Coolier - 新生・東方創想話

妖精メイドと紅魔館のとある一日

2011/11/09 00:44:28
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「おはようございます、レミリアお嬢様」
「うん、おはよう。今日は咲夜じゃないのね」
「ええ、咲夜さんは食事の準備の方に行っております」
「……またなんで?」
「忙しいから代わりにお願い、と言っておりましたが……」

いつもと変わらない紅魔館の朝。
いや、一つ違うことをあげるとすれば……
今日は咲夜さんではなく、私、妖精メイドのシエラがお嬢様を起こしに来た、というところでしょうか。

「咲夜も大変ねぇ。あなたも副メイド長になって忙しくなったんじゃない?」
「ええ、前よりは忙しくなりましたね。でも、十分楽しいですから問題ないですよ」

少し前、私はただのメイドから副メイド長に昇格しました。

『咲夜さんに気に入られたい』

そんな思いでひたすら頑張っていたら、いつの間にかこうなっていた感じですね。
今ではメイド長である咲夜さんの補佐を務めたり、咲夜さんの代わりに仕事をこなしたりと、忙しくも楽しい日々が続いています。

「で、最近咲夜とはどうなの?」
「い、一緒に寝たり、お風呂に入ったりはしてますよ……」

咲夜さんは優しくて、よく私と一緒に寝てくれたり、お風呂に入ったりしてくれるんです。
人に言うのはちょっとだけ恥ずかしいですけどね……
ほとんど周知の事実みたいなものですけど。

「へぇ、仲良いじゃない。これからが楽しみねー。
 ……さてと、とりあえず朝ごはんを食べに行きましょうかね。
 ほら、フラン、起きて! もう朝よ!」
「うーん、もう朝なのー……? あ、シエラ、おはよー」
「おはようございます、フランお嬢様」

レミリアお嬢様の妹であるフランお嬢様も起きましたね。
フランお嬢様は天真爛漫、純真無垢、といった感じでメイドたちの人気者です。
あ、もちろんレミリアお嬢様も人気者ですよ?
お二人とも、可愛いところがたくさんあるんですから。

「フラン、急いで着替えましょ。朝ごはんが待ってるわよ」
「はーい! 朝ごはんー!」
「あ、手伝いましょうか?」

手伝いを申し出る。
別にやましい気持ちはありませんよ?
ただ、お手伝いがしたいからそう言っただけなんですからね?

「着替えくらい一人でできるから大丈夫よ。とりあえず外で待っててもらえるかしら?」
「わかりました。何かありましたら呼んでくださいね」

軽く礼をしてから、部屋の外に出る。
こうして私の一日が始まるのでありました。



「おはようございます、お嬢様!」
「うん、おはよう」

食堂に入ると、すでにメイドたちは準備を済ませて、主人の到着を待っていました。
さて、私も席に戻りましょうか。

「お疲れ様」
「そっちこそ、お疲れ様」

私の隣に座っているのは親友のジュリ。
本当は「ジュリエット」って名前なんですが、名前が長いから、ということでみんな縮めて「ジュリ」って呼んでます。
本人もこっちの呼び名を気に入ってるみたいですしね。
紅魔館の洗濯のプロで、洗濯では右に出るものがいない子です。
ちなみに私の親友たちはそれぞれが何かしらのプロだったりします。
彼女たちに色々教えてもらったから今の私がいると思っているので、彼女たちには言葉で表せないくらいに感謝してます。

「お嬢様の寝顔はどうだったかしらー?」
「うん、すごく可愛かった……って何言わせるのよ!」
「あはは、ごめんごめん」

もう、ジュリったら……
たまに人をからかうところがあるのが悪いところかなぁ。
それ以上にいいところも多いんだけれど。
だから彼女のことは大好きなんです。

「皆揃ったわね。それじゃあ頂きましょうか」

いつものように咲夜さんの声が食堂に響く。
この声で全員が姿勢を正します。

「頂きます!」

咲夜さんの号令に続いて、頂きますという言葉が響き渡りました。
いつもと変わらない紅魔館の食卓です。

「今日はサラダにハムエッグと焼きたてのパン……」
「このパンが美味しいのよね」
「うんうん、私、このパンが大好きなんだー」

ふっくらもちもちしてて最高なんだよね。
これ、売り物にすればかなり売れるんじゃないかなぁ?
「口コミで評判! 紅魔館の焼き立てパン!」みたいな感じで売れば……
ぼろ儲けも夢じゃない、ですね!

「ん? 何ニヤニヤしてるの?」
「あ、なんでもないよ! うん、なんでもない……」

おっと、ついニヤニヤしてしまいました。
それにしても、やっぱり美味しい。
パンはもちろん、サラダもハムエッグも最高です。
うーん、こんなに美味しいご飯が食べられるなんて、私は幸せ者ですよ。



「ごちそうさまー……お腹一杯だよー」
「食べすぎで動けない、なんてことにはならないでよ?」
「そんなことにはならないよー……多分」
「多分かい」

ジュリからそんなツッコミが返ってきました。
うにゃー、だってどうなるかわからないし、そう答えるしかないじゃん。

「それじゃ、私は仕事があるから先に失礼するわね」
「あ、頑張ってねー」
「そっちこそ頑張ってね。それじゃ」

副メイド長になってから、みんなと一緒に仕事をする機会が減っちゃいました。
それでも、そういう機会が全く無いわけじゃないんですけどね。
寝たりする時は一緒のことが多いですし。
ま、咲夜さんと寝ることも多いんですけど……

「さて、私もお仕事頑張らなきゃ!」
「あ、シエラ、下げてもよかった?」
「うん、お願いね」

お皿はこの子に任せることにして、私も仕事に行こーっと。
えーと、今日の仕事は……館内の見回りだったかな。
楽そうに見えて地味にきついのよね……
見回り中に「手伝ってー」なんてよく言われるし。

「シエラ、今日の仕事は見回りだったかしら?」
「え? はい。そうですけど……」

咲夜さんに声を掛けられたのでそう返すと、彼女はうーん、と唸って顎に軽く手を当てました。

「それだったらいつ終わるかわからないわね……まぁ、別にいいわ。
 とりあえず、終わったら報告してくれるかしら?
 ……全部終わったらお風呂にでも入りましょ」
「は、はい! できるだけ早く終わらせられるように頑張ります!」

咲夜さんの笑顔を見たら、やる気が出てきましたよ!
よーし、精一杯頑張ろうっと!



というわけで見回り開始ですね。
見回りの仕事は、何かおかしなことや物があったりしないかを見て回る仕事。
ついでにメイドたちの仕事ぶりを見て回るというのもあったりします。
ここだけの話、私自身もたまにサボったりするので、あまり強くは注意してないんですけれども。
あ、咲夜さんには内緒ですからね。

「とりあえず館内から始めようっと」

まずは館内から見回りを始めることにします。
廊下を歩きながらメイドたちの働きぶりをチェック。

「……うん、このあたりは何も問題無いみたい」

メイドたちもしっかり働いてるし、おかしなこともない。
さて、次のところにでも行きますか。

「シーエラ!」

おや、この声は……

「フランお嬢様、どうかしましたか?」

振り向くと、フランお嬢様が笑いながら抱きついてきていました。
頭を軽く撫でながら、どうしたのか聞いてみることに。

「ねぇ、遊んでよー!」
「あれ? レミリアお嬢様はどうしたんですか?」
「出かけてくるって言って、どこかに行っちゃったんだー」

お出かけ、っていうことは咲夜さんも付いて行っちゃったってことね。
それじゃあ、遊ぶ人もいないよなぁ。

「ね、遊んで?」

上目遣いでおねだりをしてくるフランお嬢様。
うーん、やっぱり可愛いですね。
特に忙しいわけでもないし……遊んであげてもいいかな。
それに、お嬢様の遊び相手になることもメイドの仕事の一つですし。

「ええ、いいですよ。何をして遊びますか?」
「んー、そうだね……」
「あれ、二人ともどうしたの?」

あ、ちょうどいいところにジュリが来た。
ついでだから彼女も誘っちゃおうっと。

「ねぇ、ジュリもフランお嬢様と遊ばない?」
「へ? んー、まぁ、特に忙しくないし問題ないけど……」

よし、一人増えたわ。
二人だけじゃ楽しくないもんね。

「ただ、長くは遊べませんよ?」
「大丈夫だよー。暇になったら図書館にでも行くから」

図書館かぁ。
後でそっちのほうにも行かないといけないわね。
おっと、今はフランお嬢様と遊ぶことだけを考えないと。

「とりあえず……おままごととかどうです?」
「んー、それはこの間したばかりだしなぁ。
 あ! 弾幕ごっことかどう!?」
「全力で拒否させてもらいます!」

二人で即座に拒否する。
前に一回やったことあるんだけれど、あれは酷かった……
私たちは一瞬でボロボロにされてしまったんですよ。
フランお嬢様は強すぎるんですよね。
私たちじゃ敵うはずがないです……

「えー、仕方ないなぁ。それじゃあ鬼ごっこは?」
「それならまだ何とか……」
「え、ええ。弾幕ごっこよりは……」
「それじゃあ決まりー! 私が最初に鬼やるよ!
 で、範囲は紅魔館の中だけで! 庭は無しねー」

中だけ、って言われてもかなり広いですよ?
ま、それでいいか。
外まで、って言われたら反論してたと思いますけど。

「それじゃあ三十秒したら追いかけるからねー。よーい、スタート!」

開始の合図とともに、全速力で逃げ出す私たち。
短い時間でどこまで遠くまで逃げられるか。
それが鬼ごっこでの大事なポイントの一つです。
三十秒で出来るだけ遠くまで逃げなければ……

「ねぇ、ジュリ、あと何秒!?」
「知らないわよ! とりあえず走れるだけ走って!」

そ、そうよね。
逃げられるだけ逃げないと。
でも、もう少しで追ってくるのは間違いない……

「あぁ、今日はどれくらい生き延びられるのかなぁ……」



「はい、終わりー!」
「つ、疲れた……」
「ま、また十分ももたなかったわね……」

あれから三、四回鬼ごっこをしたのですが、全て十分以内に捕まってしまうという結果に。
うぅ、疲れたよ……
フランお嬢様から逃げられる人っているのかな……
すごく気になるんだけれど。

「それじゃ、二人のお仕事の邪魔をしちゃいけないし、私は抜けるねー。
 二人とも、遊んでくれてありがと!」
「いえいえ、こちらこそありがとうございました」

ふふ、フランお嬢様の可愛い笑顔を見られたし、損では無かったですね。

「それじゃあねー!」
「はい、お疲れ様でした」

走り去るフランお嬢様に向かって小さく手を振る私たち。
……さて、仕事に戻らなきゃ。

「ジュリもまだ仕事あるんだよね?」
「うん、まだ残ってるわね」
「それじゃあ、お互いに仕事に戻ろうか。付き合ってくれてありがとね」
「気にしないでもいいよ。こっちもなかなか楽しかったし。ま、疲れはしたけどね。
 それじゃ、お仕事頑張ってー」
「そっちもね」

こうしてジュリと別れることになりました。
さてと、先はまだ長いし、私もがんばろー!



「よし、後は門のほうを見るだけね」

数時間をかけて、館内と庭の見回りが終了。
広い庭ではメイドたちが草刈りをしたり、樹木の世話をしたりしています。
大体のメイドたちは仕事を頑張っているようだったので、軽く見て回るだけで終わりましたよ。
まぁ、それでも少しの注意はしましたけどね。
館内も外も大きな問題はなかったので、良しとしましょう。
あとは門のあたりを見て回るだけ。
と、いうわけで正門にやってきたのですが……

「せいやっ、はぁっ!」
「おぉ、だいぶ良くなってきたわね!」

目の前には組み手をする門番とメイドが。
……この二人は何をしているんでしょうね。
門番の仕事はいいのかな?

「あの、ちょっとー」

とりあえず声をかけることに。

「あ、どしたのシエラ?」
「いや、どしたのじゃなくてね、リマ……」

彼女はリマ。
小柄で元気一杯の子なんですけど、こう見えて掃除のプロなんですよ。
ちなみに自分のことを「あたし」と呼ぶのが特徴だったりします。

「これでも門番の仕事はしっかりしているつもりですけど?」

美鈴さんが割り込んできた。
この人が紅魔館の門番。
拳法の達人で、その腕を買われて門番をやっているのだとか。
まぁ、大抵寝てるから門番として役に立っているのかは謎だけれども。

「本当ですか?」
「ええ。こんなことしてるように見えて、しっかり門のほうは見張っていますから!」

あ、なんか二人をからかいたくなってきちゃった。
ちょっとだけからかってみよう。
ふふ、どういう反応を見せてくれるのかな。

「おかしいですね……さっき館内に不審な人がいるのを見たんですけど」
「え!?」

私の言葉に驚く二人。

「あぁ、どうしよう……また咲夜さんに怒られる……」
「ど、どうしよ、あたしも一緒に怒られちゃうよ……」

二人の慌てっぷりを見ていると笑いがこみ上げてきちゃいました。
まさかここまで慌てるなんてね。

「ぷっ、くくく……」
「な、何で笑ってるのよー!」
「いや、二人の慌てぶりが面白かったから……
 実は今のは嘘なの。ごめんね」
「へ?」
「だから……嘘なの」

二人ならそこまで怒らないと思うんだけれど、どうだろう。
怒られたら怒られたで、悪いのは私だから文句は無いけどね。

「ムキー! 何で嘘つくのよー!」
「そうですよー! 驚いちゃったじゃないですか!」

あ、やっぱり怒った。
というかムキーって……また古典的な怒り方を。

「なんか二人を見てたら、からかいたくなって……」
「むー……まぁ、別にいいけどさー」
「からかうのはいいですけど、今みたいのはやめてくださいよ?
 ものすごくびっくりしたんですから。
 あー、心臓に悪い……」
「はーい、ごめんなさい」

軽く笑いながら二人に謝る。
ついでに疑問に思っていたことを聞いてみることにしました。

「で、二人は何をしてたんですか?」
「あ、さっきのですか? ちょっとリマちゃんに稽古をつけてたんですよ」
「稽古?」
「えへへ、美鈴さんに拳法を教えてもらってたんだー。
 あたし、体動かすの好きだしさ。
 実は結構前から教えてもらってるんだよ!」

へぇ、美鈴さんと一緒に体動かしたいって前に言ってたけど、願いが叶ったのね。
良かったね、リマ。

「リマちゃんの上達が早くて、教えてるこっちも楽しいですよ。
 あ、シエラさんもどうですか?」
「いや、今日は遠慮しておきますよ。まだ仕事も残ってますし」
「そうですか。体を動かしたくなったら、いつでも私に言ってくださいね?
 いつでも付き合いますから!」
「はい、ありがとうございます」

うーん、今度拳法を教えてもらってもいいかも。
いい運動になりそうだしね。
それに護身用に役立ちそうだし。

「それじゃあ稽古に戻りますか!」
「稽古もいいですけど、仕事の方も忘れないでくださいよ?」
「ええ、わかってますよ。しっかり仕事もしますから!」
「リマもね?」
「わかってるよぅ……ってことで、シエラのほうも頑張ってねー!」
「ええ、ありがと。私も頑張るよ」

二人に軽く手を振ってから館内に戻ることに。
くるりと館の方を振り返って中に戻ろうとすると、後ろから威勢のいい掛け声が聞こえてきました。
ふふ、二人とも仲が良さそうで何よりです。
ああいう風に人が仲良くしているのを見ると、こちらも嬉しくなってきますね。
さて、次は図書館に行かなきゃ。



というわけで図書館に到着。
今日も何人かメイドや館外からのお客さんがいますね。
図書館にはいろんな本が置いてあるから、いろんな人が来るんですよ。
かく言う私もたまに本を借りて行ったりします。
小説だったり、外の世界の雑誌だったり……まぁ、色々借りてますね。
あ、一応真面目な本も借りますからね?
メイドの作法についての本だったりとか……
ま、それは置いておいて、図書館を軽く見回ることにしよ。
と言っても、ここは小悪魔さんがいるからそこまで見回る必要も無いんですけれども。
その時、見慣れた子がいることに気がつきました。

「あれ、シャーリーじゃない」
「あ、シエラ」

私の友人で、本を読むことが大好きなシャーリーが大きい本棚の前に立っていました。
彼女は紅魔館でも指折りの料理の腕の持ち主なんですよ。
シャーリーの料理は本当に美味しいんですから。
ちなみに紅魔館でも数少ないメガネをかけた子だったりします。
彼女のファンは多いとか何とか……

「こんなところで何してるの? 面白い本探し?」
「ん、まぁ、それもあるけど、パチュリー様と小悪魔さんに頼まれてお仕事中」
「お仕事って言ったら……本の整理とか?」
「うん、だいたいそういうの」

うーん、図書館のお仕事っていうのも大変なんだなぁ。
暇があれば手伝いたいところだけど、私も仕事が残ってるし無理かもしれない。

「シャーリー、そっちは終わった?」
「あ、はい! こっちは終わりました!」

そんなパチュリー様の声が聞こえてきました。

「それじゃ、一回戻ってきてくれるかしら?」
「わかりました!」
「あ、私もついていこうっと」

声のするほうへと走る私たち。
その先には、椅子に座りながら机の上の本を整理しているパチュリー様と、それを手伝う小悪魔さんの姿が。

「あら、シエラもいたのね。見回りかしら?」
「はい、そうです」
「お疲れ様です。あ、お茶はいかがですか?」

お茶……あ、そういえば今日は一回も休憩してないな。
昼食にサンドイッチを軽く食べたけど、あれは休憩とは言えないし。
うん、ここらで一息入れるのも悪くは無いよね。

「すみません、もらってもいいですか?」
「もちろん! すぐに準備しますので、ちょっと待っててくださいね。
 適当な椅子にでも座って待っててください」

そういえば、小悪魔さんの入れるお茶は美味しいって聞いたことがあるなぁ。
どんな感じなんだろう?
楽しみに待たせてもらうことにしようっと。

「そういえば、咲夜があなたのことを楽しそうに語ってくれたわね」
「咲夜さんが?」
「ええ。『仕事はしっかりこなすし、いつも私のことを気遣ってくれる優しい子』とか言ってたわよ。
 相当気に入られてるみたいね。あとは可愛い子、とも言っていたかしら」

ふふふ、と笑うパチュリー様。
咲夜さんがそう言っていたなんて……
嬉しさで心臓が止まってしまいそうですよ……

「で、あなたは咲夜の事をどう思ってるの?」
「私、ですか? うーん……」

綺麗だとか、優しいだとかいろいろな単語は浮かんでくるけど、言葉にするのは難しいなぁ。

「好きではあるんでしょ?」
「は、はい! もちろんですよ! 咲夜さんのことは大好きです!」
「ちょ、ちょっとシエラ、落ち着きなさいよ……」

シャーリーにそう諌められちゃいました。
そ、そうだね、ちょっと落ち着かないと……

「お茶の準備ができましたよー」

あ、ちょうどいいところに小悪魔さんが戻ってきた。
お茶を飲めばいい感じに落ち着けるはず。
というわけで一杯もらうことにしましょう。

「あ、すみません、もらいますね」

小悪魔さんが持ったトレイからお茶のカップを一つ取る。
うーん、いい匂い。それでは一口……
口に含むと、茶葉の香りと暖かさが口いっぱいに広がります。
同時に心が落ち着いてくるのが分かりました。
うん、やっぱり紅茶はリラックスにはちょうどいいですね。

「どう、落ち着いた?」
「は、はい。取り乱してしまい申し訳ありません……」
「気にしなくてもいいわよ
 それにしても、取り乱すほどに咲夜のことが好きなのねぇ……
 ちょっと咲夜が羨ましいかな?」

パチュリー様は苦笑した。
そこに小悪魔さんが口を挟む。

「パチュリー様には私がいるじゃないですか」
「……ふふ、そうね。ありがとう、こあ」
「えへへ……」

小悪魔さんの頭を撫でるパチュリー様。
うーん、この二人もなかなかに熱いですね。
……あ、私、いいこと思いついちゃいましたよ。

「あの、実は二人に黙ってたことがありまして……
 シャーリーは二人のことが大好きだとか」
「ぶっ!? ちょ、何言い出すのよ!?」

私の考えとはこれ。
これで上手く行けば三人が仲良くやってくれるはずですよ。
……まぁ、失敗すれば悲惨なことになりますが。
一種の賭けですね。

「へ? シャーリーってばそう思ってたの?」
「確かに、よく私たちに話しかけてくるなぁとは思っていましたけど……」
「う、うぅ……」

あらあら、シャーリーったら真っ赤だね。
そんなあなたも可愛いわよ。

「ま、まぁ、私たちもあなたは嫌いじゃないわよ? ねぇ?」
「ええ。可愛いし、仕事は頑張ってくれるし……素敵な方だと思ってますよ!」
「ぱ、パチュリー様、小悪魔さん……」

お、上手くいったみたいね。
ただ、これからどうなるかはシャーリー次第。
私はきっかけを作っただけに過ぎないし。
……さてと、邪魔者はそろそろ退散しますかね。
あとは三人で楽しくやってもらおうっと。

「それじゃ、私はこれで抜けますね。
 お茶、ありがとうございました。とっても美味しかったです」
「あ、ご苦労様です。またいつでもお茶を飲みに来てくださいね」
「仕事頑張ってね」

席を立って図書館を後にしようとしたその時。
シャーリーに服をつかまれた。

「し、シエラ、行かないでよ……気まずいじゃない……」
「え? 私は三人だけの方が話しやすいかと思って抜けることにしたんだけど。
 まー、とりあえず……その、頑張って!」

シャーリーに向かってぐっ、と親指を立てる私。

「う、うぐぅ……」

許してね、これもあなたのためなのよ。
こうすればあなたが幸せになってくれると思ったから。
とりあえずここは離脱して、後でどうなったのか聞いてみよっと。

「それでは、ごちそうさまでした。
 あとは三人で仲良くやってくださいね」

そう言い残して立ち去る。
うん、あの三人なら仲良くやっていけるわね。
うふふ、あとから話を聞くのが楽しみだなー!



「さて、お仕事終了……あとはご飯を食べて、お風呂に入って寝るだけだね」

見回りのお仕事もようやく終了。
夕食の時間も近いですね。うぅ、お腹ペコペコですよ。
今日のご飯は何かなぁ。ハンバーグだといいなぁ……

「よーし、早速食堂に行こうっと! 時間的にも問題ないはずだし……」

と、いうわけで食堂に移動開始ー。
厨房の方は咲夜さんが見てるだろうし、行かなくてもいいよね。
さーて、ご飯ご飯ー!



「へぇ、今日のご飯はオムライスなんだ」

目の前には黄色の塊が。
その下には赤いご飯が入っているのが分かります。
今日はオムライスみたいです。

「なんかお嬢様がオムライス食べたいって言ったらしくて、こうなったんだってさ。
 さっき料理担当の子に聞いたんだけどね」

ジュリの話を聞いてなるほど、と思ってしまう。
基本的には料理は料理担当のメイドの話し合いや咲夜さんの提案で決まります。
でも、今日みたいに、お嬢様の食べたいものがそのまま出ることもあるんです。
あ、お嬢様の好みって子供らしくて可愛いんですよ。
今日出たオムライスは特に好きらしいです。
ちらり、とお嬢様の方に目をやると……

「オムライスおいしー! オムライス大好きなのよねー」
「うん、すごいおいしー! 私もオムライス大好きー!」

あ、やっぱり姉妹で大喜びしてる。
うーん、二人とも可愛いなぁ。

「さて、私たちも食べましょうか」
「あ、そうだね。それじゃ、頂きまーす!」

早速一口食べてみる。
……うん、美味しい!
やっぱり紅魔館のご飯は美味しいですね。
紅魔館がレストランを出したら、ボロ儲け出来るんじゃないでしょうか?
今度お嬢様にでも言ってみようかな?
まぁ、それくらいに美味しいのは私が保証しますよ。

「ここに来てよかったー!
 仕事は楽しいし、ご飯は美味しいし、みんなと友達になれたし……」
「うん、私もそう思うわ」

静かに笑うジュリ。
と、その時、彼女は私の顔をじーっと見つめました。
あれ、どうかしたのかな?

「シエラ、口にケチャップついてるわよ」
「え?」
「ほら、拭いてあげるから顔近づけて」

顔を近づけると、ジュリがナプキンで口の周りを拭いてくれました。

「んん……ありがと」
「これで良し。気をつけないとせっかくの可愛い顔が台無しになっちゃうわよ?」
「あ、うん、気をつけるよ」

せっかくの可愛い顔、かぁ。
ふふ、そう言ってもらえると嬉しくなっちゃうよ。
私ってそんなに可愛い?

「それじゃ、気をつけて食べなさいね?」
「うん!」

私たち、いつの間にか姉妹みたいになってるなぁ。
でも、そんなのもいいかも……



ごちそうさまでした。
オムライスはもちろん、スープやサラダも美味でした。
さて、お片づけは料理担当の子達に任せて、部屋で一休みしようかなー。

「あ、シエラ、ちょっと待って」
「はい? なんですか、咲夜さん?」

部屋に戻ろうとした時、咲夜さんに呼び止められた。
何か用かな?

「仕事の方は終わったかしら?」

あ、仕事の報告するの忘れてたよ。
とりあえず、今報告しておこう。

「ええ、全部終わりましたよ。
 皆真面目に頑張っている様子だったので、早く終わりました」
「そう、わかったわ。ご苦労様。
 それじゃ、朝に言った通り、後で一緒にお風呂に入りましょ。
 私は部屋で待ってるから、準備が出来たら部屋に来てね」

咲夜さんからお風呂のお誘い。
朝から楽しみにしてたんだよねー。

「はい、わかりました!
 ちょっと休んでから行くので、少し時間掛かるかもしれないです」
「ええ、わかった。待ってるわ」

にこり、と笑う咲夜さん。

「う、うにゃー……」

そんな顔されると、嬉しさで顔から火が出てしまいそうです……
瀟洒という呼び名にふさわしい笑顔でした。

「それじゃ、また後でね」

そう言い残して、食堂から立ち去る咲夜さん。
……おっと、私も早く部屋に戻ろうっと。
咲夜さんとお風呂……楽しみだなー!



「ただいまー」
「あ、おかえりー」

部屋に帰ると、皆揃って談笑をしている最中でした。

「シエラ、お疲れ様ー」
「ありがとう、リマ。みんなもお疲れ様」

さて、ちょっとだけ休んだら、お風呂の準備をしないとね。

「そういえば、なんか面白いことあった?」
「うーん、あたしは美鈴さんと一緒に寝ることになったことくらいかな」

へぇ、美鈴さんと、そこまで行ったのね。
おめでたい話です。

「へぇ、そうなんだ。リマは美鈴さんのこと好きなんだよね?」
「うん、大好きだよー。一緒にいると楽しいし、お姉さんみたいな感じで一緒にいたら安心できるんだー。
 そう言うシャーリーもパチュリー様と小悪魔さんのことが好きなんでしょ?」

あ、そういえばシャーリーにあの後どうなったのか聞くの忘れてた。
どうなったんだろう?

「あ、それに関連してなんだけど、あの後どうなった?」
「え? あ、うん……実はあれから話が色々弾んじゃってさ。
 今日は三人で寝ようか、っていうことになっちゃったの」
「おー! おめでとう!」

うんうん、あそこできっかけ作っておいて良かったわ。
これから私のことを『紅魔館のキューピッド』なんて呼んでもいいのよ?
……あれ、ちょっと待ってよ。
ということは二人は別の部屋で寝るってことだよね。
私も多分咲夜さんと寝るから、この部屋にはジュリだけってことに……
一人だけにしちゃうのは、ちょっと気が引けちゃうんだけど。

「ジュリ、あなた、今日はこの部屋に一人残るっぽいけど大丈夫?」
「うん? あ、そういえば言ってなかったわね。
 実は私によく懐いてる子が『一緒に寝ませんか?』って言ってきてね」
「えっと、もしかして、いつもジュリのことを『ジュリお姉様』って言ってる子?」
「うん、リマの言ってる子で合ってるよ」

あー、あの子かー。
いつもジュリのことを「お姉様」なんて呼んで慕ってる子がいたわねぇ。
あの子、小さくて可愛いのよね。
ジュリだけじゃなくて、私たちも惹かれちゃうくらいに。

「というわけで、今日はそれぞれ別の部屋で寝るみたいね」
「そうだねー。美鈴さんと一緒に寝るの、楽しみだなー。色々お話してから寝たいよー」
「私もすごい楽しみ。ちょっとドキドキしちゃうけどね。
 小悪魔さん、パチュリー様と一緒に寝れるなんて夢みたい……」

今日は皆好きな人たちと一緒に寝るわけですか。
少しずつ、皆幸せになってきてるなぁ。
こっちも嬉しくなっちゃいますよ。

「私も今日は咲夜さんと寝ることにするよ。
 でもその前に、咲夜さんとお風呂……」
「二人でお風呂、かぁ。私たちも近いうちにそうなるのかなぁ。
 ま、私はあの子とよく入ってるけど」
「美鈴さんとお風呂……」
「こ、小悪魔さん、パチュリー様とお風呂……いいなぁ、入ってみたいなぁ」

あ、二人が妄想の世界に……
とりあえずこのままにしておきましょうか。
そろそろ咲夜さんのところに行かなきゃいけないし。

「それじゃ、私は咲夜さんのところに行ってくるね。
 待ちくたびれてるかもしれないし」
「あ、行ってらっしゃい。楽しんできてね」
「ジュリたちもね」

着替えを手にとって、自室を後にすることにしました。
さて、急がなきゃ。咲夜さんを待たせたくないし。



「咲夜さん、シエラです。入ってもいいですか?」
「ええ、いいわよ。入ってちょうだい」
「失礼します」

軽く礼をして、咲夜さんの部屋に入ります。
咲夜さんはちょうど本を読んでいたようでした。
テーブルの上には伏せられた本が。
小説、でしょうか?

「本を読んでたんですか?」
「ええ。外の世界の小説をちょっと、ね」
「ちょっと見せてもらってもいいですか?」
「ええ、いいわよ」

ミステリー? それともサスペンスかな。
それではちょっと失礼して。
えーと……これは、恋愛小説?
へぇ、咲夜さんってこんなの読んだりするんだ。

「恋愛小説ですか。咲夜さんもこういうの読むんですね」

ちょっと意外で、笑いがこみ上げてきてしまいました。
あ、別に馬鹿にしてるわけじゃないんですよ。
ただ、意外だったから……

「む、そんなに意外かしら? それとも、私がそんなの読んじゃ駄目だとでも?」
「いえいえ、そんなことはないですよ。
 ただ、そういうのって読まなさそうなイメージあったから……」
「失礼ね。私だって年頃の女の子なんだから、そういうのに興味くらいあるわよ。
 で、準備は出来たの?」
「ええ、準備は万端ですよ」
「それじゃあ、お風呂に行きましょうか」
「はい!」

咲夜さんは伏せた小説にしおりを挟んでから、着替えを手に取りました。
この時間はお風呂にはちょっと早いから、お風呂には誰もいないはず。
ということは咲夜さんと二人きりですね……
うぅ、興奮してきちゃいました。

「さ、行くわよ」

二人で部屋を出て、お風呂に向かいます。
廊下にはメイドの姿は全く見えませんね。
ほとんどの子は休憩中なのかも。
誰もいないし……今日もあれやろうっと。

「……」

隣を歩く咲夜さんの腕に抱きつく私。
最近これが好きなんですよね。
すごく落ち着くんですよ。

「ちょ、ちょっと、いきなり抱きつかないでよ」
「すみません。でも、これ、すごく落ち着くんですよー」
「全く……ま、悪い気はしないからいいけどね」
「にゃあ……」

えへへ、頭を撫でられちゃいました。
咲夜さんに撫でられると気持ちがいいんですよね。
できればもっと撫でてほしいけど、それはあとででいいや。
まずはお風呂に入らないといけないし……
それから少し歩いて、お風呂に到着。

「えーと、着いたから離れてもらえるかしら?
 服が脱げないし……」
「あ、はい」

ちょっと名残惜しいけど、咲夜さんの腕から離れることに。
また帰りに抱きつけばいいかな。

「さ、早く温まりましょうか」
「ですね」

そう言いつつ、服を脱ぐことにしました。
二人で黙って服を脱いでいくと、室内に衣擦れの音や服が落ちる音が響きます。
うーん、音だけでこんなに興奮しちゃうなんて……
そして、最後の一枚を脱ぎ、しっかり畳んでから棚に置きます。
畳んでおかないとしわになったりしますからね。
タオルを手にとって……さぁ、ようやく入浴タイムですよー!

「うんうん、今日もいい感じに沸いてるわね」

咲夜さんが浴室に続くドアを開けると、目の前が湯気で真っ白に。
そしてむあっとした空気が肌を撫でていきます。
紅魔館のお風呂はメイドが全員入れるくらいに大きかったりします。
自慢のお風呂なんですよ。

「それにしても……誰もいないわねぇ」
「そうですねー。でも私は咲夜さんと二人きりのほうが嬉しいです」
「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。
 それじゃあとことん喜ばせてあげるからね?」
「えへへ……」

もっと喜ばせてもらいたいなぁ。
頭撫でてもらったりとか、抱きしめてくれたりとか……

「それじゃ、まずは体を洗いましょうか。ほら、座って座って」
「はーい!」

浴室の隅に置いてある椅子を手にとって、咲夜さんの目の前に座ります。
さてと、まずは髪を洗おうかな。

「私は背中を洗ってあげるわね」
「あ、すみません。ありがとうございます」

目を閉じて髪を洗い始めると、背中にタオルと手が当たる感触が。
うーん、気持ちいいですね。
しばらく髪を洗っていると、背中の感触が無くなりました。
ん、終わったのかな?

「ふぅ、終わったわよ」
「わかりましたー」

やっぱり終わったみたい。
こっちも髪を洗い終わったし、体を流そうっと。
……って、あ、あれ? お湯はどこ?
洗面器に溜めてここら辺に置いていたはずなのに……

「シエラ、しっかり目をつぶっててよ?」
「へっ? にゃんっ!?」

咲夜さんの声がした後、いきなり頭からお湯を掛けられちゃいました。

「あと二回掛けるわよー」

その言葉通り、お湯を二回掛けてもらいます。
ふぅ、これですっきりしましたね……

「さ、今度は交代。背中を洗ってもらえるかしら?」
「はい! もちろんです!」

今度は私が咲夜さんの背中を洗うことに。
場所を交代して……うん、準備完了!

「それじゃ、行きますよー」
「お願いね」

石鹸をつけたタオルで咲夜さんの背中をごしごしと拭いていきます。
白くてすべすべしてて、すごい綺麗です……

「うん? 手が止まってるけどどうかした?」
「あ、なんでもないですっ!」

あ、しまった。見とれてて、手が止まってました……
まずは咲夜さんの背中を流すことに集中しないと。
咲夜さんの背中を見つめるのは後からでも出来ますしね。

「終わりましたよー」
「うん、ありがとう。それじゃあ、流してもらえるかしら?」
「はい! しっかり目を閉じててくださいね」

洗面器にお湯を溜めて、咲夜さんの頭に掛けます。
あと二回掛ければ大丈夫かな。
よいしょ、よいしょっと……よし、終わり!

「ん、ありがとね」

そう咲夜さんが頭を撫でた瞬間、脱衣所に続くドアが開かれました。
だ、誰か入ってきた……? 誰だろう?

「お邪魔するわねー」
「えへへ、お邪魔しまーす」

あれ、この声は……レミリアお嬢様にフランお嬢様?
ぺたぺた、という足跡がするほうを見ると、ぼんやりとお嬢様の姿が。

「あれ、お嬢様? 珍しいですね、こんな時間にお風呂なんて」
「いやー、咲夜とシエラがお風呂に入るのが見えたから、私たちも一緒に入ろうかなー、なんて」
「で、私はお姉様が『二人と一緒に入りたいー』なんて言いだしたからついてきたの」
「わ、それ言っちゃ駄目!」

お嬢様が私たちと入りたい?

「あの、一緒に入ってもいい?」

か、可愛い……上目遣いのレミリアお嬢様、可愛すぎます!
もちろん、ここには断る人なんて存在しません。

「え、ええ、大丈夫です! お嬢様、この咲夜めが体を洗って差し上げます!」

さ、咲夜さん、興奮しすぎ……
興奮しちゃうのも分かりますけれども。

「それじゃあ、私はフランお嬢様の体を洗って差し上げますね」
「うん、お願いー!」

ぱぁっ、という音が聞こえてきそうなくらいの笑顔を見せるフランお嬢様。
ああ、やっぱりこの姉妹は可愛いなぁ。



「ふぅ、いいお湯ねー」

体も洗い終わったので、お湯に浸かってゆっくりすることに。
うん、いいお湯です。
一日の疲れも吹き飛んじゃいますね。

「えへへ、咲夜さん、抱っこしてもらえますか?」
「ええ、もちろんいいわよ」

仕事も終わったし、そろそろ甘えても問題はないですよね。
というわけで、咲夜さんに背中を預けることに。
咲夜さんに背中を向けると、優しく抱きしめてくれました。
ふにゃ、いい気持ちですー……

「あら、シエラってば意外と甘えん坊さんなのね」

そう言うレミリアお嬢様も意外と甘えん坊だとは思いますけどね。
だけど黙っていることにします。
触らぬ神になんとやらって言いますし。

「いいじゃないですか、甘えたって。
 そりゃ、仕事中は流石に甘えないですけど」
「仕事とプライベートはしっかり区別してるのね……流石は副メイド長」
「ええ、もちろん区別してますよ。
 『遊ぶ時は遊ぶ、仕事する時は仕事する』が私のモットーですから」
「へー、シエラってばすごいねー」
「あはは、別にすごくなんて無いですよー」

フランお嬢様には褒められたけど、私なんてまだまだですよ。
覚えることもたくさんありますし。

「いいえ、シエラ。あなたは十分すごいわよ。
 短期間でしっかり仕事を覚えたんだもの。
 そこは誇ってもいいと思うわ」
「さ、咲夜さん……」

そこまで言っていただけるなんて……感無量です。

「二人とも、ありがとうございます」

二人に向かって頭を下げる。
やっぱり、褒められるって気持ちがいいなぁ。

「シエラ、あなたには期待しているわよ。
 これからも仕事頑張って。もちろん咲夜も頑張ってちょうだいね」
「はい! お嬢様のために一生懸命頑張ります!」
「はい、私もシエラに負けないように頑張りたいと思います!」

レミリアお嬢様からもお褒めの言葉を……
よーし、これからも期待に応えられるように頑張るぞー!

「さてと、堅苦しいのはここまでにしましょ。
 という訳で……フランー、こっちおいでー!」
「はーい!」

あ、一気に表情が崩れた。
カリスマモードが終わりましたね。
そのままフランお嬢様に抱きつくレミリアお嬢様。
その顔は完全に子供らしいものになっていました。

「フラン大好きー!」
「うふふ、私も大好きだよ、お姉様!」

さっきまでの威厳が完全に無くなってしまったお嬢様。
でも私はこういうお嬢様の方が好きですね。年相応って感じがして。
ちなみにほとんどのメイドが「こっちのお嬢様の方が好き」って思ってたりします。
だって可愛いですもん。

「お、お嬢様、可愛いです……」

咲夜さんが二人の様子を見てにやける。
私も同意見ですよ。うん、可愛い。

「お風呂から上がったら何しよーか?」
「うーんと、トランプー!」
「咲夜とシエラはどうするー?」

私たち、ですか?
うーん、どうしようかな。
咲夜さんが行くって言うなら私も参加しますけど。

「そうですね……今日はもう仕事もないですし、やりましょうか」
「あ、咲夜さんが行くなら私も」
「うん、お風呂上がったら4人でトランプね! 約束だよー!」
「じゃあ、私たちは先に上がって待ってるねー。フラン、行きましょ」
「うん! またあとでねー!」

そう言い残して、二人は先に外に出て行きました。
……また二人きりになっちゃいましたね。

「四人でトランプ、かぁ。楽しみね」
「ええ、そうですね。で、いつ頃上がります?」
「すぐに出てもいいんだけど、あと少しだけこのままでいさせてもらえる?
 落ち着くし、何よりこっちも気持ちいいから」
「は、はい、私もそうしてもらえると嬉しいです……!」

えへへ、咲夜さんから抱っこされるのって嬉しいです。
こうされたら、一日の疲れが吹っ飛んじゃいますよ。

「今日は一緒に寝るでしょ?」
「はい! もちろんです!」
「ふふふ、それじゃあ今日は寝かせてあげないからね?」
「あー、咲夜さんったら、私に変な事するつもりですねー?」
「どうかしらねー?」

とぼける咲夜さん。
でも咲夜さんになら何されてもいい気がします。
あ、流石に嫌なものもあるかもですけど。

「もう、咲夜さんったら!」
「冗談よ、冗談! あなたが嫌がることは絶対にしないから」
「にゃ、今の言葉、ズキンと来ました……」

嫌がることは絶対にしないから。
私、この言葉に心打たれちゃいましたよ。

「そう? それじゃあ、心に響くようなことをもっと言ってもいい?」
「そ、それだけは勘弁してくださいー! ドキドキしすぎて死んじゃいますからー!」
「そこまで言うならやめとく。でもこれから先、機会があれば言ってあげるからね?」
「にゃ、にゃあ……」

言ってもらいたいような、言ってほしくないような……
なんか複雑な気分です。

「さて、そろそろ上がりましょうか。お嬢様たちも待ってるだろうし」
「あ、はい。よいしょ……」
「ん、ごめんね」

咲夜さんが立てるように、咲夜さんの腕から離れます。
出来るなら、ずっとあのままでいたかったですけどね。

「それじゃ、パジャマに着替えたらすぐにお嬢様たちの部屋に行くわよ」
「わかりました!」

上がったら、お嬢様たちとトランプかぁ。
勝てるといいな。
やっぱり勝てなきゃ面白くないですから!



「それじゃ、二人ともお休みー」
「お休みなさいませ、お嬢様」
「少しずつ寒くなってきましたから、暖かくして寝てくださいね?」
「うん分かった。ありがとね、シエラ!」

お風呂から上がった後、今までずっとトランプをしたり、雑談をしたりしていました。
トランプの方はまぁまぁでしたね。半分負けて半分勝った感じでしたよ。
そして、こうして楽しい時間は終わりを迎えた、というわけです。

「さて、私たちも寝ましょうかね」
「そうですね。ちょっと早い感じもしますけど」

いつも寝る時間より、少しだけ早い。
でもたまには早く寝るのも悪くないかも。

「早く寝るのも悪くは無いわよ? ぐっすり眠れるし。
 さ、とりあえず部屋に帰りましょ」
「はーい!」

ここでも咲夜さんの腕に抱きつくのを忘れない。
だって、気持ちがいいんですもの。

「それじゃ、行くわよ」

二人で廊下を部屋に向かって歩き始めます。
一人で歩くのはちょっと怖かったりするんですけど、咲夜さんがいればへっちゃらです!
彼女さえいれば、このままお墓にだって行けますよ。
……あ、やっぱ今のは無しで。
咲夜さんがいても流石に夜中に外に行くのは怖いです……

「ん、どうかしたの? 震えてるみたいだけど」
「い、いえ、なんでもないです……」

へ、変な想像はやめましょう。
余計に怖くなってきちゃうし……
そ、そうだ! 咲夜さんのことをもっと考えれば、怖い気持ちなんてなくなりますよね!
えと、えと、咲夜さんと食事したり、咲夜さんとピクニックに行ったり、咲夜さんとお料理したり……

「シエラ? 着いたわよ?」
「へっ? あ、いつの間に……」

気がつくと、いつの間にか咲夜さんの部屋の前にいました。
うーん、怖くならないように色々考えてる間に着いちゃったみたいです。

「さ、入るわよ」

そのまま中に入る私たち。
……ふぅ、中に入ると落ち着きますね。

「それじゃ、寝ましょうかねぇ」

うーん、と背伸びをしてから咲夜さんが言いました。

「ええ、そうしましょう」

私も寝ることにしましょうか。
ふふ、もちろん咲夜さんと一緒のベッドで……

「シエラ、おいで」
「はいっ!」

ベッドの中に入った咲夜さんが手招きをしてきました。
すぐにベッドの中に入ります。
うーん、やっぱり咲夜さんが一緒だと暖かいですね。

「寒くなってきたから、風邪を引かないようにしなさいね?」
「ええ、気をつけます」

毛布を肩までかければ風邪を引くことはないでしょう。
それに、咲夜さんも同じ布団で寝るから、いつもより暖かいですし。

「やっぱり咲夜さんと同じベッドで寝ると暖かいですね」
「ええ、こっちもすごく暖かいわ。これなら風邪なんて引かずに済みそう」
「……もっとくっつけば更に暖かくなるかもしれませんね」
「ん、言われてみれば。それじゃあ、あなたの言うとおりにしてっと……」

おぉ、言ってみるものですね。
これだと暖かいし、鼻が当たってしまうくらいに咲夜さんの顔が近くに見えます。
むぅ、これだけ近くにいると、キスをしたくなっちゃいます……

「咲夜さん、あの、キスしてもいいですか?」
「え? どうしたの急に?」
「いえ、こんなにも咲夜さんが近いからしたくなっちゃった、なんて……」
「ふふ、別に構わないわよ」
「あ、ありがとうございます……それじゃあ失礼して……」

目を軽く閉じてから、咲夜さんにキスをしました。
唇と唇が触れるだけの軽いキス。
こんな軽いキスをするだけでも、心臓が爆発するくらいにドキドキしてます……

「うーん、ちょっと物足りないわね。今度はこっちがしてもいいかしら?」
「は、はい。どうぞ……」

目を閉じて、咲夜さんのキスに備えます。
うぅ、目を閉じると余計にドキドキしてきちゃいますよ……

「んっ……」

咲夜さんのキスは、私のキスよりも積極的なキスでした。
だけど、不思議と不快な気持ちはしません。
むしろ心地いい感じがします。
口を付けて数秒してから、唇が離れました。
うぅ、頭の奥が痺れたような感じがします……

「咲夜さんってキス上手いですね」
「そ、そう?」
「ええ。だって私のキスよりも積極的だったのに心地よかったんですもん」
「うーん、どうなのかしら? 私はただ普通にしただけなんだけど……」

咲夜さんの優しさがキスにもにじみ出たのかな?
……うん、きっとそうに違いないです。
優しい咲夜さんのキスは自然と優しくなっちゃうんですよ。

「そんなことより早く寝ない? 私、疲れちゃったわ」
「あ、そうですね」

咲夜さんも今日は一日大変だったんだろうな。
そろそろ休ませてあげなきゃ。

「お休みなさい、咲夜さん」
「お休み、シエラ」

最後にお休みのキスを交わしてから、咲夜さんは目を閉じました。
……私も寝なきゃ。明日もまた早いしね。
それじゃ、お休みなさい……



「うーん、朝……?」

外からはチュンチュンという鳥の声。
そして明るい室内。どうやら朝みたいです。
今日はそこまで寒くありませんね。
昼になったら、逆に暑くなるかも。

「咲夜さんは……あ、まだ寝てる」

起き上がって横を見ると、まだ寝ている咲夜さんの姿が。
今日は咲夜さんよりも早く起きちゃいましたね。
いつもは咲夜さんのほうが早く起きるんですけれども。

「よっぽど疲れてたのかな」

咲夜さんはすー、という軽い寝息を立てながらぐっすりと眠っていました。
うふふ、可愛い寝顔ですね……

「咲夜さんの寝顔、可愛いなぁ。見てると悪戯したくなっちゃうよ」

しばらく咲夜さんの寝顔を見つめていた私ですが、いいことを思いついてしまいました。

「あ、そうだ、咲夜さんのために紅茶を入れよう!」

きっと喜んでくれるはずよね!
そうと決まれば、急いで入れよう!
……おっと、その前に服を着替えることから始めないと。

「急いで着替えて紅茶を入れよーっと」

パジャマを脱ぎ、メイド服に着替えれば準備完了です。
よーし、始めるよー!
咲夜さんの部屋には紅茶を入れるための器具が一通り揃ってますから、すぐに取り掛かれますね。
お湯だって沸かせますよ。

「さて、それじゃあ早速……」

まずはお湯を沸かして、茶葉を準備して……
ふふ、紅茶の入れ方は咲夜さんから教わったんですよね。
美味しく作れるといいんですけれど。
そして作業に取り掛かって数分後。

「よし、出来た!」

ポットの中からは、湯気とともにいい香りが立ち上ってきます。
紅茶の香りって心が安らぎますよね……
さて、あとは咲夜さんが起きるのを待つだけです。

「……やっぱり可愛い寝顔」

咲夜さんの横に座って、可愛い寝顔を見ていると、悪戯心がふつふつと。

「ちょ、ちょっとくらいなら……いいよね」

我慢しなきゃ、と自分に言い聞かせてましたが、もう我慢できません!
私は我慢するのをやめて、自分の顔をぐっと咲夜さんの顔に近づけました。
ああ、寝息が私の顔にかかってるのが分かりますよ……
咲夜さんの吐息、いい匂いです。

「咲夜さん、許してくださいね……んっ」

そして、咲夜さんに向かって謝罪の言葉を口にしてから、口付けをしました。
えっと、昨日の咲夜さんはこういう感じにキスしてたような……
いや、こうだったかな。
昨日のことを思い出しながら咲夜さんにキスをする私。
キスだけで何十分も時間が流れたような気がしてきたその時。

「んー……んっ?」
「ひゃあっ!?」

咲夜さんと目が合ってしまいました。
慌てて飛びのく私。
え、えーと、これって、怒られる?
だって勝手にキスしちゃってたし、せっかく寝てるところを起こしちゃったし……
怒られてしまうことを考えると、体がガクガクと震えてしまいます。
だけど咲夜さんは、

「ふふ、おはようシエラ」

そう言ってから私にキスをしてくれました。
あ、ああそうだ、この感じだ。
昨日とまったく変わらない。
これこそが咲夜さんのキス。

「は、はうぅ……」
「目が覚めたらキスされてたのにはちょっと驚いたわ。
 でも嫌いじゃないわよ、そういうの」

そう言いながら頭を撫でてくれる咲夜さん。
うぅ、嬉しいような恥ずかしいような。

「ん、この匂いは……?」

あ、紅茶の匂いに気がついたみたいですね。

「えと、実は咲夜さんのために紅茶を入れたんですよ」
「私のために?」
「はい。起きてから飲むかな、と思いまして」
「そう……私のために入れてくれただなんて嬉しいわ」
「えへへ……」

更に撫でてもらえて、大満足です。
ここまで喜んでもらえたなら本望ですよ。

「それじゃ、頂こうかしら。注いでもらえる?」
「はい! 今すぐ注ぎます!」

紅茶を入れる前に、カップにお湯を注いで暖めます。
こうしたら紅茶が美味しくなるって咲夜さんが言ってました。
そして、カップが温まったらお湯を捨てて、紅茶を注いで……はい、出来上がりです!

「ミルクと砂糖はどうしますか?」
「少しもらえるかしら?」

うーん、と少し唸ったあとにそう返してくる咲夜さん。
砂糖とミルクはちゃんとここにあるんですよね。

「はい、どうぞ」
「ありがとう」

砂糖とミルクの入った小瓶を手渡すと、咲夜さんは砂糖とミルクをカップに入れていきます。
ふむふむ、咲夜さんはあれくらいが好きなんですね。
覚えておいて損はないかも。

「それじゃあ、頂きます」

ど、どうかな……?
美味しく入れられてるといいんだけれど……
しばしの沈黙の後、咲夜さんはにっこりと微笑んでくれました。

「うん、とっても美味しいわよ。
 お湯の量も茶葉の量もいい感じだし、温度も悪くないわ。
 これなら百点をあげられるわね」
「そ、そうですか! ありがとうございます!
 これも咲夜さんが手取り足取り教えてくれたおかげですよ!」

百点だって! 咲夜さんに褒められちゃった!
こんなに嬉しいことはありません……

「最高の目覚めに、最高の紅茶。そして最高のパートナー……
 今日はいい一日になりそうだわ」
「さ、最高のパートナーなんて、恥ずかしいですよ……」
「照れない、照れない。本当のことを言っただけなんだから」

クスリ、と笑う咲夜さん。そして真っ赤になる私。
やっぱり照れくさいな……

「さて、そろそろお仕事開始の時間ね。準備はいいかしら?」
「あ、はい、もちろん大丈夫です!」

私はいつでも大丈夫ですよ。
すぐにでも仕事に取り掛かれます!

「それじゃあ、私が着替えるまで待っててもらえるかしら?」
「はい、承知いたしました!」

そうだ、咲夜さんが着替えてる間に片付けを済ませちゃおう。
ポットを洗って、使った道具なんかを元の場所に戻して……よし、完了。

「ん、よいしょっと。うん、着替え終わったわ」
「こっちも片付け終了しましたよ」

わ、ナイスタイミング。
ちょうど咲夜さんのほうも終わったよ。

「よーし、それじゃあ今日も一緒に頑張りましょう!」
「はい! 今日も一日よろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくね。じゃあ行くわよ」
「はいっ!」

咲夜さんに向かって力強く頷きます。
そして、二人一緒に部屋の外へ。
咲夜さんの腕に抱きつきたくなるけど、今は我慢。
「仕事とプライベートはしっかり分ける」が私のモットーですからね。

「今日も楽しい一日になるといいな。
 そして、咲夜さんともっともっと仲良くなれるといいな」

そう祈りながら、今日も私は大好きな咲夜さんや大好きなみんなと一緒に働くのでありました。
私の大好きな紅魔館のために、ね?
こんにちは。
今回は妖精メイドのお話にしてみましたけれども、如何でしたでしょうか?
ちなみに以前投稿した作品のその後、という感じになっています。
一応前作を見なくても楽しめるように書いたつもりですが、
前作を読んでいただければより楽しんでいただけるかと思います。

妖精メイドはあまりスポットが当たらないですけど、何気に重要なキャラだと思ってます。
なんてったって、あの紅魔館を支えているといっても過言ではない子達ですからね。
(原作では『あまり役に立たない』とか言われてますが・・・w)

作中では妖精メイドも色々、恋も色々、ということでメイドたちが色々な人に恋する描写を入れてみました。
機会があったら別の子の恋物語も書いてみたいものです。
あとは季節ごとの物語や館外のキャラとも絡ませた話も書いてみたいですね。
こう言った続きの話はいつか書くかと・・・w

さて、最後になりますが、今回読んでくださった皆様、読んでいただきありがとうございました。
読んだ皆様が楽しんでいただければ、作者としてこれほど嬉しいことはありません。
それではまた会いましょう!

※余談※ 妖精メイドはもっと人気でてもいいよね!
双角
[email protected]
http://twitter.com/soukaku118
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コメント



0.970簡易評価
2.90奇声を発する程度の能力削除
オリキャラの妖精メイドの皆がとても可愛かったです
読んでてニヤけるw
16.90タナバン=ダルサラーム削除
妖精メイドの視点から見た紅魔館が、とてもよく描けていますね。

実際に紅魔館であってもおかしくないような日常が丁寧な文体で表現できている点が大変素晴らしく思います。
ただ、ほのぼのしててよ良かったと思う反面、もう少しお話にメリハリが欲しいと言うのは欲張り過ぎかな?

次回も楽しみにしていますよー
19.90終焉皇帝削除
だれがお持ち帰りできるメイドさんですかね?
20.無評価双角削除
お褒めの言葉、ありがとうございます。
これからもいろいろ紅魔館と妖精メイドの日常話を書いていきたいと思っていますので、
これからも応援していただけると嬉しいですね。

メリハリはずーっと言われてることなのですけれど、作品に取り入れるのは難しいですね・・・
これから先、メリハリのある作品作りができるように精進したいところです。
コメントありがとうございました!
27.90月宮 あゆ削除
仕事の休憩時間に読んで癒されました
双角さんのオリジナル妖精メイドは素晴らしい

咲夜さんとのからみもいい