女、早苗。そして幼女、フランドール。

「霊夢さん」

早苗が小さく手を挙げる。

「質問の時は手を挙げる。いいわね。教育されてるわ。なに?」

「なぜ呼ばれたんですか?私とこの…」

早苗はチラチラと隣に座る金髪の幼女を盗み見る。早苗とフランは全く面識がないと言ってもよい。

「うん。今日お呼びしたのは他でもないわ。今日はこの世界で最も大切なことについて話し合ってもらうわ。何度目になるか分からないけどね。
 今日あなたたちは会議の幹部として招待されたのよ。光栄に思いなさい。」

「だから何がですか?」

早苗は眉をひそめる。
フランドールは我関せずとばかりテーブルに出された栗を剥きもせずに食べ続けている。

「さっきあれほど連呼したのに分からないの?人気よ。人気。」

「どこのですか?」

「あんた外から来たのに分かんない訳?外の世界の人気よ。外の世界の人気が私たちの存在理由と思っていい。」

「はあ…」

「なによ。しまりの無い返事ね。それにあんたもちょっとは反応しなさいフラ…ってあんたちょっと!」

「ん?」

フランが初めて霊夢を見た。

「あんた食いすぎよ!せっかく貴重な体力と時間を使って拾いに拾ってきたのに!私全然食べてないのよ!」

「こりぇ…おひしいね」

口をリスのようにもごもごさせながらフランは栗をほおばっている。

「っく…客人であることを忘れて、気品も遠慮もないのね…最高級のもてなしをしてやってるのに…なんて態度よ。」

早苗はテーブルを見やる。栗とお茶しか置いてない。これが最高級のもてなしかと思っていると霊夢はまた踏ん反り返って話し出した。

「まあいいわ。今日はね、外で行われる人気投票。これについて話し合ってもらうわ。」

2人は霊夢の言葉に頷きもしなかった。

「ちょっと!反応薄いわよ!今年のメンツは駄目ね!去年だったら今ころ口角泡を飛ばす議論が始まっていたわ!」

「何?人気投票って?」

口の中が落ち着いてきたフランが尋ねる。

「ふん!そんなことも知らないなんて!情弱どもめ。そんなんじゃどんどん人気は落ちていくわ!」

「人気って大事なの?」

フランの言葉に霊夢ははあ?と小ばかにしたような声を出す。

「お嬢さん…ここではね、人気は金と同じ…いやそれ以上の価値があると思っていいわ。なんせ私たちは存在そのものが幻想だからね」

2人はまた首をかしげる。

「ふん!あんたら相手じゃ話が進まないわ!まずは結果を教えてあげる。」

霊夢はA4用紙の紙を取り出し、自分にだけ見えるように掲げた。

「フラン!」

びくっとフランは身体を震わせる。

「あんたの2012年の人気の順位はね…」

「2012年?」

「ああもう!つっこまないの!フランあんたは2012年の投票で6位よ!」

「6位?」

フランと早苗の声がはもる。

フランは興奮しがちにテーブルに両手をついて身を乗り出す。

「え?私6位なの?こんなにたくさんいる中で?私ずっと家にいたよ?」

「それでも6位よ。外の方はどこからでも見えるのよ。かなりの上位。エリートといってもいいわね。」

「わあ…私6位かあ…えへへ」

フランは羽をぱたつかせて両手を頬につけて身をくねらせた。顔に赤みがさしている

「わ、私は?どうですか霊夢さん?」

「あんたはね11位よ」

「うーん。なんとも言えない順位ですね」

「ふむ全体としては悪くないわ。しかしねあなたは2位だったことがあるの。」

「2位?嘘ですよね?」

「残念ながら本当よ。まあ人気はいつまでも続かないからね」

早苗はなんとも言えない顔つきで腰を下ろす。

「そしてねフランも前々回は10位だったの。それが今回6位まであがったわけね。今回あんたたち2人を呼んだのはそういうわけよ」

「そういうわけとは?」

割と興味を持ちはじめていた早苗が聞き返す。

「この会議わね、人気が上がり調子の者と下がり調子の者を主催者が選定し、3人で来年の投票の対策を練る会議なのよ。
 両方の陣営の話を伺うためにね。議論がまとまりやすいよう3人という少数精鋭にしているわ。」

「私上がり調子なんだ。なんでだろ?」

フランが機嫌よさそうに微笑む。

「さあああてここで問題です!」

霊夢は紙を背中に隠して2人の顔を交互に見つめる。

「わたしはなーんいだ?」

気持ち悪いほど笑顔の霊夢に2人は若干ひきながら顔を見合わせる。


「20位くらいですか?」

「30位くらいかなあ?」

「ぶち殺すぞ。ごみめら」

霊夢はダンっと用紙をテーブルに叩きつける。栗の皮の破片が飛び散った。

「1位よ!1位!ナンバーワンよ!トップでプリンセスよ!おほほ!」

早苗とフランは用紙を見つめるとふうっとため息をついた。

「な、何よ?」

「霊夢さんが1位とか…とたんにいかがわしくなってきましたね…」

フランはべたーっとテーブルに手を伸ばす。

「ああ。6位かと思って喜んだのに…」

「ちょっと!信じなさいよ!何この展開?ほんとだってば!信じてよ!」


「ええ?嘘だあ」

「ほんとよ!ほんと!こんなので嘘つくとか悲しすぎるでしょ!」

「証拠あるんですか?」

「証拠?証拠って?え?」


用紙は今回と前回、前々回の結果が載っていた。


「霊夢さん3年連続1位じゃないですか…こんなの信じられるわけないです」

「そうだよ。酷すぎ霊夢。嫌い。」

「き、嫌いって…」

霊夢は用紙を見つめては疑わしくこちらを見てくる2人と視線を交わした。

「ほ、ほんとだもの…私1位だもん…1位が主催者だって決まってるもん…」

目尻をにじませる霊夢に早苗が頷く。

「はいはい分かりましたよ。信じますって。さすがに痛すぎですもんね。捏造とか。」

早苗はあきらかにめんどくさそうな態度になっていた。

「うん。泣かないで霊夢。けど嘘は駄目だよ?」

「う、嘘じゃない…このがき…」





用紙を見ていた早苗が顔を上げる。

「アリスさんが2位ですか。アリスさん呼べばよかったんじゃないですか?上がり調子ですよ。」

「あいつは1回呼んだからね。1回参加した者は参加できないようになってるから。主催者は別でね。」

霊夢は爪を噛んだ。

「けど本当に危ないわ。今回のアリスとのポイントの近さっぷり。何か私にマイナス要因があれば危なかった。」

霊夢は早苗を見やる

「前はあんたにもおびやかされたのよ。まったく死ぬかと思ったわ。本当に下から突き上げられる以上の恐怖ってないわね。」

「はあ、すみません。」

「わあ!凄い!咲夜高い!うちで一番高い!あはははははは!お姉さまに言ってみよ!あははは!」

「まああんたらはこれに関して素人だろうから、私が簡単に解説してあげる。この世界はねけっこうな妖怪や人間がいるけど外の目に留まるのはざっと100。
 異変があればまず知られることになるわね。だからあんたらは大体100の中で自分がどのあたりにいるか把握することよ。ちなみにこのリストは
 50までしかないけど。興味ないからいいわね。下のカスなんて興味ないし。」

「本当にこんなに天狗な霊夢さんがトップなんて信じられないです。」

「ねー」

「うっさい!そしてあらかたの傾向を教えてあげる。まずはあんたの屋敷!」

霊夢がずびしっとフランを指差す。

「あんたんちはこの世界の勢力としては最大の人気を誇ると言っていいわね。6以内に3人もいるってすごいことよ。特にメイドはやばい。
 憎らしいことに1位を奪われたこともあるし。そしてあんたも姉もかなりいい線いってるわ。」

フランは目を輝かせてリストを見る。

「ほんとだ~凄い~。えへへ。やっぱりこれ本物かも」

「現金ですね。フランちゃんは…ううむ…あれ?幽香さんたかくないですか?」

「ふふふ。そうね意外なところよね。別に私たちから見て目立たなくても人気者にはなれるわけよ。事実引きこもりのフランが人気者だしね。
 まあ幽香は去年この会議に出てもらったからね。」

「へえ。上がり調子としてですか…もう一人は?」

「もう一人は紫ね。すさまじかったわあ。落ち目の紫をからかう幽香といつもの冷静さを完全に失った紫の話し合い、議論、格闘、そして弾幕
 私が口を挟むことなんてまったくなかったけど、楽しかったわ。ああこれが人気投票って…」

「紫さん…は十位台で安定してるように見えますけど?」

「昔は高かったわ。6位だったこともあったし、トップの私たちにも食い込めた。まさか紫が2桁になるなんて思いもしなかったからね…
 何が起こるか分からないわ。この会議は紫がやろうって言い出したのよ。あいつも自分の順位に自信があったんだろうけど、悲惨だったわ」

「我が家は洩矢様が24、
  八坂様が44?やだ!下のカスぎりぎりじゃないですか!」

「神と言えども土俵は同じなの。ふふふいいでしょ投票って」

「わあ魔理沙は5位だ!頑張れば私勝てるかもね!」

「そうね…魔理沙…いい友だったわ。ライバルとしてね。彼女も1位経験者だったけど、なぜ落ち始めたかは分からない。本当に分からない世界よ。ここは…」

「ううん。かなり意外ですね見れば見るほど…」

「けど近年の順位には風向きがあるわ。」

「風向き?というと?」

霊夢はテーブルで腕組みしたまま目を閉じた。


「ロリっていう風がね…」

「え?何?」

フランが聞き返す。

「早苗。教えてあげなさい。」

「ええ?ロリの風って意味分からないですよ。」

「分からない?本当に分からない?」

霊夢が早苗に詰め寄る。

「本当はあんたも分かってるんじゃないの?この世界の大きな流れが。」

「え?ええ」

「ねえロリってなあに?」


フランの声を無視して早苗をにらみつける霊夢

「見てみなさいよ。この順位の上の方を。さとりはロリの代表格でしょ。そして妖夢。これだってロリよ。言動が幼いもの。
 そしてフラン、レミリア、まあ私もロリって言えばそうね。」

「それは苦しいですよ」

「ねえロリって?」

「苦しくないわよ!何!私が年増だって?あんたそれだけは許さないわよ。近年のこの世界ではそれだけは許されないわ。」

「な、なんですか?」

「私は、今の流れは、大人の魅力とか、そういうもんじゃないと思ってるの。
 どう見たって幼いほうが人気でしょ?紫や亡霊、医者とか、あんたのとこの神様とか、年増は駄目なのよ!それだけで罪悪とも言えるわ。
 私は年増というイメージがついてしまった時点で紫の再浮上はないと踏んだわ!」

「言われてみれば、幼い感じしますね。上位層。」

「でしょ?やばいくらい爆上げして30台から今や紫より上になったこいしとかも居るしね。外の好みが変わったのよ。
 我々は常に外の需要に敏感である必要がある!つまりは情報!ここに居るだけであんたらは勝ち組と言える!」

「おお」

段々と早苗も人気投票という名が持つ魔力に魅せられてきたようだ。
金がもらえるわけではなく、自分の生活が変わるわけでもない、しかし狂おしいほど引き付けられるこの魅力に。

「ねえロリって!?」

フランが半泣きになりながら叫んだ。

「もう!うっさいわね!あんたのことよ!」

「わ、私?」

フランが自分を指差す。

「ど、どういうこと?金髪…とか?」

「まあ簡単に言うとですね。殿方の中には幼い方にしか興奮できない変体も数多いということです。
 大人には見向きもせず、まだまだ青い果実を汚そうとすることでしか己の性欲を満たせない愚かな獣たちです…」

「ちょっと早苗!言いすぎよ!フラン誤解しちゃうでしょ!あんたも結構言うわね!」

「ええ?なんか気持ち悪いよ。そんな人たちいるの?それに私もう500才近いよ?」

「うん。年なんて関係ないの。見た目が幼ければそれでいいのよ。つまり、そう
 自分のキャラを幼く設定すればそれだけで勝ち馬。常勝戦術!利用しない手はない。」

霊夢はドボドボと自分の茶碗に入ったお茶を早苗の茶碗に注ぎ込むと笑顔で両手で差し出した。
そしてかすかに首をかしげる。

「はい!おにいちゃん!霊夢の淹れたお茶だよ!味わって飲んでね!残したりしたら承知しないんだから!」

早苗は全身を身震いさせてさささっとフランの後ろに隠れた。

「なんですか。その顔?気持ち悪い気持ち悪い!変なキャラつけないでください!不自然すぎます!
 あと自分の残した茶を出して残すなってどういう了見ですか?飲むわけないでしょう?あとお兄ちゃんじゃない!」

「さ、早苗、後ろに隠れないで、私も気持ち悪いんだから」

フランが早苗を後ろから引きずり出そうとする。

割と本気で傷ついた表情を見せながら霊夢は咳き込む。

「ちょっと無理があったわね。それでは傾向のつづ…」

「ちょっと?」

「うるっさい!忘れなさい!そして勢力の中にはその中のキャラのほとんどが振るわない勢力もある、例えば」

霊夢はリストの上に指を這わせすっすっと名前をたどる。

「輝夜…33位、女医は50位、小さいウサギは圏外、かろうじて大きいウサギは27位、これは低いわね。あの家は低い。
 本人たちの名誉のため、家とだけ言っておくけど、低い」

「もう言ってるじゃないですか。ちゃんと名前言ってあげてください。確かに低いですね。何ででしょう?私は親切な方たちなので好きなんですが」

「そう、そこでもう一つの法則。この子を見なさい」

霊夢はフランを再び指差す。
フランは首をかしげる

「なんですか?ロリが何か?」

「違う。服よ」

「服?」

「気づかない?」

「ううん…」

「フランあなたの服について思うところはない?」

「ええと…えへへ…この服はお気に入りだよ。可愛いでしょ?」

ひらひらとスカートをつまむ

「はいはい。あざといあざとい。まったく馬鹿どもめ。正解は西洋の服ってことよ」

「西洋?」

「簡単に言えばヨーロッパという外の世界の地域の一つ。日本文化とはかけ離れているわ。」

「ああ、確かにフランさんの服は日本風ではないですね」

「でしょ?この世界は日本文化に根ざして構成されているように見えて、結局は西洋びいき。
 見なさい!メイド!あと吸血鬼姉妹、魔理沙、アリスにさとり。みんな日本風でない。」

「ふうん。そんなの関係あるのかな?」

「あるわよ!永遠亭が低いのは日本文化前面出しだから駄目なの!まったく、ゆゆしきことだけど、これが現実」

「でも、個人の魅力があればあんまり関係ないんじゃ?」

霊夢はああん?とフランのお茶碗を手に取る。

「余裕ねえ。西洋かぶれが!」

「ちょっと霊夢さん。そんなに根詰めなくても、なんでそんなに夢中なんですか?いいじゃないですか
 霊夢さんは1位なんだから」

「馬鹿者!」

早苗がびくっとのけぞる。

「1位にかまかけて何もしなかったらねえ。すぐに負けんのよ。この世界の人気投票は血で血を洗う権力闘争に似ている。
 限られた票というパイを己の魅力というナイフで切り分けていくの。だれも自分にパイを残しておいてはくれない。
 自分で取るしかないのよ。早苗!分かる?自分だけなの!
 それにねえ考えても見なさい今まで1位で、下がったりしたら、あああ考えるのも怖い!
 霊夢終わったな〔笑い〕とか巫女とか飽きたとか言われんのよ!
 もう耐えられないわそんなの!あああこんなに苦しいなら1位なんてとらなければよかった!」

「じゃあ、何も対策とらなくていいんじゃありませんか?さすがに何もしないで異変も解決しなかったら誰かに抜かれるんじゃないですか?
 2位じゃだめなんですか?」

霊夢は俯きながらぼそりと呟く。

「そんなことになったら、1位の奴のわら人形に一日中釘打ち続けてやるわ。」

「暗いですね。」

「ああ、こいしちゃんも結構いいところにいるー」

フランが腰をふりふりリストに見入っている。

「ああ、地底の連中か。最初に会った時はこんな根暗な地下の連中相手じゃないと思ってきたけどね。どうしてなかなか手ごわい連中だわ。
 ったく、地底にステンドグラスだなんて、あいつらも西洋の法則に従っているのね…」

「嫌われるような人たちじゃありませんよね。さとりさんは礼儀正しいですし、こいしちゃんはいっつも神社に来てくれて嬉しいですし、
 ペット達も素直で可愛いです。」

「早苗。甘いわよ。奴らは地上に出てきて人気で地上を支配しようともくろんでいる。礼儀正しいってのは怪しいのよ。
 心の中はあの地下のじめじめした湿気にも似た腐敗臭漂わせるどす黒い野望でうずまいているに違いないの!」

「霊夢さん。疑心暗鬼すぎですよ。もう病気の域ですよ。」

「そうそう。たかが人気じゃん」

「たたたたったったったたったったた…」


霊夢ががくがくと震えながら立ち上がる。

「たかが人気?はあ?フランドール!あんたなめんじゃないわよ!
 人気がたかが?あんたは人気いらないっての?っく。信じられない!お前は何も分かってないのよ!
 この世界の法則が!」

「私は人気は普通でもいいからもっとお姉さまと仲良くしたいなあ…」

早苗が目頭を押さえる。

「眩しいです!フランちゃん。本当にピュアですね。きっとあなたの人気もその純粋さゆえ。それに引き換えこちらの人は。」

「ふん!レミリアだってあんたの順位が上がれば無視できないはずよ!人気はすべてを変えるのよ。
 みんなにちやほやされることはもちろん。身体も軽くなって病気は消えうせ、弾幕も常に勝利し、
 新たなスペルの開発もどんどん進んで、みんながお金をくれて、字もうまくなって、ダンスも踊れる、
 歌は歌える、気になるあの子にアタックすればうまくいく…」

「もう宗教ですよそれ。1位のあなたはそんなにうまくいってないじゃないですか?」

霊夢はぐっと息を呑む。

「そ、それは…」

「人気がすべてじゃないよ、霊夢気苦労ばっかり多そうだもん。なんかかわいそう。」

「ふん1位じゃないほうがかわいそうよ。1位は善。1位は神、それ以外はゴミ!あんたらも覚えておきなさい!」

「この世界はゴミだらけですね…ううん、神様といえども善戦とはいえませんね、このリスト見てると」

「そうでしょ?でしょ?妖怪の山とかの連中も名前は神だけど、大して強くないし、人気もないし、
 ほんと存在意義ないわね。なんで神様なんだろ。あいつら」

「巫女にあるまじき台詞を聞きました…そうですね神様の人気を上げるにはどうしたらいいんです?うちの信仰としても大きな問題です。」

「そうね。まあこの子を見なさい!」

霊夢は再三フランを指差す。

「今度は何ですか?」

「人気の秘密。なんだと思う?」

「んん。なんでしょう?」

「フラン。分かる?」

「ええ?私そんなに魅力ないよ?」

「ふっ。謙虚さアピール乙。正解は姉妹であること!これよ」

「姉妹?私とお姉さまとか?」

「そう。姉妹はいいわ。血のつながりがあるにも関わらず容姿も性格も違う別人格、そして同じ屋根の下に住んでいるという地の利。
 お互いの欠点ももう一方の魅力で打ち消せることがしばしば。おいしい存在よ。あんたらの場合はそのギャップもいいわね。」

「ギャップ?」

「そう。また法則を1つ出してしまったわ。ギャップ。これは古来より古今東西例外なく人を魅了する魔性の属性。
 例えばね。いつもツンツンしてたあの子からプレゼントもらったらメロメロでしょ?いつも普通に接してくる人からもらうより嬉しいでしょ?
 あんたらの場合はレミリアは幼いくせに勢力の長だというギャップ。フランの場合は元気そうに見えるのに不幸そうな生い立ちなどね」

「なるほど、小明地さんたちの場合はさとりさんはかわいいのに嫌われているというギャップ。こいしさんの場合は素直そうに見えてちょっとあれなギャップとかですね?」

「そうそう、そうよ!分かってきたねえ早苗!」

「そして当然だけど、一発強烈な個性がなくては駄目よ!当然だけど。
 みんなが目をひく、いやひかざるを得ない強力な後光が必要なの!当然だけど!!」

「それもあんたよ!」

再び指さされるフラン。さすがに慣れてきたようだ。

「もう分かりませんよ。なんですか?」

「鬼畜妹っていう個性!これは凄いわ!一度聞いたら忘れられないもん!戦闘力があるって凄い魅力になるわ!」

「うう、なんかそれは嫌だなあ…」

「嫌ですって?この贅沢者!個性がなくてもだえ苦しむ弱者ははいて捨てるほどいるのよ!
 まあとにかく。 幽香もその圧倒的な強さが魅力ね。花を扱うというギャップもいい。妹紅は女なのにイケメンキャラだし、
 文も新聞記者で最速のスピードを持つってのがいい。上位層はとにかく一言聞いてすぐこいつだと分かる設定があるわね」

「設定って…」

「ねえねえところで、投票っていつやるの?年に何回もやるの?」

「年1回よフラン。だからこそ結果は重みを持つ。開催時期は年度によってズレはあるものの2月ころね。」

「2月?まだ3ヶ月は先ですよ?対策を取るには早すぎるんじゃ…」

「まぬけがあ!」

霊夢が再び立ち上がる。テーブルの上のお茶がこぼれる。今日霊夢は立ち上がり、座りを繰り返している。

「遅いくらいよ!投票は1年をかけて準備するものなの!そんな半端な覚悟だから下がるのよ!早苗!」

「いや…今まで知りませんでしたし…」

「とにかく今までの法則を書き出してみるとこうなる。」

霊夢は用紙を裏返すとさらさらと書きはじめた。

ーロリであること。
ー西洋風であること。
ー姉妹をもつこと。
ー強烈な個性をもつこと。


「ふう。今年もいけそうだわ!」

「そうですか?姉妹とか如何するんです?いないですよね?」

「それは、うーん。早苗、妹になってよ。同じ巫女だしいいよね?」

「よくないです!無理ですよそんなの!そういうのは思うだけで変えられるものじゃないでしょう?」

「ふん!いいわよ。さっきもちらっと言ったけど、架空のお兄様を用意すればいいのよ。」

「なんでもありですね。」

「そしてこれ!」

霊夢はがさごそと手近な袋を引き寄せて中を探りはじめた。

「なんですか?」

「これ!じゃーん」

出されたのは巫女服。だが明らかに今霊夢が着ているものではない。余計なくらいにフリフリがついていてどう見ても違うしろものだ。不要な鎖が腰のあたりについていて
胸元には小さい桜色のスカーフ、そしてサイズが小さい。赤をモチーフにしながらも肩や腰などところどころに黒いレースがのぞいている。さらに下はスカートでこちらも
フリフリがフランドールのそれに負けないくらいついていたが、かなりの短さであった。

「これで西洋風とロリはいっぺんにクリア。そして強烈な個性はヤンデレでいくわ!」

「はあ」

「今着替えてくるから待ってて。」

霊夢はふすまの向こうに消えた。

2人は取り残された。

「フランちゃん。大変だったでしょう?つれて来られて」

「んん、私っていうかお姉さまかな。連れ去られる私を取り返そうとして霊夢に迎撃されたの」

「…」

「お待たせ!」

「早!」

霊夢の服装はゴスロリというものだった。似合わないとまでは言わないが、一言で言えばけばい。
背景からキラキラという効果音が聞こえてきそうだ。

「わあ!霊夢可愛い!」

フランは目を輝かせた

「ううん、悪くはないけど、オプションが多すぎですよ。」

「負け惜しみは後で聞くわ。地味ども。さあお手本を見せてあげる!覚えておいて金科玉条にしなさいな!」


霊夢は片目をウインクして腰をくねらすとその場でスキップを始めた。

「おにいちゃん!お弁当忘れてるよ!めっ!せっかく私が作ってあげてるのに!うんうん。
 おにいちゃんはわたしだけをずっと見ててくれればいいの!
 もし他の女の子なんかに手出したらあ…」

霊夢は目を細めて鎖を握り締めた。

「刺す」

冷たい声が響く。2人は狂人にも似た、のりのりの霊夢を目の前に何も言えなかった。



時間がすぎた。ほとんどが霊夢のマシンガントークだった。
気づけば夕日が見えている。

「今日は集まってもらってありがと。いい議論になったわね。」

「話聞いてただけですけどね。あまり参考にならなそうでしたし。」

「色々分かって面白かったよ霊夢!」

「うむ。さて解散の前に、最後の言葉を教えてあげる。実はね、今日話したことに意味なんてほとんどないのよ。」

「はあ?なんですかそのオチ?」

「これから私が話す一言、それが人気投票のすべてよ。とりあえず早苗あんたは神よね?」

「神?はあ、一応…」

「よし、台所に材料はあるから味噌汁作ってきなさい。それから最後にして最高のアドバイスをあげる」

「ええ?夕食の準備ですか?」

「いいからさっさと行きなさい。いい話してあげたでしょ?」

「えええ、もう、いいですよ。簡単なのしか作りませんからね?」

早苗が立ち上がって霊夢とフランが残る。

「あんた意外とおとなしかったわね。正直神社を爆破されるくらいは覚悟してたわ。最初より好印象よ」

「私はそんなことしないよ。私、みんな仲良ければ、それが一番嬉しいの。」

フランはにこっと霊夢に笑いかける。
霊夢は顔を背ける。

「お子様ね…」

それからしばらく待つと10分ほどで早苗が戻ってきた。

「お待ちどうさまです。」

「ご苦労」

3つのお椀が湯気を立てている。

「で?最後の言葉とは?」

「それね?それはこれよ。」

霊夢は味噌汁を指差す。
 
「最後の言葉は、人気投票はこれってことよ」

「人気投票は味噌汁?わけが分からないです」

「あんた神なんでしょ?で、あんたが作ってきたと」

「私の味噌汁?神の味噌汁?」









かみのみそしる…

かみのみぞしる…

神のみぞ知る…









「くだらないです」

奇妙な面子の奇妙な会合で夕食という名の2次会が始まった。







おあとがよろしくない

ちなみに作者の一押しは紫様です。なにとぞご贔屓に
らくす
簡易評価

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コメント



0.700簡易評価
1.20名前が無い程度の能力削除
相変わらず誤字ひどいなー。まあ、誤字あるから減点!ってなるほどの作品でもないけど。

>永遠亭が低いのは日本文化前面出しだから駄目なの!
ちげーよ。人気投票が地球で行われてるからに決まってんだろ。ためしに宇宙規模でやったら姫様ぶっちぎりトップだから。
5.無評価名前が無い程度の能力削除
私の一押しは一輪です
11.50名前が無い程度の能力削除
うーん、面白かったけどなんかモヤモヤしたものが残るような。
という事でこの点数をば。
新作で神綺様が出れば…。
14.100名前が無い程度の能力削除
ただただ面白かったです。だから100。

早苗とフランが二人とも、自然で穏やかな性格だったのがGOOD。
久しぶりに原作の空気を思い出しました。
19.無評価名前が無い程度の能力削除
>>1
ただ貴方が永遠亭組好きなだけですよね^^^^^^^^^^^
一言、負け惜しみ乙