Coolier - 新生・東方創想話

野球しようよ! SeasonⅧ

2011/07/30 23:43:52
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「お待たせしたわ。……あら?」

「お待ちしていたわ」

先程伝えた通り、幽々子、妖夢、藍、橙の四人を連れ、改めて紅魔館来訪の許可を求めるべく白玉楼の離れへと訪れた紫。
しかし、肝心のレミリアの姿はそこにはなく、普段着のメイド服に着替えた咲夜の姿があるだけだった。
表情を変えない紫と幽々子、困惑した様子の藍と妖夢、眠たそうな橙。それぞれの顔を見渡した後、立ち上がって軽く佇まいを整えると、お嬢様からの言伝よ、と前置きして咲夜は話し始める。

「――先に行って待っている。出来るだけ早く、メンバー全員で来なさい。……との事だったわ」

先に行って待っている――その一言でおおよその流れを悟った紫は、困った様に口元を緩める。

「相変わらず自由気ままねえ」
「お嬢様にはお嬢様の考えあってのことよ」
「そうだろうけど、いつ私は運送屋になったのかしら」
「貴女にしか出来ない事だから」
「やれやれ、光栄ね」

貸し一つよ、などと苦笑しながら言うと、紫は目の前の空間に大きな隙間を開いた。

「一体全体、どういう事なんですか……?」

しかし、ここまでろくな説明も受けずに連れてこられた妖夢は、急ピッチで進む状況を察しきれない様子。
皆入って、という紫の言葉に従い隙間に入る際も、怪訝な表情のままである。
そんな情けない従者をジト目で見つめるは白玉楼当主、西行寺幽々子。まるでスクイズのサインを見落とした三塁ランナーを見る監督の様相である。

「幽々子様……?」
「……妖夢、貴女の余りの空気の読めなさ、私は悲しいわ」
「だ、だって……」
「だってもあさってもない。これは一週間飯抜きレベルね」
「そんなあ……(ご飯、私が作ってるのに……)」

未だに話の流れを掴めないでおろおろする妖夢に、幽々子は、はあ、とわざわざ大きな動作で溜息を吐いた。
と、相変わらず白玉楼主従が微笑ましい寸劇を繰り広げている中、藍と橙はまだ隙間の外にいた。
というのも、橙が目を閉じたままその場を動こうとしないからである。

「………」
「……橙、心痛めて目を瞑りたくなる気持ちは分かるが、今は一歩でも前に進まないといけない。さあ、私と共に行こう」

藍の力強い言葉にも、橙は一切の反応を見せない。
当然である。何故なら、立ったまま寝ているだけなのだから。
しかし藍がそれに気付くことはなく、凛々しい顔で続けざまに橙に言葉を送る。

「……ここで立ち尽くしていても、道は開かれない。例え如何な困難な状況でも、歩みを止めてしまったら道はそこで途絶「どう見ても寝てるだけでしょ。ほら、おぶって連れてきてあげなさい」……!」

気持ち良く決め台詞を吐いていたのを、主の無慈悲極まりない言葉によって遮られた藍。落ち込んだ様子で、橙をおぶって隙間に入っていった。

「咲夜、あなたは?」
「私は一足先に戻る。お願い出来るかしら」
「貸し二つね」
「ええ、ありがとう。宜しく頼むわ」

隙間の中で待つ紫を始めとするメンバー達に深く頭を下げると、咲夜は音もなくいずこかへ消えた。
一見冷静な態度とは裏腹に、本心は一刻も早くレミリア達の下へ向かいたかったのだろう。言葉の一つ一つから、いつものような余裕が感じられなかった。

「相変わらずせっかちねえ。せっかく無料で送ってあげようと思ったのに」
「あの子も必死なのよ。これも愛、かしらね」
「ふふ、そうね」
「愛は世界を救う、ですね!」
「妖夢、うるさい」

愛は世界を救う――そんな妖夢のくさい台詞に思わず口元を綻ばせ、紫はチームのバッテリーが待つ地霊殿へと通じる隙間をゆっくりと閉じた。




















 野球しようよ! SeasonⅧ




















「参ったわねえ……」

同時刻の地霊殿。
三毛猫の模様が入ったパジャマ姿のさとりは、お空の「こいし様がいなくなっちゃった!」という話に頭を抱える。
どうしていなくなったかは、今まで幾度となくあった事だから分かる。問題は、行き先が分からない上にその姿を認識出来ないことだ。
平時なら特に問題はないが、今は状況が大きく違う。こいしはチームのキャプテンであり、今回の野球の話の言い出しっぺなのである。
このまま姿を現さなければ、チームのメンバーや対戦するフランドール達が納得しないのは勿論、こいし本人も次に意識を取り戻した時に大きなショックを受けるであろう事は目に見えていた。

「ふう……」

思い返してみれば、今までもそれが原因で、こいしは継続的に皆と何かをするという事が出来なかった。
地底で一時流行った野球がその最たるもので、試合当日にいなくなってしまうのは日常茶飯事、時には試合中、さらには打席やマウンドにいる時も、一番酷かったもので完全試合まであと一球という場面ですら、こいしは忽然と姿を消してしまうのだ。
ここ最近になって突然意識をなくす事も少なくなり、逆に無意識の能力を使いこなすようになっていたので、問題はなさそう、と安心していた矢先の出来事に、さとりは大きな溜め息を吐く。

「さとり様、どうします……?」

「……心配ないわ。きっとすぐに戻ってくる」

不安そうに聞くお燐に、さとりは微笑んで答えた。
心中は不安でいっぱいだが、くよくよしていてもどうにかなることではない……半ば自分に言い聞かせるように、さとりは前向きな言葉を続ける。

「ほら、今までもあったでしょう? どこかに行ったと思ったら、すぐにひょっこり帰ってきていた事」
「ん……確かに。そういえば、お空の勘違いだった時もあったですねぇ。こいし様お風呂入ってただけなのに、いなくなっちゃったー! って」
「ん? そんな事あった?」
「ふふっ、本当に憶えてないのね」
「???」

暗く沈んだ空気が、少しづつ和やかになってきた。
そう、よくよく考えてみたら、完璧ではないとはいえ能力を使いこなせる今のこいしが、そう易々と無意識に呑まれる事なんて考えられない。
例え今日戻らなかったとしても、明日の練習にはきっと元気に参加するだろう――そんな風に考えて微笑み、さとりはお燐とお空の頭を撫でてやる。

「さあ、夜も遅いし、もう寝ましょう」
「にゃ……でも、こいし様の事は……」
「大丈夫よ。あの子はああ見えて、結構責任感が強いんだから」
「もしかしたら、もうそこまで来てたりして!」
「あんたは気楽でいいねえ……」
「あら、案外お空の言う通りかもしれないわよ。それどころか、いきなり目の前に――」





「――お取り込み中、失礼しますわ」





「………」
「………」
「なななななな生首が、しゃしゃしゃしゃ喋ったあああああ!!?」
「落ち着きなさいお空。……で、こんな時間にどういったご用件ですか? 紫」
「こんばんは。驚かせてしまってごめんなさいね。まあまあ、そんなに睨まないで」
「全く……」

これだけはやめられないわねえ、などという不謹慎な心の声にムッとするさとりだったが、いなくなったこいしの事もあるため、ひとまず目の前の生首に隙間から出てくるよう促した。
それに従う形で、生首こと紫は床に降り立つと同時に隙間を大きく広げる。

「……? これは……」

広げられたその空間には、紫だけではない、幽々子と妖夢の白玉楼主従、藍と橙の式二人の姿があった。
気紛れの来訪ではない事は、各々の顔つきを見れば心の声を聞くまでもなく分かる。

「手短に話させて頂くわ。あなたとこいしに、今すぐ同行してほしい」

 ――今日の昼過ぎの話だけど、フランドールチームが紅魔館で練習を行い、その最中にフランちゃんが能力を暴発させてしまって、部屋に閉じこもってしまったわ。どれ程の意味があるかは正直分からないけれど、それに際して私達は今回の話に携わっている全員で紅魔館に、いえ、フランちゃんのもとへ向かおうと決めた。整理しきれないかもしれないけど、今は納得して頂戴――

細かな事を心の声で伝えつつ、先程とは打って変わって厳格な表情と声で紫は言う。
しかし、大変にまずいであろう状況は把握したものの、さとりはすぐに動くことが出来ない。
そう、肝心要のこいしは今、ここにいないのだ。

「こちらも手短に言います。同行するのは、私とこの子達だけでもいいですか?」
「……! ……分かった、急ぎましょう」

さとりの言葉に、その状況を読み取ったであろう紫は、余計な質問を投げ掛けることなく、空間に新しい隙間を開く。
行き先は紅魔館、しかし直接フランドールの部屋にではなく、その近辺を目的地に定めた。

「ごめんなさい。こんな肝心な時に……」
「貴女が謝る事はないわ。いいえ、誰が謝る事でもない。さあ、皆も早く」

新しい隙間へ足早に移る妖夢、藍と、藍におぶわれている橙。
また、狼狽えるお燐とお空を、さとりが導いている。

「………」

こいしがいない――それは、今ここにいる全員がいないよりも深刻な事の様に思えてならなかった。
フランドールにとってこいしは、乱暴に言ってしまえば世界を変えるきっかけを作った、そんな存在だ。
それ故にもし誰かの声が今フランドールに届くとしたら、まず唯一の親族であるレミリア、女房役であり信頼篤いパチュリー、そしてこいし……自分を含めたそれ以外のメンバーでは、例え何人いようと大きな効果は期待できないように思える。
何とかして捜し出す手段はないか――変わらない表情の裏で思案に暮れている紫に、口元を扇子で隠した幽々子が笑顔で語り掛ける。

「――愛は世界を救う、あなたはそう思わない?」

「幽々子……」
「こんな状況ですもの。ハートを背負ったあの子が動かないはずがない……私はそう思うけど、楽観しすぎかしらね?」
「楽観しすぎよ。……でも、何だか私もそんな気がするわ」

笑顔に苦笑で応え、それでも幾らか穏やかな顔で、紫は皆の方に顔を向ける。
妖夢、藍、目を覚ました橙、さとり、お燐、お空――顔をぐるりと見渡してみれば、もう誰一人気が抜けた顔をしていない。
一人一人が、自分の力でこそ状況を打開しようという意気込みが伝わってくる。

(ふふ……本当に頼もしいわね)

自分も負けていられない、そう強く思い、紫は隙間を閉じる。

「――さあ皆、行きましょう!」
「だから私の役目を取るなってば!」

目指すは、紅魔館。










 ◆










固く閉ざされた、紅魔館地下のフランドールの部屋。その扉の前にどかっと胡坐をかいて、紅魔館の門番、紅美鈴は不動の構えを見せている。
自分の役割である門番の仕事を妖精メイド達に任せ、練習中の出来事によってフランドールが部屋に閉じこもった直後から今に至るまで、殆ど体勢を変える事なくここにいるのである。勿論、飲食の類は一切していない。
目的はただ一つ、部屋から出てきたフランドールをいの一番に出迎えることだ。

ここに来てからすぐに、美鈴は扉をノックして一言だけ伝えた。



 ――フラン様、私はいつでもここでお待ちしております!



それが果たして中にいるフランドールに伝わったかは確かめるすべがない。実際、それに対して反応はなかった。
しかし、それを確かめようとはせず、それ以上言葉をかける事も、美鈴はしようとしない。そんな事をしても言葉がただ軽くなるだけだからだ。
覚悟は決めた。あとはフランドールが再びこの扉を自らの手で開けてくれることを信じるのみである。

「………」

今この瞬間まで、ただただ無機質に同じ時間だけが流れている。
考えないように心掛けつつも、美鈴は誰一人この場所に来なかったという事に対して、一抹の淋しさを覚えていた。
確かに、今ある状況を打開できる、いや、打開する可能性が少しでもある手段がないのであれば、ここに足を運ぶ意味はない。
しかし、ここを訪れてフランドールに一声送るだけでも、それは意味があることではないだろうか。多くの声が届けば、何か進展があるかもしれない――そう考えるのは自分だけだろうか。
そうやってただこの場所に居座っている意味はあるのか、と問われたら、ある、と答えるのは難しい。
しかし、美鈴は信じて疑わなかった。今自分がしている『これ』は、自分にできる最善である、と。

同じように、無機質な時間だけが流れていく。
閉ざされた扉に変化はなく、また訪れる者もないままで、何か変わった事はといったら、少し前に地上の方から何かを射出するような音が聞こえたのと、今さっき図書館の扉が開く音がした事くらいである。

(図書館……といえば、パチュリー様はどうしているだろう)

野球の話が決まって以来、常にフランドールと行動を共にしていたパチュリー。当然今回の件に際して、誰より責任を感じていたに違いない。
そのパチュリーは、美鈴がここに居座る前より図書館に入ったきりだ。もちろん、食事等を取った形跡もない。
ふと様子が気になり、美鈴はここに来てから初めて目線をそちらに向ける。
薄暗い廊下の先にある図書館、視認するには至らないが、別段変わった様子は流れてくる『気』からは感じられない。
しかし、変化がない、というその事に対して、美鈴は一抹の不安を覚えた。

(パチュリー様にまで何かあったら……)

感覚を研ぎ澄まし、図書館内部の『気』を探ってみる。
その気になれば館内全体のそれを感じ取ることが出来る(例外として、レミリアとフランドールの部屋があるが)美鈴。ましてやこれだけ距離が近ければ、内部の人物の様子を確かめるのにそう時間は掛からない。

(まず一つ……こあちゃんか)

少し疲れが見て取れるが、活発に動き回る気――小悪魔である。
気の流れから、複雑な本棚の羅列にいるものと推測できる。

(本を集めて回ってるみたいね。ということは……パチュリー様は書斎でそれを読んでいるはず)

小悪魔の様子から、パチュリーが今回の件の解決に動いていることを読み取った美鈴は、ひとまず安堵の息を吐く。
一応様子を確かめようと、書斎の方を探ろうと美鈴が再び感覚を研ぎ澄ました、その時だった。



「……え!?」



書斎に至る道中、弱々しく震えるパチュリーの気と重なり合う、凛とした大きな気は――

(お嬢、様……!?)

今は白玉楼にいるはずの、当主、レミリア・スカーレットその人のものである。
あまりの驚きに思わず声を漏らす美鈴。気を取り直してもう一度確認してみようとするが、それを感じ取ったのか攻撃的な気を放ってみせてくる始末だ。そんな芸当が出来るのは、美鈴が知る中でレミリアしかいない。

(お嬢様が図書館にいるという事は、さっきの扉の音はお嬢様の……でもお嬢様が館に戻ってきたのを感じ取れなかったという事は、つまり咲夜さんが――)

頭の整理が追い付かない美鈴を畳み掛けるように事は続く。
今度は地上から、十に近い気が一斉に螺旋階段を下って来ているのだ。
さらにそれに合わせるかのように、図書館ではレミリアの気を先頭にパチュリー、小悪魔の気を引きつれて扉の方向に向かっているから、美鈴の混乱に拍車を掛ける。
そして極め付けは――





 ギィ……





「――!!」



 バタン……



一瞬開き、そして閉じた、目の前の扉。それはほんの一瞬だけで、しかも一切視認することは出来なかったが、美鈴は確かに、とある微かな『気』を感じ取っていた。

(そうか……来てくれたのね……!)

不思議と混乱した頭はすぐに落ち着きを取り戻し、美鈴はすっと立ち上がって佇まいを正した。

「――お邪魔しま「ようこそ。でも次はちゃんと門を通ってきて頂戴ね」……ええ、そうするわ……」

ちょうどその時と同じくして目の前の空間に開いた隙間から顔を出す紫を、美鈴は笑顔で迎える。
少し落ち込んだ様子の紫に続き、隙間から姿を見せるのは幽々子、妖夢、藍、橙、さとり、お燐、お空。

「――お、おお!? 何だか沢山いるなあ……!」
「遅かったわね。貴女の事だからもっと早く来ると思ってたけど」
「ちぇっ。お前さんこそ門番の仕事はいいのかよ」
「ちゃんと扉の前にいるでしょう?」

螺旋階段からこちらに向かってきていた魔理沙、アリス、萃香、幽香、妹紅、鈴仙、霊夢、慧音、永琳、輝夜。

「――お嬢様、パチュリー様、こあちゃん、おはようございます!」
「おはよう。元気そうね」
「私はいつでも元気ですよ!」

図書館から真っすぐここに向かっていたレミリア、パチュリー、小悪魔。
そして最後に、

「――皆様、ようこそいらっしゃいました」

美鈴が気を感じる間もなく突然目の前に現れ、集まった面々に頭を下げた後にレミリアの少し後ろに控えた咲夜。
皆、フランドールを助けるためだけにここに集まった。その総数、美鈴自身を含めて二十三、いや、二十四名。
嬉しさで思わず顔が綻びそうになるのを抑え、咲夜と同様レミリアの後ろに控えようとする美鈴を、そのレミリアが手で制する。

「お嬢様……?」
「美鈴、貴女が仕切りなさい」
「!」
「何時間も門番の仕事をほったらかした罰よ。いいわね?」
「……はい!」

悪戯っぽく笑うレミリアに一礼すると、美鈴は扉に向かって体を翻す。
皆の願いを背に受け、かつて無いほど気が充実している。今ならどんなことでも出来る気がする――そうして美鈴は深呼吸し、閉ざされた扉を強い眼差しで見据え――





「「「「――たのもー!!!」」」」
「お、お邪魔します……!」





「あら、何事かしら」
「私の判断です。白玉楼へ戻る途中に湖でチルノを見つけたので、試験に参加した面子を伴ってここに来るよう伝えました」
「そう。ご苦労だったわね、咲夜」
「………」
「……何をボサッとしてるのよ美鈴。何か問題でも?」
「いえ、問題なんて滅相もありません、お嬢様……!」

新たにチルノ、ルーミア、リグル、ミスティア、大妖精を加え、これで総勢二十九名。
さらに厚みを増した頼もしいメンバー達の願いを背中に受け、気を取り直した美鈴は大きく息を吸って――





「――私達を忘れて貰っては困りますね!」





「あら、天狗。流石に嗅ぎつけるの『だけは』早いわね」
「あややや、だけは、を強調しないで下さいレミリアさん。まあといっても、椛に叩き起こされなかったら流石の私もここに辿り着けなかったかもしれませんが。ねえ、椛」
「レミリアさん、勝手なことをしてすみません。一人でも多く、同じ思いを持った人を連れてこようと思って……」
「謝ることはない。むしろフランの事を思ってくれるその気持ちに感謝するわ。ありがとう」
「は、はい!」
「………」
「美鈴、何をボサッとつっ立っているのかしら?」
「す、すみませんお嬢様……!」

文、椛を加えてこれで総勢はとうとう三十を超えて三十一名。
早くしろ、という不条理な視線が混じりはじめる中、美鈴が今度こそと思って扉に体を向けた、その時――





「――!!?」





爆音とともに、美鈴の目の前は真っ白になった。










 ◆










豪華な天蓋付きのベッドに、大理石で出来た綺麗なテーブル、難解な題名の本がぎっしり詰め込まれた大きな本棚に、年季が入っていそうな割にしっかりとした木製のクローゼット、そんな部屋の片隅で蹲っている部屋の主、フランドール。



 ――これでよかったんだ。私みたいな異端者が、皆と一緒に野球なんて出来るわけ無かった。もうこれで、誰も傷つけないで済む――



閉じていく心の中で、繰り返し繰り返しそんな声が響く。
もう何時間も前に聞こえた、お待ちしております、という美鈴の声。それから今に至るまで扉の前を動かない気配だけが、何とかフランドールの心を支えていた。
しかし、それももう長く続きそうにない。
あとは自分が『諦める』という心のスイッチを押してしまえば、全てが終わる。そして、終わらせてしまうのは、今のまま葛藤しているより遥かに楽になるであろうことも知っている。
楽になる――それは、喜怒哀楽を棄てた、過去の自分に戻る事。今ある自分を殺してしまうという事。そんな死を前にした今の自分が見せる走馬灯なのか、少し前から様々な思い出がフランドールの頭を駆け巡っていた。



 ――そんかわり、やるからには勝つ! わかってんな!?――



 ――ショート! ショートがやりたいわ! それでプラチナの三遊間の完成よ!――



「………」

色んな事があって、色んな人と出会った。



 ――さぁーてフラン、さっきの続きはこの勝負でやろうか!――



 ――百花繚乱と謳われた私のバッティング、貴女に味あわせてあげるから覚悟なさい!――



自分で自分が不思議に思えるくらい、沢山笑った。



 ――ああ、いいよ。じゃあ麻雀の続きでもやるか!――



 ――師匠が付けてくれた名前なの。だから、師匠専用。フランも鈴仙の方の名前の方で呼んでよ――



外の世界は不安もいっぱいだったけど、温かくて、優しくて、楽しかった。



 ――何やっとんじゃコラァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!――



 ――勿論よ。それと、永琳でいいわ――



これからもこんな日が続く、そんな事を考えたら、自然と笑いが込み上げてきた。



 ――フラン、待って! 落ち着いて! フラン! フランっ!――



 ――フラン様、私はいつでもここでお待ちしております!――



これからも、こんな日が……

「……ぐす……えぐっ……」

でも、今は違う。
湧いてくるのは後悔の念と、涙だけだ。
震えてくる体、込み上げてくる嗚咽、そんな中で過去の自分が語り掛けてくる。
身を任せたくなるような優しい声で、語り掛けてくる。



 ――もう、いいじゃない。これ以上、苦しい思いをする意味なんてない。もう、楽になろう――



「ひっく……ひっく……」










薄い意識の中で、こいしはその声を聞いていた。
胸元の第三の眼が、丸で深い眠りから醒めたかのように、うっすらと開いている。
涙を流しながら目の前でか弱く震えるフランドールを、自身も一筋の涙を流しながら、しかし一切目線を逸らす事なく、じっと見据えている。



 ――もう、楽になっちゃおう。やっぱり、私には無理だったんだ。こんな破壊者が皆と同じようになんて、出来るわけなかったんだ……――



負の感情に覆い尽くされた、重く、暗い声ばかりが続けざまに響く。
聞けば思わず顔を背けたくなるような慚愧の声の数々、しかしこいしの体は身動き一つせず、フランドールの前に立ち続ける。無意識の奥底にあるこいし自身の強い意志が、この場から動くことを拒絶しているのだ。
あるのかないのか分からないような薄い意識でも、それだけは揺らぐ事はなかった。
しかし、そんなこいしの強い意志がフランドールに伝わる事はない。
当然である。無意識下の今のこいしはフランドールにとって、路傍の小石同然なのだから。



 ――ごめんね……。お姉様、パチュリー、美鈴、みんな……ごめんね……――



胸元の眼だけでなく虚ろな両目からも、こいしは涙を流す。
自分のせいで、大切な友達を深く深く傷付けてしまった――そんな思いが沸き起こり、それはどんどん大きくなっていき、頬を伝う涙を加速させた。










 ――ごめんね……こいし……










 ぴちゃん……



「――……!」

無意識の力が発動している時のこいしは、彼女が最初に白玉楼へと訪れたとき同様、その存在を認識される事はない。
衣服や帽子、靴など、彼女の纏うものも同様で、更には零れる涙さえも例外ではない。
しかし、零れ「落ちた」涙は違う。
そして、それによって起きた音も、である。
普通ならばまず気付かれない微かな音だが、ここは音のない地下室。例え小さな小さな水滴が滴る音でさえ、よく響く。

「……! こいし、こいしなの……!?」

そして、一度意識が向けられると、無意識の力は効力をなくす。
虚ろだった両目ははっきりと焦点を取り戻し、第三の目は――

「フラン、ごめんね……。私、こんなにフランを苦しめさせちゃった……。ごめん……ごめんね……」

第三の目は、薄く開いたままだった。
それによって流れ込んでくる、悲しい心の声――涙を止めることなく、こいしは繰り返しフランドールに謝り続ける。

「こいし、やめて……」
「ごめんね……ほんとに、ごめんね……」
「やめて……謝らないでよ! 元々私には無理だったんだよ! 私がみんなと一緒になんて、出来るはずなかったってだけなんだよ! だから、だから、謝らないで……!」

謝り続けるこいしに対して、ぐちゃぐちゃに混乱する頭のまま、フランドールは必死に言葉を投げ掛けた。

こいしのせい、などと思ったことは一度だってなかった。
それは今も同じだ。
なのに、こいしは涙を流しながら自分に許しを乞い続ける。
このまま何もしなければ、こいしのせいだ、と、認めてしまう事になる。
黙ってなんて、いられるはずがない。

他のことは、申し訳ないけれども、どうでもよかった。
というより、他のことを考える余裕なんてなかった。
ただただ、目の前の親友に、自分の心を知ってもらいたかった。
どれだけ感謝しているかを、知ってもらいたかった。
言葉だけでは伝わりきらないなら、ありったけの心の声を一緒に乗せて――

そうしてフランドールは、溢れる涙を拭い、精一杯、微笑んだ。










「ありがとう、大好きだよ、こいし……!」










第三の目に流れ込んでくる、先程までとは違う心の声。
それは、今までこいしが感じたことのないものだった。

恐れられ、蔑まれ、憎まれた記憶しかなかった。
その場から逃げ出したくなるような声ばかりだった。
でも、今は違う。

 ――ああ、そうか。お姉ちゃんがこの目を閉ざさなかった理由が、少し分かった気がする

涙をぐしぐしと拭い、こいしはフランドールと向き合う。
自分の為に、辛く苦しい心を見せずにフランドールは微笑んでくれている。
この笑顔に応えるにはどうしたらいいのか、こいしにはそれが分からない。

「フラン、私、頑張る! どんな問題でも、私が一緒に解決するから!」
「え……?」
「フランも、絶対諦めないで欲しいの! フランが諦めさえしなければ、絶対にうまく行くから!」
「………」

ただ、自分が「こうだ」と思う言葉ならすぐに浮かんできた。
それが正しいかどうかなんて分からない。
でも、どうしてもこれだけは伝えたい言葉がある。
大好きな親友に、伝えなければならない言葉がある。

「だから――」

くるっと扉の方向に体を翻して両手でハートマークを作り、妖力を込めて撃ち放った。
激しい爆音と共に、扉は大きなハート型の風穴を残して粉々に吹き飛ぶ。





「!」





そしてその風穴の先には、頭から埃と煤を被った三十を超える人影。
呆気にとられるフランドール、そんな彼女に再び正対し、向日葵のような笑顔でこいしは高らかに言う。
そう――










「野球しようよ! せーのっ」

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「野球しようよ!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」




















「よし……これで完成」

件の日から五日が経った。
一時は中止も已むなし、と言われた幻想郷野球フレンドリーマッチは、少しの延期を経て予定通り開催される事となり、フランドールチーム、アルティメットブラッディローズ、そして正式に永琳と輝夜のバッテリーを加えた図書館防衛隊チームの各メンバーは、今日も練習に汗を流している。
そんな中、フランドールとパチュリー、そしてレミリアの三名は、紅魔館の図書館最深部にあるラボラトリーにて、とある実験を行っていた。

「へえ、綺麗ね」
「うん、何だかキラキラしてる」
「それはさておき、早速付けてみて」

パチュリーからフランドールへと手渡されたのは白いリストバンド。白の中にうっすらと様々な色の光沢が見て取れ、綺麗であり幻想的な印象である。
促すパチュリーの言葉に、これを付けたらどうなる、といった説明を一切受けていなかったフランドール。少し緊張した面持ちで、渡されたそれを右手に通した。

「わ……!」
「フラン、大丈夫?」
「うん、平気。何だか急に体がふわって軽くなったから」
「軽くなった……フラン、ちょっと試しにそこにある木箱に能力を使ってみてくれないかしら」
「え……パチュリー、でも……」

能力を使う――その言葉にフランドールは躊躇うような返事を返す。
心身共にだいぶ元通りになってきたとはいえ、あの暴発からまだそう日が経っていないため、力を発動させるのは少し怖い。
当然パチュリーはそんな彼女の心境を理解した上で、言葉を投げ掛けた。先に進むため、それは必ず通らなくてはならない道だからだ。

「不要物だから心配いらないわ。それに、これの成果を試す必要がある」
「ん……」
「大丈夫。私も付いてるから」
「うん、わかった……!」

最愛の姉の後押しもあり、フランドールは『パチュリー様写真集(永久保存版)』と書かれた木箱に向けて恐る恐る右手を翳した。
木箱の中心部、他の者には見ることの出来ない『目』がしっかりと確認できる。後はこれを右手に移し、握り潰すだけなのだが――

「あ、あれ?」
「どう?」
「何だろう、『目』は見て取れるんだけど、んん、上手く右手に……移せない」

「やったわ、成功よフラン!」

「え? そうなの?」
「パチェ、補足が欲しいんだけど」

首を捻っている姉妹に、パチュリーは嬉しそうな口調でリストバンドの効能を説明する。
曰く、フランドールの『破壊する能力』を操る右手、そこに集まる力を全身に分散させて、能力の発動そのものをしづらくしているのだという。
また、このリストバンドをした状態でなんの苦もなく能力が使えるようになれば、それは能力の制御が出来ているのと同義、とのことだ。

「成る程、ただ抑えるだけじゃなく、同時に制御も完璧にしてしまおう、そういうわけね?」
「ええ。その通り――」



「――パチュリーっ! お姉様っ!」



これ以上ないほど嬉しそうな顔と声で二人に抱きつくフランドール。しかしそれも当然の反応だろう。そう、実験は成功――つまり、最も大きな憂いは今解決されたのだ。
しかし何より、自分一人のために皆が力を貸してくれた事が嬉しかった。全ては人(それ以外の方が多いが)の和、今回に限って言えば、野球の和である。

「わっ!? ふ、フラン……!」
「相変わらず唐突ね(そして相変わらずぷにぷにね)」

一方、突然抱きつかれた二人はというと、顔を真っ赤にしてあたふたするレミリアをよそに、パチュリーはあらかじめフランドールの動きを予測していた様で、少なくとも表面上では変化がない。流石、数日間フランドールと触れ合い続けただけの事はある。
しかし、今のフランドールにとってそんな二人の反応など気に留めるような問題ではない。ただ気持ちの赴くままに嬉しさを爆発させ、交互に頬擦りなどをしている。

「ホントにホントにありがとう! 私、これでまたみんなと一緒にいられるんだね!」
「ええ。また一緒に野球が出来るわ。それと、お礼を言うなら私達だけじゃなくて、あの場にいた全員に、よ」
「え? 全員?」
「そのリストバンドには、皆の『願い』が込められている。詳しく話すと長くなるから省略するけど、皆口を揃えて(揃えさせて)お礼をするなら球場で、と言っていたわ」
「球場で……」

受け取ったその言葉の意味を、フランドールは即座に理解する。
お礼、つまり借りを返すつもりなら、敵味方共に「野球の試合で返せ」と皆は言っているのである。
因みに一人の巫女だけは例外で、お礼として食料品を週単位で神社に送ることになっているのだが、必要な情報ではないと判断してパチュリーは伝えなかった。

「――言っておくけどフラン、私もその内の一人よ」
「うん、分かってるよお姉様!」
「次に対戦するときは、最初に三振した私だと思わないことね」
「……上等! 負けないよ!」

そして、自分を助けてくれた皆からのそんな宣戦布告及び発破に等しい言葉を聞かされたなら、紅魔館の火の玉娘フランドールが黙っている筈がない。
レミリアの言葉に目を鋭く輝かせ、そうして右手をこつんとぶつけ合った。

(やれやれ、これでまた明日から忙しくなりそうね……)

楽しそうに笑う姉妹を横目で見て苦笑しつつ、実験成功の安堵からほうと一息ついたパチュリー。魔法で保温されている紅茶入りのポットに手を伸ばす。





「――フランっ!!」





「――!?」

全ての空気をぶった斬ってテーブルの上に何の前触れもなく姿を現すは、現代のぬらりひょんこと古明地こいし。
普段は冷静なパチュリーもこれには流石に驚いたようで、危うく椅子ごと後ろに引っ繰り返りそうになっている。
しかし、今のこいしにそんな事は気に留めるような問題ではない。姿を確認した瞬間花が咲いたような顔になったフランドールに、スピアタックルさながらの勢いで抱きついた。

「あははっ! やったねフランっ!」
「こいしっ! ありがとう!」
「これでまた一緒に遊べるね! 一緒に、野球が出来るね!」
「うん! 遊びも野球も負けないよ!」

「全く、この館に門番がいる意味はあるのかしら……」
「ふふっ、まあいいじゃない。どのみち近々食事にでも招こうと思っていたところよ」
「あら、レミィにしては随分寛大ね。いつもなら、今後朝食はどんぐり5個よ! とか言うくせに」
「いいのよ、こんな時くらい。あんなに嬉しそうにされちゃあ、ね」
「ふふ、確かに」

見ているほうも嬉しくなりそうな顔で両手を握り合い、そこを中心にくるくるとスキップしている二人。そんな桃源郷と見紛うような情景を見せられたレミリアとパチュリーは、口元を綻ばせずにはいられない。
姉として、相棒として、漸く辿り着いたフランドールの心からの笑顔に、嬉しさを感じない筈などないのである。

「――さて、実験も無事成功したことだし、そろそろ練習に戻ろうかしら」

そして、そんな最愛の妹の姿がもたらしたものは、単純な嬉しさだけではない。
沸き上がる「野球がしたい」という衝動。常に気掛かりだった心配が無くなった今、それを抑える必要はないのである。

「そうね、私も戻るとするわ」

パチュリーも同じ理由から、レミリアに続く。
そして、それぞれ壁を乗り越えた両キャプテンが、そんな二人の熱意に満ちた姿を見て、黙っている筈がない。
スキップをぴたりと止め、同じく熱意に満ちた笑顔で駆け出すのだった。










「「私も行くっ!!」」




















「……あら、貴女達は確か妖怪の山の。  ……え? ああ、こいしは今行方不明なのよ。  ……いやいや、だから行方不明。  行き先なんてこっちが聞きたいわよ。突然消えるんだもの。分かるわけ無いじゃない。  一応、言伝なら承るけど……  ええ。  ……え? それは私の一存じゃ決められない。  ……第一貴女達、メンバーは? 三人じゃ野球は出来……   ふうん、その辺はきっちり揃えてきたってわけ。  ええ、そういう話なら多分皆大歓迎と思うわ。一応確認してくるから少し待ってて」





「――お待たせしたわ。条件が二つある、との事よ。  ああ、こいしじゃなくてレミリアお嬢様。こいしに聞いても、きっと同じ答えが返ってくると思うわ。  それで条件だけど、まず一つ目はきっちり九人揃えること。  期限は特に言ってなかったから、試合までに、でいいんじゃない?  ええ。じゃあそれは問題なしということで、二つ目の条件ね。先に言っておくけど、これは今この場でやってもらうわ。  格好良いチーム名を付けること、よ。  それは貴女達の感性に懸かってるわね。  ……文句があるならお引き取――  分かればいいのよ。  さ、どうぞ。  ……ああ、駄目ね。そんなチープな名前じゃ。第一、貴女達のどこから鷹が連想されるのよ。  ……文句があるならお引き取――  分かればいいのよ。ただし、次は無いわよ。  ええ。  んー、悪くないけど、もう一捻り欲しいところね。もう少し派手に出来ない? 例えば、そうね、シャイニングとか、ライトニングとか。  あら、中々いいじゃない。でも、やっぱりもう一捻り。  うん。  ……いいじゃない! 格好良いわよ、それ!  はい、じゃあそれで確定ね。  貴女達のチーム名は、洩矢、し、シャイニング……ぷぷ、バーニングライトニングス、ね。確かに……くくく、伝えておくわ……!  いやいや、可笑しくなんかないわよ! 凄く格好いいわ! きっとお嬢様も太鼓判を押すはず。私が保障するわ。  ええ。決定権を預かってきたから。  勿論、晴れて参加確定よ。おめでとう。  詳しい日時等は追って妖精メイドを遣わすから。  あ、そうそう、最後にこのメンバー表に名前を書いていって。出来ればポジションと利き腕もね。  ええ。じゃあ、よろしくね」




















 ■暫定メンバー



 《アルティメットブラッディローズ》

 投手:古明地 こいし(左投左打)
 捕手:古明地 さとり(右投左打)
 一塁手:八雲 紫(右投両打)
 二塁手:十六夜 咲夜(右投右打)
 三塁手:レミリア・スカーレット(右投右打)
 遊撃手:西行寺 幽々子(右投右打)
 右翼手:橙(右投右打)
 中堅手:魂魄 妖夢(左投左打)
 左翼手:八雲 藍(右投両打)

 《フランドールチーム》

 投手:フランドール・スカーレット(右投右打)
 捕手:パチュリー・ノーレッジ(右投右打)
 一塁手:伊吹 萃香(右投右打)
 二塁手:紅 美鈴(右投右打)
 三塁手:霧雨 魔理沙(右投右打)
 遊撃手:鈴仙・優曇華院・イナバ(右投左打)
 右翼手:アリス・マーガトロイド(左投左打)
 中堅手:風見 幽香(右投左打)
 左翼手:藤原 妹紅(右投右打)

 マネージャー:博麗 霊夢(右投右打)

 《図書館防衛隊チーム》

 投手:八意 永琳(右投両打)
 捕手:蓬莱山 輝夜(右投右打)
 一塁手:小悪魔(右投右打)
 二塁手:隊員A(右投右打)
 三塁手:副隊長B(右投右打)
 遊撃手:隊員F(右投右打)
 右翼手:隊員B(左投左打)
 中堅手:副隊長A(左投左打)
 左翼手:隊員D(右投右打)


 《洩矢シャイニングバーニングライトニングス》

 投手:洩矢 諏訪子(右投両打)
 捕手:八坂 神奈子(右投右打)
 一塁手:秋 静葉(右投両打)
 二塁手:鍵山 雛(右投右打)
 三塁手:
 遊撃手:河城 にとり(右投左打)
 右翼手:秋 穣子(右投右打)
 中堅手:
 左翼手:東風谷 早苗(右投右打)










 続く
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。投稿第八作目、『野球しようよ!』の第八話です。
第七話のあとがきで説明した、二つに分けた内の後半部分となります。

以前からコメントで指摘されていた点ですが、野球と題しているにも関わらず試合の描写が殆どない事について少々私自身も焦りを感じていました^^;
書き始めた当初は五話完結の予定だったため、メンバー集めに三話、試合に二話といった構成にするつもりでしたが、このままいくと倍を超えてしまいそうですね;
話の最後の暫定メンバー表を書きながら、数多くのキャラクターを、各々見せ場を設けつつ動かす事の難しさ、そして楽しさを改めて思いました。

さて、次回より作品は試合に入ります。
サブストーリーも考えていますが、それは短めに纏めるつもりですので、今回の投稿のように二作品を同時にアップする形になると思います。
試合に期待してくれている方々や、応援してくれた方々に応えられる様、私が出来得る最高の試合にしたいと思いますので、どうぞご期待ください。
最後に、この作品を読んで少しでも楽しかったと思って頂けたなら嬉しい限りです。
では……
和坊
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コメント



0.520簡易評価
2.100名前が無い程度の能力削除
確かに、お嬢様の太鼓判は貰えそうで……くく、許可を得る場所を間違えたとしか。

次回作も期待しております。
5.100名前が無い程度の能力削除
フランの思い出の下りを見てたら、もっかい一話から読みたくなった。
いや、読んでくる。
6.100名前が無い程度の能力削除
次回がものすごく楽しみ
9.100名前が無い程度の能力削除
次回作期待しております!
10.90名前が無い程度の能力削除
続きにひたすら期待する!
11.90名前が無い程度の能力削除
試合、物凄く楽しみです
これからも頑張ってください
応援しています!
12.100名前が無い程度の能力削除
1話から読み返してしまった…。
次回も期待してます!
13.80名前が無い程度の能力削除
いやあ、待った甲斐があった!
ただ、待った時間の分ととここからの展開への期待を込めてこの点数で
16.100名前が無い程度の能力削除
早く!早く!続き!続き!