Coolier - 新生・東方創想話

それぞれの防犯対策~紅魔館編~フランドールの場合

2005/07/07 03:58:59
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「はい、皆さん。
 こんにちは、森近霖之助です。
 現在私は再び紅魔館へ潜入し、悪魔の妹と呼ばれるレミリアの妹の部屋へと侵入しようとしています。」

霖之助は霊夢から預かったレプリカ陰陽玉に話しかけている。

実はこの陰陽玉…。
霊夢の陰陽玉に転送されているのだ。

だから霊夢の部屋では…

「侵入しようとしています」
陰陽玉から映し出される霖之助が喋っていた。
「霖之助さん、無事に帰ってこられるかしら?」
「さあな…フランの所に侵入するんだ…諦めた方がいいかもな…」
「とりあえず、私達はじっくりみましょ」
「そうだな」

魔理沙も遊びに来ていて二人で見る事になっていた。

霖之助は残機が既に無い事に気付いていない。

「あ」
「どうした、霊夢」
「霖之助さんにこれ渡すの忘れてたわ」
「それは…エクステンドアイテム!」
「まあ、いいでしょ」

はてさて、どうなる事やら…。




霖之助は地下深くにあると言われる妹様の部屋へついた。

「ここが…」

霖之助は扉の周囲に蝙蝠がたくさんいるのに気がついた。

「蝙蝠か…あんまりいい思い出はないな…」

霖之助はその蝙蝠に怖気ずに扉をゆっくりと開いた。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………


それは部屋と言うより真っ赤な光に包まれた別世界だった。

「な、なんだこの部屋は!?」

ギイイイィィィィ…………バタン!

「扉が!」





「あーあ、霖之助さん、閉じ込められちゃったわね」
「ああなったら、フランと戦って勝つか…あるいは…」
「あるいは…」
「フランが飽きるのを待つしかないな」
「あはは…」






「とりあえず…この空間を進んでみない事には始まらないからな…」
霖之助は歩き出した。

ガツンッ

「痛ッ!」

霖之助は何かにぶつかった。
「ん、何だコレは…見えない壁…」

キラッ

「どうやら一時的に光が通って、迷路の用になっているみたいだな…
 迷路の抜け方は簡単な事だ。
 どちらかの壁伝いに通っていけば道は開ける。」

霖之助は再び歩き始めた。





「はあっ…はあっ…なぜだ………いくら歩いても出口が無い!」

霖之助はかれこれ3時間程迷路の中にいた。

「これは通常の迷路じゃないな…どうしたら………」

霖之助は座り考える。









「ふふ………私の『恋の迷路』抜けられるかしら?」

紅の空間に声が響く。








「ん…なんだ、この薄っすらと輝く光は…」

霖之助は地面にうつっている光を見つけた。

霖之助は地面を触ってみる。

「これは…地面にあるわけじゃないな…上か!?」

霖之助の頭上には薄っすらと輝く光の球体があった。

それはゆっくりと道を照らしていく。

「なるほど…これについていけばいいのか…」







「よく分かったわね…では次はどうかしら?」






「お、香林が恋の迷路を抜けたぜ」
「よく分かるわね…あんな短時間に…私はパターン読んでからだしねぇ」






霖之助は迷路を抜けて歩き続ける。
そこには…

クランベリーの木があった。

身の丈20cm位しかないであろう、小さな小さな木。
しかも一面に…


「この香りはクランベリーか…」

「とりあえず摘んで魔理沙にでも持っていってやるか」


霖之助は足早にその場を立ち去った。




「ふう…あれ食べたら大変だったぜ」
「クランベリートラップ…
 一粒でも口にしたら他のクランベリーが弾幕となって襲ってくるのよ」
「なんだ霊夢、くらった事あるのか?」
「まさか、全部カスったわよ」
(さすがだな…)





「ふふ…そうこなくっちゃ…
 次は月の檻に閉じ込めるわ…」





「まだつかないのか?」
霖之助の体力は少しずつ減少し始めている。



「また何かあるはず…」
霖之助が思った矢先!

霖之助は四方を鉄格子で固められていた。

(鉄格子…しかもこの形は!)

「カゴメカゴメか!
 しかし、隙間から私は抜けさせてもらう!」

霖之助は鉄格子の隙間から抜け出し、走る!

ガシャアアアアン

         ガシャアアアアアン

      ガシャアアアン


次々と鉄格子が振ってくる。

霖之助は次々とそれを避け、走る。






「おっ、おおっ…頑張れ!香林!」
「魔理沙…なんか、楽しそうね」
「こんなおもしろい番組他にないぜ!」
「確かにね…霖之助さん、命張ってるし…」







「カゴメカゴメも抜けたのね…いいわ、私が行きましょう…」







「いつまでこんな事をやらせるつもりだ!」

「そんなに怒らなくてもいいじゃない」

「………君が悪魔の妹かい?」

「そうだよ、私がフランドール・スカーレット」

「実は君にお願いがあって来たんだ」

「私の防犯対策の調査?」

「そう………ってなぜそれを!?」

「お姉様から聞いたの…
 今度そいつが来たら、好きにしちゃっていいって」

「ま、待て!とにかく、君は防犯は心配ないんだね!?」

「当たり前じゃない、こんな所に来るなんてお姉様かパチュリーか咲夜位のものだもの」

「じゃ、私はこれで…」

「逃がさないよ…
 あなたはここで私と遊ぶの…」

「くそっ!
 どうせ逃げられないだろうし…
 いいだろう、私も男だ!
 その勝負、受けて立つ!」









「あいつ…バカか?」
「霖之助さん…死んだら幽々子に宜しく言っとくわ」
「どこまで耐えられるか見物だな」
「どうする? 賭けでもする?」
「いいな、それ。
 じゃあ、私は途中でやられるにこの饅頭賭けるぜ」
「分かったわ。
 私は生き残るにこの団子を賭けるわ」

「勝負だぜ」
「勝負よ」


こちらも別の意味での勝負が始まったようで…






「それにしても紅魔館に侵入するなんて命知らずな人ね」
フランは手に持っていた杖を、炎の魔剣へと変化させる。


「それが噂に名高い悪魔の魔剣、レーヴァテインか…
 なら、私もそれに相応しい物を出させていただく」

霖之助は懐に持っていた符を取り出し、叫んだ。

「来い!草薙の剣よ!」

光が迸る。
次の瞬間、霖之助の手には剣が握られていた。

「それがあなたの剣?
 そんな刃毀れした剣じゃ私のレーヴァテインは受け止められないよ」

「ふん、そう思うならかかってくるがいい!」

「じゃあ、行くよ!」






「あの剣は…私のがらくたの中にあったやつだぜ…」
「魔理沙、勿体無い事をしたわね…」
「あんなに価値の高いものだったとは…してやられたぜ。
 ま、あとで香林の所から何か持っていくか」





ガキィィィィン

「私のレーヴァテインが受け止められた!?」

「だからいったろう!甘く見るなと!」



「剣がダメならこれからどう!
 禁忌『フォーオブアカインド』!」

フランは4人に分身した。

「私にそんなまやかしは通じない…」

霖之助は抜刀の構えをして、剣閃を放った。

ぶんっ………

ボンッ!

「!」

「わ、私の分身が…」

「私には生半可な攻撃は効かないよ…お姉さんから聞いていなかったのかい?」

「こいつ、お姉様の時より強くなってる…」

「なら!
 禁弾『カタディオプトリック』!」

フランは反射弾を全方位に発射した。

「こんなもの、よく見ていればかわせるさ…」

「その甘さが命取りよ!」

フランは右手を前に突き出した。

「!」

反射弾はその場で停止し、ふよふよと彷徨っている。

「この技は!?」

「パチュリーに教えてもらった、ダブルスペルよ!」

「禁弾『過去を刻む時計』!」

二つの巨大なレーザーの時計がその停止させた反射弾を動かす。

「くっ、これは、なんて読みづらい弾道なんだ!」

「まだまだいくよ!
 禁忌『レーヴァテイン』!」

フランは霖之助が避けている所に切りかかった!

ガキィィン!

「なかなかやるな!フランドール嬢!」

「あなたもね!霖之助!」

霖之助はフランを対峙している。

そこに…

「これがあなたの地獄巡りの片道切符…」

突然後ろから声がした。

そこにはいつのまにかに発動していた。
フランのフォーオブアカインドの一体がいた。

ガプッ!

「ぐっ、ああああああぁぁぁぁぁ!」

分身したフランは霖之助の首筋に噛み付いた。

霖之助は痛みで草薙ノ剣を落としてしまった。

「くそっ!」

霖之助はフランを離し、治癒法を行い、剣を取りに行く。

だが…

そこには…

ガシンッ

草薙の剣をとらせまいかのようにフォーオブアカインドのフランがいた。





「この賭けは私の勝ちかしら?」
霊夢はニヤニヤと魔理沙の方をみる。
「まだ、勝負はついたわけじゃない!
 あいつには、まだ秘策がある!」






「ここまでのようね…
 禁弾『スターボウブレイク』!」

フランは杖を弓矢に変化させ、思い切り引く!

「行け!七色の破壊の神よ!奴を壊せ!」

霖之助は何か詠唱している!

(まだだ、まだ早い……………いまだ!)

「隠『うつしみ』!」

ドゴゴゴゴゴゴ!

七色の矢は霖之助がいた場所に集中する!

「やった…の?」

しかし、そこには何もなかった…。

「どこへ!?」

フランはあたりを探る

「危ない………うつしみ、初めて成功したよ。
 教えて貰っておいて正解だったようだな…
 後で霊夢に御礼をしないとな」

「しぶといなぁ…人間は…
 もう…おわりにしよう」

「ああ、こっちも疲れた…」

「秘弾『そして誰もいなくなるか?』!
 QED『495年の波紋』!」

全方位から、不規則弾、偶数弾、奇数弾、ランダム弾、全てが霖之助に襲い掛かる!

「あれを使うしかないようだな…」

ドガガガガガガガ…





「霖之助さん、無事にいられるかしら?」
「正直避ける場所を気合だからなぁ、あのスペルは…
 そろそろ使う頃だと思うんだが…」
「さっきから何の事?」
「あいつの本気は怖いぜ…なんせ弾やレーザーがまったくあたらないんだからな…」
「そんな技を…」
「技というより…あれがあいつの本性だぜ」
「霖之助さんの本性?」
「ああ、一度みれば脳裏から離れなくなるぜ」




「これで…」

しかしそこには霖之助の上着しか無かった。

「またいない!」

「ふははははははは!」

霖之助は高い所で高らかに笑っていた。

しかも褌を靡かせて…。

「な、なんなの!?
 あなたの格好は?」

フランは霖之助のあられもない格好を見て、驚く。

「今の私は完全無欠!疾風怒濤!天地神明!
 つまり何も効かないんですよ…」

霖之助は腕を組み力説する。







「………………」
霊夢は口を開けっ放しだ。
「だろ…一度みると脳裏から離れない…」
「霖之助さん…壊れたわね…」
「最近おかしいんだぜ、香林は…前は家の庭で倒れながら星を見てたしな」
「私の神社でも落とし穴に霖之助さんがかかっていたわね…」







「こっのっ!」
フランは発狂し、弾幕の早さ、密度、共に最大級となる!

「ふははははは!
 無駄!無駄ぁ!」

霖之助は華麗に避ける。

そしてフランの目の前に現れる。

「ひっ…」

「可愛い子猫ちゃん…笑っている方がずっといい…」

霖之助はフランの顎をくいっと持ち上げる。

「いやっ………いやぁぁぁぁぁぁ!」

霖之助の唇がフランを襲う!







「霖之助さん…このまましちゃうのかな…」
「アイツを止めるのは苦労するぜ…」
「どうやって止めたの?」
「前回はブレイジングスターで、気絶させた」
「無傷なの?」
「ああ、無傷だったぜ」
「どんな体してるのよ…」





「このままじゃ、フランが危険だわ」
「咲夜、いくわよ!」
「はい!」

いつのまにか部屋の隅の方で傍観していた二人だった。
しかし、フランの危機を見て、救出に入る。

「ザ・ワールド…」
「さ、お嬢様。
 今の内に妹様を…」

「ありがと、咲夜。
 私の大切な妹をあいつの毒気にさらしたくないわ」

レミリアはフランを連れて戻ってくる。

「霖之助さん、ごめんね」

ドカッ

咲夜はナイフの柄で霖之助の首筋を叩き気絶させる。

「そして、時は動き出す…」



「いやぁぁぁぁ、離して!離してよぉ…」
「フラン、落ち着いて。
 大丈夫よ」

「お、お姉様…
 うっ、うっ、うわぁぁぁぁぁん…怖かったよぉ…ひっく、ひっく…」

「ほらほら、泣かないの…」

「でも、お姉様いつからそこにいたの?」

「霖之助が服を脱いだあたりからね…
 いつでも、飛び出せるように準備していたのよ」

「ありがとっ、お姉様」

「いいこね…
 咲夜、霖之助を運んで頂戴」

「分かりました」

霖之助は気絶したまま咲夜に連れて行かれた。





「魔理沙、賭けは私の勝ちね」
「ちぇ、仕方ないなぁ、途中でやられると思ったんだけどな」
「じゃあ、いただくわね」
魔理沙は饅頭を霊夢に差し出した。
「おいしいわね、やっぱり」





「はっ、ここは…?」
「お目覚めはいかが?
 霖之助さん?」

「君は咲夜君…」

「ようやく目が覚めたようね」
レミリアがドアを開けて入ってくる。
続いてフランも入ってくる。

フランはレミリアの影に隠れるようにおずおずと霖之助を見る。

「まったくフランをここまで脅かすのはあなたが始めてよ…」
「すまない…どうやら褌一枚になると性格が変わってしまうらしい…」

「ねえ、お姉様…」
「何…フラン?」

「これ、頂戴!」

「は?」
「え?」
「いいでしょう、ねえ、お姉様」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。
 またさっきみたいに君を襲うかもしれない…」

「そしたら、またお姉様と咲夜が助けてくれるもん、大丈夫だよ」
「だ、そうよ。咲夜」
「お目付け役ですか…いいんじゃないですか」
「そうだよ、私も久々に全力出せたし…楽しかったもん」
「じゃあ、しばらく紅魔館に寝泊りして、フランと遊んでくれる?」
「まあ、そっちがそういうなら問題は無いが…」
「じゃあ、フランの相手、宜しく頼むわね」
「傷ついた時はおっしゃってくださいね、
 パチュリー様に治癒の魔法でも創ってもらいますから」
「はは、たのもしいな…はぁ」





「霖之助さん………紅魔館に寝泊りだって」
「頑張れ…香林」
「偶には遊びに行ってみる?」
「そうだな、香林を茶化しに行くか!」

二人は紅魔館へ遊びにいく事にした。






「香林です。
 此処、紅魔館は毎日が地獄とです。
 香林です。
 妹様と遊ぶのですが手加減してくれません。
 香林です。
 もう何回も死にそうになったとです。
 香林です。香林です。香林です。」
香林残機がマイナスとなっても生きています。
最強です。
ちなみに褌状態が残機マイナス。


これで、紅魔郷編は終わりとなります。
ルーミアやチルノは?
という声は住んでいる場所がわからないので、省略させて頂きました。
次は妖々夢編へと続きます。
これからも香林の事を宜しくお願いします。
カシス
[email protected]
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コメント



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2.無評価悪仏削除
×香林
○香霖 では・・・?
4.30東方歴三ヶ月削除
魔界村?
14.無評価カシス削除
>悪仏さんへ
失礼致しました。
これからは間違えないように致します。
20.80名前が無い程度の能力削除
コーリン燃えな自分はこの問題作を放っておくわけにはいかないのですよ!
23.70沙門削除
 フランドールに「香霖フラッシュ」が炸裂していたら、どんな大惨事になっていた事やら。褌師コーリンの明日が有るのか無いのか、次回期待しています。