Coolier - 新生・東方創想話

ヤマメちゃん大学生になる2

2011/10/30 15:00:37
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「アリスさーん!起きてー!1限目に遅刻だよー!」
「…遅刻上等よ」
「甘ったれんな」

大学での生活が始まってもアリスさんの朝の弱さはまるで変わらない月曜の朝。
北国ゆえ開花の遅い桜の花も葉桜になり始める季節、
つまり春もうららに一年で最も眠くなる時期ですが、学生がそれを遅刻の理由にすることは許されまい。
布団にこもってレジスタンスのごとく抵抗を続けるアリスさんを必死に説得します。

「7分後のバス逃したらこれで4日連続遅刻確定じゃない!毎日毎日代返させてないでちゃんと授業出る!」

ここの大学、苗字のあいうえお順にクラスを振り分けるので佐藤さんが過半数を占めるクラスができることも珍しくありません。
だから何だって話ですが。
アリスさんは、しかしあくまで抵抗を続ける様子。

「朝ごはん食べないと持たないわ」
「遅く起きた自分が悪い。ウ○ダーがあるからバスの中ででも飲めば?」
「固形物が欲しいのよ」
「私特製、アスコルビン酸錠剤でもあげようか」
「ただのビタミンCじゃない」

まともな朝食を要求するアリスさんの口にバタートーストをねじ込み、
アリスさんが着替え終わるやいなや手を引いてバス停まで全力疾走します。

「私が男だったら、曲がり角でぶつかった転校生の美少女と隣の席になるフラグが立つのかしら」
「そんな冗談を言ってる暇があったら全力で走る!」

私まで遅刻するのはまっぴらです。
第一、そんな恋愛ドラマが許されるのは高校生まで。
大学に入ってからは転校生もだいぶ少なくなりますからね
バス停直前の曲がり角、バスはもうそこまで来ています。
やばい、間に合うか…?

「きゃっ!?」
「うわっ!アリスさん急に止まらないで…へ?」

角を曲がったところでいきなり後ろに引っ張られる。
バスが停まって遅起きの学生が大量に中へなだれ込む2m前で引き止められたことに文句を言おうと後ろを見ると

「いたた…」
「悪い悪い、ほら立てるか?」

ほんとにアリスさんが女の子とぶつかって倒れていました。
転がるバタートーストを恨めしげに見やってその少女の手につかまり立ち上がるアリスさん。
そんなに朝食が惜しいか。
と、ぶつかった女の子、どこかで見たような…

「…ってアンタ同じクラスの霧雨魔理沙じゃないの」

アリスさんと恋愛フラグを立てた可能性のあるクラスメイト、理学部化学科所属の魔理沙は私に気づくと

「お、ヤマメか。おはよう」

と挨拶をしてきて…

「ああーっ!バス行かないでー!」

その挨拶は私の悲鳴にかき消されました。
3名遅刻確定。




30分後…

「にしても、ごめんよ魔理沙。あんたまで遅刻させちゃうなんて」
「別に構わないぜ。遅刻には慣れてるからな」
「アリスさんにも言えるけど自分で1限目に授業入れといて遅刻とかどうかと思うよ」

次の大学行きのバスの中で、コンビニで買ったサンドイッチを頬張るアリスさんを眺めながら会話する私と魔理沙。
まあ必修科目が1限目に集中してはいるんですがね。
それにしても高校までの習慣とかどこ行ったんでしょうか?
まさか高校でも遅刻ばっかりしていたんでしょうか…
私がいらぬ心配をしていると、魔理沙が別の話題を振ってます。

「私とアリスは中学の途中からずっと同じ学校なんだよ」
「へー、仲いいの?アリスさん」

今度はアリスさんに話を振ると、アリスさんは首を振って口を開きます。

「たらのふひゃれえんよ、ふひゃれえん」
「…先に口の中の食べ物を飲み込もうか」

ただの腐れ縁、と言いたかったらしい。
一見、アリスさんの魔理沙への態度はぶっきらぼうに見るけれど嫌っているようではなさそうです。
むしろ好意を抱いているものの照れ隠しにそう振舞っている、にも見えます。

「なるほど、流行りのツンデレかい」
「なっ…!?そんなんじゃないわよ!?」

いそいでサンドイッチを飲み込み、赤くなって必死に否定するアリスさん。
まるでツンデレのテンプレを見ているようだなあ・・・
魔理沙が男だったら完璧だった。
さっき恋愛フラグも立ったし。

「いや…百合もありかな?」
「人で勝手な妄想しないでよ!」
「エストロゲンが主成分の媚薬なら作ってあげるよ」
「全力で遠慮させてもらうわ!」

過剰な反応を見せるアリスさん。
エストロゲンは女性ホルモンの一種だし、過度な摂取はホルモンバランスを崩しますよね。
嫌がるのも無理は無い。
え?嫌がる理由が違うって?
ところで、自分で言ってて何だけどその媚薬効くんだろうか。
一方、魔理沙はこういう話が苦手なのか話に混ざってこない。
見ると、ちょっと赤くなっているではありませんか。
まさか、二人ともまんざらでない?
思わず口元がゆるみます。

「…何ニヤニヤしてるのよ」
「趣味が悪いぜ」

二人をかわるがわる眺めていたら突っ込まれました。
そりゃ私もキスメとは幼馴染だけど百合疑惑をかけられたら否定するし、当然か。
友情と恋って似ているようでぜんぜん違うんですよね。
同性間ならそれこそ仲がいいだけで百合になることなんかそうそう現実にはありえません。

ところで今バス山の中に入って行かなかった?
『次は、工学部中央』というアナウンスが聞こえたような気もするし、これは乗り過ごしましたかね・・・
なぜか施設の大多数が山の斜面に立っているこの大学、実にめんどくさいキャンパス配置になっています。
医学部や農学部、それと研究施設は山の上になくて羨ましい。
まあ総合教育期間は全員山少し登ったところで勉強するんですがね。
文系は下級生とほぼ同じ山の低い位置、
そして工学・理学・薬学の3つは今バスが登っている糞長くて蛇行しまくってる坂道の先に存在します。
工学部はさらに理学・薬学と分かれた高い位置にあったような気がします。
こりゃ下るのも一苦労だなあ…
山の上でバスを降りて、反対側のバス停のバス時刻を確認します。

「うげ、10分ちょいも待つの…?」

時計を見ると、1限目が始まって55分が過ぎています。
バスに乗っても2限目には間に合うけど、できるだけ早く着きたいところです。
幸いにも道は下り坂。

「走ろうか」
「そうだな」
「えー…」

反対1名を多数決で押し切り、さっきバスで来た道を引き返します。

「どの科目も週に1回しかないんだから逃すと大変だねえ」
「同じ科目を取ってるやつのノートを写せばいいじゃないか」

レポートや発表もあるというのに気楽なものですね。
翌年再履修になっても私は知りません。
今日は必修の英語が1限目にあったから遅刻したくなかったんだけどなあ…
英語といえば、大学からは英語以外にもう一つ外国語を習うんでしたね。

「そういや、魔理沙やアリスさんは選択の第二外国語は何にしたの?」
「私はフランス語にしたわ」

アリスさんは見た目のおしゃれなイメージ通りフランス語でしたか。
そういえば、私の母校の化学の先生が

「俺は大学で、かわいい女の子と勉強したかったから第二外国語はフランス語にした」

なんて言ってましたね。
理系ってあまり女子いませんからね。
理系女子3人で生活してるとたまに忘れそうになります。
魔理沙は何を選んだんでしょうか?
もったいぶった口ぶりで魔理沙がその言語名を告げます。

「私はな…ロシア語にしたぜ」
「…一体何をかんがえてチョイスしたのさ」

この場にいるもう一人の理系女子である魔理沙ですが、まさかロシア語を選んでいたとは。
奇人変人が集まる理学部の中でもそんなの履修するのはごく一握りなんじゃないでしょうか。
これは治療が必要かもしれませんね。

「頭に効く薬…ロキソニンとか出そうか」
「痛み止めとロシア語に何の関係があるのか説明してくれたらありがたくいただくぜ」

最近薬の効能を言われてしまって薀蓄を語る機会が少ないのが悲しいです。
高校時代は私の天下だったというのに。
ちなみに私は医学部の人がよく選択するドイツ語を。
将来の夢は病院に行ったときに医師がドイツ語で書くカルテを盗み見て自分で症状にあった薬を作ることです。

「なんであなた薬学部行かなかったのよ」

キスメにもよく言われます。
でも思ったんですよ。
薬学部より理学部の方が性に合ってるって。
私は人を救うための薬を作りたいんじゃなくて、自分の気に入った薬を作りたいんですからね。
あと薬だけじゃなくて有害物質も好きだから、というのもあります。
そう言うとなぜか変な目で見られました。

「…変人だな」
「褒め言葉と受け取っておくけど、ロシア語選択者には言われたくないね」
「普通だぜ」

魔理沙にまで変人扱いされた。
でも変人は褒め言葉ですよ?
話しながら斜面を下って行くと、ようやく見覚えのある建物が。

「お、キャンパスが見えてきたぜ」
「長い坂道だったわね…」

1限目開始から70分強。
十分2限目には間に合いましたね。
歩いて喉が渇いたので紅茶のペットボトルを買って水分を補給します。
そういえば朝からカフェインの入ったものを摂ってなかった。
このままではお昼には禁断症状が出るところでした。
危ない危ない。



「写真部でーす!新入生の方、写真に興味はありませんかー?」
「女子ラクロス部、新入部員募集中でーす!」
「我々と一緒に鳥になりませんか?厨二病な台詞を叫びたい人はぜひ部室へ!」

サークルの勧誘がにぎやかな昼下がり、キスメと食堂でいつも通りカレーを食べていると話しかけてくる人が。
ところで、厨二病な台詞ってなんだろう。
ここのカレー、ジャガイモもニンジンも入っていない上に全く辛くないです。
安いんですけどね。
ここの大学、テストがまったくわからないから答案においしいカレーの作り方を書いたところ本当に単位を貰えた人がいたとか。
逆に救済措置を受けられなかった人もいるので要は先生次第ですが。
あ、話しかけてきた人が誰だか確認するのを忘れてました。

「ヤマメとキスメかい。隣、座らせてもらうよ」
「ああ、勇儀さんこんにちは」

声の主はカレーを手にした勇儀さん。
やっぱりみんなお昼はカレーなんですね。
勇儀さんに大学の部活について話を聞いて見ることにしました。

「変わった部活がたくさんありますね。高校とは大違い」
「女子ラクロス部のことかい?そこの部長とバイト先が一緒でね、たまに助っ人を頼まれるよ」
「さすが勇儀さんですね。でも助っ人ってことは普段は別の部活に入ってるんですか?」

そもそもラクロスってどんなスポーツかよく知りませんし。
わかるのはカナディアン熱狂のラケットを使うスポーツだってくらいですね。
勇儀さんは左手は添えるだけの手つきをして答えます。

「私は普段は女子バスケ部で練習してるよ。実はその勧誘に来たんだけどね」
「うーん…バスケですか…」

中学まではソフトボール、高校では軽音楽をやっていた私と中学から吹奏楽一本だったキスメがいきなりバスケってのもなあ…。
それにしても、高校では陸上でインターハイに出て、
今はバスケ部の活動の傍ら他の部からも助っ人を頼まれるなんてすごいですね勇儀さんは。
返事を渋っていると勇儀さんは慌てて付け足します。

「いや、無理に入らなくてもいいんだ。ただ興味があったら見学だけでいいから来ておくれよ」
「わかりました。じゃあ今度試合があるときは応援に行きますね」
「応援か。多分応援団も来るから大声量のエールで耳が痛くなるのは覚悟しといた方がいいよ」

応援団、ですか。
あまりいいイメージはないんですよね。
高校の新入生の頃の団長が怖くて今でも応援団と聞くたびに背筋が寒くなります。
キスメも同様だったのかちょっと考え込んでいる様子。
一方勇儀さんは私たちの萎縮ぶりにさすがにフォローを入れる気になった様子。

「応援団も面白いやつばかりだけどね。そんなに身構える程ではないさ。」
「はあ…」

そうだ、今のうちに聞きたいことがあるんでした。
脈絡もなく気になった事があったので勇儀さんに聞いてみることにしました。

「勇儀さん、そういや高校ではお話したことないような気がするんですけど、なんで私の名前知ってたんですか?」

すると勇儀さん大笑い。どっかで話したことあったかなあ。

「そりゃ、ヤマメが有名人だからだよ。文化祭のライブは大盛り上がりだったじゃないか」
「…あのライブ見てたんですか」

それは忘れもしない3年前の秋。
部活の先輩はちゃんとステージ発表で演奏する機会があったものの、
当時1年の私達は一般教室を借りて15分おきに隣から苦情をもらいながらミニライブを行なっていました。
そこで私が演奏した曲は『覚醒☆メタンフェタミン』というドラッグ色満載の電波ソング。
それをノリノリで歌って踊ったところありえないほどに好評で、なんと閉会式のオープニングに担ぎ出されたのです。
当然閉会式でもその危険な歌詞を歌って踊ったわけですが、
生徒には大受けしたものの教師陣に睨まれてその後月一で薬物乱用防止講座が開かれるようになりました。
それ以降私は事あるごとに歌わされるようになり、
教師に睨まれた曲はさらに『トリニトロトルエン讃歌』『亡き王女の為の青酸カリ』『毎日がテトラサイクリン!』とその数を増しました。

「あの時の教師陣の顔は見物だったよ。あんな出来事があったらヤマメの顔と名前は二度と忘れないさ」
「あのあと医療機関のお世話になって薬物の使用歴がないかとことん調べられました」
「それも知ってるよ。だから伝説になったんじゃないか」

いつの間にか伝説になってた。
嬉しいんだか悲しいんだか。
でもそれじゃあ私の名前は知っててもキスメの名前はどうして…?

「じゃあキスメの名前は?」
「ああ、キスメは美化委員会で一緒だったことがあるんだ」
「そういえばそうでしたね」

あっけなく、なんの面白みもない回答。
私みたいに変な理由じゃないだけマシでしょうかね。
納得した所でカレーを完食した私たちは勇儀さんと別れて生協でバイトを探すことに。
キスメが私に話しかけてきます。

「ヤマメは歌ってお金儲けたらいいんじゃない?」
「お金が儲かるどころか警察を呼ばれそうだからやめとくよ」

キスメもいい加減しつこい。
あれはもう封印したというのに。
生協にある冊子を眺めながらキスメに相談します。

「まともなバイト…やっぱり家庭教師とか接客業とかかな」
「接客業はちょっとやめておこうかな…」
「そういや昔やったコンビニのバイト、店長がセクハラしてきて2ヶ月でやめたんだっけか」

どうやらキスメにはトラウマになっているようで。
背が小さい割に出るとこはそれなりに出ているキスメはよく痴漢にも遭遇します。
そのたびに私が

「この人痴漢です!」

と呪文を唱え、もれなくアセトアルデヒドをプレゼントしたものでした。
二日酔いの原因となるその物質の威力は絶大で、たいていのオヤジは駅員に連行される頃にはすっかりグロッキーに。
そんなことよりバイトでしたね。
何かキスメに向いてそうなものを探してあげないと。

「じゃあ家庭教師?」
「うーん、もうちょっと考えてみる」

じっくり検討するのもいいかもしれませんね。
私はどうしましょうか。
塾講師とかいいかもしれませんね。
しかしあえなくキスメに突っ込まれます。

「ヤマメは絶対理科教えちゃ駄目ね」

私から理科、特に化学を取ったら何が残るというんでしょうか。
しかし将来を担う子供がみんなマッドサイエンティストになっても困るのでいろいろ見ていると

「あ、公○式。小さい頃やってたなあ」
「それにするの?」
「そうだね。これを第一志望にしてみようかね」

行くもん、とやけに自己主張の激しいCMをしているプリント学習型の塾の募集を見つけ、
とりあえず家で検討しようと説明の紙を生協の人から受け取ります。
今日の帰りにでも覗いてみましょうかね。
私の頭の中はすでに幼き日に自分も解いた数学のプリントに丸をつける光景が。
思ってるよりずっと大変だと思うよと忠告するキスメを華麗に無視し、私の歩みはどこまでも軽やかでした。



「2人ともここの街をちゃんと見て回ってないでしょ?案内してあげるわ~」

日曜日、絶賛朝寝中のアリスさんの布団を剥ぎ取ろうと格闘しているさなかにそう提案したレティさん。
案内は嬉しいけど先にアリスさんを起こす鉄倍をしてくれるともっと嬉しいです。
とりあえず詳しく聞いてみることに。

「具体的にはどんなところを案内してくれるの?」
「そうね~、おしゃれな店はだいたいアリスはチェックしてるみたいだし、娯楽関係のところにいきましょうか」
「山の上の遊園地と動物園なら間に合ってるよ」

住民なら聞いたことのないものはいないとまでいわれる電波ソングをテーマ曲に持つローカル臭満載の遊園地ならクラス会で行きました。
その隣の、寝そべってばかりで立ち上がらないレッサーパンダや昼寝に人生の大半を注ぐ虎のいる動物園は前評判だけで行く気が失せましたし。
レティさんもそこらへんはわかってる様子。

「そういうのじゃないから安心して。少し遠いけど野球場とかどうかしら~?」
「確か今日午後から試合やるよね。見に行こうか」

残念ながら相手は私の応援する毎年のようにAクラス入りしながらもまったく日本シリーズに出場できない若鷹軍団ではないようですが、大賛成です。

「決まりね。じゃあお昼は街で食べることにして、まずはアリスを起こしましょうか」
「聞いてた?アリスさん、出かけるから早く起きてー!」
「むー…休みの日くらいゆっくり寝かせなさいよー…」

平日もゆっくり寝てるくせに。
それにしてもよく寝ますね。
前にも疑問に思ったけど、高校時代はどうだったんでしょうか・

「アリスさん、高校時代の遅刻回数は?」
「覚えてないけど3年の二学期に30回以上遅刻して単位一つ落としたわ」
「よく卒業できたねえ」

毎朝布団にへばり付くアリスさんを起こすお姉さんの苦労は計り知れません。
ぜひお会いして起こし方をレクチャーしてほしいところですね。
アリスさんがのそのそと起き上がり始めました。

「まあ、二度寝する気も失せたし起きることにするわ…」
「二度寝どころじゃないでしょ。レティさん、野球観戦の後はどうする?」
「じゃあ晩ご飯も外で食べちゃいましょう。おいしいイタリアンのお店があるのよ~」

お金、大丈夫かなあ…
家賃、というか寄宿料は5000円足らずと安いんですけども、ここのところ出費続きで懐が寂しくなってきています。
バイトもまだ決まってないし、出費は野球観戦とお昼代だけで抑えておきたいのですが…
しかしそこは見越していたレティさん。

「あ、お金なら今日は貸しにしてもいいわよ~?近所の子の家庭教師してて財布には余裕があるもの~」
「いいの?じゃあ来月仕送りが入るからその時返すよ」
「代わりに今週の私の分、炊事お願いね~」

巨乳なだけあって懐も深いかとおもいきやしっかり対価を求めてくるとは。
貸してくれるだけでありがたいし、別に炊事くらいなら構いませんけどね。
そういえばアリスさんが放棄してる朝の炊事とゴミ出し、私が代わってあげたまんまだったなあ。
その分としてアリスさんに押し付けてしまいましょうかね。
そのアリスさんですが、遅いですね。

「アリスさーん、着替え終わったー?」
「終わったけど朝ご飯が欲しいわ」
「今食べるとお昼入らなくなるよ」

アリスさんはいつもと何ら変わりなく朝食を要求。
どんなに遅く起きても三食しっかり食べる所がらしいというかなんというか。
某10秒メシは嫌がるし、朝食を作る人の身にもなって欲しいですね。
不満たらたらのアリスさんを引きずって部屋を出ます。

「…お昼まだ?」
「まだ出かけてから5分とたってないじゃない」
「お腹すいたわ」

そんなに食欲旺盛なのによく太りませんね。
私もレティさんも気を抜くとすぐに体重が増えるから昨日もジョギングしたというのに。
問題は私はその脂肪が胸に行かないってことです。
レティさんの揺れる胸を横目に見ながらジョギングするのは、
健康にはいいけど私の精神衛生には良くないような気がしてきました。

「アリスさんじゃないけどお昼、どこにしよっか」
「そうね~、球場でお弁当売ってるけどそれにする?」
「高そうだね・・・でも、お昼代くらいは自分で出せるしいいよ」
「球場まで何も食べられないの…?」

口調は可愛いのに言ってることはさして可愛くない。
もうアリスさんはガムでも噛んでたらいいんじゃないでしょうか。
手持ちのガムを取り出すと目を輝かせて手を差し出すアリスさん。

「ちょうだい!ガム嫌いだけどこの際口に入れられる物ならなんでもいいわ!」
「出会った日の下着を買うのすら躊躇したプライドの高いアリスさんはどこ行ったのさ」
「プライドじゃお腹は満たせないわ」

武士は食わねど高楊枝、って言葉知らないんでしょうか。
ですがこのガム私の自作品なんですよね。
食用じゃなくて観賞用なのでそこをアリスさんにも注意しておかないと。

「断っとくけどそれ甘味料にサッカリン使ってるからカロリーないよ」
「発ガン性物質じゃないの。いらないわよそんなガム」
「最近発ガン性については否定されたと思うんだけどなあ?」

あっさり手の平を返された。
知ってますか?
蟻はサッカリンは巣に運ぼうとしないんですよ。
熱源にならないことを知ってるんでしょうか。
そんな蟻も食わない人工甘味料を使ったガムって素敵ですよね。

「まあ、毒性のある酢酸鉛じゃなくてよかったわ」
「じゃあ次はそうします」
「いい加減にしないと無免許での製薬行為で警察に突き出すわよ」

古代ローマでは甘味が貴重でぶどう果汁を鉛でコーティングした青銅器で煮詰めたシロップを徴用していたそうですが、
そのシロップには大量の酢酸鉛が含まれていて鉛中毒による発狂を誘発したそうですよ。
近世までヨーロッパではそのシロップはワインの甘味料に用いられていて、
あのベートーヴェンもそれによる鉛中毒で耳が聞こえなくなったとか。
それにしても、警察だけは困る。
やっぱり薬剤師免許欲しいし薬学部に編入しようかなあ…。
そうだ、学部といえば…

「そういえばレティさんの学部聞いてないや」
「そうだったかしら?理学部の物理系、宇宙地球物理学科志望よ~」
「うん聞いたこと無い。系統が違うし理学部だって気づかなかったよ」

というか宇宙地球物理学ってどんな学問なんでしょうか。
天文学とかとどう違うのかよくわかりませんね。
そんな私の考えは表情に現れていたのかレティさんは説明を始めます。

「科のなかでも天文学コースと地球物理学コースに分かれるんだけどね。私は地球物理学コース志望なの~」
「地震学とか海洋学とかがまとまったやつ?」
「そうそう。気象学を学ぶつもりでいるわ~。夢はね、人工的に大雪を降らせることよ~」

大雪を降らせてどうするつもりなのか。
寒いだけじゃないですか。
北国出身ではない私には普通の雪こそ魅力的なれど、人工的な大雪にはあまりロマンは感じませんね。
それに北国の人は雪は邪魔なだけで嫌っていると聞いていたのですが。

「家族には反対されたわ。友達もあまり雪が好きな子はいなかったけど、私は雪が大好きでね~」
「大雪が降るとどんなメリットが?」
「終わりのない雪かきを嘆く悲鳴をあちこちから聞けて気分が良くなるわ~」
「結局雪より雪で苦しむ人を見るのが好きなんじゃない」

そんな理由で毎日2時間も雪かきなんかさせられる方はたまったもんじゃない。
普段の屈託の無い笑顔とは打って変わってドス黒い笑みを浮かべるレティさんの姿が子供の頃に聞いた雪女のイメージと被ります。

「寒さに震えながらスコップを動かすも、その側から雪が積もっていくの。雪の重みで電線は切れ、暖を取ることもままならないわ~」
「うわあドS。レティさんはどちらかというとMだと思ってたよ」

自分も寒いと思うんですが、平気なんでしょうか。

「普段はあまり人をどうこうするのは好きじゃないんだけどね、雪となると話は別よ~」
「なんでそんなまた…」
「私が子供の頃、よく雪で遊んだものだったわ。雪は、冬の間の一番の友達だった」

それが、と苦々しげに言葉を紡ぐレティさん。
あれ?地雷踏んだ?

「小学校に入る頃には、路上の雪はあらかた除雪剤で溶かされてしまうようになったわ。それがすごく気に入らなかった」
「ああ、塩化カルシウムとかよく使うよね」
「中学の頃にはついに校庭にも撒かれるようになったわ。積もった雪は街から姿を消したの。」

だめだ、まったく私のこと気にせず話してる。
雪が溶けてできた水で水浸しになるのがそんなに嫌だったか。
レティさんの独白はまだまだ続きます。

「暖冬が増えたこともあって降雪自体も減った。大人は時たま降るボタ雪すら嫌うようになったわ」

昔は近所の大人も雪合戦に混ざってくれた。
重くて動かせなくなった雪だるまを押してくれた。
かまくらだって作ってくれたわ、とレティさんは遠い目をして空を仰いだ。
今日も春のうららかな陽気が街を包んでいます。

「雪は自然の一部よ。長い間人間は自然と共生してきた。雪の場合はほんの十数年前まで」
「話の腰を折るようで悪いけど除雪剤の歴史はもっと深いよ」
「歴史なんてどうでもいいわ。問題は十数年前からこの街から雪が排除され始めたという事実。みんなで雪だるまでも作れば1時間ほどで必要な分の除雪なんて済むのにそれすらやるのを嫌がるのよ?」

なんて幼稚で可愛らしい発想。
本当はこういう発想を大事にしなきゃいけませんね。
でもちょっと大雪が降ったくらいじゃ会社は休みにならないんですよね。
除雪剤が多用されるのは1時間も暇がないということなんでしょうか。
しかしレティさん、腹の虫が収まらない様子。

「会社で雪だるまを作ればいいじゃない!」
「雪のたびにそんなことやってたらその会社は潰れるよ」

私の冷静な指摘もあまりこたえた様子はないようです。
とにかく、とようやく話をまとめる気になった様子のレティさん。

「私は将来、自由自在に雪を降らせて意地でも大人たちに雪かきをさせるわ」
「ごめん、結局どうしてそういう考えにたどり着いたのかよくわかんなかった」
「雪に変わってお仕置きするのよ」
「セーラー服でも着る気ですか」

冬にあのセーラー服は寒そうだ。
私はそんな大雪の日は厚着して炬燵に入っていたいです。

「…タキシード仮面」
「ぶっ!いきなり変なこといわないでよアリスさん!」

空腹のあまりレティさんの話に混ざっていなかったアリスさんがいきなり謎の紳士について言及しだしました。

「再放送で見たのよ。かっこよかったわ。」
「私も見たけど!でもかっこいいとは思わなかったよ!」
「私もちょっとあれはね~」

なぜか雪から、惑星にまじる唯一の衛星が主役を張る懐かしの少女漫画の話題に。
私漫画は2巻までしか読んだことないしアニメの再放送もろくに見てないですけどね。
なんで彼女たちは敵に化学兵器を使わないのか。
マスタードガスとか絶対に効くと思うんだけどなあ・・・

「いや、青酸ガスも有効か…?」
「お願いだからそんなロマンのかけらもない考えはやめて」
「防毒マスクを装備して毒ガスを撒き散らす少女ってビジュアル的に最悪じゃない」

散々突っ込まれた。
そもそも悪を倒すためにはロマンとかビジュアルとか構ってられないと思うんですが。

「あれ、もう球場か」

話しながら歩いているうちに試合前のイベントで賑わう球場へ。
早速お弁当を買いに行ったアリスさんと当日券を買いに列に並んだレティさん。
2人から少し離れて遊びまわるちびっ子を眺めます。
するとそこには

「お、スピードガンコンテストか」

見ると本日の最速タイムを掲示している掲示板も。
中学生以上では時速126キロか…そんなスピード到底無理ですね。
小学生以下は…87キロ。
ひょっとしたら抜けるかも、と思いちびっ子の後について順番を待ちます。

「おねーちゃんもやるの?」
「そうよ。中学校の頃はソフトボールで外野やってたの。肩にはそこそこ自信あるわ」

なにかと絡んでくる後ろの少年野球チームのユニフォームを着た少年に自信の程をアピールする私。
我ながら大人気ないなあ。
3球投げられます、と係のお姉さんにボールを渡されましたが、3球ではさすがにきつい。

「えいっ!」

わざとスピードガンの反応しない場所に投げて1球分肩を作ります。
測定不可能ということで目論見通りもう1球投げるチャンスを得た所で今度こそ第1球。
キャッチャーのハリボテに吸い込まれる遅めのストレート。
球速表示は58キロ。

「なーんだ、遅いじゃん」
「まだまだ、勝負は最後の1球さね」

2球目、今度は振りかぶって気持ち強めに。
今度もストライクゾーンに投げ込まれた白球の球速は71キロ。
よし、これなら小学生には勝てそうですね。
3球目も振りかぶり、こんどこそ手首のスナップと下半身のバネを使って全力投球。

「どうだ…?」

さすがにストライクゾーンからは外れた渾身の一球の球速は、
90キロ。

「っしゃあ!小学生に勝った!」

超大人気ないドヤ顔で係のお姉さんから記念の球速を記録した紙をもらいます。
久々に、ろくに肩も作らないで全力したから肘が痛いです。

「ヤマメ、一体どんな肩してるのよ…」
「レティさん見てたの?すごかったでしょ」
「すごいどころかちょっと肩の弱い男子中学生に余裕で勝てる数字よ、それ」
「あ、ほんとだ」

さっき私の後ろに並んでいた少年は78キロで終了。
次の中学生くらいのそこそこ体格のいい男の子も93キロ止まりです。

「中学生のピッチャーで110キロも出れば悪くない数字だそうよ~」
「つまりピッチャー以外ではもっと遅いと」
「概ねそういうこと。中学の頃の隣の席の男子が野球部でね、この街に球団ができたときにいろいろ教えてもらったわ~」

どおりで詳しいと思いました。
そういえばここの球団、新しかったんですよね。
他でよくある新規ファンに冷たい現象はここでは少しはマシだといいんですが。

「席はレフトスタンドの自由席ね。アリスが戻ってきたら入場しましょう」

スピーカーからはスターティングメンバーを発表するアナウンスが聞こえます。
今日の先発は新人の左ピッチャーのようですね。
相手はカモメがマスコットの黒っぽい色のユニフォームの球団。
先発は成長が期待される若手の右投手でしょうか。

「おまたせー、どれも美味しそうだし迷っちゃったわ」
「おおー、牛タン弁当…とこれはおにぎり?」
「おにぎりはおにぎりでしょうに。それ具が入っていないそうよ」
「なんでそんな微妙なチョイスを…」

薄い塩味が米本来の味を引き立てる、球団の某主力打者の好物にげんなりする私とレティさん。
だからいつまでたっても小物なんですってば。

「よく寝坊した朝に食べたわ、具なしおにぎり。食パンより腹持ちがいいわよ」
「寝坊しなきゃもっと腹持ちも良くって見栄えもいい朝食を食べられたんじゃないの?」

アリスさんも最近小物感が強まってきた気がします。

「ま、まあ席を取っておきましょう?試合もそろそろ始まるわ」
「そうだね、3つ連番で席取りたいもんね」

球場の中に入ると、ちょうど国歌の独唱が。
ローカル臭がすさまじい、見たことも聞いたこともないような女性歌手がビブラートを存分に効かせて歌う国歌には情緒も何もありません。
レティさんが口を開きます。

「ビブラートが効きすぎて蒸した苔もはがれ落ちそうな勢いね~」
「やっぱりレティさんもそう思う?」
「カラオケだと点数上がるけど、あまりしつこいのもねえ~」
「カラオケかー、君が代で97点取ったことがあったなあ…」
「「!?」」

一斉に私の方を向くレティさんとアリスさん。
びっくりさせないで欲しいなあ…。

「びっくりしたのはこっちよ。何が悲しくて国歌なんかカラオケで…」
「じゃなくて点数でしょ~、97点なんて点数見たことないわよ」

国歌、よく歌うんですけどね。
一番最初に歌えば出落ちには十分です。
点数は確かに自分でもびっくりしましたが。

「今度みんなでカラオケにも行きましょうか。銭湯の時のメンバーとかどう?」
「そうね~、ヤマメの歌も聞いてみたいわ~」
「やめて」

キスメを呼んだら絶対にあの歌を歌わされます。
文化祭で猛威を振るったあの歌を。
当然カラオケに入っているはずも無いのでアカペラで。
公開処刑もいいところです。
あんな訳のわからない歌二度と人前で歌うものですか。

「っと、試合始まってるよ」

禿頭が春の日差しに眩しいどこかの会長さんはとっくにボールをあさっての方向へ投げ込み始球式を終えており、
ライトスタンドの黒い集団が応援を開始していました。
カウントは3ボール1ストライク。

「いきなりまずいんじゃない?」
「そうね~、大丈夫かしら?」

次の球もボール。
先頭バッターを歩かせてしまいました。
そこからは大荒れです。
タイムリーヒット2本で3点を失い、なおも一死三塁。

「神○!神○!」

すごく聞き覚えのある応援歌がライトから聞こえてきます。
実績はそこまででもないのにオーエンもとい応援歌の影響もあり一躍人気選手となった背番号55。
一発がありピンチでは回したくないバッターの一人です。

「ねえあの選手の応援歌…」
「それ以上言うといろいろ危ないからやめて」

複数の意味で胃が痛くなりそうです。
地元の赤い球団側は早くも投手交代。
あまり見たことのない、ベテランとおぼしき投手が投球練習を始めました。

「じゃあ私は今のうちにお昼買ってくるよ」

そう二人に言い残して席を離れます。
牛タン弁当はまだ売ってるでしょうか。
期待しながら弁当売り場に向かうと

「あらら、売り切れだ」

残念ながらすでに完売。
かわりに季節外れのはらこ飯を購入して席に戻ります。
試合は、なんとか代わった投手が抑えたようで3-0のまま一回裏に突入していました。
しかしあっけなく凡退。

「早すぎるかもしれないけど今日はダメみたいだね」
「普段から打つ時と打たない時の差が激しくてね~」
「でも牛タンはおいしいわよ」
「ごめんアリスさん、今その話してない」

何が「でも」なのか教えて欲しいですね。
幸せそうに私は買えなかった牛タン弁当を頬張るアリスさん。
野球には目もくれていません。
興味ない人にはとことんどうでもいい趣味ですけどね、野球観戦って。
はらこ飯を食べつつ白球の様子を目で追います。
中盤、連打で一点を返しますが一死満塁からは無得点。
守備は中継ぎ陣が踏ん張り追加点を許しません。
そして、ラッキーセブンを迎えます。

「三番、ライト…」

軍歌然とした応援歌が流れ、ジェット風船が入り乱れたレフトスタンドも、
攻撃が好打順から始まりこともあり俄然勢いづきます。

「かっとばせー!」
「打てー!」

私たちも立ち上がり、応援に熱がこもります。
すると相手のピッチャーに疲れが見え始めたのかフォアボールとヒットでチャンスに。
たまらず相手は投手交代し、外人投手が出てきました。
その代わりばな、初球を5番バッターが強振。
いい角度で打球が上がります。

「行くか…?」
「入って…!」

しかし願いも虚しく打球は失速。
少し後退したセンターのグラブに収まります。
しかし、

「走った!?」

二塁ランナーが果敢に三塁を陥れ、一死一三塁と絶好のチャンス。
この好機をモノにし、次のバッターの犠牲フライで1点差に詰め寄ります。
状況は二死一塁で点数は3-2、ホームランが出れば逆転です。
さっきから鳴りっぱなしだった、牛タンパワーだのなんだのいってるチャンステーマが一旦鳴り止みます。
そして7番バッターの個人応援歌に包まれる球場。
低めの変化球を掬い上げます。

「どうだ…?」

しかしここは平凡なレフトフライ。
スリーアウトで攻撃終了です。
その後は相手の継投策が成功し、ランナーを出すことすらかなわず3-2のまま敗戦。

「負けちゃったかー、惜しかったんだけどね」
「最初に点取られたからね、今日は仕方ないわ~」
「私も最後は熱くなっちゃっておなか空いたわ。はやくご飯食べに行きましょう」
「アリスさん結局ご飯のことしか考えてないんじゃないの?」

試合の感想を口々に語り合いながら球場を後にします。
確かイタリアンのお店でしたっけ。
サ○ゼリヤくらいしか行ったことがないので楽しみです。
そういうと二人に突っ込まれました。

「サ○ゼリヤはファミレスじゃない?」
「えー、でもピザとかあるじゃん」
「ドリンクバーあったりするのはファミレスじゃないの?」

今度はサ○ゼリヤがイタリアンに含まれるかの議論が始まりました。
結局、実際のお店を見た私が論議を放棄してメニューに食らいついたのでうやむやになったわけですが、
少なくともここのお店とサ○ゼリヤを同列視するのはやめようと思いました。
海老と帆立の海鮮パスタ美味しいです。
でも調子に乗って食べ過ぎたらレティさんへの貸しが結構な額になって、
バイトが入るまで昼食がカレーのルーだけになりました。
パンでいい、いやジャガイモでいいので誰か炭水化物をください。
タイトル通り、「ヤマメちゃん大学生になる」の続編です。
タグのケミカルギャグから行けます。
内容ですが、全体的にローカル路線でいきました。
モデルの大学のことを調べていくうちにやっぱり地震の影響が大きいのがわかってきて、
せめてヤマメ達には地震なんて関係のない大学生活を送ってほしいと思って書いていたら…
このざまですね。
次は新キャラもたくさん出てくることになりそうです。
「ローカルネタなんかいいよ!」とげんなりした方にも、次回は楽しんでもらえたらなと思っています。
高井
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コメント



0.980簡易評価
1.100奇声を発する程度の能力削除
続編来た!!
アリスの自由っぷりに和みましたw
次回も楽しみです
7.100名前が無い程度の能力削除
八木山・・・か?


大変おもしろかったです。
8.90名前が無い程度の能力削除
続けてくれ!!

何故かパルスィのチアリーダー姿を妄想して鼻血が出かけたぜ
10.無評価高井削除
コメントありがとうございます。
7さん、正解です。地元なので書きやすいんですよね。
8さん、パルスィのチアリーダーは全力で採用したい…!
今回パルスィの出番がなかったのでその分見せ場を作ってやりたいです。
14.90名前が無い程度の能力削除
是非ともヤマメちゃんの歌を聞きたいですね。カラオケ編を希望!
15.100名前が無い程度の能力削除
<亡き王女の青酸カリ
レミリア『ペロッ…これは青酸カリ!』
こんな電波受信したもうダメポ……
16.100名前が無い程度の能力削除
こういうゆるい話もいいですね
和みました
17.90名前が無い程度の能力削除
Aクラスなのに日本シリーズ出られない……それは言わないでぇーっ!
こ、今年こそはきっと!ライオンさん怖いけど!
食い意地アリスちゃんが可愛いっすわぁ
なんか大学生活が楽しみになってくる作品でした(受験生)
18.100名前が無い程度の能力削除
やっぱり面白い。
作者様が書かれるヤマメは可愛い。
好き。
次回も楽しみにしております。 
19.100すすき削除
こういった淡々と進む学パロは良いなぁ
自分が知っている薬物の名前とか出てくると興奮するし
そんな私はやはり理系畑の人間なのか
29.100名前が無い程度の能力削除
ほんわかしていいですね、ヤマメも可愛いですし!
31.80名前が無い程度の能力削除
ローカルネタ面白いよ。
どんどん入れてってくれ。
実際のモデルを調べてニヤニヤ出来るから楽しい。
てか、東○大だったのね。