Coolier - 新生・東方創想話

紫「霖之助さんは女の子よ」 藍「……は?」

2012/09/11 07:47:58
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紫「霖之助さんは女の子よ」 藍「……は?」


注意

暴論、メタ発言、パロ発言、キャラ崩壊、独自設定or推論があるかもしれません。

以上が大丈夫なかわいい女の子はどうぞ。



根拠0、議題制定


 「藍、私、気づいてしまったの」

「……またですか?」

 藍と紫は、弾幕について革命的な結論を導き出した。 この二人が再び議論をする。 それは、新たな革命を意味するのだ。

「いい? 藍、落ち着いて聞きなさい……」

「貴方の口から何がでようと驚いたりはしませんよ」

「そう、それならよかったわ」

 紫は安心して、穏やかな表情でこう言った。

「霖之助さんは、女の子よ」

「……は?」



根拠1、センス


 「いやいや紫様? 流石にそれはなんというか、どこぞの鳩ぽっぽも驚く宇宙人っぷりですよ?」

 尻尾が一気に全部抜かれたように、度肝を抜かれた。 この女は何処まで宇宙人のような思考回路をしているのか。

「ふっふっふ、だけどそれは、私の今から語る根拠と論によってひね伏せられるわ」

「はぁ……じゃあ言ってみてくださいよ」

 半分期待しないで、半分期待して、紫の話を聞いてみる。

「いい? まず霖之助さんのセンスがそれを肯定しているわ」

「センス……ですか?」

 首を傾げて口のへの字にして考え込むが、答えは出てこない。 一体どのような暴論が出てくるのか。

「まずなんで男のくせに『ミニ八卦炉』と名付けたのかしら?」

「え? 別に普通じゃないですか?」

「藍、貴方の目は節穴なのかしら?」

「……え、いや、だって普通じゃないですか」

「甘いわ、甘いわ藍。 このミニ八卦炉、男だったらミニなんて飾らずに、『小八卦炉』とか名付けるわ」

「……え、まぁ……ええ、そうかもしれませんけども……」

「他にも、なんでわざわざ魔法の森なんかで商売をやっているのかしら? 交通の便的にも、普通人里がいいわよね?

 それに、客も人里の方が賑わってるんだから儲かるわよ?」

「……いや、趣味じゃないですか?」

「そう、趣味よ。 趣味なのよ藍」

「……はぁ、それがどうかしましたか?」

「霖之助さんの趣味は、魔法の森というファンシーな場所で商売をする事。 こんなファンシーな趣味、女の子以外に何がありえるのかしら?」

「……た、確かに」

 なんとなく納得してしまった。 話術にのせられたか? それとも本当に信用できる話か? それは分からないが、兎角藍は信用してしまったのだ。

「それに趣向品を嗜んだり、阿求曰く約に立たない商品を扱っている……これは決定的よ。 女の子はロマンスを求めるのよ」

「そ、そう言われれば、そもそも文々。新聞なんていう妄想新聞を読んでいるのはファンシーな女の子だからかもしれない……」

 そう、霖之助は妄想がちな所、ファンシーな所を持つ。

 女の子は好きな男の子とのアレコレを妄想したりする生き物。 そんな妄想好きでファンシーな所があるのだ。

 ――白馬の王子様が夢の中で現れないか。

 そんな妄想にふけって布団に入るなんていう女の子も少なくない。

 よって、妄想がちでファンシーな霖之助は女の子である。

「そう。 その通りなのよ藍。 だけど、霖之助さんが女の子なのは他にも根拠があるのよ」

 少しずつ、紫の言っている事が信憑性を持ってきた。 それが、悪夢の到来を意味しているのに気づかずに。



根拠2、道具屋という証明材料


 「いいかしら藍? 道具屋っていうのは力がそこまで不要な仕事なのよ」

「まぁ、いる場面は精々仕入れの時くらいでしょうか」

 道具屋というのはあまり力を使わない。 どこぞの賢狼をつれている行商人も、頭で切り抜けているのだ。

 力を使う道具屋というのは、どこぞの馬車でずっとくっちゃねしているデブの青髪のオッサンくらいの物だろう。

 しかも、そのオッサンですら妻の作った弁当を商品にして稼ぎ、力を最大限抑えるのだ。

 そんな道具屋を営んでいる。 それは、紫曰くこのような意味を持つのだった。

「そう、そんな道具屋を営んでいるのよ。 いい? 女の子は非力な物よ。

 しかしある事情から女の子という事を隠している霖之助さんは、力仕事を避けた。 力仕事をして女の子という事が他に知れない為によ」

 霖之助がわざわざ道具屋という力をそんなに使わない職業の身である理由、それは女の子という事を隠すためである。

 よって、非力な霖之助は女の子。

「な、なるほど、確かに納得ができます」

「しかも、その扱う道具にもその女の子っぽさが現れているのよ」

「あ、扱う道具?」

「彼は、携帯電話、ゲーム機、ミュージックプレイヤーを扱っているわ。 これで何か気づかない?」

「………まさか」

 気づいてしまった。 この3つにはある共通点がある。 それは、確実に彼が女の子であるというのを証明する材料たりえてしまうのだ。

「……そう。 この道具は、全て女子高生が使う、イマドキな道具達なのよ」

「……これは、言い逃れが本格的に出来なくなってきましたね」

「いいえ、まだまだ根拠はあるわ。 そして、最後にはとっておきのサプライズが……」

 ごくりと生唾を飲み込む藍。 果たして、そのサプライズというのは一体……?



根拠3、修行というQEDへの道


 「……さて藍、彼、いいえ、もう彼女と言っていいでしょう。 彼女はある技能を持っているわ」

「技能……? 道具の使い方を見分ける能力ですか?」

 紫は吐き捨てるような笑いを腹から出したあと、こう続けた。

「いいえ、違うわ。 彼女は、裁縫ができるのよ。 それも、霊夢の巫女服のようなわけのわからない服を、丁寧に仕上げるほどの腕前……」

 霖之助は、霊夢の服を修繕したりしている。 その腕前は、修繕で副業もやれるのだから、かなりの腕である。

「……こ、これはもしかして!」

「そう、その通りよ藍。 そして、彼女は一度、魔理沙の父の元で修行をしてるわ……これが意味する、修行というワードが意味する物……それは」

「……」

「――花嫁修業よ」

 決定的すぎた。 男というのは女に比べて大雑把な性分の人が多い。 そんな男が、繊細な作業が要求される裁縫が出来るのだから、霖之助は女に違いないのだ。

 女の子は将来、お嫁になる為、花嫁修業をしたりもする。 よって、花嫁修業をする霖之助は女の子である。

「……じゃあですよ、紫様。 この根拠も適用できるのでは?」

「ん、言ってみなさい」

「……彼女は、様々な道具の用途を能力で判別できますが、その使い方は分かりません。 しかし、彼女は花嫁修業をしている……

 というとですよ? 紫様…… 今まで様々な道具が使えたのは、花嫁修業による手先の器用さ、臨機応変さが培われた分による物ではないでしょうか?」

 花嫁修業は専業主婦になる為の修行と言っても過言ではない。 これが意味する事は、専業主婦は手先が器用じゃないと勤まらない。

 よって、手先が器用になる。 よって、様々な道具を扱いなれ、道具の扱い方を感覚的に感じられる。

 よって、道具を感で使える霖之助は女の子である。

「……正に決定的ね。 最早言い逃れを許さないレベルだわ……」

「そして、紫様、彼女の家の裏の桜……これこそも決定的だと思うのです」

 藍と紫は、少しずつパンドラの箱へ近づいていった。 ――そこにあるのは、希望か、絶望か。



根拠4、純潔のソメイヨシノ


 「突然ですが、紫様は桜、ソメイヨシノの花言葉をご存知ですか?」

 紫は少し考え込んだ後、苦もなくすぐに答えられた。

「――純潔、だったかしら。」

「そうです。 ソメイヨシノの花言葉は純潔。 女の子というのはファンシーさを兼ね備えた、完全純潔生命体といえるでしょう」

 ソメイヨシノは日本の代表的な桜で、白とも桃とも取れぬ色が、淡白で、独特のな美しさを持つ、日本の花と言える桜だ。

 その花言葉は、――純潔。 霖之助の家の裏の桜の種類はよく分からないが、恐らくソメイヨシノだろう。

「そう言われればそうね。 女の子は大人になって、そこで初めて苦いロマンスを経験する……そう、女の子である間は完全純潔生命体」

「しかしソメイヨシノは僅かに桃色を含んでいる、これでは真っ白の純潔には遠いです。

 ……しかし、彼女の家の裏にある桜は、何色に変化しましたっけ?」

 紫は戦慄した。 これほどの決定的証拠がある。 この世のおぞましき真理、理解できない範囲、それをはるかに超える物がどっと押し寄せてくる間隔……

 そう、宇宙の真理を知ってしまった、そんな恐ろしい、おぞましい感覚に、得体の知れぬ恐怖を覚えたのだ。

「ま、まさか……」

 冷や汗が頬に伝う。 これが意味するのは、――絶対。

「そう、白。 ――純潔の白です」

 純潔、純粋。 そんなイメージを持たせる白。 そして、女の子とは純粋な物である。

 そう、霖之助の影響を受けて、ピンクの花も、純潔の白になったのだ。

 よって、霖之助は白への変色の元凶であり、よって霖之助は純潔である。

 そして、女の子は純潔である。 よって、純潔な霖之助は女の子である。

「……私たちは、今正に、パンドラの箱を開けようとしているのね」

 確実に、紫たちの手はパンドラの箱へと伸びていく。 それは、知的好奇心に逆らえぬ、不可逆的な感情。

 アダムとイヴが楽園から追放されたように、彼女らも今、追放されようとしているのか、それとも神に純潔を誓い、服を脱ぎ捨てられるのか……



根拠5、捨てきれない感情の根拠化


 「そういえば、彼女、魔理沙の持ってくる物を不当に安く引き取ってたりするのよ」

「ああ。そういえば紫様からそういう事を昔、聞いた気がしないでもないです」

「気がしないでもないって……人の話は聞きなさい。 何処の鳩ぽっぽよ」

「宇宙鳩ほど酷くありません。 ……そういえば、彼女は魔理沙には頭が上がってない様子ですね」

「そう、そこなのよ。 彼女が魔理沙に頭が上がらない要因、それは女の子特有の優しさからくる苦悩なのよ」

 女の子とは、優しさを持つものである。 猫が道で死んでいれば、可哀そうに思い、青春ドラマに涙する。

 そんな女の子は、自分の嘘に後ろめたさを感じているのだ。 しかし、そう考えるとここで疑問が生まれた。

「……じゃぁなんでわざわざ高く買い取るんですか?」

 最もである。 優しいのならば、わざわざ高く買い取る必要がない。 しかし、それは、『女の子』ではない時に限るのだ……

「それも女の子特有の嘘よ。 女の子は好きって言って欲しい時、『私の事なんてどうでもいいんでしょ?』って言うじゃない」

 デートが楽しくても、『つまんない』。 好きな人には、『サイテー、ヘンタイ。 近づかないでよ!』。

 好きと言って欲しい時、『どうせ私なんてどうでもいいんでしょ?』。

 女の子というのは、相手の気持ちを確かめたかったりしても、恥ずかしくて正直に言えないのだ。

 よって、女の子は嘘つきであり、嘘つきの霖之助は女の子である。

「な、なるほど……言われてみれば女の子というのは総じて嘘つきですね……」

「それに、霊夢はどうでもいいって言ってたけども、博麗神社の由来を教えてあげるっていうおせっかいは、優しさからくる物……」

「女の子特有の感情を、霖之助さんは多く持ち合わせてますね……。

 あと、彼女は無縁塚に行った時、弔いを欠かさない」

「女の子は慈悲深いわ。 無縁塚に捨てられた者たちも、見捨てないで弔ってあげる……正にこれは女の子特有の感情」

「それと女の子って大胆ですからね、無縁塚に行って可哀そうだと思っても、男だったらスルーします」

 女の子は実に大胆である。 好きな相手に積極的に近づいていき、プロポーズをする。

 そう、女の子とは行動力のある物なのだ。

 よって無縁塚に行って弔いという面倒な事をわざわざする霖之助は行動力がある。

 女の子は行動力がある。 よって霖之助は行動力があるので女の子である。

「これは、もう確定的ね……」

「そして、僕という一人称は、捨てきれない女への執着からでしょうね……」

「要するに、霖之助さんはちょっと嘘つきで、慈悲深くてやさしい僕っこという事ね?」

「その通りです。 これは外界に行ったら一定層に大ウケしますよ」

「……さて、ここで私からの素敵なサプライズがあるわ、藍。 ……気絶しないように、歯を食いしばって聞きなさい」

 紫が、これから出すであろう衝撃的で、決定的な根拠。 果たして藍は、それを聞いた時……正気を保っていられるのだろうか……?



根拠6、コウリンの最終定理の証明完了


 「藍、貴方は、外国語の心得はいくらかあるわよね?」

「え、ええ。 日本語以外に、中国語、英語にはそこそこ精通していると自負します」

 藍は紫の式神である。 元々、中国で暴れまわった九尾の狐なので中国語は話せる他、数学を学ぶ時、

『なんでいちいち数学用語として英語を覚えなきゃいけないんですか!』

 という発想で、英語を1週間で学び、英語の演説などをリアルタイムで翻訳できるような腕前にまでなったのだ。

「しかし、それがどうしたんですか?」

「まぁ、アルファベットを使う言語で、アイルランド語っていうのがあってね。 それの中で、コリーン、Colleenという単語があるのよ」

「ん? 確か英語圏の名前でもColleenって単語はあったような……」

「そう、その通りよ。 流石私の最高の式神ね。 それはアイルランド語が由来の名前なの。

 そして、その意味……それは――


 ――C o l l e e n と は 、 ア イ ル ラ ン ド 語 で 、 少 女 、 娘 と い う 意 味 で あ る


「……こ、これはっ!」

「……これが、私達のColleenの最終定理の、証明終了、QEDよ」

 フェルマーの最終定理の証明を終えた時よりも、はるかな達成感。 そして、それと同じくらいの虚無感が二人を襲ってきた。

 決定的過ぎた。 香霖と酷似した、Colleenという単語。 それが意味するのは――少女、娘。

 Colleen、それが意味するのは少女、娘。

 よって、香霖堂、Colleen堂などという道具屋を構える霖之助は、女の子である。

 そして、QED。

 二人はしばし呆然とし、この確信をどこにぶつければいいのかを模索していた。

 ……しかし、まだ謎は終わりではなかったのだ。

「し、しかし、何故彼女は女という事を隠しているか……それだけの謎が残りますね……」

 宇宙の仕組みを全て解明しても、その先には『何故宇宙が出来たか?』という謎が残る。

 それと同じく、霖之助が女の子だとしても、その先には何故女の子という事を隠しているのか? という謎が残るのだ。

 しかし、幻想郷の賢者は、この謎をすでに解き明かしてしまっていた。

「……それは、貴方のソメイヨシノの事にも、魔理沙の事にも関連してるわ……」

「……?」

「ソメイヨシノは、ある日突然白に変色した……純潔という意味を持ったソメイヨシノが、より純白に、純潔に、完全純潔生命体に。

 それと同じく、彼女はある日突然女の子になったのよ……」

「あ、ある日突然?!」

 ある日突然女の子になる。 それだけでも斬新すぎる推理。 しかし、紫の口はより衝撃的で、より絶望的な言葉を発するのだ。

「そう、そして、魔理沙への後ろめたさ、それにはもう一つの理由があるのよ」

「もう一つの……理由?」

「彼女が、彼だった頃、魔理沙に恋をしてしまったのよ……」

「ッ……!」

「その結果、彼は魔理沙への恋心を打ち明けられないまま、彼女となり、女になってしまった事を隠している事、そして何より、魔理沙への叶わぬ恋心……

 それが、彼の後ろめたさに関連しているのよ……」

 そう、霖之助の口を硬く縛る物、それは、魔理沙への恋心だったのだ。

 魔理沙との関係を壊したくない、魔理沙の頼れる人でありたい……

 そんな想いに感化されたのか、藍の声に嗚咽が混じって来た。

「……なん……でっ!」

 鼻をすすり、涙を袖で拭き、それでも溢れる涙を振り払って嗚咽も声もぐちゃぐちゃにして続ける。

「救いがなさ過ぎます! そんな悲しい話……いくらなんでもっ!」

 しかし、紫の話は、それでも、より深い、深淵のような絶望を押し出してきたのだ。

「……犯人は、ほかでもない、この幻想郷だとしたら?」

「……へ?」

「幻想郷が幻想である為に、幻想郷は男の実力者という現実的な物を切り捨てた……それでもなお、彼は魔理沙の為に、幻想郷にいる事を決意したのよ」

「……その結果が、この悲劇だって言うんですかっ!?」

 2、3秒。 時間を置いてから。 肯定したくないが、肯定をせざるを得ない。 紫は、ゆっくりと、低い声で言った。

「――そうよ」

 深い絶望に包まれる。 深淵のような絶望、暗闇の孤独。 もしも彼女が今、それに身を落としてしまっているのならば。

「……だったら」

 そう、彼女を救うのだ。

「だったら、幻想郷という概念を壊してしまえばいい。 何かを受け入れられない幻想郷から、全てを受け入れる幻想郷へと、戻してしまえばいい……!」

「……そうね、きっと、彼の為にもそれが必要だわ」

「紫様、すぐに霊夢を呼んで、事情を話して新たな結界の構築にかかりましょう」

「ええ、彼の為にもそれが最善だわ」

 紫は、スキマにのっそりと入って行き、悲劇のヒロイン、ロミオを救いに行動を始めようとしていた。



根拠7、論より証拠


 「……で、私を呼んだってワケ?」

「その通りです霊夢さん。 早く、彼女の、彼の為に幻想郷を再構築してあげてください」

「そうよ霊夢、事態は一刻を争うのよ!」

「……まぁ冷やかすようで悪いんだけどさ……霖之助さん、男よ?」

 ぽかんと、周りが阿呆くさいムードに包まれる。

「……? いや、根拠はさっき説明しましたよね?」

「いや、論より証拠って言うじゃない? 去年魔理沙が霖之助さんにバレンタインデーチョコを渡してたの見ちゃったのよ」

「え、ちょ、どういう事霊夢? 説明し――」

 話を遮る紫を手で制止し、静まるのを待ってから話の続きを始めた。

「話は最後まで聞きなさい。 えーっとね、その時魔理沙、何を血迷ったのかそのまま霖之助さんを押し倒しちゃって、顔真っ赤で見てらんなかったわよ。

 その時、霖之助さんの、まぁ……なんというか、藍の大好きな食べ物の部分が膨れちゃっててねぇ……間違いなく……その、男の証よアレは。 小さかったけど」

「……え?」

「……ちょ、ちょっと霊夢、それ本当の話?」

「いや、だってそもそもありえないじゃないの。 何がどうなって女になったのよ……」

 気まずい。 実に気まずい。 裁判で、痴漢の冤罪になった時の、起訴した人はこういう気持ちなのだろうか。

 そんな事を考えていると、藍は、その気まずさの元凶である、紫への、小さな、小さな憎しみが、ふつふつと沸き起こってきた。

「……はぁ、結局無駄だったって事ですかね紫様」

「いや、ちょ、藍! 途中まで貴方ノリノリだったじゃないの! 私一人の問題じゃ――」

「いや、もうそういうのいいから紫。 藍、あんな主人は置いといて私とうどんでも食べましょう」

「そうですね、あんな妄想主人持って私はなんて不幸なんでしょうか」

 奥の部屋へと身を消す霊夢と藍。 紫は一人、畳の質素な部屋に、取り残されてしまった。

「え、ちょ、藍! 藍ってば! 霊夢も! ちょっと! ねぇ、仲間はずれにしないでよぉお!」


 ――ハブられた。 それが、紫にとって恐怖であり、存在の証明だった。

   八雲紫(24)



根拠8、欲望の行く末、パンドラの箱の中身


 「……魔理沙、僕は……どうすればいいんだ?」

 鏡の前に立つのは、元々男だった、女。

 上半身の服を脱ぎ捨てると、そこには、大きな物を隠すかのように、白いサラシがぐるぐる巻きに巻いてあるのが確認できた。

「……今、こうして鏡に立っている、僕……いや、『私』は、胸にサラシを巻いている……」

 霖之助。 この男、いや女は、実に不幸な女だ。 魔理沙への恋心すら、悲劇の運命で踏みにじられてしまっている。

 突然女になった物だから、女の暮しがいまいちよくわからない。 魔理沙へのバレンタインデーチョコ。

 あの日もそうだった。 たまたまその日、生理になってしまったが、タンポンがうまく入れられず、中途半端にはみ出てしまった。

 そのまま押し倒されてしまった。 それが傍から見たら、どんなに滑稽な姿に見えただろうか。

「何でこうなってしまったんだろう……僕は、ただ、幻想郷で、魔理沙と幸せに暮したかっただけなのに……」

 霖之助は、深い、暗い深淵の絶望の中、救いを求めてさ迷い続けている。
どうも、ハムスターです。大体一ヶ月に一回くらいの投稿ペース。
ちょっと色々と調べ物をしている際、「Colleen」という英国圏の女性名を見つけまして、
「おお! こーりん女の子説浮上!」と思ったのです。
そしたら、由来を調べてみたら、「アイルランド語からの由来で、少女、娘という意味である」と。
これは決定的だと。あとはこじつけでやってみました。
霖之助ファンの皆さんごめんなさい。

ちなみに、一応これは藍と紫の弾幕なんちゃらとかいう私の作品の続編にあたるようになってたりします。
とか言いながら、読まなくても支障はありません。

PS:突然そそわの書式が縦読みに出来たりなんかえらくスタイリッシュになっててホントもうびっくらこいた。
  私などが言っていいものか迷いますが、管理人さん、お疲れ様です。
ハムスター
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コメント



0.1450簡易評価
10.60名前が無い程度の能力削除
なんだかんだと納得しかけてしまいそうになった…
こじつけとはいえ、びみょんに説得力があるから不思議。
12.100名前が無い程度の能力削除
こじつけが酷すぎるww→えっ( ゜д゜)
16.70名前が無い程度の能力削除
嫌いじゃないぜ
18.70名前が無い程度の能力削除
ちくしょうwwwおもしれぇwww
19.無評価名前が無い程度の能力削除
おいおい、そいつはいくら何でも妄言が過ぎるっても…あれ、なんだか下半身に違和感が…
20.100名前が無い程度の能力削除
Colleenで腹筋が崩壊したwww
21.80名前が無い程度の能力削除
最近の作品は面白いな。
「藍の大好きな食べ物の部分が膨れちゃっててねぇ」でぶったまげたけど、そうか隠語のいなりね。そのまんまの意味で読んで頭沸騰しちゃったよ。
26.40名前が無い程度の能力削除
なんだこれwww
32.70名前が無い程度の能力削除
>八雲紫(24)

ゆかりんは永遠の17歳だって言っているだろ!!
33.無評価ハムスター削除
>>32
おいおい♪
35.90名前が無い程度の能力削除
上達したんじゃない? 正直これはかなり面白かった。
40.100名前が無い程度の能力削除
あなたを名前避けしていましたが、今回のSSはかなりおもしろかった。
私はあなたへの評価を改めざるを得ません。
46.60名前が無い程度の能力削除
霖之助さん女の子説やめろや!