Coolier - 新生・東方創想話

露天風呂とだるまさん

2011/11/18 19:27:37
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※このSSはフィクションであり、このSSに登場する人物、団体等は、すべて架空のものです。
※このSSは今は無きとあるテレビ番組に強い影響を受けています。そのことをご了承のうえお読みください。






比較的新しい旅館、小涌園。
引き戸を静かに開けると、柔らかな畳の香りがした。
窓の外には、連なった山々が覗く。
「とーちゃーく!」
美鈴は部屋に入り、靴を無造作においた。
一緒に来た妖夢、魔理沙、鈴仙も次々に部屋に入ってくる。
この4人が今回の旅行のメンバーになる。
簡単に荷物を整理した4人は座布団の乗った座椅子に座った。
「美鈴さん、足を乗せないでください」
正面に座った妖夢がお茶を入れながら言った。
でも、
「正座苦手なんですよ」
正座をすると足が痺れる。
しかも一度落ち着いた後に、時間差でもう一度攻撃を仕掛けてくるのだ。
美鈴はあの感覚が大嫌いだった。
「むしろ、私はそっちの座り方の方が苦手だぜ」
魔理沙が低い木製のテーブルの下をのぞき込む。
私の座り方は、足をまっすぐ延ばした長座で、足は妖夢の膝の上。
この座り方は体が固いと、膝の裏が痛くなる。
魔理沙は弾幕を張らなければ、本を読んだり、研究ばかり。
体は固いのかもしれない。
そんなことを考えてると、コトンと茶碗が出された。
濁った緑色の緑茶。
部屋の畳、向かいに掛けられた滝の絵が描かれた掛け軸とよく合ってるなと思った。
一口飲むと、口の中に甘さと渋さの合わさった独特の旨味が広がる。
「それにしてもよく当たったわね。それも4人も」
鈴仙さんが茶碗を置きながら言った。
「みなさんはどこで当てました?私は田中乾物店ですけど。鈴仙さんは?」
妖夢がすこし首を傾ける。
そう、今回の小涌園旅行はくじ引きの景品なのだ。
「私もその乾物店だった。師匠に頼まれて、薬の材料を買いに行った時にね。魔理沙は?」
「霊夢にもらった。最初は自分で行くつもりだったらしいが、招待されたらしいぜ。だから最近は、博麗神社に行ってもいないはずだ」
「どうして霊夢さんが招待されたんですか?」
妖夢さんの質問ももっともだ。
あのグータラ巫女が、こんな旅館に招待される理由はないはずだ。
「なんでも結界の修理らしいぜ。この辺は結界が不安定らしい」
「それ、大丈夫なの?それなら、私達は当たったんじゃなくて、押しつけられただけ?」
鈴仙さんが少し慌てる。
それでも、
「まぁ、霊夢さんが修復してるなら、大丈夫でしょ。あの巫女も実力だけは本物ですし」
ここのメンバーで霊夢さんに真剣勝負で勝った者はいない。
魔理沙さんは負け越している程度らしいが、そんなに戦っていて、霊夢さんがどの程度本気で戦っているかは分からない。
「そうですね。いざとなってもこのメンバーならどうにかなるだろうし。妖夢は使い物にならないかもしれないけど」
「みょん!?どうしてですか!」
「だって刀持ってきてないじゃない。刀のない二刀流剣士がどうやって戦うのよ?」
「たしかにな。妖夢は後ろで待機だな。ヒロインみたいでいいじゃないか」
魔理沙さんがポンと妖夢さんの肩に手をやる。
魔理沙さんや鈴仙さんが戦っているのを後ろで心配そうに見つめる妖夢さん。
たしかに絵になる。
でも、便乗してからかったら、妖夢さんは軽く爆発してしまった。
顔を赤くして「そんなこと言ったら、魔理沙さんも何も持ってないじゃないですか!」なんて言い出した。
でも、そこは魔理沙さん。
服の中から鈍く輝く八卦炉が現れた。
箒はなくても飛べるらしい。
魔法使いはどんな時も準備を怠らない。
やっぱり魔理沙さんも一人の魔法使いだった。
でも、そろそろ止めないと。
わざわざ温泉まで言い争いをして、疲れに来たわけではない。
温泉まで来たからには、ゆっくりして疲れを取り除かなくてはならない。
「まぁまぁ、妖夢さんもその辺にして。せっかく温泉に来たんだから、食事の前に一回温泉に入りません?」
「あれ、食事って何時からだっけ?」
鈴仙さんが人指し指で頬を突く。
「部屋で7時からだぜ」
「なら、まだ大丈夫ね。妖夢も先に温泉でいい?」
「平気です。温泉は3度入れって言いますし」
「それじゃあ、先に温泉ね!着替えて行くわよ!」
鈴仙さんが真っ先に立ち上がって、準備を始める。
私も妖夢さんの膝の上から足をどかして、立ち上がった。
ちゃんと下半身も鍛えているらしい。
程良いハリがあって、気持ちよかった。
「これ、美鈴の」
魔理沙さんが上に帯をのせた浴衣を、寝具入れから取り出した。
白地に濃い青色で模様の描かれた浴衣。
ところどころに「小涌園」と描かれている。
全員四隅に散らばって着替えを始めた。
これから温泉に入るとはいえ、部屋の中で素肌を見せるのは妙に恥ずかしい。
4人は着替え終わると、部屋を出て温泉に向かった。

☆☆☆

「うーんっ」
美鈴は露天風呂の中でノビをした。
空は夕日で真っ赤に染まっている。
冬至も近づいてきている今の時期は、日没も早い。
「気持ちよさそうですねぇ」
タオルを頭の上にのせた妖夢がとろけながら言った。
「うん、気持ちいいー」
たぶん私もとろけている。
今の時期の温泉が気持ちよくないはずがない。
魔理沙さんも鈴仙さんも、岩風呂を作っている岩にもたれかかって、景色を眺めていた。
遠くからカラスの鳴く声が聞こえてくる。
しばらく温泉を堪能していたが、暑くなってきたらしい。
魔理沙さんがタオルを巻き付けて、岩の上に腰掛けた。
「ねぇ、さっきのアレ、なんだと思う?」
そのタイミングを待っていたかのように、鈴仙さんが切り出す。
「さっきのアレって、宴会場から聞こえてきたやつか?」
「そうソレ。なんて言ってたっけ?」
「私も全部を聞き取れたわけではないですが、たしか『度重なる何とかで小涌園に何とかした大問題とは?』だったはずです」
妖夢さんが申し訳なさそうに言う。
「たぶん、『度重なる○○で小涌園に生した大問題とは?』ってことですよね。鈴仙さんは何だと思います?」
私はとりあえず鈴仙さんにふってみた。
正直この旅館に何か問題があるとは思えない。
結界の修理がしょっちゅうあるとも思えないし。
「えっ、これって何か面白いこというノリなの?」
鈴仙さんがあっさり自爆した。
本当は普通に答えてもらってから振ろうと思っていたのに。
お笑いを分かってくれる人で、手間が省けた。
「じゃ、そういうことで」
「○○埋め?」
「うーん、とりあえず大問題の方で」
○○の方が難しい。
後で自分に振られた場合のことを考えて、ハードルを下ておく。
そもそも自分達はプロではない。
○を器用に埋めるのは厳しい。
「えーっ!ちょ、ちょっと待ってよ」
鈴仙さんが慌てて考え始める。
「鈴仙がんばれー」
「鈴仙さん、あと10秒です」
魔理沙さんと妖夢さんがカウントダウンを始める。
妖夢さんを睨みながら考えている鈴仙さんにとって、この10秒は一瞬だろう。
もちろん傍観者にしても10秒は長くない。
「「4」」
鈴仙さんの顔がどんどん赤くなっていく。
「「3」」
指で頭をトントン叩いている。
「「2」」
うん、これはダメかもしれない
「「1」」
あ、0になる。
「「0」」
「じゃあ、鈴仙さんどうぞ」
妖夢さんが楽しそうに宣告した。
―ちょ、調理場がみんなカラになった。
……。
……。
たぶん妖夢さんを見ていたのが原因だろう。
とりあえずフォロー。
「それ○○に何が入るのよ」
「肉の食べ放題?」
「たしかに幽々子様が食べ放題したらカラになるとは思いますけど」
「確かに、肉屋が損しそうだぜ」
「魔理沙、その肉屋は大統領?」
鈴仙さんが、ツッコミを入れる。
それにしても鈴仙さんはいつの人なんだろう。
人じゃないけど。
「さすがに幻想郷でも金塊じゃ買い物できないぜ」
「確かに。それより魔理沙、次はあんたの番よ」
「任せとけ」
ビシッと鈴仙さんを指さす。
ここでも魔理沙さんは抜かりがない。
あ、妖夢さんは慌てだした。
「じゃあ『度重なる○○で小涌園に生じた大問題とは?』」
―旅重なる。
「それも○○に何入れるのよ?」
鈴仙さんが魔理沙さんに聞く。
終わった人は強気だ。
「足袋重なるだぜ」
「なんか土木作業でもやってそうね。でも、わざわざこんなところまで来て、土木作業ってなにするの?」
「ココの修復じゃないか?」
「それこそ大問題じゃない」
さて、私もそろそろ焦ってきた。
魔理沙さんに乗っかろうと思っていたが、ちょっと乗りにくい。
さっきから黙りこんでいる妖夢さんはアテにならない。
当ててくれれば助かるが、スベった時は最悪。
鈴仙さんと魔理沙さんの掛け合いも終わった。
この2人がコントを組んだら意外と面白くなる気がする。
「じゃあ、次は妖夢行ってみようかー」
鈴仙さんは完全に司会ポジションになっている。
妖夢さんは明らかにギリギリの状態になっている。
「はい、じゃあ妖夢、『度重なる○○で小涌園に生じた大問題とは?』」
―調理場みんなアメリカン!
妖夢さんが不思議な抑揚をつけながら言った。
魔理沙さんが小さく吹き出す。
ウーロン茶を口に含んでいたらアウトだろう。
鈴仙さんもギリギリらしい。
さすがの天然ぶり。
天然って怖い。
「ちっ、ちなみに○○は何が入るの?」
「えーっと黒船とか」
ボソッと呟く。
しかしなぜか頭の中に絵が浮かんでしまった。
鈴仙さんも同じだったらしい。
二人して吹き出した。
だって、山に囲まれたこの場所に黒船がどんどん来て、そこからたくさんのアメリカン(白い調理服に背の高い帽子)が降りて、なぜか小涌園の調理場で料理を始めるのだ。
意味がわからない。
魔理沙さんはお腹を抱えて笑っている。
「な、なんかもうそれが正解でいい気分だぜ」
「はーっ!もう『10ポイーント!』って言いたいわ」
露天風呂の中は笑いにつつまれた。
妖夢さんは戸惑っている。
大笑いをする3人に、戸惑う1人。
温泉の中では不思議な光景だ。
「じゃあ、最後は美鈴ね」
「期待してますよー」
みんなが盛り上げてくる。
最後の宿命だ。
「じゃあ、『度重なる○○で小涌園に生じた大問題とは?』」
―作者が限界だそうです。
すっかり暗くなった空から、カラスの鳴き声が聞こえてきた。

☆☆☆

時刻は夜の10時過ぎ。
4人は川の字に並べられた布団に寝そべっていた。
(魔理沙さんはなんにも悩みがなさそうでいいなぁ)
妖夢は思った。
馬の肉や珍しいキノコ、そして忘れてはいけないデザートを食べた後。
ある意味旅行でもっとも楽しい時間を満喫していた。
「で、咲夜さんがモップを踏んで転んで……」
今回は自分も含めて、従者のような人が多い。
話題はいつの間にか愚痴から、主への不満へ移っていった。
鈴仙さんは師匠の永琳さんに関して。
毎日胸を揉まれたり、薬を飲まされたり、買い出しに行かされたりしているらしい。
私も勝手に言わせてもらった。
幽々子様もここにはいない。
エンゲル係数とかエンゲル係数とかエンゲル係数とかについて話をした。
15ぐらい高く言った気がするがそんなものは誤差だ。
今は美鈴さんの番。
レミリアさんの話になると思ったら、咲夜さんの話題ばかりだった。
案外あの人は抜けているらしい。
時間を止めて誤魔化してはいるが、しょっちゅうドジをしているそうだ。
なぜかその度に美鈴さんがナイフを投げつけられているらしいが。
それに比べれば、魔理沙さんは楽そうだ。
普段から博麗神社に行ったり、勝手に図書館から本を盗んでいるだけだし。
「そういえば咲夜っていえばさぁ」
突然鈴仙さんが言った。
「一時期早苗と噂があったんだけど、どうなったんだろう?」
「噂って、そういう方向ですか?霊夢さんとパチュリーさんみたいな」
霊夢さんとパチュリーさんは、熟年婦婦として全員の共通理解となっていた。
咲夜さんと早苗さん。
どんな感じになるんだろう?
早苗さんの方が少し背が高い気がするけど。
「うん、そういう方向」
「霊夢、パチュリーといると、こっちまで変になるぜ」
「あれ?魔理沙さんはアリスさんと……」
「う、うるさいぜっ美鈴。そんなことよりも咲夜が早苗とかぁ」
「まぁ、まだ夜は長いからねー」
美鈴さんがどうでもよさそうに言う。
「咲夜と早苗かー。どんな感じだろ?」
「少なくとも、あの身長差じゃ壁ドンはできないわねー」
鈴仙さんが考え込む。
「鈴仙さんはいつもそれですよね。ミスティアさんのお店でも」
私は少しため息をついた。
鈴仙さんはどちらかと言うと男性に憧れている。
ちなみに私と美鈴さんはニュートラル。
魔理沙さんはアリスさんだった。
「壁ドンってなんですか?」
美鈴さんが首をかしげる。
あ、はじまっちゃう。
「例えば早苗と咲夜だったら……」
背の高い早苗が低い咲夜を紅魔館の廊下の壁に追いつめて、もちろん周りに人はいないで、それで、
「そこまでしたら、顔の両側に手をおいて、壁にドンって。『黙れよ』って言いながらね」
「それって咲夜さんは時を止めればいいだけじゃないですか?」
「そんなことをされたら、他のことなんか考えられないですよ!だって壁にドンですよ!『黙れよ』ですよ!」
「えーっ?」
「美鈴さん、憧れないんですか!?」
鈴仙さんはどんどん興奮していく。
何回も屋台で聞かされた話なので聞き流していると、魔理沙さんと目があった。
布団の上を移動して、魔理沙さんの方へ行く。
「まったく鈴仙も困るぜ」
「本当ですねー」
二人してため息をついた。
でも咲夜さんと早苗さんの話は少し気になる。
「咲夜さんと早苗さんだったらどっちが引っ張ると思います?」
「早苗は真面目だからなー。余裕のある咲夜が引っ張ることになりそうだな」
「なんか早苗さんが妹みたいですね」
「さっきの話を聞いてると、美鈴の妹みたいだけどな」
魔理沙さんが楽しそうに笑う。
「でも二人でカフェとかは似合いそうですよね。早苗さんが巫女服でなければ」
「コーヒーとか飲みながら?」
「咲夜さんはキャラメルミルクで、早苗さんはブラックコーヒで」
「それじゃあ、早苗が姉みたいだぜ」
「あ、なら早苗さんが姉でいいんじゃないですか?背も早苗さんの方が高いですし。それで、図書館の壁にドンって」
「妖夢も鈴仙の病気が移ったのか?しかも図書館はまずいぜ」
「どうして図書館だとまずいんですか?」
「だって図書館は……」
「図書館は?」
魔理沙さんが急に頬を染める。
図書館は何がまずいのだろうか?
「図書館は……」
どうもはっきりしない。
魔理沙さんは完全に恥ずかしがる女の子になってしまっていた。
普段は見た目は女の子で、言葉遣いや仕草は男性っぽいタイプだったのに、いまは両方とも女の子になっていた。
「図書館は?」
もう一度聞く。
こんどはジッと目を見つめるおまけ付き。
昼間からかわれた仕返しです。
「図書館は秘密の……」
「うぉーーー!!」
突然遠くから声が聞こえてきた。
しかも男性の。
ここまで聞こえるということは、相当大きな声だ。
鈴仙さんがこちらに困ったような視線を向ける。
今の何?って。
「うぉー!!」
また同じ声。
「今のなに?」
今度は視線でなく声で。
美鈴さんもキョロキョロと周りを見回している。
魔理沙さんはまだ乙女モードのままだった。
「うぉー!!」
三度目。
「ちょっと外を見てきますね」
私は窓まで歩いていき、鍵を外して開いた。
冬の冷たい風が入ってくる。
「うぉー!!」
開けてすぐに4度目。
いったい何をしているのだろうか?
辺りを見回しても暗闇が広がっているだけだった。
その後しばらくまわりを見ていたが、何も聞こえてこない。
寒くなってきたので、そろそろ窓を閉めようと思ったが、いきなり音がして左隣の部屋の窓が開いた。
目があってしまったら気まずいので、あわてて首を引っ込める。
しかし不幸にして、窓の縁に後頭部を打ちつけてしまった。
「みょん!」
うぅ、痛い。
「妖夢さん何をしてるんですか?」
「角に頭を……、え?」
妖夢さん?
どうして私の名前を?
疑問に思って隣を見るとさっきまで話題になっていた人がいた。
「こんばんはです」
「こんばんは……」
狭い窓から小さく頭を下げているのは早苗さんだった。
「早苗さん、妖夢さん、こんばんはー!」
いつの間にか右隣の窓も空いて文さんも手を振っている。
「あれ、文さんじゃないですかー。こんばんはです。寒いので廊下でもいいですか?」
「そうですねー。じゃあ廊下に行きます。妖夢さんも来てくださいね」
それだけ言って文さんも窓を締めてしまった。
早苗さんも「それじゃあ、いったん失礼します」と言いながら窓を閉める。
私もあわてて閉めた。
「どうだった?」と聞いてくる鈴仙さんに、「隣に早苗さんや文さんがいました」とだけ言って、急いで浴衣の上に一枚重ね着をする。
そういえばあの声はなんだったんだろう?
部屋のドアを開けるとすでに文さんと早苗さんが浴衣の上に茶色の上着を来て立っていた。
「「こんばんはです」」
さっきも挨拶したが、もう一度挨拶。
「こんばんは」と返しながら頭を下げる。
さっき打ちつけた頭が痛い。
「変な声が聞こえたので、外を覗いたら、お二人がいたので」
「文さんも聞きましたか。なんの声だったんでしょうね?」
どうやら2人もわからないらしい。
私も「わからない」と答えるしかなかった。
「とくにその後何にも聞こえないので問題ないと思いますけど。万が一、遅くまで響くようだったら、宿の方が何か言ってくださるでしょうし」
早苗さんの意見に私も文さんも「そうですね」と頷いた。
とりあえず一安心。
「ところで妖夢さんは誰と?」
早苗さんに一緒に来た3人を答えると、「楽しそうなメンバーですね」と言ってくれた。
ちなみに早苗さんは、椛さん、藍さん、橙さんと来ているらしい。
藍さんの尻尾をモフモフさせてもらったそうだ。
少し羨ましい。
「文さんは?」
早苗さんが聞くと文さんは少し黒い笑みをもらした。
嫌な予感。
「永琳さん、咲夜さん、それから幽々子さんです」
隣に幽々子様がいた。
そしてそれ以外の二人。
「ひょっとして、何かしました?」
文さんに聞いたが、「さぁ、どうでしょう?」と言って笑みを浮かべるだけ。
明日の以降のことを考えると頭が痛い。
せっかくの旅行で取ったはずの疲れが逆流してくる気がした。
「まぁ、悪いようにはしないので!」
文さんがポンポンと肩をたたく。
「早苗さん、奇跡の力で……」
「どうにもなりません」
バッサリと断られた。
「それより、向こうから見慣れた顔が来るんですが。しかもかなり疲れた顔で」
たぶん今の自分よりは疲れていないはずだ。
そう思って見た先には確かにかなりぐったりした様子の人がこちらへ向かっていた。
白い上に赤い袴。
もちろん腋から先の服は切り離されている。
間違いなく、博麗の巫女、博麗霊夢だった。
「霊夢さんどうしたんですか!?」
突然の霊夢さんの登場に文さんが驚く。
「結界の修理よ。ここの辺りは不安定になってたから」
そういえばそんな話題がでていた。
霊夢さんは本当に修復をしていたらしい。
「あれ、じゃあ、さっきの声が収まったのって?」
「声?あぁ、男湯からしていた声ね。なんか大人数、15人くらいが騒いでたわ。だーるーまーさーんーがーこーろーろーんーだっ。ってね」
やっぱりあの声が止まったのは霊夢さんのおかげらしい。
いや、だるまさんがころんだなら、声をだすのは1人だからその差かもしれないけど。
「でも、だるまさんがころんだですかー。寒そうですね」
早苗さんが興味なさそうに言う。
「でも温泉に入りながらなら暖かいのでは?」
「ほとんど裸ですよ?」
「うーん」
文さんが考えこむ。
なにを考えることがあるのだろうか?
「この時間ならもう誰もいないですよね?」
「それって……」
早苗さんが1歩下がる。
「私は嫌よ。疲れてるんだから」
「いや、霊夢さんは鬼でいいですから」
「寒いじゃない!」
「宿から上着を借りれば大丈夫ですよ」
「文さんやめましょうよ。風邪ひいちゃいますよ」
必死に文さんを止める。
夕食前に1回、夕食後に1回、次の温泉は翌朝。
こんな時間に入る予定はない。
「いや、やります!『極寒!だるまさんがころんだ大会』」
文さんは声高々に宣言した。
余談だが、文たちのメンバーは「従者魂チェック隊」と言ったらしい。
詳細は不明である。

☆☆☆

「極寒!だるまさんがころんだ大会ー!!!」
「イェーーイ!!」
夜11時30分。
気温マイナス1度。
浴槽の中の少女たちから声が響き渡った。
「パチュリー、ルールをお願い」
いつもの巫女服の上に、小涌園から借りた黒いベンチコートを着て、売店で買ったらしいサングラスと柄の長いピコピコハンマーを身につけた霊夢が指示した。
「ルールは簡単よ。露天風呂入り口のところからスタートして、このゴールラインを越えた人の優勝。ただし、必ず湯船の中を通ること。チルノでもわかるルールね」
パチュリーが本を読みながら説明した。
ここで、簡単にコースを説明する。
室内浴場から、外にでると、石畳の2m四方の踊り場にでる。ここがスタートだ。
そこから4mほど石畳の上を、湯船を左手に見て進む。
そのあと左に曲がり、今度は階段を7段降りる。
滑りやすく注意が必要だ。
階段をおりて3メートル先に湯船がある。
浴槽は約8m四方、深さは80センチほど。
浴槽を出て2mほどすればゴールだ。
「ちなみに、優勝者には1000ポイントと、美青年との混浴よ!」
「「えーー!!」」
霊夢の言葉に数人が声をあげる。
鈴仙の目に火がついた。
お酒が入った永琳と幽々子に強制参加させられた文も急に真顔になる。
霊夢が「極寒!だるまさんがころんだ大会」の開始を宣言する。
「よーし行くわよー!」
「「イェーーイ!!」」
「温泉は好きかー!」
「「イェーーイ!!」」
「美青年と混浴したいかー!」
「「イェーーイ!!」」
「だるまさんがころんだは好きかー!」
「「イェーーイ!!」」
いよいよゲームが始まる。

☆☆☆

「いくわよー!!」
「「イェーイ!!」」
踊り場から声が響く。
気温はマイナス2度まで低下していた。
「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだ」
柱に顔を向けていた霊夢が振り返る。
先頭の鈴仙、文を筆頭に全員微動だにしない。
集団の中ほどにいる咲夜など、片足立ちで静止していた。
さすが、完璧で瀟洒な従者である。

「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだ」
今回も誰も動かない。
先頭は文と鈴仙から橙に変わっていた。
はやくも階段の中程まで降りてきている。
まだ、大きな動きはない。

「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだ」
ついに先頭の橙が湯船手前まで来た。
その後ろに文と鈴仙。
さらに魔理沙、早苗、幽々子とつながっている。
次で先頭は湯船に入る。それが新たな戦いのスタートだった。

☆☆☆

ゲームは中盤に来ていた。
とはいえ、実はこのだるまさんがころんだ。
ここからが長い。
魔理沙を除いた11人が湯船ゴール側に集まっている。
魔理沙は湯船の手前で幽々子に突き落とされた。

「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだ」
「ちょっと、掴むの反則でしょ!」
「橙!混浴なんかダメだ!」
「橙さんに混浴なんて早いです!」
「絶対に譲りません!」
「離してってば!」
湯船から出ようとしていた橙は右足を藍、左足を鈴仙と文に捕まれていた。
いくら敵でも、ゴールされてしまっては意味がない。
共同で妨害することになる。

「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだ」
橙は少しだけ体を浮かせたが、腰から下は湯船の中。
相変わらず足は捕まれたままである。
そしてその姿勢が不幸を呼ぶ。
「ひゃうっ」
突然橙が悲鳴をあげた。
「れ、鈴仙、く、く、くすぐらないでよ」
左足の足首を掴んでいる鈴仙が見えない湯船の中で橙の足をくすぐったのだ。
「霊夢、こ、これ、は反則じゃないの?」
土踏まずをひっかかれている橙が必死にこらえながら聞く。
「でも私からじゃ見えないし。ちなみに、腕を動かしたらアウトだから」
「ほら橙、早く楽になりなさいよ♪」
「無理無理無理!指の間くすぐらないで!」
鈴仙が楽しそうにくすぐる。
他の二人は、足首の近くを掴んでいるわけではないので、あまりくすぐることができない。
「もう次、は、始めてよ!」
「んー、どうしようかなぁ」
霊夢が思案するフリをする。
その時、藍が動いた
「あー!もう鈴仙遅いぞ!」
九本の尻尾を使って、腋の下やわき腹など、手をついていて守れない場所を一気にくすぐったのだ。
鈴仙の爪に、藍の筆のような感覚をした尻尾×9。
「ニャーーーーーーーーーッ!!」
さっきまでで限界だった橙に耐えられるはずがなかった。ドボンと音がして、橙は湯船に沈んだ。
「はい、橙アウトー。ついでに藍もアウトねー」
霊夢の見えるところで尻尾を動かした藍は当然アウト。
「あと、この先くすぐりは禁止ね。終わる気がしないわ」
この巫女の匙加減もいい加減である。

☆☆☆

「こーろーんーだ」
ピタリと止まる10人。
藍と橙は部屋に帰っていった。
「ちょっと、なにするんですかっ!」
なぜか早苗は仰向けで石畳の上に転がっていた。
両足を美鈴や咲夜、椛、永琳がひっぱる。
ゴールまでは1mもないがまだまだ長い道のりである。
文と鈴仙は自爆によってスタートに戻された。
魔理沙は大外からねらっている。
しかし、攻防はゴール前以外でも行われていた。
「ゆ、幽々子さま、やめてください」
傍目には肩までお湯に浸かっている妖夢の後ろに幽々子がいるようにしか見えない。
「んー、なんのことかしら?」
「幽々子さまは、いつからムネ職人になったんですか!?」
「ムネ職人だ!」
「ムネ職人!?」
「む、ムネ職人って、あの伝説のですか!?」
この瞬間、ムネ職人幽々子が誕生した。
「あんたはなにをしてるのよ」
霊夢がピコンと持っていたハンマーで幽々子の頭を叩く。
「かわいい従者のムネを育ててあげようと思ってるだけよー」
「はうっ!離してください!」
妖夢が今日何度目かもわからないが、顔を真っ赤にする。
小さく身をよじっているが、その程度は見逃している。
そこまで厳しくしたらキリがない。

「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだ。はい、妖夢、アウト」
結局妖夢はムネ職人の魔の手に屈した。
次なる職人の餌食は誰になるのだろうか?

☆☆☆

永琳は早苗の左足を掴んでいた。
目の前には咲夜。
早苗のゴールを阻止しながら、咲夜を抜いて自分が行くチャンスを探す。
同じように捕まってしまっては意味がない。
一度あがったら、確実にゴールしたい。
永琳はお酒が入っているとはいえ、冷静に状況を分析していた。

「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだ。早苗は何をしてるのよ」
どんどん温泉の中に引きずられていく早苗。
単純に足を引っ張る力の方が強いだけだろう。
「もう、引っ張らないでくださいよー!こっちは寒いんですから!」
気温はマイナス3度まで低下していた。
永琳も肩まで温泉に入る。
さすがに腰までしか浸かっていない状態では寒い
パチュリーと霊夢は二人で暖を取っている。
火の魔法をパチュリーが使い、なぜか二人で一本の長いマフラーをつけていた。
「それなら、こっちに戻ってくればいいじゃない」
咲夜が楽しそうに早苗に話しかける。
でも油断大敵ね♪
永琳はお湯の中で咲夜の膝の後ろを拳で軽く叩いた。
咲夜の膝が折れ曲がり、悲鳴と一緒にそのまま姿勢を崩す。
その時に巻き込まれて、早苗も姿勢を崩してしまった。
「はい、早苗、咲夜アウトー」
「ふふふ……、簡単なものね」
早苗と咲夜がスタートに戻された。
これで永琳の前には誰もいない。
ライバルは一緒に早苗を妨害していた、美鈴、椛。
外から来ている魔理沙は間に合わないはずだ。
文や鈴仙もまだ温泉に入ったばかりだし、幽々子は妖夢のムネを揉んでいたので、反対側。
近くにいる美鈴をねらうことになるだろう。

「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだ」
これで一気に勝ちと思った瞬間、後ろから誰かに組み付かれた。
腋に手を通されて両ムネに手がおかれる。
まさか!?
「そんな!?さっきまで!」
後ろに目線を向けるとそこにはムネ職人がいた。
「ふふ、自分は狙われないかと思ったかしら?」
幽々子が目を細める。
絶妙な手つきで永琳のムネを揉みはじめた。
くすぐったいような、気持ちいいような感覚に力が入らなくなる。
「お、今度は永琳かー」
「ムネ職人は神出鬼没ですねー」
「胡散臭いコンビなんて、需要あるのかしら?」
他のメンバーがどうでも良さそうに言う。
貧乳どもめ!
「幽々子ー、もっと思いっきりやっちゃっていいわよー」
霊夢が指示をだす。
声に出していないのに聞こえていたらしい。
一体どんな勘をしているんだ、あの巫女は。
「いくわよー!」
「「いっけー!!」」
美鈴とパチュリー以外から声があがる。
幽々子は永琳の両ムネをすっぽり手に収めると、一気に揉みほぐした。
「ーーーーーっ!!」
言葉にならない悲鳴があがる。
「幽々子!幽々子!幽々子!」
露天風呂内は幽々子コールに包まれた。
美鈴や妖夢、さらには鈴仙まで混ざっている。
あとで全員下剤を飲ませてやる!!
そう心に誓って、永琳は崩れ落ちた。
「はい、永琳アウトー」
「「イェーイ!!」」

☆☆☆

「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだ!おっと、椛が来た!」
椛は一気に湯船から飛びだした。
もう職人の餌食になることもない。
幽々子は椛の近くを通りすぎていった。
あとはゴールまで走るだけだ。
椛は特別混浴に興味があるわけではない。
ただ単に文の泣き面を見たいだけだ。
新聞を作らされたり、こぼしたインクの掃除をさせられたり。
最近は図書館に男性同士の恋愛本を借りに行かされた。
正直もう限界だ。
今度から朝食の卵焼きを、目玉焼きにしてやる。
その方が洗い物が少なくてすむ。

「だーるーまーさーんー」
一気に立ち上がって抜け出す。
しかしその瞬間、椛の右足を何かが掴んだ。
バランスを崩して膝をついてしまう。
ゴールまであと1m50センチ。
「ーがーこーろーんーだ」
結局椛はそこからもう10センチほどしか進めなかった。
「絶対に椛には行かせません!」
椛を止めたのは文だった。
また戻ってきたらしい。
そばには鈴仙の気配も感じた。
美鈴はムネ職人の餌食になっている。
しかし、美鈴はマッサージを受けるように気持ちよさそうにしていた。
やはり凝るのだろうか?
慎ましいムネしかもたない椛にはわからなかった。
それよりも今は自分だ。
なんとか文を出し抜いてゴールしなくてはならない。
椛は強行手段を考え、それを実行することにした。
手段は簡単。
文を蹴り飛ばし、そのままゴールする。
他の人間や妖怪には使えないが、文なら問題ない。
椛は文の頑丈さを信じている。
今回はゴールできないかもしれないが、確実に次でゴールできる。

「だー」
椛は霊夢が「だ」と言った瞬間に動いた。
左足で迷わず文を蹴り飛ばす。
飛ばされた文に巻き込まれた誰かの悲鳴が聞こえてくるが気にしない。
「まー」
そのまま足を引き戻して一気に四つん這いのまま前進した。
あと1mと少し。
「がー」
しかし無情にも鈴仙が椛の足に飛びつきその前進をとめた。
そしてそれ以上に不幸なことがおきる。
「ーだ。おーっと、魔理沙が来た」
いつの間にか魔理沙が椛の横で、短距離走のスタートのような姿勢を取っていた。
横目で見ると、してやったりという顔をしている。
最初に落とされたのを利用して、こっそり前に進んで来ていたらしい。
やられた。
こっちは足を捕まれた四つん這い。
向こうはすぐに走り出せる状態。
急いで足を掴みにいっても間に合わないだろう。
この時点で勝負はついていた。

☆☆☆

魔理沙は目をつぶっていた。
今、湯船の中にいるのは魔理沙1人。
ほかの一緒にだるまをやったメンバーと、霊夢、パチュリーは周りで見ている。
幽々子に落とされた時点ではどうにもならないと思ったが、最後はうまく出し抜くことに成功した。
前で早苗や永琳がいろいろしている間、魔理沙は集団の端でじっとしていた。
もしもその間にゴールされたらどうにもならないが、魔理沙はゴールしないことに賭け、そして、運よく前が開けた瞬間に一気に駆け抜けた。
「それでは、美青年の登場よ!」
「「おーぉ!」」
周囲から歓声があがる。
しかし、ここで魔理沙は重大なことに気づいた。
今からやろうとしていることはなんだっただろうか?
美青年と混浴である。
もう一度言う。
美青年と混浴だ。
その時魔理沙の頭に一人の魔法使いが浮かんだ。
もしアリスがこのことを知ったらどうなるだろうか?
もちろんアリスと一緒に風呂に入ったことはある。
しかし、これは明らかにマズイことになる気がした。
この場所には天狗がいるし、目撃者も多数。
言い訳はできない。
アリスが知ったところで泣いたり、文句を言われることはないだろう。
だが、それを口実に、何をされるか分かったものではない。
ことの重大さに気付いた魔理沙は目を開いた。
急いで湯船から出なくてはならない。
だが、湯船に入ってきた美青年と目があってしまった。
その姿に魔理沙は凍り付いた。
だんだん焦点が合わさって、はっきりと視界にその姿をとらえる。
「魔理沙……」
その美青年は魔理沙の名前を知っていた。
もちろん魔理沙も知ってい相手だ。
あえてここで正確な容姿も、身につけているものも書かない。
想像にお任せする。
強いて特徴をあげるなら、幻想郷では珍しい眼鏡になる。
「はい」
外で見ていた霊夢が、コートのポケットから何かを取り出して、魔理沙に投げ渡した。
魔理沙はそれを両手で受け止める。
使い慣れたミニ八卦炉。
夕食に食べたキノコで、十分魔力は溜まっている。
魔理沙は一気にその中に魔力をこめた。
軽く軋むほどまで魔力の密度を高めていく。
ここまでやったのは、いつ以来だろうか?
「魔理沙、いきなり何をするんだ!ここから始まる僕とのバージンロードを!」
「早く、服を着てよ!馬鹿こーりん!!」
魔理沙は言葉使いも忘れて一気に魔力を放出する。
―恋符 マスタースパーク
小涌園の空に一人の悲鳴が響きわたった。
こんばんは。
牡蠣で微熱を出しました。
natural born Gei-ninは本当にすごいですね。
書いていて、その凄さを痛感しました。
またあの番組に復活してもらいたいです
本当はだるまさんも、もっと派手にしたかったのですが……。
いろいろ能力が足りませんでした。
それでは、ここまで読んでくださった方、どうもありがとうございました。

p.s.最初はここで今日の琴森をやろうと思いましたが断念しました。
琴森ありす
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コメント



0.610簡易評価
1.80奇声を発する程度の能力削除
皆のノリが良く面白かったですw
5.100名前が正体不明である程度の能力削除
こーりん…
9.100名前が無い程度の能力削除
内(ピー)だコレー!?
10.100名前が無い程度の能力削除
>15ぐらい高く言った気がするがそんなものは誤差だ。

みょんよエンゲル係数は100は超えないのだぞ?
17.70筑紫削除
温泉旅行いいですね~のほほんで終わると思いきや、やはりそこは幻想郷といったところでしょうかw
ただキャラクターが多い為、ところどころの心情描写が誰を示しているのかちょっと分かりにくかったので、この点数で。
お話自体は安定して面白かったですw
18.100名前が無い程度の能力削除
元ネタがわからなくても十分楽しめました!
本当にありがとうございました!!