Coolier - 新生・東方創想話

クイズ大会 改

2011/04/18 17:14:14
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1.開幕
ファンファファファファ~ン
神社に響き渡るファンファーレ。神社の一角を使ったはた迷惑なクイズ大会が再び幕を開ける。
射「さぁ、懲りずにやってまいりました! 『第81回文文聞。クイズ大会』です!」
霧「懲りろよ!!」
今にもマスパをぶっ放しそうな勢いで、突っ込みを入れる魔理沙。
博「…ずずっ」
暢気にお茶を飲んでいる霊夢。
二人は、すでに回答者用の席についている。
射「…いえ、実はこれでも結構懲りたんです…。評価を見たとき、一瞬呆然としました」
前回大会である第80回文文聞。クイズ大会は、燦々たる結果を残し、即座に削除してしまった。
霧「あんな酷いものを書けば当然だと思うんだが…」
射「ここで、消してしまった黒歴史、前回大会のハイライトを少しばかりご紹介します」

―突然鳴り響くファンファーレ
そこに居合わせたのは歴代の人間自機主人公たち…。
地獄温泉の宿泊券を賭けた過酷なクイズ大会を競り、凌ぎを削りあう彼女達。
戦いの末、栄光を手にしたのは…参加すらしていなかった魅魔だった…。

霧「…なんか、これは詐欺なんじゃないか? 酷かった部分が何も入ってないぜ?」
博「…同感ね」
射「あまり前の話を引きずる訳にもいかないので、ざっくりまとめました」
そう言って、射命丸はくるりとターンした。ターンに意味は無さそうだ…。
射「前回の反省点はいくつかありますが、なんと言っても地の文の乱れでした」
霧「あぁ…私も読んだが、あれは酷いなんてもんじゃないな」
博「あんたの本音と建前が入り乱れてて、頭が痛くなってきたわ」
地の文は、会話文以外のことで、つまりここのことである。
ここが、一人称になったり三人称になったり、敬語が付いたり付かなかったりすると、とても読みにくい。
霧「あと、ちゃんと推敲しろっていう声もあったぜ? 聞くところによると、一応しようと思ってたらしいな」
射「えぇ…ただ、悪ノリで書いたので、悪ノリのまま投稿するのが筋かと思ったらしく…」
博&霧「たち悪っ!!」
射「まぁ、勢いでやっちゃったって感じだったので、次からは気を付けるしかないですよね」
霊夢が頭を抱えながら言う。
博「はぁ…よくそれでもう一回この大会を開こうと思ったわね」
右隣にいる魔理沙も、激しく頷いている。
射「えぇ…悪ノリの後始末ってやつです」
頭を抱える三人だった。

霧「それで、さっきから気になってたんだけど、他の奴らは?」
一番最初に立ち直った魔理沙が、射命丸に言葉をかける。
前回は五席あった回答者席が、今回は霊夢と魔理沙の物しか置かれていない。
射「リストラしました」
博&霧「はぁ!?」
二人とも、すでに突っ込み疲れが見え始めている。
射「これも、前回の反省点の一つで、人数が多すぎて色々と処理し切れなかったんです。 なので、今回は前回良くしゃべっていたお二人だけを呼んだんです」
射命丸の横暴は今回に始まったことではないので、理由を聞いて二人は納得してしまった。
射「さて、それでは気を取り直して、今回の賞品はこちらです!」
ババンッ
前回から続投しているADもみじが、景品の書かれているボードを上げた。

『永遠亭豪華懐石フルコース』
『金一封』

射「今回も金一封の提供は、YAKUMO財団の八雲紫総裁です。また、永遠亭も提供元に名乗り出てくださいました」
霧「おぉ! 豪華懐石か!」
博「今度こそ金を…」
二人の士気を高めるには十分だった。
射「えぇー、今回も前回同様クイズの模様は、陰陽玉で中継されています。それでは、お二方張り切っていきましょう!」

こうして、実質第二回目の『文文聞。クイズ大会』は幕を開けた。(81回というのは、前回大会で射命丸がコミケにあやかって付けた第80回大会から一つ増えたためである)


2.クイズ
射「今回は、前回の敗因を踏まえて、単純に早押し問題を答えてもらうだけにしました」
霧「と言っても、前回もほとんど問題が無かったけどな…」
すでに回答者の二人の前には、河童特製のピンポンと鳴るスイッチが置かれていた。
射「えぇっと、その前にお二人に一つ聞きたいことがあるんですが…」
射命丸は、少しバツが悪そうに言った。
射「…お二人の残機はいくつですか?」
その瞬間、二人の背筋を冷たいものが通り過ぎた。
嫌な予感しかしない…。
…しかし、答えなければ始まらない雰囲気だったので、しぶしぶ二人は残機を告げた。
射「ふむふむ…分かりました、それではスタートします!」
こうして、不穏な空気の中、早押しクイズがスタートした。

Q.味噌の原料は何でしょう?

ピンポーン
霊夢が素早くスイッチを押した。
博「えぇっと、糠とか大豆」
射「正解です!」
霧「くっ、遅かったぜ…」
「現世斬!!!」
ピチューンッ
魔理沙が悔しがったその瞬間、神速の太刀が繰り出され魔理沙は消滅した。
隣の霊夢は何が起こったのかわからず、呆然としている。
射「えぇー、今回から答えられなかった人にはお仕置きが待っています」
霧「お前は鬼か!! 前回より更にたちが悪いぜ!」
点滅しながら復活した魔理沙は、射命丸を糾弾した。
しかし、射命丸は鬼ではなく天狗である。
霧「地の文で、冷静に突っ込みを入れるな!」
博「嫌な予感はしてたけど…これは…」
そんな二人の反応を見て、鬼と呼ばれた天狗は、嬉しそうに笑う。
射「はい。ただリストラするのもなんなので、お仕置き役に就任してもらいました。彼女たちは降ろされた恨みを持っていますので、逃げようとしても無駄ですよ?」
辺りは、えも言われぬ殺気に満ち溢れていた。
そう、第二回目にしてクイズ大会は、正真正銘、凌ぎを削りあうデスゲームへと進化したのであった。

博「…それにしても、今回の問題は簡単だったわね。前回はもっといやらしい問題が多かったのに」
霊夢は、もう諦めたのかさっさと気持ちを切り替えている。
霧「あ、あぁ…そうだな」
魔理沙は、まだ若干納得が言っていないようだ。
博「あんたの不倫の話は、結局どうなったの?」
霧「ぶっ!!」
前回大会に出たクイズの一つ、『最近アリスとご無沙汰ですが、新しい相手は誰ですか?』のことを言っているようだ。
結局、魔理沙はその問題に答えることが出来ず、伝え聞くところによると、アリスと不倫相手のパチュリーにこっぴどく叱られたらしい。
霊夢はその経緯を知ってか知らずか、いきなりぶっ込んできた。
霧「霊夢さん…何を言っているのか」
博「この間、さらに違う人と歩いてなかった?」
どうやら、経緯を知っていたようだ。
霧「霊夢~それ以上言うと、どうなるか分かってるよな?」
スッと、八卦炉の放射口を霊夢の方に向ける魔理沙。
二人はにっこりと笑いあって、席に座りなおした。
射「それでは、第二問!」

Q.現アメリカ大統領の名前は?

博&霧「……」
ピンポーン
またしても、回答権を得たのは霊夢だった。
しかし、今回は自身が無さそうだ。
博「えっと…確か、ケネディだっけ? 何かの本で読んだんだけど」
ブッブー
「殺人ドール!!!」
ピチューン
「ごめんなさい…霊夢。でも、他の人にやらせる位ならせめて私が…」
そんなヤンデレな台詞を吐きながら、お仕置き係は持ち場に帰っていった。
射「あ、そう言えば言い忘れてましたが、不正解の場合にもお仕置きはあります」
先に言えと二人は思ったが、突っ込む気力も無かった。
このクイズの正解が告げられたが、二人が聞いたことも無い名前だった。
射「ちなみに、霊夢さんはどうしてケネディを?」
うーんと言いながら、霊夢は考え込んだ。
博「…あっ、そうだ! ロケットだかの本で読んだのよ」
射「はい、では第三問に行きます!」
博「何で、このタイミングでスルーした!?」


こうして、クイズは大方の予想とは裏腹に、一進一退の大接戦になった。
途中、お仕置き係の一人がお仕置きのはずなのに、食べると味覚が変わる変なフルーツを振舞ったりしていた。
だが、食べたら何故かピチュッた。
そして、お互いの残機を賭けた熾烈な戦いは、いよいよ最終局面を迎えるのであった。

射「さぁ…いよいよ残機も残すところわずかとなりました。と言っても、8問しかやってないんですが…」
しかし、両者ともすでに疲労困憊である。
射「まず、博麗霊夢さん! 残すところ残機1となりました。対する霧雨魔理沙さんも同じく1。泣いても笑っても、この一問で雌雄が決せられます!」
両者に緊張が走る。勝負に出るべきか、それとも相手の自爆を祈るか…。
そんな極限の状況の中、射命丸が運命の問題を口にする。

Q.あなたの愛する人は誰ですか?

霧「ぐほぉあ!!?」
魔理沙は、何かよくわからない液体を出して、机に突っ伏した。
霊夢は、赤くなってうつむいている。
射「何ですか、お二人とも、早押しですよ? あまり遅いと無効になっちゃいますよ? その場合、両者ともお仕置きです」
ピン…ポーン
顔を伏せながら、霊夢がスイッチを押した。
博「…咲夜」
射「はい? よく聞こえません」
博「くっ…!」
射「霊夢さん、ちゃんと私に聞こえないと、不正解ってことになりますよ?」
博「私が愛しているのは、十六夜咲夜です!!!!」
その時になって、霊夢は今回のクイズ大会の真の目的を理解した。
この最後の問題で公開処刑がしたかったのだと。ここまでが前振りだったのだと。
脳裏に、にこりと笑う紫が見えた。
ピチューン
気が付いたら、彼女は自爆していた。自然消滅である。
射「えっ…霊夢さん!? 霊夢さーーーん!!!」
こうして、奇跡の大逆転を果たした魔理沙が優勝者となった。


3.閉幕
射「それでは、今大会の優勝者である、霧雨魔理沙さんにお話を伺いたいと思います。どうですか? 今の心境は?」
霧「自分でも、何で優勝出来たのかわからないぜ…ただ、今は霊夢に心からありがとうと言いたいぜ…」
神社は、中継を見終えた沢山の人妖で溢れかえっていた。
霊夢は、その人だかりとは少し離れた本殿の縁側で、咲夜に膝枕をしてもらっている。
残機を使い果たした霊夢は、復活して早々倒れてしまったのだ。
射「さて、それでは賞品の授与です!」
その言葉を合図に、ADもみじがパネルを持ってくる。
割れんばかりの拍手の中、そのパネルを受け取る魔理沙。
射「そして、これが金一封です!」
そう言って、射命丸が懐から祝儀袋を取り出す。
すると、魔理沙はその祝儀袋をやんわりと押し返す。
霧「いや…この金は、あそこで横になっている霊夢に渡してほしいんだぜ。あいつの捨て身があったから、私は優勝できたからな」
その魔理沙の心意気を、沢山の拍手が歓迎した。
そして、ADもみじが大声で告げた。
犬「はい、今から打ち上げに入りまーす!」

そうして、宴が始まった。
熱い戦いの興奮冷めやらぬまま、宴は大会以上に盛大なものになった。
しかし…そこに、今回の大会の功労者、主人公達二人の姿は無かった。

十「…霊夢」
そう言って、十六夜咲夜は、霊夢の柔らかな黒髪をそっと撫でる。
ううん…と、霊夢からかすかな反応が返ってくる。
それだけで、咲夜の胸は幸せでいっぱいになる。
宴の喧騒も、何故だか遠くに聞こえた…。


霧「ああ、わかっていた、ある程度は分かっていたさ! でも、何なんだこの落差は!?」
魔理沙の悲壮な叫びも、宴の喧騒にかき消された。
前門のアリス。後門のパチュリー。
…絶体絶命だった。
ア&パ「それで、一緒に歩いてた子って?」
二人の声が完全にシンクロする。
彼女たちの声には、静かな怒りが宿っていた。
霧「だから…だから…こんなオチは御免だーーーーー!!!」


4.オチ
ここは、人里離れた深い竹林の中。
霧雨魔理沙は、大会の賞品である豪華懐石を堪能しようと、スキップしながら永遠亭を訪れた。
霧「まったく、酷い目にあったからな。今日はその分、死ぬほど食ってやるぜ!」
そのままのテンションで、永遠亭の玄関を叩いた。
カラカラと玄関が開くと、変な制服を着た兎が出迎えてくれた。
鈴「はい、どうしました?」
霧「豪華懐石を食べに来たぜ!」
鈴「…はぁ?」
目の前の兎は、明らかに困惑していた。…何か、話がおかしいぞ?と魔理沙は思った。
そこで、
霧「いや、ちゃんと券も貰ったんだって! ほら!」
そう言って、大会が終わった後に渡された招待券を取り出す魔理沙。
兎は、それを受け取ると、まじまじと見つめる。
鈴「うーん…この字は…てゐの仕業ですね」
霧「何っ!? じゃあ、懐石は!!? 何のために私はクイズに答えたんだ…」
鈴「そんなものを出せるお金、うちにはありませんよ…それよりも、今、クイズって言いましたか?」
急に兎の顔が曇る。
鈴「鳥じゃないのに羽と数えるなんて生意気だとか、訳の分からない理由で前回出ることすら出来なかったあのクイズ大会ですか?」
霧「あぁ…、そういえばそんなことを言っていたな…」
兎はわなわなと震えだした。
鈴「あの対応にみんな怒って、永遠亭は一切の協力をしていないんです! 何が懐石ですか!! 帰ってください!!!」
ピシャンッ
と、大きな音を立てて、玄関を閉められてしまった。
…魔理沙は、涙が出そうになるのを必死でこらえて、永遠亭を後にする。

俯きながら、トボトボと歩いて帰る。
そんな魔理沙が、竹林ステージも終盤に差し掛かったときに、不意に声をかけられた。
?「おやっ…魔理沙かい?」
振り返ると…魅魔がいた。
霧「うっ…うぅぅ魅魔様ーーー!!」
優しく声をかけられた魔理沙は、ついに涙腺が決壊し、魅魔に抱きついた。
そんな魔理沙をあやしながら、魅魔は言った。
「地獄温泉に入りに行ったら、また宿泊券が当たったんだ。一緒に行かないかい?」
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
本当に、結構な頻度で連投してしまい申し訳ありません。
このまま、ひっそりと消えるのも良いかと思ったのですが、せめて少しでも汚名を挽回出来ればと思い、書かせていただきました。
事情を知らない方は、スルーしていただけるとありがたいです。
稚拙な文章しか書けない僕ですが、それでも読んでくださる方たちがいて、本当に感謝しています。
ありがとうございました。
また良いネタが浮かんだら投稿しますので、そのときはよろしくお願いします。
mezashi
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コメント



0.490簡易評価
4.10名前が無い程度の能力削除
もういいよ。何も言わずに消したあげく全然レベル変わってない。
5.無評価名前が無い程度の能力削除
まさかの再投稿に驚きました。前作も読みましたけれど、もう一度読ませていただきました。
はい、大丈夫ですよ。見事に汚名を挽回できています。
7.無評価名前が無い程度の能力削除
別に一作目は高評価受けてるんだから、ROM専に戻らなくても、じっくり作ったものあげればいいんでね?
8.無評価mezashi削除
コメントありがとうございます。
こんな駄文にお付き合い頂き、感涙の極みです。
自分の未熟さをあらゆる意味で痛感しました。
何も言わずに消してしまい、本当に申し訳ありません。
大人しく、このサイトから消えます。

ありがとうございました。
9.無評価mezashi削除
書いている間に、新しいレスが…。
コメントありがとうございます。
はい、自分を見つめなおしてきます…。
じっくり作ったもの…自分の書いたものにもう一度自信が出たら、やってみたいと思います。
10.無評価名前が無い程度の能力削除
もう一度貴方が、小説を書いてここに投稿するときを楽しみにしています。
13.無評価名前が無い程度の能力削除
次がたのしみ
14.無評価名前が無い程度の能力削除
頑張れ~
17.無評価名前が無い程度の能力削除
まあ名誉挽回のために投稿するのはいいのですが前作の内容を使うのであればその作品は残しておくべきかと
この作品しか見てない人にとっては訳が分からないかと思うので
18.無評価名前が無い程度の能力削除
諦めたらそこで試合終了だぜ?
お前の熱い魂見せてみろ!!!
19.60名前が無い程度の能力削除
悪くはない
今度は名誉を挽回するべき
20.無評価名前が無い程度の能力削除
ふむ、私から言えるのは、面白い話を書きたいなら、とにかくたくさん読みましょう、ということ。
今までに色々な方に言ってましたが、読まずして書ける人はいません。書ける人はたくさん読んでいます。

頑張ってください。
25.無評価名前が無い程度の能力削除
消されたという話は未読なので、その話の何が問題だったのかは存じません。
ですが、とりあえず事態を鎮静化させたいのであれば、何事も時間に任せるのが一番です。
その意味で、本作の出来栄えに如何に関わらず、間を開けずに投稿したのは逆効果だったかもしれませんね。
ほとぼりが冷めて皆が忘れた頃に帰ってきて下さい。
31.無評価名前が無い程度の能力削除
前回を知らない私には、出だしで既に置いてきぼりでした。
二十行くらい読んだ時点でレスを確認してみたら、案の定酷い事になっていたわけで…

改訂をするなら、前回のを残して置くか、改訂版の後がきでどの様に直したか書くかのいずれかが良いかと思います。

次くる時は、嫌土重来かな?