Coolier - 新生・東方創想話

structure and force of non-malicious sexual harassment

2012/06/17 17:57:34
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1.structure of a saint of malicious middle management
 封獣ぬえは大きなあくびを一つ漏らし、両手を頭の後ろで組みながら退屈そうにあたりの風景を見渡した。
 命蓮寺からとある小さな村につながる、街道と言うにはあまりにもお粗末で、獣道と言うにはあまりにも広すぎる道。周囲に人の気配はない。年にどれほどの人間がこの道を使っているのだろう。少なくとも妖怪はわざわざここを通ることがない――通りたければ空を飛ぶし、人間を待ち伏せして食事を摂るにはあまりにも非効率的だ。

 (そう、空を飛んでいけば良いだけなんだよな……。その方が早いし、楽だ。)

 そう思いながら横目でちらりと寅丸星の方に目を遣る。彼女は楽しそうに、嬉しそうに大きな風呂敷を両手で抱えながら歩いていた。

 そもそもこんな、誰からも必要とされてない道をわざわざ歩いているのは彼女、寅丸星の発案だった。
 曰く、「空を飛んでいるところを人間に見られたらどうするんですか。私たちは命蓮寺の遣いとして行くんですよ。ちゃんと、人間らしく振舞わなければ聖に迷惑がかかります。」とのことであり、ぬえも一旦は納得したが、考えれば考えるほどそんな必要はないのではないか、という疑問が湧いてくる。

 (っつーか、凄い今更だよな。響子とかナズーリンには耳も尻尾も生えてるし。私も羽生えてるし……。ってかそういう意味では私を連れてくこと自体がかなりのリスクなんじゃないのか?小傘は……小傘はいいか別に。)

 ぬえは反対側の多々良小傘にも目を遣った。傘をグルグルと回しながら歩いている。何を考えているのかはわからないが――まぁ、多分何も考えてない。

 (精々大きな傘を持った頭のおかしい女とか、そんなもんで済むだろ。頭おかしいしな。合ってる合ってる。命蓮寺の評価に関して言えば間違い無くマイナスだけど。)

 ぬえが小傘を見ながら勝手なことを考えていると、それに気づいたのか気づいてないのか、小傘もぬえの方を見て不思議そうに声をあげた。

 「どしたのぬえちゃん。」
 「……や、お前何でついてきたのかなって。」
 「そりゃあぬえちゃんと一緒だよ。」

 小傘が自信満々に答える。

 「暇。」
 「……そう。」

 特に否定する材料もないのでぬえはそこで話を打ち切った。二人の会話を聞いていた星が不満そうに言葉を漏らす。

 「二人共……。もうちょっとやる気を出してくださいよ……。」
 「そんなこと言われてもな……。」
 「ねぇ……。」

 ぬえは歩きながらここぞとばかりに星に対する不平不満を一気にぶつけた。

 「そもそもな、何で私達なんだよ。ナズーリンで良かったじゃん。そうじゃなくとも一輪とか村紗とか……。っていうか、お供がいらねぇよ。隣の村の寺子屋まで教材を届けに行くだけだろ?荷物全部お前が持ってるじゃん。私達いらないじゃん。何しに行くんだよ。散歩か。私達は散歩してるだけか?あ?」
 「色々とですね……。事情があるんですよ。」

 星は悲しい顔をしながら荷物を地面にそっと置き、足を止めて語り始めた。

 「まず、私はそんなに一輪や村紗と仲良くないんで……。」
 「いやそんなカミングアウト聞きたくないんだけど。」
 「一緒にお昼とか食べてても話すことないんですよね……。」
 「やめろよ。」
 「もうほんと……。やっぱ私が地底に行かなかったこと絶対怒ってると思うんですよね……。それまでこんなことなかったですしね……。」
 「やめろって。」
 「でも私のお弁当見て『だし巻き玉子っすか(笑)色似てますね(笑)』『それ狙ったんですか寅丸さんずるいなぁ(笑)』とか言うのは流石に酷いと思いませんか!?」
 「知らねぇしやめろ!」
 「寅丸さん何か普通にかわいそう……。」

 小傘が思わず憐憫の声をあげる。星は涙目になりながら彼女の手をそっと握った。

 「ありがとう……。ありがとう小傘さん……。そんなこと言ってくれるの小傘さんぐらいですよ……。」
 「あー、じゃあナズは?何で連れてこないんだ?」

 どうでも良い茶番が始まりそうな気配を察知したぬえは遮るように質問を投げかけた。星はぱっと小傘の手を離し、事も無げに答える。

 「有給です。」
 「有給……。あるんだ。」
 「正確には代休ですね。宝塔を探してもらった時のが時間外労働だったので……。」
 「また妙に生々しい話をするな……。」
 「本人も『ちょっと旅行に行ってくる。』って言ってましたし、じゃあ、この前の代休使おっかー。みたいな。」
 「そんな軽いノリで休めるんだな。」

 ちょっと意外そうな顔をするぬえに対し、星は髪の毛を人差し指でぐるぐると巻きながら続ける。

 「今厳しいんですよ。過労死とか何だとかで。休ませないと上から怒られるし。個人的にはナズーリンは使える子なんで死ぬまで馬車馬のように働かせて最終的にはボロ雑巾のように捨てたいとは思ってるんですが……。」
 「寅丸……。お前って……。意外と最低な奴だったんだな……。」
 「使われて捨てられる分だけマシだよ。」
 「いやそのな……。なんつーか……。いやもういいや……。もういい……。」

 真顔で星の話に乗っかってきた小傘によって、とうとうぬえは話を続ける気力を失い大きなため息をついて黙ってしまった。代わりに小傘が星に対して抱いていた疑問を口にする。

 「そういえばこの荷物って寺子屋の授業で使う教材なんだよね?」
 「ええ、そうですよ。」
 「命蓮寺で授業すればいいんじゃないの?」
 「うーん、まぁ、それはそうだと私も思うんですけどね。中々そうもいかないっていうか……。」

 星はバツの悪そうな顔をしつつ歯切れの悪い回答を続ける。

 「……何しろ人手不足ですからね。信者は増えてきてはいますが……。人間の子供を教育出来るような人材がうちにはいないですし。余裕も……ないですしね。」
 「なるほどねぇ。」

 小傘はぬえや自分が人間の子供に対して何かを教えている姿を想像してみた。そしてすぐさま「あ、無理だな。」と一人納得した。意外と素直に納得した彼女を見て寅丸が本音をこぼす。

 「うちでやるぐらいなら、既にどっかでやってるところに恩を売っておいた方がまだマシってことですね。」
 「それもそうだね。」
 「……何か寅丸の評価が私の中でどんどん落ちてるんだけどそれはいいのか?」

 ぬえが少しだけ気力を取り戻して半眼で呻く。星が驚いた表情を見せる。

 「別に、今更ぬえが何を言ったって誰も信じるわけないじゃないですか。」
 「……。」
 「わちきはいいの?」
 「小傘さんも多分信じてもらえないと思いますよ。」
 「ああ……。そっか。わちきが誰かを驚かそうと嘘を言ってると思われるだけだね。」
 「そういうことです。その辺はきちんと計算してますよ。」

 にっこりと笑顔でそう答える星を見ながら、ぬえはもう一度大きなため息をついた。



2.structure of sexual dynamic toy
 いつの間にか三人は道の途中の木陰で休憩していた。ぬえはぐったりとした顔でうたた寝を繰り返している。退屈しのぎに小傘が星に質問を投げかけた。

 「その教材って、何が入ってるの?」
 「え……。さぁ?聖が全部選んでたので、私も詳しくは知らないんですよね。」

 そう言いながら星は荷物を崩さないよう中の物を手探りで取り出し始めた。

 「大したものは入ってないと思いますよ……。あ、これは……。縄跳びかな?」

 笑顔で星がそれを取り出した瞬間、カチッと小気味のいい音を鳴らし、周囲一帯に静かな振動音を聞かせ始めた。彼女の手の中でコード付きのピンク色の物体が震え続けるのを小傘は無表情で眺め続けている。彼女の様子がおかしいことに気づいた星が手の中のそれに目を遣った瞬間絶句する。二人が急に静かになったことに気づいたぬえが目を覚まし、それから星を見て、怪訝そうな顔をする。

 「……。」
 「……。」
 「……。」

 誰も何も言わなかった。各々が今起きていることに対し正確な判断を下そうと務めている。最初に沈黙を破ったのは小傘だった。

 「ねぇぬえちゃん。」
 「ん。」
 「あれってロ」
 「スタァーーーーーーップ!!!」

 星は咄嗟に小傘に対して回し蹴りを浴びせた。小傘が素っ頓狂な悲鳴とともに5mほど吹っ飛ぶのを横目で見ながらぬえが続ける。

 「寅丸……。それは……。それはどう見ても……。」
 「いけません!いけませんよぬえ!それ以上これについて言及するのは危険です!」

 ぬえの言葉を遮るように星は叫び続けた。手の中のその物体は、スイッチを切り忘れているのか、握り締められて更に卑猥な音を出し続けている。いつの間にか戻ってきた小傘が空気を読まずに発言した。

 「でも……。それ、わちきドンキで見たことあるよ。そのロー」
 「そう!ローエングリン!異国の神々が創りだした悪魔的兵器!口にするのも禍々しい!やばい!実際キケン!」
 「神々が創りだしたのに悪魔的兵器なんだな……。」
 「そうです!やばいです!何でこんなものが!危ない!危険が危ない!こんなものは封印です!破壊しましょう!ソイヤッ!」

 星は手に持ったそれを思い切り地面に叩きつけ、スペルカードの詠唱を始めた。今までにないほどテンパッている彼女を見ながらぬえが不安そうに呟く。

 「他にもこんなもん入ってないだろうな……。」
 「そうだね。他の悪魔的兵器も混入している恐れがあるね。」
 「全く一体誰がこんな悪戯……、いや、罠を仕掛けたのでしょう。また守矢の連中でしょうか。いい加減どちらの立場の方が上なのか知らしめてやる必要がありますね。」
 「流石にこんな遠回しな方法をとってはこないと思うけどな。」

 肩で息をしながらピンク色の物体を破壊し終えた星を適当に流しつつぬえは荷物の中に手をやり、適当に掴んだものを取り出した。

 「おー……。これはこれは。」
 「うっわー。こんなの本当に入るの?」

 小傘は思わずぬえの手に掴まれた、男の象徴を模した凶悪な棒状の物体に対して嫌悪の表情を見せた。最早どうでも良くなってきたぬえが無表情で小傘の質問に答える。

 「まー入らないってことはないだろ。案外入るもんだよ。筋肉ってのは凄いんだよ。」
 「そうなの?わちき使ったことないんだよね……。……これ聖さんが選んだんだよね?聖さんなら入るのかなこのバ」
 「シャーーールァァップ!」

 星が小傘の顔めがけて跳び膝蹴りを喰らわせる。悲鳴こそあげなかったものの、鼻血を出しながら昏倒する小傘を無視して彼女は再度ぬえに向かって吠えた。

 「ぬえ!早くそのバリスタを!バリスタを私の手に!早く破壊しなくては!」
 「ローエングリンよりは上手いと思うよ、その呼び方。」

 そう言ってぬえは歯をむき出しにして睨みつけてくる星に棒状のそれを投げて渡した。彼女はそれを受け取るやいなや、スペルカードも唱えず己の太ももに叩きつけて真っ二つにへし折った。意外と武闘派なんだな、と、ぬえはどうでもいい感想を抱いた。

 「あああああもうあのクッソ守矢ァァァァ!今度と言う今度は絶対潰す!戦争だ!全面戦争だ!守矢死すべし!イヤァァァァーッ!」
 「寅丸落ち着け。証拠がないだろ。」
 「ハァ?こんなん他に誰がやるって言うんですか?あれか?最近復活した新手の宗教団体か?そっちも潰せばいいのんか?あ?」
 「……聖がうっかり間違えて入れてしまったって可能性もなくはないだろ?」
 「あ?お前おい、お前何チョーシぶっこいてんの?あんま調子乗んなよ?毘沙門天舐めてんのかコラ。おい。何とか言えやこのクソ小娘。古の大妖怪その1(ヘタレ)のクセに聖がこんなもの持ってるとか言って良いことと悪いことがあんねんぞ?聞いてんのかこのボケ。アホ。」
 「えい。」
 「あっ。」

 ぬえは渾身の力を振り絞って星のみぞおちを殴り抜けた。彼女は短い悲鳴とともに倒れかかってくる星を抱えながら、再度いつの間にか復活した小傘に向かって話しかける。

 「小傘、とりあえずその荷物全部一回出してみよう。」
 「いいの?」
 「他にもあるかもしれない……、ってか、下手したら全部こんなのかもしれないしな。一回出しとこうぜ。」

 特にそれ以上訊くこともなく、小傘は風呂敷の結び目を解きはじめた。



3.structure of agitation and silence
 「しかしまぁ……。誰だか知らんがよくこんなに集めたもんだな。」
 「凄いねー。フリーマーケットぐらいは開けるんじゃない?」

 風呂敷の中にぎっしりと詰め込まれていたアダルトグッズを前に二人は間抜けな感想を漏らした。ぬえが適当な、クリオネのような物体を摘んでしげしげと眺める。

 「何に使うのかよくわかんないもんもあるな。なんだこれ?」
 「あ、ぬえちゃんそれはね。前立腺を」
 「いや、それ以上は言わなくていい。なんとなくわかった。」

 説明を続けようとする小傘を制止して彼女はポイと風呂敷の上にそれを投げ捨てた。何故か不満そうな顔をしながら小傘も荷物を漁り、一冊の雑誌を見つけて驚きの声を上げた。

 「あっ!実話ナックルズだ!懐かしい!」
 「お前ナックルズとか読んでたの……?」
 「わちきね、これに載ってる、出会い系サイトの広告、あの、くっだらない漫画が大好きだった時期があった。」
 「そう……。それは……。暗い趣味だな。」

 ぬえは引き気味に言ったつもりだったが、小傘は全く意に介さずペラペラと雑誌をめくっている。ふぅ、と小さくため息を漏らした後、ぬえは一人思索を巡らせ始めた。

 (順当に考えれば……。聖が何かと間違えて寅丸にこれを渡したって考えるのが一番妥当な結論なんだよな。)

 樹の幹にもたれかかって気絶したままの星を見ながら、ぬえは更に思考を進める。

 (何でこんなものが命蓮寺にあったのかは……。わからない、が、何にせよこれを隣の村の寺子屋に持って行かせようとはしてないだろう。なら、一旦戻って正しい荷物を受け取って来る、以外に、ないよなぁ……。……ま、その後は寅丸一人に行かせればいいし……。戻るか。)

 とりあえず自分が取るべき行動を決定したぬえは小傘が熱心に読んでいる雑誌を取り上げ、開いた荷物を再度まとめ始めた。

 「ん?ぬえちゃんどうしたの?」
 「命蓮寺に戻ろう。これを持ってくわけにはいかないだろ。」

 頬をぽりぽりとかきながら小傘も彼女に同意する。

 「うーん。まぁそうだよねぇ。寅丸さんはどうするの?」
 「後で起こすよ。とりあえず手伝ってくれ。」
 「その必要はありません。」

 目を血走らせた星が突然ぬえの前に現れ、思わず彼女は手に持っていたクリオネのような物体を手から落としてしまった。小傘が何事もなかったかのように星に挨拶する。

 「あ、おはようございます寅丸さん。」
 「おはようございます小傘さん。そしてぬえ。ありがとうございます。あなたがいなければ私はまたも道を違えるところでした。」
 「え、あ、うん。」

 予想外の言葉に反応できずにいたぬえを尻目に星は手際よく荷物をまとめ始めた。

 「冷静になって考えてみれば、確かに守矢の連中やその他新興宗教団体がわざわざこんなことをするとは思えません。」
 「あ、うん、わかってくれればいいんだけどね。」
 「しかしぬえ、貴女は一つ認識を誤っている。」
 「え?」
 「聖は過ちを犯しません。」
 「……え?」
 「この荷物は私が責任を持って寺子屋まで届けます。聖は過ちを犯しません。つまり、この荷物は届けられるべくして届くのです。聖の、命蓮寺の意志として。」
 「ちょ、ちょっと?寅丸?」
 「私のミスで二つほど破壊してしまいましたが……。大丈夫です。お二人に迷惑はかけません。私のミスですから。私が誠心誠意謝ってきます。もうお二人は帰ってもいいですよ。本当にすみませんでした。」
 「寅丸さん……。顔が怖いんだけど……。」

 小傘がぼそりと呟く。星は目を血走らせたまま無表情に、無感情に続けた。

 「私は怒っているのです……。自分自身の思慮の足りなさ、不甲斐なさに……。よくよく考えてみれば、隣の村は過疎地域です。子を為すのも一筋縄ではいきません。ならば、真に必要な教育とは何か?」

 星は突然両手を大きく開き、叫んだ。

 「性教育に決まっています!」

 そして再度荷物をまとめながら小さな声で喋り始める。

 「そこまで見越した聖の意思を……。私は……。気づけなかった!こんなに!こんなに悔しいことがありますか!?」

 感情をむき出しにして問いかけてくる彼女に二人は動けずにいた。彼女の手は強く握りしめられ、手首の方にかすかに血が滴っている。何の返答もない二人に対して彼女は更に続けた。

 「これは私の問題です。お二人は先に命蓮寺に戻り、聖に伝えて下さい。『寅丸はしっかり責務を果たした』と。……それでは。」

 荷物をまとめ終えた星はそれ落とさないようしっかりと抱え、再度村の方へ一人歩き始めた。



 星に圧倒され、そのまま立ち尽くして見送ることとなった二人は、しばしの沈黙の後、どちらともなくぽつりと呟いた。

 「帰ろうか……。」
 「そうだね……。」



4.structure of non-malicious sexual harassment
 「あれ?」

 雲居一輪は思わず声を上げた。その声に反応して、たまたま近くにいた聖白蓮が彼女に声をかける。

 「どうかしましたか、一輪。」
 「あっ、姐さん――あ、あの、ここに置いてあった風呂敷の包み、ご存じないですか?」
 「風呂敷……?さあ……。私は見てないですね。」
 「あー……。そうですか。わかりました……。」

 明らかに狼狽えている一輪に対し聖は心配そうに提案する。

 「何か、大事なものが入っていたのですか?ナズーリンに相談してみては……。」
 「いや……。大事なものではない、ですね。」

 一輪は思わず苦笑した。

 「地底の封印が解けた時に、当時仲良くしてもらっていた連中にもらったものなんですが――その、あまり、使えるものではないので捨てようなかと。」
 「まぁ。いけませんよ一輪。中身はどうあれ善意でもらったのですから、捨てるなんて。」
 「……そう、ですね。ええ、きっと今ここにないのは仏の御心なのでしょう。考えなおしてみます。」

 一輪は思わぬ説教を回避しようと笑顔で答え、聖が満足気にその場から離れるのを見届けた後、誰もいない部屋の中で独語した。

 「とはいえ……。あれをいつまでもここに置いておくわけにはなぁ……。あ、ぬえとか意外と欲しがるかな……。小傘ちゃんとかも案外……。でも結局聖にバレたら意味ないし、捨てるしかないんだよなぁ……。」

 一輪は頭をかきながら大きなため息を一つついた。
何か一つ、ポップなもんを書きたいなーと思って、何にも考えず書いてみたらこんなものになってしまいました。

今回のBGM
七尾旅人 / ヘヴンリィ・パンク:アダージョ
サニーデイ・サービス / サニーデイ・サービス
キセル / 旅
Date Course Pentagon Royal Garden / Structure Et Force
D'Angelo / Voodoo
Art Blakey & The Jazz Messengers / Night In Tunisia
James Brown / Love Power Peace
いぬじに
http://twitter.com/inujini_
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コメント



0.870簡易評価
3.90名前が無い程度の能力削除
この星ちゃんみたいなのを真面目系クズっていうんだろうか。

創想話のオモチャが出てくるSSだと大抵○ーターくらいなんですけど、こちらでは種類も豊富なんですね。
4.50名前が無い程度の能力削除
(iPhone匿名評価)
6.80名前が無い程度の能力削除
なんぞこれw
英語タイトルから硬派なものかと思ったら、まさかの……w
7.80奇声を発する程度の能力削除
タイトルとのイメージがww
8.90ぺ・四潤削除
タイトル読めなくてなんとなくシリアスなのかなって読み始めてたんだけどなんだこの星ちゃんはww

この命蓮寺のみんなの普段の様子を見てみたいww
9.100名前が無い程度の能力削除
クズだー!
11.100名前が無い程度の能力削除
この命蓮寺はもう駄目かもしれませんね
特に星ちゃんが…
12.90名前が無い程度の能力削除
>>星くん
頭イカれちまってんのか
14.70名前が無い程度の能力削除
わろす
18.60愚迂多良童子削除
笑ったけど下ネタがキツいw
21.100名前が無い程度の能力削除
これはひどい!
23.50名前が無い程度の能力削除
(iPhone匿名評価)
24.90名前が無い程度の能力削除
これはひどい。
25.100名前が無い程度の能力削除
この星ちゃん素敵
26.無評価いぬじに削除
ある程度コメントがついたかな、って感じがするのでたまには返してみましょう。

>星ちゃんがクズ
どちらかと言うと雲居の方がクズだと思いますが、幻想郷にはクズの眷属しかいないを持論としているので、皆クズです。

>大人のおもちゃ
実話ナックルズは別にアダルトグッズじゃないよな、と今読み返して思いました。たまに読むと面白いですよね。東スポみたいなエンターテイメント性があります。でも立ち読みでしか読んだことがありません。

>タイトル
タイトルは出来るだけ仰々しく、内容は極めて馬鹿らしく、をテーマに書いたので、固いタイトルにしたかったんですが、翻訳すると「悪意なき性的悪戯の構造と力」なのでタイトルも馬鹿馬鹿しいですね。
元ネタは浅田彰ですけど、完全にDCPRGの影響です。

こんなところでしょうか。
また次回作でお会いしましょう。ここまで読んで下さった方々、ありがとうございました。
31.80名前が無い程度の能力削除
駄目人間……いや、駄目妖怪しかいねえwww
33.80名前が無い程度の能力削除
ぬえが一番まともなような・・・www
七尾旅人いいよね。俺も好きです。
34.90名前が無い程度の能力削除
これはひどいw
小傘ちゃんの扱いも安定してるな
39.100エロガード・エロリップ削除
美鈴や鈴仙とは違い、寅丸からはなんとなく真面目系クズの香りがしてた。