Coolier - 新生・東方創想話

ナズーリンに花束を

2011/11/26 23:06:35
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                    ナズーリンに花束を












*この作品は東方Projectの二次創作であり、登場キャラクターの性格、設定、キャラクターの関係は原作とは異なる場合があります。




またげんさくである「アルジャアノンにはなたばお」とおーよそおなじよーにじょばんわほぼひらがなだたりすぺるみすがあったり
やくものがきほんてきにくてんしかなかったりします。おそらくそうとうよみにくいはずなのでここまでよんでよむきがうせてしまった
ばあいわこれいじょうよまないほうがけんめいです。




登場人物一覧

橙:ネコマタ。長年生きた事により、一定レベルの知能を得たが、せっかく手に入れた知能が、中々伸びない現状に対して悩み続けている。
妖怪の中では弱い部類に入る。
飽くなき好奇心と探究心を藍に気に入られ、より賢くなるために式神にならないかと藍から誘いを受ける。


八雲藍:キュウビノキツネ。紫の式神。紫から与えられた式によって、三途の川の川幅を得られる程度の知能を手に入れている。
過去の自分と同じような境遇にある橙の姿に同情し、彼女を自分の式神にしようとする。
橙に式を組み、自分も紫同様、式神を自力で組めることを紫に証明しようとしている。
紫には逆らえないようプログラムされており、藍自身も彼女に対し忠誠を誓っている。
妖怪の中ではかなり強い部類に入る。紫の式に従う事により最強クラスの妖怪に匹敵するほど力が増幅する。


八雲紫:ユカリ。藍の主人。計り知れない知能、知恵、知識を有し、キュウビノキツネに式を組み使役する程度の実力を持つ。
普段は常に寝ており、たまに起きている時も面倒臭がりな性格ゆえ計算など滅多にしない為、
実際のところ彼女の賢さは他人には余り知られていない。
ありとあらゆる概念の境界を操るという、知識の暴力ともいえるような、許され難く罪深い能力を持つ。
能力がもたらす結末を顧みずに全力で戦うなら、妖怪の中では最強を誇る。


上白沢慧音:ワーハクタク。人里にある寺子屋の教師。
半獣であり、普段の外見は人間と変わらず、歴史を食べる程度の能力を持つ。
満月の夜にハクタク化し、能力が歴史を創る程度の能力に変わる。
本来人間の為に寺子屋を開いたのだが、橙の学習意欲の高さに心打たれ、妖怪である彼女は特例として通わせている。



チルノ:ヨウセイ。橙、大妖精、ルーミアの友達。
根は優しく真っ直ぐな性格をしているが、口下手なせいで、おつむが悪いと思われる事もある。

大妖精:ダイヨウセイ。橙、チルノ、ルーミアの友達。
温厚で落ち着いた性格をしている。チルノにいつも振り回されているが、面倒見が良く、チルノとは一番親しい仲にある。

ルーミア:ルーミア。橙、チルノ、大妖精の友達。
いつも遊ぶ四人の中では一番頭が良く冷静だが、真昼間に能力を使って自分の周囲に闇を出すなど、ちょっと間抜けな事もする。




















                       ナズーリンに花束を

                 (原作:1.アルジャーノンに花束を + 2.東方Project)






















                     にっき 六がつ十五日 きんようび

 けえね先生に今日からにっきをかくようにといわれたから今日からにっきをかこうとおもう。まずわじこしょーかいをしよう。
だれもわたしのにっきなんてみないのにじこしょーかいなんておかしいけれどこれわとってもだいじなことでやっぱりかいたほうがいいとおもう。

わたしのなまえわチェン。百ねんいじょうずっと生きつづけたらいろいろ考えることができるようになって今わしゃべることもできるよになりました。
でも字をかくのわにがてです。なぜならわたしわふでをにぎるのがへたでなぜかというとわたしわもともとわ
ねこだったからです。今わネコマタというようかいらしい。字をかくのおべんきょうしてまだ二ねんくらいなのでかくのわにがてです。

 いろいろ考えるようになってからわたしはひとさとにあるてらこやにかよいはじめました。ひとのすがたにばければばれないから
だれもきづかなかった。でもけえね先生わわたしのしょうたいをみやぶりましたなぜかというと先生もはんぶんようかいでわはー。
じゃなくてワーハクタクらしいです。

 でも先生わわたしをおいださなかった。なんでおいださないんですかときいたら
「おまえわようかいなのにわざわざひとさとまでべんきょうしにきた。ようかいだろうとにんげんだろうとべんきょうしたいひとをおしえるのが先生のしごとなんだよ」といいました。
ようかいかにんげんかわじゅうようじゃなくてべんきょうしたいとおもうのがだいじなんだよと先生わいいました。 よくわからないです。


 それからずっとわたしわいつもてらこやにべんきょうしにきてます。まず文字をおぼえました。いったことをかみにかいて
よんでみるとさっきいったのとおなじになるのわすごいとおもいました。それからひるやよるはるなつあきふゆ
一ねん一がつ一にちといろんなことをべんきょうしてせかいがどうなっているかすこしずつわかってとてもたのしいです。
ねこだったときわこんなことしらなかったからいまおもうとああむかしのわたしわあたまがわるかったなぁとおもう。

 でもさいきんわたしわいまもあたまがわるいのかなとおもいはじめました。なぜかというとほかのしょとうかのこわ
いちねんたったらちゅうとうかにいくのにわたしだけいけなくてことしもだめでしたくらすのせいせきわいつもいいけど
ちゅうとうかのじょぎょうわむつかしすぎてわからなかったからまたしょとうかにもどりました。

 するとまえまでいっしょだったこどもたちがわたしにゆびをむけてわらいます「しょとうかどまりのちぇん」
それわちゅうとうかでべんきょうしたのときいたらもっとわらわれました。おなじしょとうかのこどもたちもわたしのことを「三年こうぐみのしょとうかちぇん」とよぶ。

わたしが「ちがうよ。にねんかんずっとしょとうかにいるからまだ一ねんせいだよ」といったらしょとうか
のひとりが「おいチェン。おまえじぶんがばかなんだってまだきづかないのかよおまえといっしょだったおれのにいちゃんわもうこうとうかなのにおまえわまだしょとうかじゃないか」
「おまえわばかだ。もうみんなしってるぜ。ばかだからおまえだけまだ一ねんせい。ことしもまた一ねんのままにきまってる。もうべんきょうなんてやめてねこらしくねずみをつかまえるほうが
おにあいだぜ」といいました。

 ちがう。わたしわあたまがわるいかもしれないけどばかじゃない。
ほかのこよりおぼえるのがおそいけどわたしわいしょけんめがんばってる。がんばればきっといつかあたまがよくなるはず。
わたしはもっといろいろしりたいし本をいっぱいよみたいし先生のじゅぎょうをもっとうけてかしこくなりたい。
ねこだったときみたいになりたくない。わたしわようかいだけどにんげんみたいにいろいろべんきょうしたいしなぜかというと
しってることがいっぱいあるといつもいろいろ考えることができてまいにちがたのしくなるからです。

もっとしりたい。もっとしりたい。もっとしりたい。もっと知りたい。←かいたにっきを今日見せたらけえね先生がなきながらかんじをおしえてくれた。なにかかなしいことがあったのかな。
けえね先生がわたしをだきしめながらなみだがぽろぽろおちるのをみてたらなんだかわたしもすこしかなしくなった。





                     にっき 六がつ十六日 どようび


 きょうきょうしつにいったら、けえね先生がきれいなおねえさんとおはなししてた。
きつねのしっぽが九ほんありました。ふかふかしててさわったらきもちいいだろうなぁとおもいました。
あの人もようかいなのかな。とてもきれいであたまがよさそうだけどなんかこわいなとおもいました。

 けえね先生がおいでおいでといったのでいわれたとうりに二人のちかくにいったら
「やくもらんさん。このこがまえにはなしたわたしのおしえごのちぇんです。このこならどうでしょうか」というのでどういうことですかと先生に
ききたかったけどそのまえに「はじめましてちぇん」とおねえさんがあいさつしてきたので「はじめましてやくもらんさんさん」といったらかのじょわわらって
「わたしのなまえわやくもらん。だからやくもらんさんでいいんだよ」とやさしくいいました。

「ちぇん。ききたいことがあるんだけどいいかな」ときいてきたので「いいですよ」といいました。

 するとらんさんわ「ちぇん。にんげんわ力がよわい。いろいろ知らないと生きのこれないくらいよわいからべんきょうするんだ。でも
きみわようかいだ。きみわ力があるからべんきょうしなくてもりっぱに生きていける。なのになんでわざわざいやなおもいをして
べんきょうしにくるんだい」ときいてきたのでわたしわすこしおこってこういいました。
「いやなおもいわしてないですらんさん。わたしわべんきょうするのがすきだからきてますなぜかというとべんきょうするとずっと知らなかったことがわかって
うれしいからです。わたしがねこだったときにわこんなきもちにわなりませんでした。わたしわほかのにんげんよりあたまがわるいからたいへん
だったけどひゃくねんでここまであたまがよくなりました。だからずっとがんばればいつかなんでも知ってる先生みたいなしとになれるとおもいます」

 わたしがいいおわるとけえね先生わかなしそうなかおをしました。らんさんわ「ごめんなさいちぇんわたしわあなたをみくびっていた。
あなたはふつうのようかいよりなんばいもこうきしんとこうじょうしんがたかい。あなたはごうかくだ」とあやまりながらいったので
「なににごうかくしたのですか」ときいたらけえねせんせいが「じつはらんさんわしきがみをほしがっていてね。かんたんにいえばだれかの
あたまをすごくよくしてあげたいでもひとりだけしかえらべないんだ」といいました。

 「それでだれのあたまをよくするかふたりでかんがえてたけどいまきみがごうかくしたんだよ」といったので「ほんとうにあたまがよくなれるんですか
いまよりもっといろんなことをべんきょうできるんですか」とわたしわききました。するとらんさんわ「あぁほんとうだよいまよりもずっとあたまがよくなるから
いろんなことを知ることができる」といったあとにこういいました「でもねちぇん。このほうほうわすこしきけんなんだ。もしかするとあたまわよくならないかもしれない
もしかしたらするまえよりもあたまがわるくなるかもしれないそれにすぐにあたまわよくならない。すこしづつよくなっていくんだ」

 そしてらんさんわすこしきびしいかおをしました
「いちばんじうようなのわあなたのあたまをよくするかわりにあなたわわたしのいうことをきかなくちゃ
いけないまちがってるとおもってもきかなくちゃいけないやりたくないことをやらなくちゃいけないときもあるかもしれない
いまみたいにじゆうに生きることわできなくなるそれでもいいかなちぇん」といったのでわたしわなんだかこわくなってしゃべれなくなりました。

 らんさんわわらいました「いまこたえなくてもいいんだよちぇんこれわとてもだいじなことなんだからねきみのこれからのじんせいがきまるくらいだいじなんだ
だからこたえがきまったらきなさい。わたしはあしたもそのあしたもくるからね」といて「それじゃあけえね先生またあした」とあいさつしましたから
けえね先生も「あぁらんさんまたあした」といいましたかえるまえにらんさんに「いいへんじをきたいしてるよちぇん」といわれたので「はい」といいました。

 でもあたまがよくなるのわいいけどなんだかこわいな。らんさんわやさしそうだけどあたまをよくしてくれるのがけえね先生だったらいいのにとおもいました。



                     にっき 六がつ十七日 にちようび



 きょうわにちようびだったのでチルノちゃんたちとあそびましたいつもわてらこやでべんきょうしているから
じゅぎょうがおわってからあそぶけどきょうわ一日じゅうあそべてたのしかったです。チルノちゃんだいちゃんルーミアちゃんの
さんにんがおともだちですまずわかくれんぼをしました。でもチルノちゃんわかくれるところがいつもおなじでルーミアちゃん
わひるなのにのうりょくをつかってるからふたりともすぐみつかってしまいます。だいちゃんわかくれるのがじょうずだけどわたしが
よにんのなかでいちばんかくれるのがじょうずですなぜかというとわたしがまだねこだったときのおきにいりのかくれがを知っているからです。
かくれるばしょわなんこもあるけどどれもだれにもみつからないじしんがあります。だからわたしがかくれるときわいつもみつかりません
そしてあとでさんにんが「こうさんだよ。ちぇんちゃんでておいで」というまでずっとかくれているのです。だからかくれんぼわだれにも
まけるきがしません。

 チルノちゃんたちにあたまをよくするはなしをそうだんしようとおもってわたしわチルノちゃんたちにきいてみた。
そうしたらチルノちゃんわ「だめよそんなのしんじちゃだめにきまってるじゃないだれかのいうことをきかなきゃならないなんて
どれいとおなじでしょ」といったので「でもあたまがよくなっていろんなことがわかるんだよ」といったら「あたまがよくなくても
ちゃんといきていけるわよほらあたいなんかこうしてずっといきてきたんだから」といったので「うぅむたしかにチルノちゃんが
いってることわまちがってないな」とおもってかんがえこみました。

するとだいちゃんが「でもちぇんちゃんわあたまがよくなりたいんでしょ。ならいいんじゃないかなそれにそのらんさんわやさしいひとなんでしょ。
ならひどいことわしないはずだしあたまがよくなるのわすごくいいことだとおもうよ」といったらルーミアちゃんが「きいたはなしだとらんさんが
あたまをよくさせるのわひとりだけなんでしょならちぇんにとってこれわだいちゃんすなんじゃないかな」といったので「「だいちゃん」すってだいちゃんがどうかしたの」
といったらだいちゃんがわらって「ちがうよちぇんちゃん。「だいちゃんす」じゃなくて「だいチャンス」だよ「チャンス」はめずらしくてすごいことをいうんだよつまり
こんかいらんさんのさそいをことわったらこんないいはなしわもうないかもしれないってことで」

といったらチルノちゃんがいきなり「さっきからあんたらふたりともなにいってるのさ。なんでそんなにちぇんのあたまがよくなる
ことにさんせいするんだ」とすこしおこりながらいいました。

 そうするとルーミアちゃんが「あたまがよくなるのわいいことでしょ。チルノこそなんでそんなにはんたいするのさ」といったら
チルノちゃんわ「そんなのどうでもいいでしょ」とすこしはずかしそうにいったらルーミアちゃんわすこしふしぎにわらって
「そうかちぇんのあたまがよくなったらチルノわこまるもんね」といいました。それをきいてチルノちゃんわ「どういうことさルーミア」
ときびしいこえでいったらルーミアちゃんわちょっときもちわるくわらいながら「わたしたちよにんのなかでじぶんよりばかなのわちぇん
だけだからちぇんのあたまがよくなったらじぶんがいちばんばかになる。それがいやだからひとりだけはんたいしてるんでしょ」といったら
とつぜんチルノちゃんが「ふざけやがってこのやろう」といってルーミアちゃんをなぐりとばしました。


 それからふたりともおたがいなぐりあってけんかになりました。
だいちゃんわなきながら「チルノちゃんルーミアちゃんけんかわやめてやめてよみんなたいせつなともだちでしょおねがいやめて」と
さけびました。わたしわだいすきなチルノちゃんとルーミアちゃんがいきなりけんかしはじめていままでこんなことけいけん
したことがなかったからとてもこわかったからがたがたふるえてました。

 するとわたしをみただいちゃんが「ふたりともいいかげんけんかわやめてよ。ちぇんちゃんがこわがってるよ」と
おおごえでさけんだらチルノちゃんのほうからルーミアちゃんからはなれてルーミアちゃんもチルノちゃんからはなれました。
ふたりともぴたりとけんかをやめたのです。ルーミアちゃんわけたけたわらいながら「チルノがちぇんにすくわれた。すくわれたのかー」
とよくわからないことをしゃべりました。

 チルノちゃんわふくについたどろをとりながら「ルーミアあんたわいつもわすごくいいやつだからだいすきだけどたまにきゅうに
いやなやつになるんだいまみたいにな。あたいわいまのあんたがだいきらいだ」とかなしそうなこえでいうとルーミアちゃんわわらって
いるようでないてるようなかおをして「すくわれねぇ。すくわれねーのかー」とつぶやいてはなれていきました。
チルノちゃんとだいちゃんもわたしとばいばいしてすぐいえにかえっちゃいました。


 なんだかいやないちにちでしたルーミアちゃんとチルノちゃんわけんかしちゃったけどあしたになったらなかなおりしてるはず。
わたしたち四にんわともだちだからきっとあしたになったらもうこんなのわすれてるはずとおもいました。
でもちょっとかんがえるとなんでふたりがけんかしたのにわたしがいやなきもちになったのかわかりました。チルノちゃんと
ルーミアちゃんわわたしのあたまがよくなるはなしでけんかになったからです。つまりわたしのせいでふたりはけんかしてしまったのです。

 たしかにルーミアちゃんがわるぐちをいったからけんかになったけどほんとうわわたしがげんいんなんだ。
あぁわたしのあたまがよかったらわたしわこんなはなししないしそれならふたりともけんかなんてしなかったんだろうな。
わたしのあたまがわるいからこうなっちゃったのかな。
そしてやっぱりわたしわあたまをよくするためにらんさんについていくしかないとおもいました。



                     にっき 六がつ十八日 げつようび

きょうのひるやすみにけえね先生に「先生わたしわらんさんについていったほうがいいんでしょうか」ときいてみたら先生わちょっと
こまったかおをして「ごめんよちぇんわたしわじぶんがしってることならなんでもおしえることができるでもこのことわあなたが
じぶんでこたえをださなきゃいけない。しとわこのことを「じゆう」とよぶんだ」といったのでわたしわ「じゆうとわなんですか」と
きいてみたらけえね先生わめずらしくきびしいかおをして「ちぇんこれかららんさんのしきがみになったときのためにわたしが
じゆうのいみをあなたのにっきにかいてあげよう。いまわまだわからないかもしれないけどあたまがよくなったあとによんでみれば
なにかわかるはずだよ」といったのでわたしわ先生ににっきちょうをかしました。したにかいてあるのが先生がかいたものです。




「チェン、もし無事に式神になれたのなら、この文章も読めるようになっているだろう。

式神になってから最初のうちは、新しく変わった自分と世界に困惑するかもしれないが、すぐに理解できると信じているよ。

式神になった今、チェンは「自由」を理解できるはずだ……惜しくも、気づいた時には、既にそれを失っているだろう。
藍さんが事前に言ったとおり、式神になるには自由を犠牲にし、常に式に縛られながら生きていかなければならない。
しかし、自由と引き換えに、貴方は式神になる前より何倍も賢く、強くなっているはずだ。

……「式神になる事」はあくまで過程であって、本当の目的じゃない。

――現状に満足し、自らの知識を驕った瞬間から、人は逆に知識の奴隷となる。

そうならないよう、式神になった後も、好奇心と探究心をこれからも絶やさず、常に学習すること。そうすればいつか……
貴方の足枷となる「式」をも解き、本当の自由を手に入れることが出来ると、私は信じている。

その時が来るまでは、存分に式を利用し、新しい物事を学びなさい。

(藍さんにこの日記を見せないように!気をつけてね)

最後に。

重要なのは……
例えチェンの知能が、藍さんに「与えられたもの」だとしても、「貴方自身」は全く変わらないし、誰も変えられない。

魂はいつだって自由だ」


いじょーでけえね先生のはなしわおわり。でもむずかしいかんじばかりでよめません。けえね先生がいったとおり
しきがみになってあたまがよくなればよめるようになるかな。だとしたらすごいとおもう。




らんさんわまえにいったとおりきょうのほうかごにきました。らんさんわ「へんじわきまったかな」ときいてきたので
「はいわたしわもっとかしこくなりたいでもいまのままじゃむりだからあたまをよくするためにらんさんについていきます」
らんさんわまんぞくそうなかおをして「よかった。きみがただしいせんたくをしたことをわたしがかならずしょうめいしてあげるよ」
といいました。とてもこころづよいなとおもいました。


しきがみになるまえにチルノちゃんたちにあいにいきました。べつにいなくなるわけじゃないけどなんかおわかれの
あいさつをいったほうがいいなとおもったからです。チルノちゃんとルーミアちゃんわすっかりなかなおりしたようです。
今日しきがみになるからなんにちかいなくなるのをつたえたらみんなちょっとおちこんでしまいました。
だからわたしもちょっとおちこんだ。

「そうかしばらくいなくなるのかさびしくなるよ。でもあたまがよくなってもちぇんわちぇんだよだからかえってきたら
またいっしょにあそべるさ」
そういうとルーミアちゃんわちょっとわらった。げんきがないわらいだった。

「ちぇんちゃんがんばってねかえってきてもまたいっしょにあそんでねやくそくだよまたいっしょに」
だいちゃんわとちゅうでないてしまいました。ふだんもちょっとなきむしなだいちゃんだけどこんかいわ
なんだかすごくかなしそうだった。

「あたいわちぇんがいなくなるなんていやだ。なんかちぇんがこのままどっかにいっちゃうともうもどってこないきがするんだ」

「なかないでチルノあんたのきもちわわかるよばいばいをいうのわいつもつらいけどちぇんわいなくなるわけじゃない。
すぐもどってくるんだからわらってちぇんをおくろう」

「わかってるさちくしょう。なかないってきめてたのにあたいのめがあたいのいうことをきかないんだ。
あたいのこえもおかしくなってるこれが『かなしい』ってやつなのかな」

「だいじょうぶだよみんな。らんさんわいいひとだしただあたまをよくするだけなんだからしんぱいしないで」

「かえってきたらまたいっしょにかくれんぼしようね」

「はは。いまのままでもいちばんかくれるのがうまいのにあたまがよくなったらほんとうにもうだれもちぇんをみつけられなくなっちゃうかもな」

「わたしがあたまがよくなってかわってもわたしたちよにんわともだちのまま。やくそくだよ」

「あぁやくそくさ」
「あぁやくそくするよ」
「うん。やくそくだよちぇんちゃん」
「ありがとうみんな。じゃあそろそろいかないと」

「はやくかえってきなさいよ」
「ありぃゔぇでるち」 ルーミアちゃんがいったけどどういういみだろう。
「げんきでね」

「うん。ばいばい」

 みんなとばいばいしたあとわたしわはしってチルノちゃんたちがいるいつものあそびばからはなれました。ほんとうわもう
ちょっとだけみんなといっしょにいたかったけどなみだがでそうになったのでやめました。わたしがないてるのをみたらみんな
もっとかなしむとおもうから。
 そしてわたしわらんさんについていっていまらんさんのおうちでにっきをかいてます。もうすぐしきがみになるぎしきのじかんみたいです
ついにちぇんわあたまがよくなるのです。いまよりもっともっといろんなことを知ることができます。ちょっとこわいけどとてもわくわくしてます。


 みんな。ちぇんわ今日から生まれかわります。もうあたまがわるいただのねこまたでわなくなるのです。
さようならチルノちゃんだいちゃんルーミアちゃん。しきがみになったらまたいっしょにあそぼう。







 ついしん。
けえね先生におわかれをいいたかった。でもなきそうになってしまうのでけっきょくけえね先生のとこにわいきませんでした。
けえね先生ごめんなさいでもわたしわむかしからずっとずぅっとけえね先生がだいすきです。これからあたまがよくなってもちぇんわ
けえね先生のことがだいすきです。





















                   ナズーリンに花束を
































 日記 六月二十日 水曜日

あたまが、いたい、
わたしは、、藍さまか、ら式を、組んでも、らい、彼女の式がみと、なった、
本当は、きのう、、すでに、式はもう組、み終わった、のだけど、体が、なかなか新しい、、ずのうに、ついていけず、
きのうは、、とても、日記を書く気、にはなれな、、かった。けど、、きのうは、わたしが、、生まれかわった、特別、、な
日だから、、記念と、して、きのうの、できごとを、


藍さま、、が、呼んで、る、、今日、の、、日記は、ここまで、、、、、、、、、







                     日記 六月二十一日 木曜日

 どうも昨日は式を入れる時に問題があったらしいです。でもそれは藍様の式に問題があったんじゃなくて、式を入れられる私が特しゅだった
らしくて、いつもより少してこずったと藍さまは言ってました。

 私に式を入れる前から、ずっと式を動物に入れるじっけんをしていたと、藍さまから聞きました。式を入れる動物が小さければ小さいほど
難しいらしく、藍さまは何回かじっけんを重ねて、最後にやっとネズミに簡単な式を入れられるようになったらしいです。でも妖怪に式を入れる
のは初めてだったから、昨日の私は少しおかしくなってしまったらしい。今日は、ちゃんと直してもらったので大丈夫です。


 式神になる前は知らなかった漢字やことばを、急に使いこなせるようになってすごくおどろきです。今まではいくら時間をかけても少ししか覚え
られなかったけど、今はその逆で、一気にたくさんの事を覚えてしまいました。なんだか前までは暗いとこにいて、一気に明るい場所に
出たような感じです。ずっと光を求めてきたけど、今はちょっとまぶしいような、そんな感じがする。でもすぐ慣れると思います。

 藍さまは私が日記をつけている事にきょうみがあるらしく、これからもつづけなさいと言いました。私が「内容を見たいですか」ときいたら
あわてて首をふって「とんでもない、私が見たらチェンの日記ではなくなってしまう」といいました。別にいままで、そしてこれからも私が書きつづけるんだから
内容は変わらないんじゃないのかなと思いました。でも藍さまが言うには、日記を見ないことは「プライバシー」――つまり誰にも言えない秘密をもっても
いいということで、それが個性の成長とそんちょうにつながる、らしいです。

 藍さまから聞いた話だと藍さまも式神で、藍さまにも主人がいるらしいです。でもその主人は藍さまにとてもきびしい式をつけていて、藍さまは
そのせいでいやな事をたくさん経験したので、私に同じ思いはさせたくないらしいです。だから私につけた式はあまり制限がなくて、
どちらかというと私の学習をほじょするようなものらしいです――式をきびしくすればするほど、力が主人に近づくけど、それは主人の力
であって自分の力じゃないから、その分自分で得られる経験は少なくなる。私は好奇心が強いし、まだまだ成長するから、あまりきびしくしたくないのも
理由の一つだと藍さまは言ってました。




 とりあえずこれからは毎週の日曜、式を点検してかけなおすために藍さまのところへ戻るよう言われました。それ以外はいつもどおり、自分の家で暮らして
てらこやに行ってもかまわないそうです。なので今は自分の家で日記を書いています。

 頭がとてもよくなったというより、いつのまにか色んな事を知っているという感じで、予想してた感覚とは少しちがって、生活もいつもどおりなので、
なんだかかしこくなったという実感があまりわきません。でも昔の日記を見ると、書き直したいくらいに言葉使いが下手だと感じるし、つまり
私はやっぱり前より頭がよくなっているんだなと思います。あぁ、早く夜が終わって朝がこないかな、とてもワクワクしてます。
みんな私のことを心配しているだろうから起きたらすぐに会いにいこう。

今日は早く寝よう。そして新しく、かしこくなった私を見せてみんなをおどろかせよう、楽しみだ。






                     日記 六月二十二日 金曜日

 今日はまず、てらこやに行ってけいね先生と会いました。私を見かけるとうれしそうに声をかけてきて、いつものように抱きしめて頭をなでてくれた。
式神になった気分はどうか、藍さまには何を言われたかなどなど、色んな事を聞いてきました。やっぱりけいね先生は私のことをとても大事に思ってて、
心配だったんだなと思いました。

 私の言葉使いが変わった事にけいね先生はとてもおどろいたらしく、私が答え終わった後、けいね先生は「もうすぐ初等科のじゅぎょう
が始まるが、チェンの受け答えを聞くかぎり、どうやらチェンはもう初等科のじゅぎょうを受ける必要はないな。今日はためしに高等科でじゅぎょうを受けて
みたらどうだ?」と楽しそうに言いました。私は「でもいきなり行っても大丈夫でしょうか」と少し不安でしたが、けいね先生が「心配するな。高等科の
子供たちは教育を三年も受けてる。もうチェンをいじめたりしないさ」と言ったので

私はふしぎに思い、聞いてみました。

「でも、けいね先生」

「なんだい」

「どうして教育を受けるといじめなくなるんですか」

「うーむ、そうだな……
……人は色んなことを知れば知るほど、自分の弱さが分かってくるんだ。

そして、自分が弱いとわかれば、弱いものいじめはしなくなる――弱い者をいじめるのは、強い者だけだからね」

 けいね先生は話をつづけました。

「だから自分が強いと思う者は、弱いものをいじめてしまう。でも本当は、そういうやつに限って弱い」

「本当は弱いのに、自分は強いと思ってしまうなんて、なんだかバカっぽいですね」

「あぁ、下手したら本当に強いやつに出会ってしまい、ケガをしてしまう。そうならないためにも、なるべく早く、自分の弱さに気づかせる。
そしてちゃんと強くなるための方法を教える。 それが教育だと、私は思う。それに――」

 けいね先生は少しだまってから言いました。

「『本当は弱いけど、強いと思いこむ』より『本当は強いけど、弱いと思いこむ』ほうが傷つかなくてすむし、なによりかっこいいじゃないか」

 私はきょうみがあって、けいね先生に聞いてみました。

「けいね先生は強いんですか」

「私は弱いよ」

「じゃあ強いんですね」

「はは、まさかチェンとこんな言葉遊びができる日が来るなんて」

「先生、本当はどうなのか教えてください」

 私が真剣に聞くと、けいね先生は笑いをおさえながら、こう言いました。

「すまない、ふふ。よし、二人だけの秘密だ。他の皆には内緒だぞ……」



 けいね先生は私の耳に口を近づけて優しくささやきました。

「実は、私は本当に弱いんだ……里を守る事すらできない……だから先生になって……人材を育てている――皆が強くなった方が……私だけ強くなるよりも効率がいいからね」

「じゃあ、けいね先生の教え子の私も、いつか里を守るんですか」

「それはチェンが決めることさ。君は里を守ってもいいし、守らなくてもいい」

「考えておきます」

 それを聞き、けいね先生はおどろいたようで、声を少し大きくしてうれしそうに言いました。

「いい判断だ。すぐに答えを決めないのは、頭がいいしょうこさ」

 ここだ。ここでまず初めに、いつもの私とちがうと感じました。今の私は、考えるのは速くなったけど、決めるのはおそくなった――昔なら「はい、いいえ」か
すぐに決めてたのに、今日はなぜか「考えておきます」と言っていた。自分がもう一人いて、勝手にしゃべったような感じで怖かった。でもけいね先生の
言うとおり、これは頭がよくなった「しょうこ」のはず。

「そうそう、高等科のじゅぎょうは午後から始まる。それまでは自由時間だ」

「じゃあ、チルノちゃんたちに会いに行ってもいいですか」

「もちろん。だけど、ちゃんとじゅぎょう前には帰ってくるんだぞ」

「大丈夫、問題ないです。けいね先生さようなら」


 けいね先生とさよならしてから、私はいつもの遊び場所――みずうみの近くにある林へと向かいました。

 ずいぶん前に私がチルノちゃん、大ちゃん、ルーミアちゃんの話をしたら、けいね先生はとても気になったようで、てらこやにきょうみがあるかどうか、聞いてきて欲しいと
頼まれました。でも普通の妖怪にとって勉強はとてもつまらなくて、それにチルノちゃんが前に言ったように、勉強しなくても生きていけるから、きょうみはないようです。
けいね先生はいつも話のついでに三人の意見が変わったかどうか聞いてくるけど、今回は聞いてこなかった。もうあきらめたのかな。忘れただけかもしれない。

 そして私は、いつものあそびばに近づくほど、ドキドキした。今日はみんないるかな、とか、どんな反応をするかな、とかいろんなことを考えてました。


 とおくから三つの人影が見えて、私はホッとしました。チルノちゃんたちをびっくりさせようと思って、気づかれないように近付こうとしたけど、先に見つかった。
まずは大ちゃんがうれしそうに声をあげて――チルノちゃんは目を細めて、私だと分かったらすぐに走りながら向かってきました。そして、いきなりいきおいよく抱きついてきたから、倒れそうになった。
大ちゃんとルーミアちゃんが私達に追いつく前に、ぎゅっと私をだきしめているチルノちゃんは私にささやいた。

「おかえり。さぁ、遊ぶわよ」

「ただいま、戻ったよ」
東方とアルジャーノンをくっつけただけです。

気が向いたら、続きを書きます。
プロスティテューション
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コメント



0.430簡易評価
1.無評価名前が無い程度の能力削除
元ネタ知らないから何とも言えないけど
読み辛いなということは分かった
3.50名前が無い程度の能力削除
すまない、既に似たようなネタを既存作品で見たことがある
6.90名前が正体不明である程度の能力削除
アルジャーノンは大好きだ。
7.10名前が無い程度の能力削除
目が痛いわ……
8.80名前が無い程度の能力削除
冒頭に注意書きもありますし、
読みづらさに関しては筋違いかと。
「アルジャーノンに花束を」のオマージュは何作か見かけましたが、
橙主人公のものははじめてかもです。
原作では徐々に知能がよくなり、そして徐々に衰えていったわけですが、
こちらでは式が付いたとたんにスペック自体が変わってしまいましたね。
この違いが続編でどのように効いてくるのか、愉しみにしています。
9.80名前が無い程度の能力削除
続くのですよね? なんか中途半端な所で切れた感じが歯痒い。
しかし、実に興味深い流れですね……話の最後はどうなるんでしょう。楽しみです。
13.無評価0.削除
>>1
ぜひ原作をご一読下さい。不朽の名作です。

>>3
前述の通り、有名な作品ですので、どこかで似たようなのをご覧になられたとしても、何らおかしくはありません。

>>6
アルジャーノンに花束を

>>7
原作は漢字が多い上に、縦書きですので読みやすいと思います。

>>8
よほどの事がない限り、結末は原作通りになる予定です。
では、結果が同じならば見る必要は無いのかと言いますと、結果にいたる経過が違いますので、やはり一見の価値はあるのではないかと思います。

人は皆死にますが、それまでの生き様は千差万別であるのと、同じことだと考えて頂いて結構です。

>>9
先程申し上げましたとおり、結末は原作通りとなる予定です。

数多くのメッセージ、本当にありがとうございます。
皆様の有り難き批評は、全て私の創作の糧であり、かけがえなき宝物です。
14.無評価名前が無い程度の能力削除
アルジャーノン側は読んだこと無いからナズーリンがどう絡んでくるのか気になったのに後書きで非常に残念な気持ちになった。
気が向いたら続き書くって・・・
続きを書く気がないなら投稿すんなよ。もしくは完成させてから投稿しろよ。と言うのが後書きを見た後の感想。
偉そうな事を言うようで申し訳ないけど。

点数も完結迄投稿するこかわからないのでフリーレスで。
15.無評価0.削除
>>14
仰る通りご期待に沿えず、誠に申し訳ございません。
一時の感情で未完成の作品を投稿してしまい、しかし予想を遥かに超えるご意見を頂き、皆様に批評され喜びを感じるのと共に、軽率だったという後悔の念もございます。
今の私に出来うる事は、続きを一日でも早く書き、完成させることです。
ですので、満足のゆく続きを考えつくために、尽力致します。
16.80S.Kawamura削除
 気が向いたら、続きを書けばいいじゃない。
不朽の名作とのことなので、原作を図書館で借りてこようかなと思ってますよ。似たような既存作品を
知らないせいか、とてもこの後の展開が楽しみです。ただ、一気に投稿した方がそれを初めから最後まで読む読者も
多いんじゃないでしょうか。途中で区切ると、忘れちゃったり埋もれて最後まで読まない人がいそう…。まぁ、おまかせしますす!
 ところで、作者さんのお名前が"プロスティテューション"なことについては何も言うまい。
GJ!GJ!
19.80名前が無い程度の能力削除
ついこの間原作(長編版)を読んだばかりで凄くタイムリーな作品ですね。原作と同じ雰囲気を感じてニヤリとさせられます。橙が主人公というのも新しい。しかし原作の物語の積み上げ方とスピードの違いが大きいので、焦らずじっくりと描かれていくと良いのではないかと思います。