Coolier - 新生・東方創想話

なじゅーりん! ~真夏の夜の夢~

2011/07/30 03:12:49
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夢オチ、幼女趣味、そういうのは話にならん、そうですよね、お戻りくださった方が…… 
拙シリーズのスピンオフ、まぁ完全に外伝です。短いです。
もう一度言います。夢オチです。
これまでのお話とは独立しております。伏線もありません。
それでもいいか、と言う方はおすすみください。








朝です。
まだ暗いですが、長年の習慣で自然と目が覚めます。
そろそろ起きなくてはなりませんね。

隣の布団で寝ていたはずのナズーリンは私の布団の中で丸まっています。
いつのまにか潜り込んでくるのは毎度のことですけど。

すぅー、 すぅー、

なんと、いとけない寝顔でしょう。

起こさないようにそっと布団から抜け出します。

可愛い寝顔を眺めながら静かに着替えをします。

すぅー、 すぅー、

ああ、可愛い! 我慢が出来なくなりましたよ!

ほっぺに軽くキスくらいならいいですよね? ね?

そろりそろりと近寄って……

ナズの目がパッと開きました。

いけない、起こしちゃいました、んーー惜しかったです!


「ん? あ! ごしゅじんたまー! ワッタシ! ま、またお寝坊しちゃいましたー!」

わたわたと着替えを始める小さな小さな従者さん。

「ナズーリン、まだ寝ていなさい、疲れているのでしょう?」

「へーきです! ごしゅじんたまを起こすのはワッタシの役目です!」

でも、ナズが私より早く起きるのは遠足の時ぐらいです。
それは言わないお約束ですけど。

着替えの手を止めて、おなかの辺りに手をやっているナズーリン。
あ、ほっとしてますね。
大丈夫、今日はおねしょしてませんよ。
最近はほとんどしなくなりましたものね。

「ところでナズーリン? 朝のご挨拶は?」

「あ、そうでした! ごしゅじんたま! おはよーございまーす!!」

「はい、おはようございます」

元気の良いご挨拶、これで私、今日も一日頑張れます。





洗顔用具を抱えて私の前をてくてく歩くナズーリン。
しっぽをふりふり、大きな耳が時折ピコッと動きます。
人里の子供で言えば3歳か4歳くらいでしょうか。
私の腰ほどもありません。
気をつけていないと踏んづけてしまいそうです。

くるっと振り返ったナズが、にっこにこ顔で、

「ごしゅじんたまー、きょーも、なじゅーりんはがんばります!
おやくにたちます! なんでもおもーしつけくだたい!」

少し舌足らずで、たまに【さ行】がつっかえます。

はああー、たまりません。





命蓮寺の住職、聖白蓮、我らが聖が封獣ぬえを伴ってこちらに歩いてきます。

「ひじりたま、おはよーございまーす! ぬえさん、おはよーございまーす!」

「おはようございます。ナズーリンはいつも元気がよいですね」

今は長い髪を後ろで束ねています。顔を洗い終わったところでしょうか。
ナズの頭を優しくなで、笑顔を向けてくれます。

私も聖とぬえにご挨拶。


「おはよー、寅丸、おっはー、ちびーりん」

「ちびーりんじゃありません! なじゅーりんです!」

「あはは、【なじゅーりん】でいいのかい?」

ぬえは自分のことを【なじゅーりん】と言ってしまうナズをいつもからかいます。

でも、私がいない間、一番かまって遊んでくれるのはぬえです。

ぬえは寺に来た当初、毎日お昼過ぎまで寝ていましたが、今は早朝から聖に付いて細々と支度を手伝っています。
最近、寺が賑わってきて、色々と忙しくなってきた一輪、ムラサに代わって聖の身の回りの世話をしてくれているんです。
そのことを褒めると、

「ふん、暇だから仕方なくやってるだけだよ」

そう言って横を向いてしまいます。
優しい娘さんです。



「ごしゅじんたま、おみみ、おみみ」

二人と別れた後、ナズが嬉しそうに話しかけてきました。

内緒話をするからしゃがんで耳を貸してくれという意味です。

「あのね、ひじりたまはワッタシと二人でいるとき、ぎゅってしてくれるんです。
ごしゅじんたまみたいに。
でも、ないしょなんです。
だって、みんながぎゅっとしてって言ってきたら、こまっちゃうからだそうです」

聖もナズーリンをとても可愛がっています。

「内緒なのに私に話してしまって良いんですか?」

はっとするナズーリン。

「あ、ご、ごしゅじんたまは良いんです! 
でも、でも、ワタッシが話したって、ないしょにしてくだたい!」

困り顔も可愛いー。

「あらー。どうしましょうか?」

「ごしゅじんたま! お、お願いです! ないしょにしてくだたい!」

泣きそうな顔、たまりません、ふうー、罪深い楽しみです。

「はい。内緒にいたしましょう」

「え? ホント? よかったー。 ごしゅじんたま、ありがとーございます!」

あう、私、地獄に堕ちるかも。




一輪は朝一番で雲山とともに寺の周りを入念に見回ります。
たまに行き倒れて死にかかっている妖怪がいたりするからです。

ムラサ船長は通いでやってくる妖怪たちに掃除の段取りや朝課の支度を差配しています。

私は参詣に訪れる方々に振舞う汁物を用意します。
少し恥ずかしいのですが【命蓮寺の名物】の一つなんですって。

ナズーリンは私のお手伝いです。
前日のうちに二人で食材を用意し、作る段取りも確認してあります。
段取りを説明すると、ナズは食材と使う器具をきっちり指さし確認してくれます。

【赤ナス20こ! タマネギ7こ! ジャガイモ8こ! きゅうりは10ぽん! 
大なべよし! すりばち、すりこぎよし! おわんもよし!
あ、にんにくもりんご酢もだいじょーぶです! 氷もこんだけあればよしです! 
でも、お塩が少なくなってます! 明日、かいにいきましょー!】

しっかり者です、ホント助かります。

今日は朝から暑くなることが分かっていましたので和風ガスパチョです。
酸味のきいた冷たい野菜スープはこんな朝にぴったりで元気が出るはずです。
赤ナスとタマネギ、ゆでたジャガイモはすり鉢ですりつぶし、キュウリだけは細かい角切りにしてアクセントにします。

ナズは野菜をせっせと運んでいます。

私が仕込みをしているのを嬉しそうに眺めています。

味見をさせると、いつもどおりに顔を綻ばせ、

【おいっっしー! ごしゅじんたま、おいしーです!!】

満面の笑顔をくれます。
はあああ、私、この世の【シアワセ】を独り占めにしています。





朝、参詣者の方々とご挨拶、ナズはここでも人気者です。

「みなさん! おはよーございまーす!」

「おはよう、ナズちゃん、今朝も元気で気持ちが良いね」

「おヤイさん、おはよーございます! 足のぐあい、だいじょーぶですか?」

「ありがとう、だいぶ楽になったんだよ。ナズちゃんは優しいねぇ」

「ヒロスケさん、おはよーございます! 今日はおとーふ買いに行きますから、よろしく!」

「そうかい! よーし、とびきりのを用意しておくからな!」

「あれー? おとーふって、いっぺんに作るんでしょ?
教えてくれましたよね? どうーやってワッタシにのだけとびきりになるんですかー?」

「おっと、ナズちゃんは賢いなぁ~、まー、心意気ってヤツさ!
それより転んでこぼすなよ!?」

「もー! そんなこともうしまてん! ワッタシ! シッカリしてるんですから!」

ぷんぷんしているナズは大勢の優しい笑い声に包まれています。





ダルマの模様の帯留めを水屋箪笥の中に隠します。

ナズには【探し物を探し当てる程度の能力】があるそうです。
あるそうです、と言うのは、実はよく分からないからなんです。
でも、自分の能力に自信と誇りを持っているようです。

「ナズーリン、申し訳ありませんが、探しものをお願いしたいのです。
帯留めを無くしてしまいました、ダルマの模様のなんですけど」

「ごしゅじんたま、またですかー?
しかたありませんねー、でも、なじゅーりんにおまかせです!」

腰に手を当て【やれやれこまりましたねー】の顔をしながらもとても嬉しそう。
探しものを頼まれることが一番嬉しいみたいです。

小さなダウジングロッドを取り出し、真剣な顔で右回りに少しずつ動いています。

なにか気づいたらしく慎重に歩き始めます。
そっちじゃないんですけどね。

しばらく見当違いのところをウロウロと探し回っていましたが、

「うーん、こっちじゃありませんね」

そう言って庭に出ようとします。

あらあら、これではいけません。

『外には持って行っていません』
『自分の部屋にはありませんでした』
『食事の支度をしているときになくなったかも』
『お台所のどこかかも』

順番にヒントを出して誘導します。

ようやく水屋箪笥の中を調べるナズーリン。


「あ、あったー!! ありましたよー!!」

「まあ、こんなところにあったなんて! ナズーリン、ありがとうございます!」

「探しものならなんでもおまかせくだたい!」

えっへん! と胸を張る小さなダウザーさん。

いいことだとは思いません。
ナズのためにならないとは分かっています。
でも、ナズが嬉しそうで、そして、なんだかホッとしているように見えるんです。
だからやめられないんです。





ナズと二人、人里での用事が思ったより長引いてしまいました。
お昼はどこかの食事処でいただきましょう。
今日のお寺の昼食は一輪がやってくれるはずですから、たまにはいいですよね。

「ナズーリンはなにが食べたいですか?」

「ワッタシはおそばがいいです!」

最近作っていませんでしたものね。

「そうですね、では、おそばをいただきましょう」

「はいっ!」

近くのお店の暖簾をくぐります。
お昼時も終盤で空席の方が多いくらいです。

「いらっしゃーい、お席、お好きなところへどーぞー」

「ごしゅじんたま! こっち! こっちがいいです!」

私たちの風体もそうですが、元気のよいナズーリンは店内の注目を集めます。

ぱたぱたと手招きする従者さんは、一番奥の席を勧めています。
ナズは隅っこを好む傾向があります。
やっぱりネズミさんだからでしょうか。

ナズの決めた席に座ります。

すると、椅子に腰掛けた私に、んしょ、んしょとよじ登ってきました。

膝に座って、ふーっと一息ついています。

「ナズーリン? どうしました?」

私の呼びかけに振り返り、きょとんとしています。
お互い見つめあったまま呼吸三つほどの時間が過ぎます。
ナズが、はっとしました。

「あ、お寺じゃなかった・・・・・・」

慌てて膝から降り、向かいの席に移りました。
お澄まし顔ですが真っ赤っかです。

お箸がようやく使えるようになったナズですが、寺で食事する時、たまに私の膝に乗って一緒に食べることがあるんです。
私は構わないのですが、さすがに他人様の目があるところではよろしくありませんよね。
でも、恥ずかしがるってことは、少し大人になったってことかしら。



今日は細かい買い物が多く、両手にいっぱいの荷物です。
ナズは自分にも持たせろと盛んに言いますが、ちょっと危なっかしいです。

持ちます、大丈夫です、押し問答になりかけたところで気づきました。
ナズの口元が尖り始めています。
いけない、不機嫌一歩手前の顔です。

結局、お塩の入った小さな包みを持ってもらいました。
そうしたらようやくいつものご機嫌顔で、

【おやくにたちます!】

いつもの決めゼリフです。
よかった。

実は、ナズーリンへの贈り物をこっそり持っているんです。
可愛いネズミとトラの顔が刺繍されている明るい朱鷺色の巾着。
なんでもかんでもスカートのポケットに突っ込んでいるナズに小物入れを贈りたかったんです。
今は見つかるわけにはいきません。



お寺について、社務所を除くと一輪とムラサが休憩していました。

「いちりんさん、ムラさん、ただいまー!」

【ムラサさん】と言いにくいようです。

「おかえりナズーリン、アメちゃん、いる?」

「ナズーリン、こっちにおいで。お饅頭食べようか」

「わー、ありがとーございます!」

ナズを取り合うように誘い掛けるお寺の重鎮二人。
二人ともナズーリンに甘いんです。
お夕飯が食べられなくなっちゃいますよ。



今日は小傘ちゃんが来ているそうです。

「ナズーリン、小傘ちゃんがきていますから遊んでいらっしゃい」

「で、でも、ワッタシは、ごしゅじんたまのお手伝いをしまてんと……」

ホントは遊びたいんでしょ? 分かってますよ。
だから、ちょっと言い方を変えます。

「せっかく、来てくれたのだから、誰か構ってあげませんとかわいそうですね。
ナズーリン、小傘ちゃんと遊んであげてくれますか?」

そう言われてちょっと考えていたナズですが、やがて顔が、ぱぁーっと輝きました。

「そ、そーですよね! わっかりました! しかたありまてん! ワッタシが遊んであげましょー!!」

そう言って、ぱたぱたと駆け出しました。

はぅふーー、なんて良いコなんでしょう、たまりません。



買ってきた食材の整理を終え、裏庭に出てみます。
ナズーリンと小傘ちゃんが遊んでいるはずですから様子を見てみます。

きゃっきゃっとはしゃぐナズーリンの声が聞こえてきました。

「いつもより余計に回しておりまーす!!!」

小傘ちゃんの大きな声が聞こえます。
覗いてみると、いつも持っている大きな傘を開いたまま、くるくると回しています。
その傘の上でころころ転がっている大き目の手鞠。
へー、上手いものですねー。

あら? ナズは? どこにいるの? 見あたりませんね?
嬉しそうにはしゃぐ声がすぐそこで聞こえるのに。


よく見れば傘の上で転がっている鞠はナズーリンではありませんか!

あ、あ、なんて危ない! 

でも、いくら小さいナズでもあんなに小さくありません。
目の錯覚でしょうか?
それとも妖術の類なのでしょうか?

きゃっきゃっと楽しそうな声。
小傘ちゃんがぽーんとナズを跳ね上げ、落ちてきたところを片手で掴みました。

やっぱり小さいです。

小傘ちゃんの手からポロっと落とされた手毬が、地面に付く間に、いつものナズーリンなりました??
なんなんですかー!?

「あ、ごしゅじんたまー!」

私、いつの間にか駆け寄っていました。

「寅丸さーん、おじゃましてまーす!」

「え、あ、こ、こんにちは」

小傘ちゃんへの挨拶もそこそこにナズーリンに尋ねます。

「あの、ナズ? アナタ、どうやって小さくなってるんです? 」

「ふー、目が回りましたー。 え? ちちんぷいぷいってやると、小さくなれるんです。
えーと、ちょっとのあいだしかできまてんし、つかれちゃいますけどへーきです」

「そ、そうなんですか? 知りませんでした」

やっぱり妖術みたいです。

このコには、たまにビックリさせられます。



でも、今夜は私がナズをビックリさせる番です。
朱鷺色の巾着、きっと喜んでくれますよ。

お夕飯の仕度の合間、懐に手を入れてみます。

あら? 無い、巾着がありません。
どこにいったのかしら?

ごそごそと体中を探してみますが見当たりません。
どこかで落としたのかしら?


「ごしゅじんたま、どーしたんです? また、なくしものですか?」

私の様子を見ていたナズーリンが聞いてきました。

いつものようにお鼻をひくひくさせ【探しものはおまかせ】モードです。
でも、今回は本当に無くしてしまったみたいなんです。

「ワッタシにおまかせくだたーい!」

あの、でも、今回はちょっとまずいんですけど。

「こんどはなんですかー?」

「え、えーと」

「言ってくれないとさがせまてんよー?」

こうなっては仕方ありません。
お願いしてみましょう。

「朱鷺色、ピンクの小さな布の袋なんです」

「わっかりましたー! なじゅーりんにおまかせです!」





ナズーリンは一生懸命探してくれています。
でも、見つかりません。

体を小さくして、色んな隙間に潜り込んで探してくれています。
小さくなるのは疲れるって言っていたのに。

「ナズ、もういいのですよ?」

「ダメです! さがしものはなじゅーりんにおまかせなんです!」

「でも、もう暗くなってきましたし……」

「ワッタシ、じゅーしゃなんです! 
ごしゅじんたまのおやくにたちます! やくにたたなくちゃいけないんです!」

なんだか後がないような切迫した雰囲気です。
役に立つって、そんなこと気にしなくてもいいのに。

だって、私にとってナズはなくてはならない存在なのに。

「【おやかたさま】からごしゅじんたま、【とらまるしょう】のやくにたてって、言われているんです!!」

歯を食いしばりながら闇雲に探し回るナズ。

私、どうしたらいいんでしょう?





「おーい、これ、誰のー? 参道の隅に落ちてたよー」

ぬえがやってきました。

朱鷺色の巾着を掲げながら。


「あ、それ、それです! ぬえ! ありがとう!」

よかったー! あったー!

ぬえに感謝です、歩み寄ります、が。

正体不明の娘が見ているのは私ではありません。

彼女の視線の先を追うと、そこには泣きそうなナズーリン。

そして駆け出してしまった私のダウザー。

あ、これはいけません、まずいです、ホントまずいです!


「ワタシ、悪いことしちゃったのかな……?」

追いかけようとした私は足を止めてしまいました。

普段のふてぶてしい態度が影を潜め、落ち着かないぬえ。
もともと察しの良いこの娘さんは状況をあっという間に理解してくれました。

「あ、あの、ごめん、なのかな……?」

「アナタはなにも悪くないんです。 私のうっかりが悪いんです。
うかつでした。 私、愚か者です」





困りました。

【おゆーはんは、いりまてん】 

ナズーリンは自室に篭って出てきません。

仕方ありません、後で何か持っていきましょう。



「ナズーリン、入りますよ? おなか減ったでしょう?」

返事はありませんが、ご飯を食べないのはダメです。
鍵がかかるわけもない襖を滑らせます。

座って俯いています。

「ねぇ、ナズーリン? たまにはうまくいかないこともありますよ。
元気を出してください、ね?」

私の声にゆっくりとこちらを向くナズーリン。

空ろな目。
なんだか嫌な予感です。

「さっき、【おやかたたま】からお話がありました」

ナズが【お館様】と呼ぶのは毘沙門天様です。
滅多なことでは干渉してこないナズーリンの本当のご主人様。

少し間があって、ナズの顔が歪みはじめました。

「か、かえって、こいって」

どこへ?

「【おやかたたま】から、オマエは【とらまるしょう】のやくにたっていないから、かえってこいって言われました」

ぽろぽろと涙をこぼすナズ。
ちょっと待ってくださいよ! なんですか! それ! 

「さようならごしゅじんたま、なじゅーりんはかえります、ごめんなさい、やくにたたなくてごめんなさい」

待って! 私に一言もなくそんなこと決めるなんて!
いくら毘沙門天様だって許しませんよ!!
ナズがどれほど私の役に立っているか、いえ、ナズがいるからこそ私は頑張れるのに!

何を見ていらっしゃるんですか!? 

本当に分かっていらっしゃるんですか!? 

「でも、ワッタシは、なじゅーりんは、ごしゅじんたまがだいすきです! だいっっすきです!!
かえりたくありまてん!!!!」

「帰らなくていいです! ずっと私と一緒です!」

「ごしゅじんたま、だいすき…… でも、かえらなくちゃ……」

そう言いながらナズがどんどん遠ざかっていきます、なのに体が動きません! 

「待って! いかないで!!

いやー! ナズー! まって、まってーー! もどってきてー なじゅーーりーーんーー!!!」








『ごしゅじんたま、ごしゅじんたま、…… ……ご主人! ご主人! しっかり!』



私を覗き込むナズーリン、ずいぶんと落ち着いた声です。

あ、あら?

「ご主人、大丈夫かい? かなりうなされていたぞ」

「ナズ? なじゅ?」

「なじゅ? どうしたんだ?」

いつもの私の居室。
眠っていたんですか……

心配そうに見つめるナズーリンは【いつものナズーリン】。

「悲しい夢を見たのかい?」

【大人びたナズーリン】が優しく問いかけてくれます。
私は小さく頷きます。

「悲しい夢はヒトに話すことで心が軽くなると言うよ。
私でよければ聞いてあげよう。どうだね?」

いつものナズーリンはいつものように優しいです。

「笑わないって、呆れないって、約束してくれますか?」

「うん、約束しよう」

なじゅーりんの夢を話すことにしました。




何でそんな顔しているんですか?
確かに笑いも呆れもしてませんが、美味しくないものを無理矢理飲み込んだ後のような表情。
そんなに変な夢でしたか?

「ご主人、その夢は私に対しての願望なのかな?」

「そう言うわけではないと思うんですが、分かっています、夢だったんです!
でも、なじゅーりんが、【ごしゅじんたま】って、う、ううう」

泣けてきました。
私、バカです。



「ごしゅじんたま?」

へ? なじゅ?

【いつものナズーリン】が目をいっぱいに開いて可愛らしい声でささやいていました。

「どうしたんですか? ナズ?」

きょとんとしてしまいました。

「くっ! なんだよ!! 私の気も知らないで!」

「なんで怒ってるんですか?」

「ご主人の鈍さにいささか頭にきただけだ!」

えええー? なんだか、よく分かりませんよー??





夢オチでした。
すいません。時間がかかったわりにロクでもない話でした。
しかしながら、これも一つの可能性、あるいは真夏の夜の夢ってことでご笑納下さい。
次は本編(?)に戻ります。

ダルマの模様の帯留めは【トンコ節】からです。……古すぎますか……
海老一染之助・染太郎、大好きだったんです。

サイトを立ち上げました。過去の投稿作を修正したものに絵がついています。
応援してくださった方々のおかげと、ただただ感謝でございます。
紅川寅丸
http://benikawatoramaru.web.fc2.com/
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コメント



0.890簡易評価
1.80もちょ削除
面白かったです
でも、やっぱり普段のナズと星が一番かわいい
3.90ぺ・四潤削除
なじゅーりんが可愛すぎて朝から血圧が弾けそうですがどうしましょう。
最後の大人ナズが可愛く頑張って「ごしゅじんたま?」っていうのでトドメを刺されました。
とりあえず後で読もうと思ってずっと溜まってた過去作から全部読んできます。
4.80名前が無い程度の能力削除
なんだろう、可愛いのだけれど、どことなく犯罪の匂いがw
夢落ちなのはともかく、終わり方が少し急だったのが残念だったかなー
7.90奇声を発する程度の能力削除
これはヤバいな…(褒め言葉
8.100名前が無い程度の能力削除
犯罪を助長するかわいらしさというものもあるのだな!
9.100がま口削除
ニヤつく頬をたしなめながら読みました。
普段理知的なイメージのナズーリンだけに、舌足らずな言動の破壊力はハンパないですね。
あと、ナズーの一人称が好きです。ワッタシ。
14.無評価ぺ・四潤削除
>とりあえず1話と2話(?)を読んできたので再コメント。
これどう考えても……「ナズーリンがこんなに素直だったら」って星ちゃんの願望でしょうww
こんな夢にまで見るほどナズーリンの変態言動にストレス溜まってたのかww
クール変態ナズーリンの衝撃が凄かっただけに余計に「ごしゅじんたま?」の破壊力がヤバい
16.無評価紅川寅丸削除
もちょ様:
 いつもありがとうございます。次回は本編(?)に戻る予定です。

ぺ・四潤様:
 高名なコメンテイターからのご感想に恐縮です。ありがとうございます。
 ごしゅじんたま→かなり冒険でした(笑)。
 過去作、是非、よろしくお願いします。

4番様:
 ありがとうございます。うーん急でしたか、反省します。

奇声様:
 毎度ありがとうございます。「これ、マズくね?」と思いながら書いていました。

8番様:
 いやいや、あっちゃいけないような、しかしあるような…… ありがとうございます。

がま口様:
 おっと! グ○メシリーズの解説でおなじみのがま口様!(すいませんそちらでよく拝見するものですから)
 ありがとうございます。一人称、いくつかの候補から厳選(?)したかいがありました。
19.100名前が無い程度の能力削除
こっこれは、願望丸出しの星ちゃんの夢に乾杯!
ナズーリンを優しくリードしてあげたいんですね。
しかし膝の上に乗せてのお食事とか、小さくなる術とか、ごしゅじんたまとか……
この寅誠に不埒でロリコンである。南無三。
20.無評価紅川寅丸削除
19番様:
 まことに不埒ですよね。
 (お風呂のシーンと、おもらしのシーンはカットして良かった、いろいろヤバそうですから)
 ありがとうございます。
21.50名前が無い程度の能力削除
いつものナズのが個人的には好みかな
23.無評価紅川寅丸削除
21番様:
 失礼をいたしました。吹けば飛ぶような夢物語でございます。
 次回の本編(?)を書いております。
 呆れずに今後もよろしくお願いします。ありがとうございました。
26.100お嬢様・冥途蝶・超門番削除
うわー。夏休み忙しすぎで久々に来て見たよ。ホンット久々。
……て!かわいいじゃん、なじゅ~り~ん!かわいい!!い~や~~!!!センセイおじさんなのにな
んてモノ書くの!がわいい!!む、胸がくるしい・・うぐぐがが・・            お嬢様
……なんだかぎゅ~~~!てして握りつぶしたくなりますわ・・。ヤバイです。ふぅぅ~~  冥途蝶
サイト見ましたよー!すごいですね~!HP作れるヒトって。お嬢様は実は昔ブログしてたんです
よぉ~。今は懲りてやってないですけどね!                       超門番
27.無評価紅川寅丸削除
お嬢様たま:
 おじさんは余計ダロww
 いい歳こいて、ちょっと冒険しすぎましたね。
 関係者は皆ノーコメントでした(冷ややかな視線のみ)。
 でも、幼いナズ、絶対かわいいはず! だから後悔してまてん!
冥途蝶様:
 怖い、コワイよ! お蝶さん、実は結構コワいですよね!?
 作品やコメントに潜むその独特の感性にはドキドキさせられます。
 あ、勘違いしないで欲しいんですが、私、それほど【M】じゃないからww
超門番様:
 あー、サイト見てくれてありがとうございます!
 時間のあるときにでもコメントくださーい!
 結構、細かいところ直してあるんでーす!
 そして、いろいろと異次元考察を展開する予定でーす!
28.80名前が無い程度の能力削除
これはロリコンじゃない。保護欲なんだよ
30.無評価紅川寅丸削除
28番様:
 ありがとうございます。
 自分の子供がモデルなんです。
 小さかった頃の少しこまっしゃくれた感じと可愛さが同時に存在していたあの瞬間。
 何をしてでも守りたいと思ったあの頃。
 はぁーー、懐かしいなぁ……
31.100名前が無い程度の能力削除
初めから一気に読んじゃいました(笑)

もう、本当に、このシリーズ大好きっ!!
星もナズも可愛すぎ!

今回の星ナズも良かったけど…個人的にはやっぱりいつもの二人が一番、ですかね。。

続編待ってます!
32.無評価紅川寅丸削除
31番様:
 ありがとうございます。 
 このようなシリーズでも、ご贔屓にしていただいている方々がいらっしゃることに本当に感謝です。
 【この手】の話は、以降は自サイトで展開してまいります。
 次回は据え膳を前にしたナズーリン、こらえ切れないかもしれません! ハリ扇がうなります!
 そして、慧音先生の下着の秘密が明かされます!? (どんな話だよ)
39.100名前が無い程度の能力削除
なじゅーりんかわいかった!いつものクールなナズーリンに慣れてるから、このギャップがまたたまらんですな。……と思ったら、最後の「ごしゅじんたま?」で、ぐぁぁああああ!!ってなりました。
子供ならではの剥き出しの純粋さと、意思の強さが良かったです。ああ、私もなじゅーりんを膝枕したい。



……なじゅーりんのセリフが、時々さかなクンの声で再生されて困ったのは秘密です。
40.無評価紅川寅丸削除
39番さま
 ありがとうございます。新境地ですが迷走中です。
 でも、面白そうなのでいろいろ試しています(本まで出しちゃいました)。
 お気に召していただいたならサイトもどうぞww
41.100星ネズミ削除
くあぁぁぁぁかわいぃぃぃぃぃ!
これはお持ち帰りせざるを得ない!
幼児ナズも成長したナズも両方かわいすぎる!(大事なことなので2回ry