Coolier - 新生・東方創想話

色ボケ魔法使い遊戯

2005/05/27 17:48:47
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 幻想郷に於いての薬は幻想郷の外の世界――人間が支配し、幻想が限りなく少なくなった世界にある薬と違い、実に非常識且つ便利なモノが数多存在する。その中でも極めつけな物として蓬莱の薬が挙げられる事だろう。
 そういった様々な薬の中には、当然魔法使いが作った物もある。幾多の失敗を経て作られた薬の効果は絶大だが、その過程に作られた失敗作は、大きな効果と大きな副作用を伴う、大変危険な物が大半を占めるという。
 今回の小さな事件も、そういった類のものである。
 ちなみに一部の人物にとっては小さくないらしい。


 七色の人形遣いアリス・マーガトロイドの一日は、朝起きて人形に挨拶するところから始まる。
「ふわぁ~……ぁ……。おはよう上海人形、蓬莱人形。それから魔理沙人形も、おはよう」
 目覚めたアリスは、上半身を起こして伸びをしつつ、欠伸を零して目の端の涙を人差し指で拭う。
 それから首を横に向けて視線を落とし、傍らの一緒に抱いて寝ていた上海人形・蓬莱人形、それからこっそり博麗神社の縁側で拾った魔理沙の髪を縫い込んで製作した、本人そっくりの魔理沙人形に朝の挨拶をする。
「シャンハーイ」
「ホウラーイ」
「アリスモエー」
 それに3体の人形もそれぞれ応える。
 魔理沙人形の鳴き声? が何故こんなのかと言うと、作っている最中につい妄想に浸ってだだ漏れになった魔理沙への想いが、溢れる鼻血に乗って魔理沙の髪と一緒に縫い込まれた結果、こうなったらしい。ちなみに妄想の大半が「アリス好きだぜーっ!」とか魔理沙に言われる類だったりする。
 完成した日は起床してから就寝するまで、魔理沙人形を抱き締め頬擦りして延々話し掛け続けていたらしいが、それは関係ないので置いておくとしよう。

 それからアリスはパジャマから普段着に着替え、ショーケースに仕舞われた人形全て、一体一体に挨拶をして周る。これでおよそ一刻かかったりする。
 そして食卓につき、朝食。
 朝食後は食器を片付け洗い物をし、それが終われば毎朝行っている魔力操作の訓練に移る。

 庭に出て自然体で立って目を閉じ、精神を集中する。
 辺りはシンと静まり、空気はキンとした緊張感に包まれる。
 アリスが前方に右手を翳すと、そこに魔力で創られた紫色の球体が出現する。
 ゆっくりと目を開き、スゥと小さく息を吸う。そして前方10mの位置にある木を睨みつけ、標的として照準を定める。
 そして魔力球を「拡散」させた。
 数秒ほど、拡散し幾つもの小さな球になった魔力弾を空中に停滞させる。
 小さく、「いけ――」と呟いた瞬間、幾つもの弾は弾かれたように定められた標的に殺到する。
 アリスはそれを繊細な魔力操作で全てコントロールし、ひとつ残らず支配下に置いた。
 額に汗を浮かべ歯を食いしばり、全ての弾を思い通りに操る。
 弾はひとつひとつが様々な軌跡を残し、飛んでいく。幾つかの弾はそのまま直進し、また幾つかの弾は右へ左へ、上へ下へ一見ランダム、しかし全てアリスの思い通りの場所へと移動していく。
 そして着弾。全弾が動き始めてから着弾するまで僅か3秒弱。その間、アリスは全てをコントロールしきり、全弾はアリスの狙い通りの場所へと命中。木は大きく揺れて周囲に木の葉を舞い散らすが、倒れる事はなかった。
 それを確認したアリスは額の汗を拭い、息を整えて小さくふぅっと息を吐いた。
「よしっ、今日も調子はいいわ」
 そう満足そうに言って小さく頷いてから踵を返す。それがいつもの訓練終了の合図である。
 ちなみに着弾した痕を繋げると「マリサモエ」という文字が縦書き2行で浮かび上がる。しかしその周囲の木のほとんどに、同じような妄言の類が書かれているので特に気にする程の事でもない。

 その後家に入った瞬間から好きな様に過ごすのが、アリス・マーガトロイドという少女の日常である。
 だが、この日ばかりはそういうワケにもいかなかった。
 ――曰く、事件の始まりである。

「アリスー、いるかー」
 居間で魔理沙人形を愛でつつ妄想に浸っていたアリスは、その声とともに扉をノックする音で現実世界に引き戻された。
 ――余談だが、妄想に浸っている最中のアリスの表情はとても幸せそうで、且つとてつもなく緩みきっていた。それも魔理沙人形を始めとする、周囲の人形達しか知り得ない事なので実にどうでも良かった。
「その声、魔理沙?」
 聞き慣れた、アリスの想い人の声。
 だがアリス邸は滅多に人が訪れることがない為、アリスは若干警戒した様子で扉を開けた。
「そうだが、お邪魔していいか?」
 それも杞憂に終わり、そこには当然の如く魔理沙の姿があった。
「別に構わないけど……どうしたのよ? こんな朝から」
「んにゃ、特別用事はないぜ。たまたま気が向いたんで来ただけだ」
 アリスは「ふぅん」と気の無い返事をしてから、「そう。折角だから上がりなさい」と素っ気無く言ってから自身が先に立って先導し、魔理沙をリビングへと通した。
 その間、ちらちらと魔理沙を盗み見つつ、アリスは考えていた。

 魔理沙が来てくれたのは正直嬉しい事だけど、何が目的なんだろう。今まで魔理沙が自宅を訪れた時というと、決まって無期限で本を借りてったり、同じ蒐集家として珍しいアイテムを手に入れて見せに来る時ぐらいのものだった。今回の様に何の目的もなく来た事など、一度もない。
 ……魔理沙の意図がまったく読めない。

 そうやって考えを巡らせている間に、既に二人はリビングに到着していた。
「お茶の用意するから、魔理沙はソファに座ってて」
 そう言ってから、アリスはそのまま奥のキッチンへと向かっていった。
 魔理沙も大人しくソファに座り、トレードマークの大きな帽子を脱いで傍らに置いた。

 お茶の用意をしていたアリスはふと、視線を感じて後ろを振り向いた。
 そこには当然、ソファに座ったままの魔理沙がいるだけ。だけなのだが、何故か身を乗り出して頬杖を突いて、機嫌良さそうににこにこ笑顔でアリスを見ていた。
「……魔理沙、何か用? ずーっとこっち見てたみたいだけど」
 アリスは怪訝な表情でそう訊ねた。ちなみに表面だけで中身は「魔理沙が、魔理沙があたしを見てる……ああ、そんな情熱的な視線で凝視しないで恥ずかしいもっと見てぇハァハァ」とかなっているが、それは微塵も表に出ていないのでこの際無視して構わない。
「んー? 別になんもないぜー。ただ、そうやって台所に立つアリスは可愛いなーって思っただけだぜ?」
 そう言った瞬間、ポカンとしていたアリスの顔が驚きに変わり、それからみるみるうちに朱に染まっていった。
「んなっ!? なななななななな……何言い出すのよ急に!? そりゃあ私は家庭的でエプロンの似合う美少女だけど? でも、でもね。急にそんな愛の告白されたって困っちゃうわっ」
 別に告白されたわけでもないが、真っ赤になって舞い上がったアリスは、両頬に手をあててやんやんとか言いながら顔を左右にぶんぶん振っている。ちなみに魔理沙の行為は視姦とも言える。
 その間に魔理沙はアリスに近づき、アリスの右肩に自身の左手をそっと置き、右手でアリスの左手首を優しく掴んだ。そしてじっとアリスの双眸を熱い眼差しで見つめる。アリスはその視線に射抜かれたように微動だにしない。既にお互いの顔の距離は、10cmにも満たない。それからややあって、魔理沙はゆっくり口を開いた。
「なあ、アリス」
「は、はいっ!?」
「あそこにある人形なんだが……ア・レ・は・ど・う・い・う・こ・と・か・な?」
「……へっ?」
 あまりにも推測からかけ離れた言葉だったのだろう、アリスは間抜けな声を出して呆けた顔をしている。
 そしてふとアリスは思い出す。魔理沙が来る前、居間で魔理沙人形を愛でつつ妄想に浸っていた事を――。
「説明、してくれるよな? アリス」
「あぁー、はは……えーっと……」
 さっきとは打って変わってアリスは視線を思いっきり逸らし、どう説明したものか、と考えていた。
 んで辿り着いた結論はというと――
「あー……まぁいいじゃない。たまたま魔理沙ソックリになっただけなのよ」
「たまたまであそこまで似るかっ」
 あまりにも苦しい、説明にさえなっていない言い訳だった。その回答に対して、魔理沙は即座のツッコミと共に頭をペシンッと思いっきりはたいていた。
「アウチッ! ……もー何すんのよぅ!」
 はたかれた部分を右手で押さえ、アリスは涙目で抗議する。この際何故英語っぽいのが混じっているのかは気にしてはいけない。
「あれは魔力を抜いた後で没収するぜ。いいな」
「いやよっ。折角作ったのに……」
「い・い・なっ!」
 鼻先にミニ八卦炉を突き付けられたアリスは態度一変、両手を挙げて慌てた様子で首を大きく上下に動かし、肯定の意を示した。既に涙目どころか半泣きに近い状態である。さすがに至近距離のマスタースパークは本気で撃たないとしても、十分恐ろしいであろう。
 結局うやむやになってアリスはすっかり忘れていた。魔理沙が自分を「可愛い」と言ったことを。そう――魔理沙は既に、何かがおかしいのである。それを、これからアリスは思い知っていくことになる。

「それで、今日は何しに来たのよ?」
「最初に言っただろ。ただ気が向いたから来ただけだぜ」
「下手な嘘は吐かないでよね。今まで何の用事もなしにうちに来たことなんかなかったじゃない」
「別に嘘なんか吐いちゃいないぜ。なんせ、私もなんで来たのかわからないぐらいだからな」
 魔理沙はそう言って「はっはっは」と何故か薄い胸を張りながら笑っていた。その様子に気が抜けたのか、アリスは「はぁ……」と溜め息を吐いて追求を断念した。

 実のところ、魔理沙自身は何故アリスの家に来たのかがわかっていなかった。
 起床した瞬間から魔理沙の頭にはアリスの事ばかりが浮かんでしまい、居ても立ってもいられなくなって着替えてすぐに箒に跨ってすっ飛んで来たのだ。
 そして到着後。アリスの顔を見てからというもの、魔理沙は自分の口から「可愛い」とかそういう言葉がするすると出てきている事に内心驚きまくっていた。怪しまれないよう顔に出ないよう、極力誤魔化しつつ普通に振舞っているという訳である。

 それから二人は、アリスの用意した紅茶を飲みながら何やら話をしていた。端から見れば一見仲良く雑談でもしてるように見えるかもしれないが、実情は違っていたりする。
「このクッキー美味いな。どっかで買ったのか?」
「一昨日焼いたのがまだ余ってただけよ」
「そうか。道理で美味いわけだぜ」
「なんでよ?」
「アリスの手作りだから、だぜ」
 魔理沙がそう言ってニッと笑えばアリスの顔がぼんっと真っ赤になる。

 こんなやり取りが二刻ほどの間に数度交わされていた。
 そして今現在。いよいよもって魔理沙の無意識に静かな攻めは佳境に入っていた。
 多分魔理沙にはもう、自分の行動に疑問を持つ余裕も理性も何もないのだろう。
 詳しくは書かないが二刻の間の過程では止まる気配ナッシンだったので。

「しかしこの人形、良く出来てるな。私そっくりだぜ」
 そう言って魔理沙は自分を模った人形の襟首を抓み上げてぷらぷらと左右に揺らしている。
「ああもうっ。そんな扱い方しないでよね」
 僅かに眉に皺を寄せ、ムッとした表情でアリスは魔理沙から人形を奪い取り、胸に抱いた。若干恨めしそうに魔理沙を上目遣いで見つめているが、内心は「魔理沙と魔理沙人形のツーショット……ああいいわ最高よ」となっているが、やっぱり表には一切出ていないのでこの場に措いては一切関係なかった。
「んで、アリス」
「何よ」
「なんでそんなに私そっくりなんだ?」
「べ、別にどうでもいいじゃないそんなことっ」
 ぷいっと顔を横に背けたアリスの頬は、僅かに朱に染まっている。
「私にとっちゃどうでも良くないぜ」
「何でよ?」
 魔理沙は顔を背けたままそう言ったアリスのテーブルに置かれた右手を、左手で優しく、そっと包み込んで自分の視線の高さに持ち上げた。
 その行動に驚いたアリスは思わず、魔理沙の方へと顔を向けた。
 そこを魔理沙は狙い澄ましたかのように、空いた右手をアリスの左頬に撫でるように宛てて双眸を見つめる。
 そして淀み無く、一語一句しっかりと感情の篭った声で魔理沙は――

「ここまでそっくりに出来てるってことは、普段私を見てるってことだよな。それってつまり、そういう事だろ?」

 そう、アリスに問い掛けた。いや、この言葉には既に問いと言うよりは、確認に近い意味が含まれていた。
 アリスはそれを理解したのだろう。表情は相変わらず驚いたまま、だがみるみる顔全体が紅潮していき、最後には、頭から湯気が出るんじゃないかってぐらいまで紅くなっていた。それから数秒の後――

 アリスの精神は限界を超えてプッツンいってしまいました。

「……じょ」
「……じょ?」

「女子高生とか好きだからあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!」

 ――とりあえず訳が分からなかったが、ぶっ壊れ度は伝わるであろう。
 意味不明の言葉を叫んだアリスに思いっきり驚いた魔理沙は、さっきまで迫ってたのが嘘のように勢い良く立ち上がり掴んでいた手を離した。
「そう、そうなのよ魔理沙! 私はずーっと毎日毎日毎日毎日貴女を見てたのよ!!」
 そのまま勢いで魔理沙の前までテーブルを迂回して移動したアリスは、魔理沙の首に両手を回して身体を密着させて抱きつき、満面の笑顔でそう叫んだ。
 先ほどのアリスの叫びで戻りかけた理性とかは再びどっかに行ってしまい、魔理沙は負けじとアリスの腰に手を回してきゅっと優しく抱き締めた。
「アリス、好きだ」
 耳元で、ただ単刀直入に。何も飾らずに、だけどどこか甘い響きを含ませて魔理沙は言葉を紡ぎ、囁いた。
 そしてゆっくりと腰に回した両手を離し、アリスの両肩にそっと置いた。それからパッと両手を前に押し、首に回されていたアリスの両手を引き離した。
「そう、私はお前が――アリス・マーガトロイドが好きだっ。愛してるぜビューリホーヤッハー!!」
 数秒前と打って変わり、魔理沙は両手をアリスの肩から離して勢い良く横に広げてやや芝居がかった口調と動作でそう叫んだ。最後に付いた珍妙な英語らしき言葉は既に意味を持っていない。というかこの場合、何がついても意味なんぞ持ちそうにないが。
「ああ魔理沙! 私も、私も大好きよ愛してるわウヒャッハーーッッ!!」
 それに釣られたのかどうか分からないが、アリスも同じように両手を横に広げ、嬉しそうにそう叫んだ。アリスの場合英語にさえなってない。最早奇声とそう大差はなさそうである。
「私の愛を受け止めてくれッッッ!!」
 やおらそう叫んだかと思うと、魔理沙は自分の足から魔力を噴射して大きく垂直に飛び上がった。

 そのままのポーズで照明を後光として遮るように天井付近まで。

 既に正気の沙汰じゃないしそんな器用な事出来たのかよって突っ込みもアリスには微塵も関係なかった。「全て受け止めてあげるわっ!」とか言いながら、背中を僅かに後ろに反らして待ち構えているのだから。
 だが華奢なアリスに重力の加算された魔理沙の体重をそのままの体勢で受け止めきれるわけがない。二人はそのまま縺れるようにドターンッと大きな音と埃を起てて倒れこんだ。
 それから数秒経ち煙が晴れた時、二人は床でしっかりと抱き合っていた。
 魔理沙が顔を上げアリスの瞳を見つめる。アリスはその瞳に惹かれてか、瞬きもせずじっと魔理沙の瞳を見つめ続けている。
「アリス……」
「魔理沙……」
 示し合わせたわけじゃない。だけど自然に出た、お互いを呼ぶ愛しい名前は重なった。だがそれを意に介すことなく。魔理沙の右手はアリスの後頭部へと滑り込み、左手は右頬に添えられる。アリスの右手は魔理沙の後頭部へ、左手は添えられるように重ねられ、それを合図に魔理沙が瞳を閉じつつゆっくりと顔を近づけていき、アリスは瞳を閉じて待ちうけ、すっと――静かに唇は合わさった。
 アリスの頬を伝う一筋の――涙。
 その涙には想いが通じたことへの嬉しさが篭り、宝石のようにキラキラと輝いている。
 経緯を思い返せばとても宝石だとは思えないが、それは野暮だし水を差すだけなので置いておくとしよう。

 実はこの一連の光景はちゃっかり見られていた。見てたのは紛い物の命宿りし人形たち。大半の人形はアリスが一度魔力を通さないと動かないしアリスの命令を完遂するか魔力が切れるまで動くだけで自我は持ち得ていないのだが、それらの人形より上に立つ、数体の人形――上海人形・蓬莱人形を始めとする数種類の人形は込められた魔力を自身の意思で思い通りに使うことが出来る。無論、消費した魔力は戻らないが、アリスが毎晩込めなおしているので特に問題はない。
 先ほどの魔理沙がアリスを押し倒した大きな音で上海人形・蓬莱人形の二体は居間に来ていたのだが、二人の雰囲気に気圧されて近づくことも声をかけることも出来いでいた。
「シャンハーイ?(蓬莱人形……どうするべきだと思う?)」
「ホウラーイ(マスターは幸せそうだしな……。マスターの幸せを考えるならば、我らは傍観しているのがいいだろう)」
「シャンハーイ?(けどホラ……ご主人様に圧し掛かってる白黒の後ろ、紫の人と小悪魔さんがいるよ。いくら何でもここから先はまずいんじゃない?)」
「ホウラーイ(う、うむ……。しかしだな……普通ならば気配で気づいても良さそうなもんだろう。マスターが気配も消してない人間に気づかない筈があるまい。マスターを以前負かしたあの白黒の人間も同様だろう)」
「シャンハーイ(だ、だけど……本気で気づいてなさそうだよ)」
「ホウラーイ(う、うぅむ……)」
 実に主人想いのいい人形達である。その主人が見た目を普通に装っただけの変態である事が悲しいが、人形達は気にもしていないところが涙を誘う。

 それから見ていたのはもう一組。いくら玄関をノックしても出てこないのを不審に思いつつも待っていたが、上海人形・蓬莱人形同様あの音で駆けつけた、先ほどの二体の会話に出てきた紫の人こと動かない大図書館パチュリー・ノーレッジと部下の小悪魔の二人である。
 パチュリーは相変わらずのジト目のまま話しかけるか否か思案していて、小悪魔は真っ赤な顔してあわあわうろうろとパチュリーの後ろを飛び回っている。

 こう長々と説明していたが、実際に過ぎた時間というものは、実はおよそ30秒にも満たない短い時間だった。
「ん……はぁっ……」
 息苦しくなったのだろう。魔理沙は合わせていた唇をゆっくりと離し、小さく息を吐き、肩を僅かに上下させている。
「アリス……泣いてるのか?」
 その声でアリスはようやく瞳を開いた。
「うぅん……そんなことはない……よわきゃあぁっ!?」
 途中、アリスは突然素っ頓狂な声を上げた。つまりまぁ、後ろに立つパチュリーに気づいたのだ。
「どうした、アリス。突然変な声出して……私はまだ変なとこ触っちゃいないぜ?」
「魔理沙後ろ後ろ! 後ろにいるのよ図書館の魔女が!!」
 魔理沙の危険発言を綺麗にスルーしつつ、アリスは必死に魔理沙の後方を指差して叫んでいる。顔は既に先ほどと違った意味で真っ赤になっていた。
「へへっ、いいじゃねえか。私たちの仲を見せつけようぜゲッヘッヘ」
 だが完全に何かスイッチ入っちゃってる魔理沙はこの程度で止まりはしなかった。ついでにスケベ親父も入っていた。
「うわっ、ちょっマジでっ!? いや離れて魔理沙! 胸に顔押し付けてぐりぐりしないでいやくすぐったいってばうひゃははははははははははははっ!!」
 止まらない魔理沙はアリスが嫌がるのも気にせず、魔理沙よりはあるけどやっぱり小さめの胸に顔を埋めてぐりぐり押し付けていた。その顔はとても嬉しそうだ。
「いやちょっ、あはっ、あっははははっははははははははちょっとそこの紫の魔女見てないで助けてようわっ背中に手入れてきたやめてそれはやめて外さないでうきゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!」
「……わかったわよ。今助けるわ」
 さすがにまずいと感じたのだろう。パチュリーは右手人差し指を立てて口の中で小さく呪文を紡ぎ、指の上に拳大程の大きさの氷塊を出した。それから人差し指をついっと魔理沙の後頭部に向けると、氷塊はその場所へと飛んでいった。
 ゴスッと鈍い音がして、氷塊は見事魔理沙の後頭部に命中。
 魔理沙は命中箇所に大きめのたんこぶを作って気を失い、アリスは他人の前で色々あられもない姿を晒すという難をどうにか逃れた。アリスの内部事情としてはあられもない姿を十分晒していたらしいが。

 それからパチュリーは「危険がないように魔理沙を拘束するから、貴女はお茶の用意でもしてて」と言い残して魔理沙を連れて行った。ちなみに魔理沙を運んでいるのは小悪魔である。運ぶというか足持って引きずってるだけだが。上海人形・蓬莱人形は助けもせず見ていたのをアリスに怒られ、二体仲良く落ち込んでリビングから出て行った。ちなみに何処に行ったかはアリスぐらいしか判らないが、怒られたらどっかで黄昏てるのがパターンらしいので放っておくとしよう。

「……それで、滅多に図書館から出てこない貴女がどうしてここにいるのかしら?」
「それは今から説明するわ。あ、魔理沙なら起きても動けないように魔力封じの縄で縛りあげたから」
 アリスは「そう」と興味無さげに呟いて紅茶を一口含んだ。
「亀甲縛りでね」
「ブフゥッ!?」
 含んで盛大に噴き出した。それはもう、お約束の如く目の前のパチュリーの顔面目がけて。
「パチュリー様酷いです……」
 けどパチュリーは横に控えていた小悪魔の後頭部を引っ掴んで目の前に持ってきて盾にしていた。当然、アリスの噴き出した紅茶は小悪魔の顔面を直撃。哀れ小悪魔。頑張れいつかはいい事あるぞ。
「ゲホッ、ガホッ……な、なんであんたそんなマニアックな縛り方知ってるのよっ!?」
 盛大に咽ながらアリスはパチュリーにそう問い掛けた。パチュリーの横では小悪魔が涙を流しながら顔を拭いているが、この際話の流れに関係ないので捨て置く。
「私の図書館にある本に書かれてたのよ」
 そう事も無げに答え、パチュリーは優雅に紅茶に口をつけた。
「何で読んでるのよそんな本……あーいいや、答えなくてもいいわ。何となくわかるから」
「そう? まぁそんな事はいいわ。……そろそろ説明、始めてもいい?」
「あーそうね……なんか疲れてきたから手短にお願いするわ」
 ちなみになんで答えなくてもいいかと言うと、パチュリーがそんな縛り方をする相手は親友のレミリアだけだからだ。今回はそういう設定なのでツッコミは無許可。
「事の起こりは――」

 昨日の事だった。私はいつものように図書館に篭り本を読んでいた……わけではなく、ある薬の精製を行っていた。その薬というのは、所謂「惚れ薬」という物である。大抵の惚れ薬という物は大きな副作用を伴ったり、結果的に相手を手に入れるというだけの代物。だけど昨日読んだ本に載っていた惚れ薬は、正に理想の惚れ薬だった。副作用も無く相手の心を壊したりする事もなく、飲んだ相手は自然体で惚れてくれるという物。これを使えば咲夜にベッタリなレミィも私のものに……。うへっ、うへへへへへへへへへへへ。などと考えている間にも手は休まる事なく、順調に薬は完成に近づいていたわ。……いたんだけど、ここで大きな誤算が起きてしまった。
「おーい、パチュリー!」
 遠くから聞こえる声はあの白黒本泥棒のもの。あの女、毎度毎度来る度に本を借りていくとか言って持っていってしまうのだ。私が「やめてー持ってかないでー返してから借りてってー」と抗議しても、まったく聞いてくれない。で、この日も「こんだけ借りてくぜー」とか言って数冊抱えているもんだから、私はいつものように抗議したんだけど、生憎この日は喘息の調子が悪くて私は咳き込んだ末に吐血して倒れてしまった。
 そして起きてみると次の日の朝。私は急いで精製途中の薬を見に行ったわ。だけどそこには、精製途中の薬が入っている筈のビーカーが空になって置かれていた。犯人はすぐに思い当たった。私の精製する薬にはこの図書館で働く子達は一切手を出さないし、偶に訪れる本館のメイド達も同様。つまりイレギュラーは魔理沙一人。

「――そういう訳で、急いで魔理沙の残した魔力の残滓を辿って来たのよ」
「なるほどねぇ……魔理沙らしいわ。……ん? あれ? なんでビーカーの中身なんて魔理沙は飲んだのよ? 普通そんなもんに入ってる液体なんて口付けないわ」
「ああ、それはおおよそ見当はついてるわ。紅茶と同じ色だったからよ」
「色同じでも容れ物はビーカーじゃない。普通怪しむわ」
 それはまぁ当然だろう。いくら中身が紅茶っぽくても、ビーカーに入ってる飲み物なんて飲みたくはない。
「咲夜や本館のメイド達が忙しい場合は図書館でお茶の用意をするんだけど、その時に使う容器がビーカーなのよ」
 つまり、パチュリーが倒れた後、魔理沙は紅茶だと思って精製途中の惚れ薬を飲み、本を持ってサッサと帰ってしまったというわけである。
「はぁ……なんか本当に疲れてきたんだけど。んで、解毒剤とかあるの?」
「起きてすぐ来たから解毒剤とかはないわ。けど安心して。精製途中の薬だからそう効果時間も長くないだろうし、それまで放置しとけば万事解決よ」
「副作用とかはないわよね?」
「それは安心し……うっ!? げほげほっごほっがはっ!」
 言いかけたところで、パチュリーは突然咳に苦しみだした。持病の喘息である。そりゃまぁ、前日それで倒れて起きてすぐに動けば調子だって悪くなる。来る途中で喘息でとんぼ返り、なんてことにならなかっただけでマシってなもんだろう。
 咳き込むパチュリーの背中を「大丈夫ですかっ」と声を掛けながら小悪魔は慌ててさすっている。
「ごほっごほっ……そ、そういうわけだからゲフゥッ!?」
 咳き込みながら無理に話したせいだろう、パチュリーは思いっきり血を吐いた。けどまだ何処かに余裕があったのだろう、わざわざ背中さすってくれている小悪魔の顔面に横を向いて血を浴びせ掛けていた。正直意地悪にも程があるというか、ここまでするパチュリーの気が知れない。あまりにもあまりな仕打ちに、小悪魔は顔の血を拭いもせずにピーピー泣き出してしまった。
 血を吐いて机に突っ伏して死に掛けな魔女に顔面血まみれで泣く小悪魔を見つつ、アリスはひとつ盛大に溜め息をついた。そうしてても始まらないので小悪魔の血を拭って泣き止ませ、パチュリーを担いで帰るようアリスは言い聞かせた。
「あの、アリスさん。……パチュリー様が」
 小柄なパチュリーを背中に担いだ所で小悪魔はパチュリーがアリスを呼んでいることに気づき、ティーセットを片付けるアリスを呼び止めた。
「ん? どうかしたの?」
「ひとつ言い忘れてたわ……ごほっごほっ。副作用はないはずだけど、ごほっ、効果が切れた時にその間の記憶があるかどうかはわからないわ……ケホケホッ。完成品なら、効果は気持ちが本物になった時に、こほっ、記憶を保ったまま消え去るんだけどね……」
「そう、わかったわ。これ以上無理に喋ったら死にそうだし、今日は大人しく図書館に帰りなさい」
 もう喋る気力はないのだろう、パチュリーは小さく頷いてそれを返事とした。
 それから小悪魔はアリスに見送られながら、紅魔館の方へと飛んで行った。

「そういやあいつ、魔理沙を何処にやったのかしら。リビングにはいないしキッチンにもいなかったし……」
 そう気づいた私は目を閉じて意識を集中し、家の中の人形に魔力を飛ばして人形の視点から魔理沙を探した。

 蒐集した物を突っ込んでる倉庫――いない。
 トイレ――いない。
 書斎――いない。
 二階書庫――いない。
 私の部屋――あの黒い魔女帽は……いた。

 魔理沙を見つけた私は急いで二階にある部屋へと向かった。
 ノブを回してドアを開けると、私のベッドに未だ気絶したままの魔理沙が転がっていた。うわっ、ほんとに亀甲縛りだし。しかもなんか下はスカート穿いてないドロワーズ姿だし……何考えてるのよあの不健康魔女は……。
 色々とイケナイ妄想を振り払いつつ、私はどうしたものかと考え込んだ。時間が経てば効果は切れるって話だから無理に起こすこともないし、かと言って放っとけばないとは言ってた副作用がもしかしたらあるかもしれないし……そもそも放っといても自然に目を覚ますだろうし。
「ん、んんっ……アリ、ス……?」
 そうこう考えてるうちに結局魔理沙は起きてしまった。魔理沙がどんな状態か判らないので若干警戒しつつ、私はベッドの傍に腰を下ろした。
「大丈夫? 頭痛まない?」
「ちょっと痛いが大丈夫だぜ。えーっと確かアリスを押し倒して……って、なんで私は縛られてるんだ? しかも変な縛り方だし動くと変なとこに食い込むしあんっ」
 まだ薬の効果は継続中らしい。もぞもぞ動いては「あん」とか「やん」とか妙に気持ち良さそうな声を出している。……継続中っていうか進行中のようだ。
 なんか放っといても良さそうなので放っといて、私はこれからどうしようと再度考え込んだ。

 ぐぅ~っ

 考え込んだところでお腹の虫が空腹感を知らせてきた。
「そういえばもうこんな時間かぁ」
 壁の時計を見れば、時刻は既に午後1時をまわっていた。

 ぐぐぅ~っ

 そして魔理沙のお腹からも同じように空腹警報。
「しょうがないか。お昼作るから待っててね」
「あ、それじゃコレ解いてくれるか? 魔力封じの呪がかけられてて解けないんだが」
「ああ、それはダメ。そうやって縛った紫の変態魔女が解くなって言ってるから」
「それじゃ食べられないんだが……。それとも、そういう放置プレイがいいのか? それなら私は存分に受けてやるぜーあぁんっ」
 そろそろ本気で魔理沙がおかしくなってるし……これが副作用なんじゃないの?
 そんな事を考えている間に魔理沙は再度身体をもぞもぞ動かし、「あん」とか「やん」とか「あぁん」とか段々声が艶っぽくなっていっていた。誘われている気がしないでもない。
「ちょっと魔理沙。ほんとに変態じみてきてるわよハァハァ」
「そう言うアリスも息が荒いし目つきも怪しいぜあふんっ」
 魔理沙に指摘されて、私は自分の呼吸が荒いことに気づいた。呼吸荒いどころか涎まで垂れてたけど。
 涎を拭い、大慌てで部屋を飛び出しキッチンに走った。あの空間にいたら魔理沙がお昼ご飯になっていたところだ。お腹は膨らまないけど。
 一刻かからないぐらいで二人分の昼食を作り終えてお盆に載せ、私は魔理沙の転がってる自室へと向かった。

「お昼出来たわよー」
 アリスがそう言って片手でドアを開けて中に入ると、魔理沙が色々凄いことになっていた。何が凄いかというと、描写したら確実に年齢指定が必要になるぐらいだ。そういう訳で描写は省略させて頂きます。
「うわっ、ちょっと魔理沙! あんた何やってんのよっ!?」
 入り口近くに置かれた化粧台の上に昼食の乗ったお盆を置き、アリスは急いで魔理沙の元に駆け寄った。
「そ、それが……突然身体が熱くなって、疼いて堪らなくなって……」
 息も絶え絶えに魔理沙はそう答える。
「そんな、どうして……。まさかっ!?」
 そしてアリスは気づいた。魔理沙の様子がおかしかったのは、どっちかっていうと中途半端な惚れ薬の効果の範疇で、副作用こそがこの状態なんだと。このような状態を誘発する薬、また効果はいくつかあるだろうが、これは明らかなものであろう。ぶっちゃけ媚薬の効果。
「そう……。そういう事だったの……」

 気づいたアリスはもう一回プッツンいってしまったようです。

 1本目が切れたままだとすると、2本目はもっとヤバイ箇所が切れたと言えるだろう。
「アリ……ス?」
 魔理沙はアリスの様子が変貌したことに気づいたのか、だるそうに首を動かし、アリスを見やった。

 ――するとそこには一匹の獣がいたそうな

「アリス、いーーーーーーーっきまーーーーーーーーーーっす!!」
「どぅおわぁーーーーーーーーーーーーーッッッ!! こらアリス落ち着けーーーーーーーーッッッッ!!」
 だが既にプッツンいって獣と化したアリスにその言葉は届かなかった。
 リビングで魔理沙が披露した魔力噴射の垂直ジャンプ。今度はアレをアリスは使い、照明付近まで飛び上がる。そのままアリスは身体を下方に斜め45度角度修正、足は上に頭は下に。器用っていうか不可能だろと突っ込みたいのに突っ込めない勢いで空中で服を脱ぎ、後は重力に任せて魔理沙に突貫していった。
「ウワヤメロイヤアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!」


 ―少々お待ちください―


「うううう……私の初めてぇ……」
 普段の男口調はどこへ行ったのか、今はすっかり普通の女の子と変わらない口調で「酷いわ」とか言っている。いつもの白黒魔女ルックで部屋の隅っこに体操座りしてさめざめと泣いている。対するアリスはなんかつやつやしていた。
「あー……えーっと……うん、そういう事もあるのよ」
「あるかっ!」
 アリスは後ろに立って魔理沙の肩に手を置いてそう言うが、微塵も慰めになっていなかった。
「まーまー。それよりいい加減お腹空いたでしょ? 私が作り直すから、機嫌直してよ。ねっ?」
 いたって軽い口調でアリスは言うが、落ち込んで拗ねた魔理沙はそんなもんで動かず、返事もせず無視している。
「そうだっ。私の蒐集物からなんか一個上げるから。それで機嫌直して。ごめんねっ」
 アリスがそう持ち掛けた途端、魔理沙はクルッと上を向いてアリスを見上げた。どうやら蒐集物ひとつというのはかなり魅力的らしい。
「……本当だな?」
「嘘なんか言わないわよ」
「んじゃ食べる」
 まだ若干拗ねてて言い方はぶっきらぼうだったがどうにか機嫌を直し、魔理沙は立ち上がってアリスの後ろについて部屋を出た。
 
 昼食を食べ終えてから魔理沙は肩を落として何処か背中に哀愁を漂わせて箒に跨り、ふらふらとアリス邸を後にした。


 ――そして余談ではあるが、結局あの薬は本来は若干惚れ薬とは違った効果だったりする。あの薬の材料は様々な物を必要とするが、惚れ薬に肝心な製作者自身の一部を必要としない。そして完成すれば副作用はなく、ただ服用した者の心を後押しする程度の効果しか発揮しない。本には「服用した人物の心は開放的になり、内に秘めた想いを曝け出すだろう」としか書かれていなかった。単にパチュリーがそれを変に発展して解釈してしまっただけである。
 今回魔理沙の服用した未完成品はある意味で強すぎる効果と媚薬という副作用を伴い、その効果を失うと同時に副作用を発現してしまうという何とも迷惑な代物だったという訳である。


-FIN-
風邪をひいたりぶり返したり2、3日ネット接続出来なかったり風邪ひきかけたりでこれとは違うSSの執筆が詰まって進まず早2週間。
とあるサイトの方から依頼受けて書いたSSの転載許可が出たんで投下させて頂きます。
ちなみにこれとは違うSSっていうのは他の方の作品の感想に書いてたほのぼのSSの事です。書いてる書いてるって言いつつ音沙汰ないのが居たたまれなくなったんで今回投下させて頂くことにしました(苦笑

これ書き終わってからメッセで同人作家の方に見てもらったところ
「これまずいよ、年齢指定いるよ」
「えっ、マジで?」
「うん、18手前」
「いやでも肝心の部分は全部端折ってるし…」
「十分いるよ」
その判断に従って一部を大幅に書き直しました('A`)

ちなみに転載にあたって、全体的に加筆修正しました。
凪羅
[email protected]
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コメント



0.2050簡易評価
1.無評価凪羅削除
投稿中にエラー出てパス入れても消えないんで管理人様、削除お願いします(汗

その間の感想はもう片方にお願いします('A`)
2.無評価凪羅削除
すいません、もう片方が消せたんでやっぱりこっちに普通に感想お願いします(滝汗

なんかもうゴメンナサイm(_ _)m
33.90名前が無い程度の能力削除
小悪魔の健気さに泣きそう

どっかで黄昏てる人形と、ピーピー泣いてる小悪魔下さい
38.100名前が分からない程度の能力削除
川´_ゝ`)HAHAHA おもしろいじゃまいか 16斤だな
40.100変態れんじゃー黄金削除
ちょっと、一緒に裏行こうか。
もっとじっくり見せてく(ry
43.100名前が無い程度の能力削除
作者さん、いろいろ頑張れ。小悪魔も頑張れ。
45.100名前が無い程度の能力削除
´_ゝ`
55.80非現実世界に棲む者削除
グッド。