Coolier - 新生・東方創想話

紅魔の姉妹はそして紅茶を楽しむのでした

2012/08/30 02:08:14
最終更新
サイズ
14.53KB
ページ数
1
閲覧数
2159
評価数
8/17
POINT
1060
Rate
12.06

分類タグ


 灯り一つ燈らない地下室。ここで過ごし始めてから、何年経ったのだろうか。
 窓一つ無い世界はとても狭く窮屈で、娯楽なんて何一つなく食事だって自分の好きに出来ない。
 閉ざされた部屋。
 でも、鍵は付いてないし外から封印されているわけでも無い。
 お姉様は言っていた。
 何百年掛かるか分からない。だけど必ず、幻想郷で自由な暮らしを手に入れてみせる。それまで、ここで我慢出来る?
 私は二つ返事で頷いた。
 お姉様が私に嘘を吐いた事なんて無いし、騙した事も無い。お姉様はいつも優しくて、私の事ばっかり気にしてる。たまに地下室まで足を運んでくれて、お喋りしたり、お茶会したり、一緒に遊んでくれたりして、私があんまり退屈しないようにしてくれてる。
 いいんだよ、お姉様。お姉様が私の事を想ってくれている事は十分過ぎる程理解しているし、地下室で私が暮らしている事も本当は納得してなくて、自分で決めた事なのに時々迷ってるのも知ってる。だから、私の事は二の次でいいんだよ。お姉様はお姉様がしたい事をしても、いいんだよ。
 本当は、そう言いたい。私の為に色んな事を捨てて、色んなものを敵にして、色んな人達を殺してきて。もうそんな事しなくていいんだよ、って言ってあげたい。
 でも、きっと私にはそんな事言えない。もしそれで、お姉様が私を自由にしてくれたら、きっと。

 そこには殺し合いと殺し合いしかなくて、誰もが泣いて叫んで怒って武器を持って。血で血を洗う、そんな表現がぴったりくるような世界が待ってるんだ。

 遠い昔を思い出す。私が何をしなくても、私の能力が危険だというだけで、人間からも同族の吸血鬼からも命を狙われた。彼らは私の事を化け物と呼び、私は平気な振りしてたけど、とっても哀しかった。
 どれだけ傷付けられても、どれだけ痛めつけられても笑顔は絶やさないようにしてた。ずっと笑ってたら、その内、皆仲良くなれるんじゃないかって信じてた。その結果は、残酷で凄惨だったけど。
 腰掛けていたベッドから降りる。部屋の一角に置いてある、私の宝箱。何の飾りも付いてないから、ただの箱みたいなそれは、私の思い出がたくさん詰まった、大事な大事な私だけの宝箱。
 蓋を開けて、中を覗く。そこにはまだ、銀の短剣が入っていた。私の身体を貫いた、銀の短剣。
 指先を切らないように注意して、それを手に取ってみた。軽い。
 先端を眺める。きれい。
 汚れ一つ付いてないそれは、どういう特殊な工法を用いたのか、何百年も前の物なのに錆一つ付いてない。
 この短剣で、私は右手を斬り落とされた。銀で出来ているとはいえ、吸血鬼の腕を斬り落としたのだ。或いは、魔力も込められているのかもしれない。だから錆びないのかな。
 当時追われる身だった私は、お姉様に迷惑をかけまいと必死だった。何とか誤解を解こうとしてたけど、それは間違いだったのかな? 結局私は、吸血鬼を中心とした人間達のグループに掴まって、破壊の能力を持つ右手と、眼球を抉られた。その時に知ったけど、別に眼球は私の能力と関係無かったみたい。
 捕えられた私を助けてくれたのは、やっぱりお姉様。運命を操るだなんて、抽象的でよく分からなかったけど、その能力を極端に行使したらしい。
 私を捕まえた人達は皆死んで、泣いてるお姉様に抱き締められた。
 銀の短剣は鋭い。年月を感じさせないくらい研ぎ澄まされているそれは、私の宝物。大切な思い出。そっと、宝箱に戻す。
 お姉様は今、何をしているのだろう。咲夜を連れて、博麗神社かしら? パチュリーと一緒に読書かも? いつも通りテラスで紅茶を飲んでるのかな?
 この地下室は暗くて、時間を示す物も無いから今がいつの何時なのか、能力でも使わないと分からない。ひょっとしたらお姉様は眠ってしまっているのかも。
 ベッドに戻って、座る。ふかふかで気持ちいい。
 お姉様は言っていた。
 いつか、巫女と魔法使いが現れるわ。その時、フラン。貴方は力の限り闘って、そして負けるの。私達の未来は、その先にある。
 それが、私の部屋が地下室になった時のお姉様の言葉。綺麗で整ったお姉様のお顔が、辛そうに歪んでいたのを鮮明に覚えている。だから私は、大丈夫だよ、って笑ったのだ。お姉様には、話を聞いてたのかって笑われちゃったけど。
 それから何百年くらい、経ったのかな。霊夢と魔理沙がやってきて、私はお姉様の言う通り全力で闘ったのに、負けちゃった。悔しい筈なのに、どきどきとわくわくが止まらなかった。
 だって、その二人は二人ともが、私と笑ってくれたんだもの。私の能力に触れても怯えないで、まるでお姉様やパチュリー、美鈴や咲夜みたいに笑っていた。
 一体これから先、どんなに楽しい事が待っているんだろう。そう私に思わせてくれた、大切なお友達。
 その事件があってから、私は屋敷の中ならという条件付きで自由に出歩けるようになった。お姉様は、私が幻想郷の脅威にならないという事が証明されたから、って言っていたけど。
 そういえば、それから暫くして、八雲紫っていう妖怪がお姉様に会いに来てた。何の話をしていたのかは分からなかったけど、お姉様の眼差しは鋭かった気がする。
 私はまたベッドから降りた。向かった先は本棚。その中の一冊を取り出す。
 暗い暗い、真っ暗な地下室には私だけの秘密がある。ちょっと後ろめたいけど、お姉様にも秘密にしている、私だけの秘密事。
 図書館から持ってきた、一冊の魔術書。これで新しい弾幕の研究をしている私は、屋敷の中を見通して誰も地下室に来ない事をまず確認する。うん、誰も来ない。お姉様はまだ寝てた。外は太陽が眩しい、真昼間だった。
 ぺらぺらと、ページを捲る。
 この魔術書には、まだ私の知らない魔法が記されている。これが出来たら、この魔法をあんな風に使えたら。そうして想像しながら、新しいスペルカードを考える。
 次に霊夢や魔理沙が来て弾幕ごっこをした時、あっと言わせるくらいに凄いスペルカードを作りたい。二人は、どんな表情をするのかな。
 魔力を羽に伝わせて、七色の翼を輝かせる。ちょっとした照明代わりになるけど、お姉様は、折角綺麗な羽なんだから、そんな使い方は止めなさいって言ってた。お姉様に私の変な羽を褒められた時は、やっぱり、嬉しかった。
 ベッドに戻って、小さな灯りを頼りに魔術書を読み始めた。お姉様来ないかな。




 「あら。今日はお早いですわね」

 身を起して目を擦ると、いつも通り既に咲夜がいた。私自身も把握出来ていない不規則で気紛れな生活リズムを、何故か彼女は把握している。
 咲夜は簡単に挨拶しながら、お湯で濡らしたタオルを差し出してきた。受け取ると、さっき濡らしたばかりのような感触。この娘はどうやって私の起床のタイミングを知るのだろうか。

 「おはよう、咲夜。フランはどうしてる?」
 「地下室で読書中のようですわ」
 「そう」

 もう一つ不思議なのは、地下室にいるフランの行動をほぼ常に把握している事。まさか私が尋ねる度に、時間を止めて見に行っているわけでもあるまいし。それとも、起きぬけの最初の一言が必ず決まっているから、事前に調べているのだろうか。何にせよ、勤勉な事だ。
 顔を拭いてすっきりした私は、ベッドから抜け出す。いつもの服はいつものように咲夜が用意していた。

 「本日は何かご予定がありましたでしょうか?」
 「特に無いけど。どうして?」

 着替える私の後ろで、咲夜は両手を前に重ねた姿勢のまま聞いてくる。

 「いつもよりも、ずいぶんとお早いお目覚めでしたので」
 「起きる時間はばらばら。いつもの事じゃない」
 「それもそうですわね」

 脱いだ寝巻は、咲夜が用意していた籠に放り込む。
 部屋の中は薄暗い。遮光性のカーテンは意外と役に立つ。

 「食堂に行くわ。目覚めの紅茶を淹れてちょうだい」
 「かしこまりました」

 能力は使わずに、静かに咲夜は部屋を出て行く。自室で紅茶を飲むのも悪くは無いが、折角食堂があるのだから、やはりそちらを使いたい。
 寝起きそのままの髪を撫でる。いつもは咲夜が整えてくれるのだが、昨日話した事をちゃんと覚えていたようだ。
 食堂に着くと、既に咲夜が準備して待っていた。置かれたナプキンを取り、半分に折ってから膝上に乗せる。

 「今朝の紅茶は?」
 「お目覚めの一杯という事で、アールグレイを」

 かちゃ、と出された。見た目は普通の紅茶だが。

 「隠し味は?」
 「隠し味ですので」

 くすり、と微笑まれた。隠し味だからといって、何を混ぜたのかまでは隠さなくてもいいんじゃないかしら。
 気を取り直し、一口頂いた。
 舌がぴりぴりする。

 「……咲夜?」
 「はい。本日の隠し味には、このクワズイモ、別名、口のきけない茎を使用させて頂きましたわ」
 「毒草的な紅茶ね」
 「御褒めに預かり」
 「褒めてない」

 それでも、味は確かなのだし、残さず飲ませて貰った。


 口元を拭ったナプキンを適当に畳み、手元から離して置く。

 「下げていいわ。それと」
 「ティーセットの準備を」
 「ええ、お願いね」

 頷くと同時に、彼女は食器諸共消えていた。時を止める能力は便利だと思うが、生き急いでいるようにも見えて好きじゃない。呼んだ時にぱっと出てくるのはいいのだけれど。
 椅子の背もたれに身体を預け、窓の外を仰ぐ。ここまでは届かないが、床に日差しが伸びているし、外は青天なのだろう。
 静かに流れる時間。
 そういえば、フランは読書をしていると言っていたか。何を呼んでいるのか……物語か魔術書、のどちらか、かな。
 私が起こした紅霧異変以降、屋敷内を自由に歩けるとは伝えた筈なのに、フランは殆どの時間を地下室で過ごしている。八雲紫と話も付けたし、もっと色んな所で話をしたい。
 真っ赤な花に囲まれた、庭園でのお喋りは素敵だろう。それとも月の美しい夜に、屋根に腰掛けて星空を眺めようか。今までフランと出来なかった、全ての事を共にしたい。
 地下室から出てこないのは、期間が長すぎたからだろうか。人見知り、というわけでも無い筈だから、単に楽しみを知らないだけかもしれない。フランにとって、外の世界は嫌な思い出ばかりだった気がする。
 霊夢か、魔理沙か。招いて、フランを外に連れ出すか……あの二人のどちらかがいれば、問題は無いと思う。しかしそれは、八雲との約束を反故にする事に繋がるか?
 ……脆弱な生物がいると、気を使って大変だ。

 「お嬢様、準備が整いました」
 「そう。ありがとう」

 椅子から立ち上がる。振り返れば確かに、食堂の入口に配膳ワゴンが用意されていた。数種類の葉っぱも一緒に用意されていたが、私はそこまで詳しくないので使いこなせるだろうか。
 ナプキンもきちんと二人分、カップも二人分、灯り用にキャンドル、ついでに櫛。これは昨日、フランが私の髪を梳いてくれると言っていたから用意させた物。

 「それじゃ、行ってくるわ。仕事に励みなさい」
 「いってらっしゃいませ」

 頭を下げた彼女は、どこか嬉しそうに笑っていた。


 地下室への階段を降りていく。渇いた音が暗闇に響き、溶けていく。ワゴンは邪魔だったかしら。軽いけど。
 石造りの壁には、蝋燭などの灯りも付いていない。元々ここを通るのは、紅魔館にいる者達だけだから、必要もなかった。完全な暗闇というわけでは無いし、僅かな光を自ら作り出せばこの程度の暗闇なら十分見通せる。
 地下室でフランとお茶会するのは、久しぶりになるのかしら。ここのところ異変続きで騒がしかったし、変な真似はしないようにしてたから、寂しがってないといいのだけれど。
 今度、霊夢と魔理沙もお茶会に招待しようかしら。フランを外に連れ出すのは、もっと時間を置いてからにして、まずは紅魔館以外の幻想郷の住人と親しくなって貰いましょう。外に出たいという欲求も育まないとね。
 地下室の入口、古びた鋼鉄製の扉まで来た。立ち止まり、よくよくその扉を眺める。
 劣化が目立つ。当主の妹が生活している部屋の扉ではない。修繕させよう。
 ワゴンを寄せて、扉をノックする。



 フランドールは読んでいた魔術書を閉じて顔を上げた。ノックされたからだ。ひょっとしたらお姉様かもしれない、と考えると、慌てて魔術書を本棚に戻し、魔力の供給を断ち翼の灯りを消す。
 部屋が散らかって無いか、見られたくない物はないか、自分の身だしなみは汚く無いかとチェックしてから、扉の向こうに返事をする。

 「どうぞ」
 「入るわね、フラン」

 果たして、現れたのは期待していた通りに姉だった。

 「お姉様! おはよう」

 喜びに表情を崩すと、駆け寄りたい衝動を抑えて、まずは挨拶する。スカートの裾を摘まみ、浅く頭を下げた。
 配膳ワゴンを押しながら入って来たレミリアは、後ろ手に扉を閉める。妹の上品な様子に笑顔を浮かべて、ふと気付く。

 「おはよう、って。もうお昼よ?」
 「でもお姉様、少し前まで寝てたでしょ」
 「あら、覗き? いけない子ね」

 楽しそうに笑うレミリアは配膳ワゴンを部屋の隅で止めると、妹に歩み寄る。フランドールも同じように、はしたなくならないよう、浮かれ過ぎないように気を付けながら姉へと歩み寄った。
 レミリアが、フランドールを優しく抱き締める。帽子の上から愛しむように頭を撫でていると、フランドールが一度頭を振り、帽子を取ってから改めて胸に顔を埋めてきた。微笑みが絶えない自分を自覚しながら、相手が顔を上げるまで撫で続ける。
 暫く静かな時間が訪れ、それを破ったのはフランドールだった。

 「今日はお姉様と、二人でお茶会?」
 「そうよ。それと、フランに私の髪を整えて貰おうと思ってね」
 「髪?」

 フランドールはレミリアの言葉に首を傾げる。

 「昨日言ってたじゃない。私の髪、フランが梳いてくれるのでしょう?」
 「あ、そうだった」
 「ふふ、忘れん坊さんね」

 誤魔化すように笑うフランドールの額を軽く小突き、レミリアは配膳ワゴンからキャンドルを取って来た。部屋の中央の、小さなテーブルに乗せ、火を付ける。白い煙が天井へと昇って行き、通気口に入って行った。
 小さな灯りはそれだけで囁かな照明となり、地下室を照らす。お互いの顔がよりはっきり見えるようになり、こちらを見ているフランドールの視線に気付いたレミリアは柔らかく微笑んで見せた。

 「寝起きのまま、髪をいじってないの。フランが整えてくれるの楽しみにしてたから、咲夜にも触らせなかったし」

 言って、レミリアは配膳ワゴンに乗せていた小箱から櫛を取り出した。それをフランドールに手渡す。

 「お願いしていい?」

 受け取ったフランドールは、顔一杯に広げた笑顔で頷いた。
 キャンドルの火が、静かにただ燈っている。
 銀の上に蒼をまぶしたかのようなレミリアの髪が、薄オレンジの色で照らされ輝いている。フランドールは丁寧にその髪に櫛を通していく。途中で引っかからない姉の髪質は柔らかい。
 フランドールのベッドに座り、自分の後ろで膝立ちしている妹の手に意識を集中する。優しい手遣いがとても心地良い。
 目を瞑って感じる妹の存在は、レミリアにとってその心を何よりも落ち付かせてくれる。キャンドルが無粋に感じるくらいだ。
 髪を梳いて貰いながら、レミリアは声をかける。

 「ねえ、フラン」
 「なあに、お姉様」

 手を止めずに、姉の存在を身近に感じるフランドールが答えた。

 「今度、霊夢と魔理沙をお茶会に呼ぼうと思っているの。その席に、貴方もどうかしら」
 「いいの?」

 髪を梳く手の動きが、少しだけ震えたような気がした。

 「もちろん。フランにも少しずつ、幻想郷に馴染んで欲しいからね」
 「ん……お姉様と一緒なら、何でもいいよ」
 「まあ」

 フランドールの言葉に、嬉しそうな言葉を上げるレミリア。次いで、くすくすと可笑しそうに笑う。
 何となく恥ずかしくなったフランドールは早々に髪を梳くのを止めてしまい、後ろから姉を羽交い絞めにした。

 「なぁに、フラン?」
 「そろそろ、お茶にしよ?」

 首に回された妹の腕を叩くレミリア。フランドールは姉を解放すると、大人しくベッドに座りこんだ。
 ワゴンの傍に立つレミリアの後ろ姿を見つめながら、フランドールは心が高鳴るのを感じていた。
 それは姉と一緒にいれる喜びだったり、レミリアにお茶会を誘われたときめきだったり、自分を受け入れてくれてる感謝だったり、色んな感情がない交ぜになっている。
 その内、紅茶の芳しい香りが漂ってきた。喉が渇くのを覚えて、気を紛らわせる為に口を開く。

 「お姉様。昔、色々あったよね」

 その言葉に首だけ振り返ったレミリアは、直ぐに視線を手元に戻した。

 「掴まった私を助けてくれたり、私の為に色んな事をしてくれたり。美鈴が遊んでくれて、パチュリーが知識を教えてくれて、咲夜が淑女の嗜みを教えてくれて」
 「淑女の嗜みって、レディの事よね? 変な事言われてないでしょうね」

 変な所で心配するレミリアに、声を上げて笑うフランドール。紅茶を淹れながら、顔を赤くするレミリア。

 「霊夢や魔理沙みたいに、私を全然怖がらない人間にも会えた。だからねお姉様、私幸せよ」
 「そう。私もよ」

 存外素っ気無いレミリアの返事に、フランドールはこっそり頬を膨らませる。
 だが、その心の中では安堵が根を下ろしていた。本当に言いたい事は、恥ずかしい気持ちもあって中々言えないが、今の感謝の言葉を言えたのは嬉しかった。それをレミリアが受け入れて、同意してくれたのも嬉しかった。

 「さぁ、フラン。お茶が入ったわよ。話の続きは、最初の一口を頂いてからね」
 「はーい、お姉様」

 配膳ワゴンをベッドの隣まで押して、簡素なテーブルに見立てる。
 二人はキャンドルの灯りを見つめながら、紅茶を味わった。
こんばんは、初めまして
習作です。時間を取らせてしまって申し訳ありません。
よろしければ、感想の他にも、指摘評価等貰えると嬉しい限りです。
ぬえすけ
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.420簡易評価
3.90名前が無い程度の能力削除
いいね!面白いと思います。
あえて言うなら、もう少し、話にひねりが欲しいかな?
4.60名前が無い程度の能力削除
話の全体的な長さと、前置きというかフランの昔語りの長さとが、あんまり良くない比率になっている。
これだけしっかり背景を読ませるのだから、どれだけの世界を広げていくのだろうか、なんて考えてしまう。
いわゆる、肩透かし。
前置きの全てが、最後の方の会話に凝縮されているのは分かるけど、その一言にあまり重みがない。
前座が不十分なままに決め台詞を流してしまっている。
水戸黄門で、殺陣シーンを無くして、突然「この紋所が目に入らぬか」と言って番組を終了させた感じに似てる。
今回の場合だと、前座として、心情をもっと声や文に出してもいいと思うのね。
伝えたいことがあるんだ、って。
その一言は自分にとって大事なことなんだ、って。
ちょっと尻込みしちゃうところもある、それでも言っておかなくちゃいけない。
そういう不安と安堵のギャップを描き出したほうが(ちょっと趣旨が変わっちゃうけど)王道としての楽しさがあると思う。

それ以外のところは、新人の中ではかなり力量があるように感じた。
全体に丁寧に書いている印象。一方で集中力が切れたのかな、と思う箇所もいくつか。
カオスな部分もあるけれど、特に後半の文章は、読んでいて気持ちよさすら覚えるほど。

評価は低めに出しちゃうけど、まあ気にしないで。長文すんませんでした。
7.90名前が無い程度の能力削除
スッキリとしたいい話でした。自分としてももう少し話しに色々とひねりが欲しかったです。続編期待!
8.50名前が無い程度の能力削除
まず内容。SSなのだからストーリーが無いと意味がない。
前置きだけ読まされた感じがしちゃいますねェ。起承転結の『起』・『承』しか無いように思います。
雰囲気が良いのでなおさら残念
9.70奇声を発する程度の能力削除
雰囲気は好みでした
10.100名前が無い程度の能力削除
好き
11.100名前が無い程度の能力削除
自分の顔を鏡で見たらさぞ気持ち悪い笑顔だろう気がする。
12.80名前がない程度の壊れ物削除
スッキリとした印象でぐれーと
フランが鬱展開になりそうで先行きが怖いかな