Coolier - 新生・東方創想話

鬼と人

2012/05/07 01:33:36
最終更新
サイズ
1.47KB
ページ数
1
閲覧数
448
評価数
8/17
POINT
830
Rate
9.50

分類タグ

 鬼は力持ち。
 空に望月。
 地に尻もち。
 酒を呑んだ鬼っ子は、異国の道端で芸を繰り広げる道化師や。
 血に滾る幾億の命の水が、鬼を躍らせる。
 千鳥足、千鳥足。
 道化も驚く稚拙な舞踊。
 手に持つ手荷物。酒瓶、瓢箪、酒樽。
 酔って尚も呑む姿、そいつはまさに酒呑みの鑑。

「やぁやぁー、こんばんは」
「おやおや、こんばんは。酒呑んで陽気な鬼っ子がおいでなすった」

 店に入る、熱い息をはく少女の頬は柘榴のように真っ赤。
 幼いながらも妖艶な、その姿はまさに人を惑わす鬼のそれ。
 出迎えるのは骨と皮と酒だけで出来た、死にかけの老いぼれ爺。

「やいやい小鬼や、その手に持っとるもんは何だ」
「おうおう爺、とうとう目ん玉腐ったか、こいつはかの有名な『鬼殺し』なる酒よ」
「酒持って居酒屋に入るたあ、とんだ客だ。
 それにどうだ、小鬼や小鬼。お前は鬼だが『鬼』殺しに殺されちゃあいねえだろうが。
 『鬼殺し』も名折れだなぁ、こいつぁ」

 店で酒呑むど阿呆ども、それを聞いて大笑い。

「銘酒でも名酒でも、酒では鬼を殺せないってこったぁ!」

 調子にのった小鬼、無い胸張って大笑い。
 こうべより伸びる一対の角を、ぶうんぶうんと振り回し、そこいらを駆け回る。
 やあやあ、これは危ない。
 そう思えども、ど阿呆どもは酒は放さず大笑い。

「まぁまぁ落ち着け、阿呆鬼」

 老いぼれ一声、ようやく落ち着く阿呆な小鬼。

「こいつはすまんな老いぼれ爺や」
「老いぼれは余計だ、いつまで経っても子童の餓鬼がよう。
 体からならまだしも、頭もわっぱじゃ洒落にもなんねえぞと」

 老いぼれ毒のある一声。
 何が面白いか、またまた笑う小童の小鬼。
 笑い終わった小鬼が一声。

「この店は客に酒も出さねえのか」
少し昔に書いた30分小説です。
始めは鬼を印象付けて書いたのですが、いつの間にか萃香になっていました。

無くなってしまった、人と鬼との絆がある。
という理想というか夢と言うかを文字にしました。
酒呑シゲ
sige_activity@yahoo.co.jp
http://chakabijin.blog44.fc2.com/
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.340簡易評価
1.10名前が無い程度の能力削除
と、東方……?
3.70名前が無い程度の能力削除
こういうの好きだ。
4.10名前が無い程度の能力削除
東方でやる意味(ry
5.無評価酒呑シゲ削除
確かに、創想話でアップしていい作品じゃなかったかもしれませんね……。
次に生かしていきます。
6.無評価名前が無い程度の能力削除
別に東方でやってもいいと思うけど単純に意味が分からんw
7.80名前が無い程度の能力削除
鬼殺し、おいしいですよね、安いけど
いうほど度数高くないし
8.70魅入る程度の能力削除
発想は理解できました

ただもう少しストーリー性がないと読む側は・・・
12.無評価名前が無い程度の能力削除
テンポがよくて、すてきな文章ですね。
ただ、東方じゃなくて日本昔話でもよかったかなと。
13.60名前が無い程度の能力削除
良いじゃないか東方でやっても。
軽快な文章で素晴らしかったですb
14.無評価酒呑シゲ削除
色々のご意見ありがとうございます。
ただ、東方でやるには自身の趣味が大きく出過ぎている感がありました。
自己完結の物語でありますし、意味の分からない部分も多々あったと思います、それでもご感想をくれた方々、ありがとうございます。

次回の作品に生かせるように尽力いたします。
15.100名前が無い程度の能力削除
良いですね
萃香と爺さんの会話が本当に良い
16.90名前が無い程度の能力削除
>「この店は客に酒も出さねえのか」
てめえの飲めやw
17.無評価酒呑シゲ削除
>>15さん

私の考える理想の関係です。


>>16

唯一の笑いどころですね、わかってもらえてよかったですw