Coolier - 新生・東方創想話

雲居一輪は一人しかいませんでした

2012/04/25 20:27:34
最終更新
サイズ
5.83KB
ページ数
1
閲覧数
1297
評価数
46/86
POINT
5400
Rate
12.47

分類タグ

 
 名前の数字は人数を表すこと、になりました。それが今の幻想郷です。

 だから二ッ岩マミゾウは二人いますし、

 十六夜咲夜は十六人いますし、

 聖白蓮は何となく百人います。(本当は百から一を引いて九十九人でしたが何となく一人増えました)

 誰もがそれを不思議に思わず、皆がそれを受け入れていました。

 八人の紫が何かを企み、八人の藍がそれを諫め、八人の神奈子が暴れ出せば、八人の永琳が治療して、パ人のチュリーが本を読む。

 異変ではないので巫女も動きません。

 いつもの平和な幻想郷です。

 然るに、雲居一輪は一人だけでした。










 一は一です。二ではありませんし、百でもありません。

 一輪は何があっても一人でした。

 ですが、雲居ロンリーホイールを見守る一人の妖怪がいます。

 雲山です。

 雲山は一人の一輪をいつも見守っていました。

 雨の日も風の日も、雪の日も一輪のヒモ。

 雲山はいつも一輪の側にいました。

 今はもういません。風に吹き飛ばされて消えてなくなりました。

 諸行無常でした。驕ってもいないし平家でもなかったのに、雲山は霧散したのです。

 一輪は一人になりました。いえ、最初から一輪は一人でした。

 命蓮寺には多くの妖怪が住んでいますが一輪は一人です。

 星は自分の事に精一杯でしたし、ナズーリンは星のサポートに必死でしたし、村紗は白蓮しか見ておらず、聖は百人いました。

 常人なら孤独で死ぬところですが、一輪は全く気にしていませんでした。

 そう、一輪もまた白蓮しか見ていなかったのです。

 自分の人数なんて気にも留めていませんでした。

 聖の手助けが出来るのなら、そんなものは些細な事だったのです。

 今や聖は百人の魔法使い。補佐するのも一苦労でしたが、聖はできた女でした。

 これが悪戯っ子のぬえだったら、今頃は過労で死んでいたことでしょう。

 聖は百人になっても聖でした。彼女の徳の高さは変わりません。

 百人に囲まれる説法は大人気で、命蓮寺の名前は一躍有名になりました。

 おかげで命蓮寺には人が集まり、五月蠅くなったので二人のマミゾウはどこかへ旅立ちました。

 だから一輪は忙しかったのです。

「一輪ってさ、結局一人しかいないの?」

 仕事が落ち着いた頃、ぬえがそう言いました。

 彼女にしては珍しく、それは悪意のある発言ではありません。ただの純粋なる興味でしたが、一輪に衝撃を与えたのは紛れもない事実です。

 一輪は気付きました。

 自分が一人しかいないこと、

 そして雲山が消えていなくなっていたこと。

 ぬえも一人ですが、封獣ぬえの名前に数字はありません。

 雲居一輪にはありますが、一なので一輪は一人しかいませんでした。

 ようやく一輪は孤独を知りました。

 白蓮は百人もいるのに、一輪は一人しかいない。

 どうして自分は五輪や七輪ではなかったのだろう。

 一輪は己の過去を振り返りました。










 雲居一輪は何の変哲もない女の子でした。

 ただ人より少し美人なだけで、他の人よりも頭が切れるだけで、あとはどこにでもいる平凡な少女でした。

 少女はやがて大人になり、子供の頃から夢だった医者になることができたのです。

 彼女は今日も患者を治し、人々の役に立っています。

 おしまい。










 一輪は気にしない事にしました。

 何人いようと自分は自分だ。それで何かが変わるわけじゃない。

 本当ならこういう時は仲間達が現れて、お前は一人じゃないんだぜ的な事を言うものですが、生憎とみんな忙しかったのです。

 星は無くしたクレジットカードの行方を気にしていましたし、ナズーリンは星のクレジットカードで買い物を楽しんでいましたし、村紗は白蓮しか見ておらず、聖は九十九人いました。

 一人減りました。蒸発したのです。

 しかし相変わらず命蓮寺の忙しさは変わりません。

 だから一輪は仕事の量に押しつぶされることにしました。少なくとも、こうやって駆け回っている間は余計な事を考えずに済む。

 一輪はやっぱり一人でしたが、仕事の量は増えるばかりでした。

 だからなのか、やっぱりなのか、一輪は倒れました。

 働きすぎでバッタリと、廊下の上に倒れました。

 それを見つけたぬえが慌てて一輪を運び(本当はもう一人見習いがいたのですが新入りだったので名前は省きます)、聖達も血相を変えて集まってきました。

 顔色は良くありません。

 一輪は心も身体も限界だったのです。

 聖達は自分を責め、星はいつのまにか消えていた自分の残高を知り神を呪いました。





 ※八坂神奈子が七人になりました。





「しばらく休んでいなさい」

 聖の優しい言葉は、一輪には届きません。

 一輪は一人でした。だから自分が休むということは、一輪が休むということです。

 何もしない自分に価値などあるのか。聖の為に働いてこその一輪ではないのか。

 一輪は起きようとしました。聖はそれを止めました。

「起きてはいけません。安静にしていないと」

「だけど聖。私は一人しかいないのです。ここで私が休んだら、一体どの一輪に働けと言うのですか」

 聖は驚き、そして一輪の苦悩を知りました。

 部屋の外では九十八人の聖達が一輪の様子を窺っています。仮にこの部屋の聖が倒れたところで、他の聖が補ってくれるでしょう。何故なら聖は百人いたからです。(今は九十九人ですが)

 ですが一輪は一人しかいませんでした。

 聖は微笑みました。

 そう、一輪は一人しかいないのです。

「勘違いしてはいけませんよ、一輪。あなたは一人しかいない。だからこそ休まなければならないのです。もしもあなたがいなくなってしまったら、私達は一体どの一輪を心配すればいいんですか?」

 それは暗に聖なら誰か一人ぐらい死んでも気にしないという発言でしたが、現に一人いなくなっても誰も気にしていなかったので矛盾はしていません。

「雲居一輪は一人しかいません。だからあなたはあなたを大切にしなければならない」

「……はい!」

 心の中がモヤが晴れたようです。一輪は満面の笑みで頷きました。

「ですけど忘れないでくださいね。雲居一輪は一人ですけど、あなたの周りには沢山の仲間がいるということを」

 ずっと言って欲しかった言葉が、そこにはありました。

 聖が微笑み、

 村紗が励まし、

 ぬえがからかい、

 ナズーリンが呆れ、

 星のクレジットカードは使われ、

 (本当はもう一人いるのですが見習いなので省きます)

「儂もいるぞ」

「雲のおっさん!」

 最近見ないものだからすっかり名前を忘れてしまった妖怪がいました。

 一輪は愚かでした。

 子供でも出来るような、単純な数字の数え方を忘れていたのだから。

 雲居一輪は一人でも、

 命蓮寺には六人(と九十八人の聖と一人の見習い)もいるのだと。

 一輪は正月気分で浮かれました。

 いつまでも、いつまでも。










 ししまい。
 
 一輪さんは可愛いと思いますが、一人なので複数の男性とお付き合いする事は出来ません。世知辛い世の中ですね、と思った瞬間にこの話が天から降り注いできました。
 最近の神様はちょっと疲れているんだと思います。
赤天道
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.1630簡易評価
1.100名前が無い程度の能力削除
・・・?
・・・・・・・・・・・・
あ、ギャグかこれ。
2.10名前が無い程度の能力削除
こういうのに点を入れたくない気分です
4.100名前が無い程度の能力削除
5.90名前が無い程度の能力削除
さっぱり訳が判らなくて故に好き
8.90名前が無い程度の能力削除
いや、疲れてるのは貴方だな
9.90奇声を発する程度の能力削除
気が付いたら読み終えてました
11.90名前が無い程度の能力削除
疲れてんのはアンタです
響子ちゃんの名前を省略した罪は重いのでマイナス10点
12.20名前が無い程度の能力削除
いや、単純によくわからん
13.100名前が無い程度の能力削除
ちょっと意味が分からないんだよなぁ……
でも笑ったww
15.80名前が無い程度の能力削除
ああ、それってテリーマン?
17.80名前が無い程度の能力削除
なんか好きだ
19.100名前が無い程度の能力削除
よくわからんけど笑っちゃったので
21.100名前が無い程度の能力削除
なんかクルね キテるね
24.100Ninja削除
どういうことなんだww
25.100名前が無い程度の能力削除
しれっとした文体で全部を流して行ったなぁ。
おかしな話だが、徹頭徹尾違和感を感じなかったんだ。
最初の一言で悟れるかどうかが楽しめるかどうかの境界な気がする。

むしろ違和感しか無かったわけだが、そこはキニシナイ。
26.80名前が無い程度の能力削除
作者は割然大悟なされたのだ
29.70白銀狼削除
タイトル
「ん?何だこれ?」

序盤
「ふむふむ…」

中盤
「う…うん?」

終盤
「え…え?」


「どういう事なの…」←今ここ

作者、あなた疲れてるのよ…
もしくは何かを悟ったか…
32.90名前が無い程度の能力削除
つまりどういうことだってばよwww
33.10名前が無い程度の能力削除
わけわかんない系の話もいい加減多すぎて。
34.90名前が無い程度の能力削除
みんな気づいてないかもしれないが良くできてる
35.10名前が無い程度の能力削除
理解できないもの=優れている、というわけではないと思うのです。
自分の心には何も響きませんでした。
37.100劇団迷路削除
淡々とロクでもない内容が連ねられていく展開に吹き出しっぱなしでした
いやしかしこの世界観と雰囲気は何度読み返してみても本当にロクでもないww
38.80名前が無い程度の能力削除
つまりこういうものを「波長が合う人にだけ伝わればいい系」の話と命名し市民権を得れば混乱がなくなるだろうと思ってる系男子なんだかどうだろうか?(誰に)



まぁ、ロジックで回答出来るような話ばかりがストーリーではないのだと言いたい

感じたものそれが全てなのだ
40.100名前が無い程度の能力削除
つまり一体どういうことだ
43.70名前が無い程度の能力削除
くだらないし意味はわからないけど、おもしろかったです。
神奈子様になにがあったのとか気にしたら作者の思うツボ。
…でも気にしちゃう…悔しry
45.90名前が無い程度の能力削除
わけわかんないけど感じるものはあるんだよな
47.100名前が無い程度の能力削除
理解出来ない文章を書くのは簡単だが
理解出来ない文章で魅了するのは難しい。
まるで抽象芸術のようだ、いいわ、コレ
48.100名前が無い程度の能力削除
往年の傑作に負けぬクオリティ。完璧ですね。発想だけを勢いで流すのでなく、作品のロジックを整然と書ききる筆力がすばらしい。
それにしても、これだけ整った作品が理解できなかったらどんなものが理(ry
49.90名前が無い程度の能力削除
パ人のチュリーで腹がよじれた
50.100名前が無い程度の能力削除
哲学ですね(知ったか)
51.100名前が無い程度の能力削除
www
53.100名前が無い程度の能力削除
いやぁ頭おかしい(褒め言葉)
54.80名前が無い程度の能力削除
まあ何ヶ所かで笑ってしまった時点で負けです、はい
56.20名前が無い程度の能力削除
疲れているのは赤天道さんだと推察します。
58.80名前が無い程度の能力削除
なんだこれ支離滅裂なようで実は筋が通っているようななんだこれ
61.60euclid削除
レイムさんェ……

ていうか名前に数字入ってないなら0人なんじゃあないかしらとか、
四季映姫様は春映姫/夏映姫/秋映姫/冬映姫になって秋姉妹が一人増えるのかなぁとか、
色々他の方に考えがシフトしてしまってお話に集中できなかったです……。
63.100名前が無い程度の能力削除
イイハナシカナー
64.70名前が無い程度の能力削除
むちゃくちゃのようで意外と流れはしっかりしてますよね。
割と好きな作品です。
66.100名前が無い程度の能力削除
チュリーw
72.90名前が無い程度の能力削除
パ人のチュリーってなんぞwww
73.70名前が無(ry削除
わかる人にはわかるネタなのでしょうかね…?もしそうなのなら、人を選ぶSSということでこの点数。
77.100名前が無い程度の能力削除
なんとなく、というのにクスっときました。
パ人のパチュリーってw
78.903削除
思うに、文体はほのぼの、中身はシュール系ギャグというのがこの作品をこの作品たらしめているのではないでしょうか。
79.90名前が無い程度の能力削除
シュールながらも簡潔に纏めたちょっと良い話
80.100名前が無い程度の能力削除
クソフイタwww
82.90名前が無い程度の能力削除
こういうのを不思議な魅力とでも言うのだろうか…ううむ