Coolier - 新生・東方創想話

君が王で私が姫で

2011/03/29 14:29:29
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ある日の寺子屋。

「やーい、ぶーた、ぶーた。」
「うるせえ!お前だって乞食じゃないか!」

「おい、こらお前たち、そんなこと言ったらだめじゃないか。いったい何があった…」
「あ、けーねせんせー。」
「先生は何だろう?」
「えーと、か、み、し、ら、さ、わ、け、い、ね、だから、ブツブツ…王様だ!」
「おお!さすがせんせー!」
「ってことは、姫様のおれとけっこんするわけだ!」
「なにー!そんなこと、ぬけぬけとさせるわけにはいかない!」
「ええい、乞食はだまってろ!」



「…ということがあってな、何の事だかわかるか妹紅。」
「うーん、さっぱり。こんど、誰かに聞いてみるよ。」


「ああ、なるほど。なつかしいですねぇ。」
「知っているのか、早苗。」
「小学校の時に流行ったんですよ。いいですか、まず、手を広げてください。そして指をこう動かすんです。
ええと、妹紅さんの場合は、ふ、じ、わ、ら、の、も、こ、う、と。こんな感じですね。」
「小指の先に来たんだが。」
「そして今度は、さっきの道を戻るように指をこう動かしてください。
王様、姫様、豚、乞食、王様、姫様、豚、乞食、と」
「それで?」
「最後が乞食だったんで、妹紅さんは乞食になります。」
「それだけ?」
「ええ、それだけです。」



そして、この、単純な遊びが…























…幻想郷で流行った。



   紅魔館

「ふふふ、さすが私、まあ、館の主として、姫様となるのは当然ね。」
「私も姫様だけどね。魔女だけど。」

「ええと、フ、ラ、ン、ド、ー、ル、ス、カ、ー、レ、ッ、ト…」
この時、レミリアに電撃走る。

(フランの名前は12文字、つまり乞食になる。このままでは…小文字を数えないようにしても11文字、豚だ、これではだめだ。そうか!“ー”を数えなければ…!)

この間1分。フランドールが何度か数え間違えをしたのでなんとか間に合った。

「フラン。これは伸ばす部分は数えないのよ。」
「そうなの?えーと、だったら、フ、ラ、ン、ド、ル、ス、カ、レ、ッ、ト…やった、姫様だ!」

(この法則を適用しても私は王様…夜の王として相応しい。それに、フランと私で…フフフ)
(そうなると私が乞食になるんだけどね。)

「ところでパチェ、最近なんか咲夜が私に地味な嫌がらせをよくしてくるんだけど、心当たりある?」
「さあ、彼女の王様にしてくれなかったのを恨んでいるんじゃない?」
パチュリーは門のほうを見ながら言った。

「ええと、…あ、また間違えた。やりなおし…、また間違えた。パチュリー様、指をあと10本ぐらい増やす魔法ないですか?」
「もうあなたは小悪魔で乞食でいいじゃない。」



   白玉楼

「ねぇ妖夢。」
「何ですか幽々子様。」
「おやつの団子があなたのほうが多くない?」
「気のせいじゃないですか。」

(以前は『幽々子様はたくさん食べるでしょう。』とかいって9:1ぐらいに分けてくれていたのに…。
これは私が王様であることへの当てつけ?それとも妖夢が乞食てあることへの当てつけ?)



   八雲家
「ふふ、貴方が王様ねぇ。」
「紫様が姫様ですか。ふふ。」
ニヤニヤしている二人であった。

「ええと、ち、ぇ、ん…」

何かにハッと気づく二人、アイコンタクトをかわす。

「橙、あなたに話があります。」
「ひゃ!何ですか紫様。」
「あなたに八雲の名を与えます。」
「おめでとう、橙。」
「え、そんな、私はまだ…」
「そんなことはないわ。なにも八雲の名を持つものが完璧である必要はないのよ。八雲の名に恥じないよう、努力して自分を磨いていくこと、これが大切なの。」
「結界の仕事とかはこれからぼちぼち教えていくから、心配しなくていいぞ。」
「は、はい!私、頑張ります!」

再びニヤニヤする二人であった。

「それじゃ、藍。姫様達のために食事の用意をしてくれないかしら。」
「はいはい、私だって王様なんですけどね。」


   永遠亭

「鈴仙が王様ね~。」
「あなただって、王様じゃない。」
「でも、本名だったら乞食だよね。」
「そ、そんなことはいいじゃない。でも、そうしたら師匠は乞食じゃなくて何になるんだろう…。」
「あだ名でも乞食だよね。」
「う、うるさいわね!」

「もこー!王様の私にかかってきなさーい!」
さけぶ輝夜の横で、永琳は考えていた。
(てゐに対して、『あなたは乞食ね、古事記なだけに。』って言いたいけど、どうしたらいいのだろうか…。)



   無縁塚

(四季様は何になるのだろう…。単純にいくと豚だが、本名なら王様、む、なんだか悔しい。あたいは豚だし。)
「こーまーち、なーにーしーてーるーんーでーすーかぁ!」
「きゃん!」



   妖怪の山

(文が乞食なのを笑ってやりたかったが、私が豚だから言えない…)

(文が乞食だから噛み付いてやろうとを持ったけど、私も乞食だから言えない…)

「よっしゃ王様きたぁー!これで文が乞食であることをこけにできるわ!今までほたてほたて言ってきた恨みを晴らさせてもらうわ!」

「『なんと!守屋神社は皆姫様じゃないですか!これはいい!これをネタにして布教しましょう!まず恰好を姫様にしてイメージを持ってもらい…』
って早苗が動き出したのが、神奈子が神社から逃げ出した原因。わかった?乞食の新聞記者さん。」
「うわうぜぇ。」

「あら静葉さん。今日は妹さんと一緒じゃないのかしら?」
「『神様姫様ーズに入ってくる!』とか言ってどっかいっちゃった。あなたは入らなくてもいいの?か・ぎ・や・ま・ひ・な でしょう?」
「…いや、いいわ。」



   旧都

…では流行らなかった。誰だって、桶をぶつけられたくないし、病気になりたくないし、緑色の目をした怪物に追いかけられたくはない。
なにより、鬼が暴走するのが怖かった。



   地霊殿

(ここは、名前を持っているヤツが少ないし、持っている人はあたいを除いて皆豚、あたいも乞食だからなぁ。)
「おりん!すごい発見だよ!」
「どうした、お空。」
「ここに住んでいる人、みーんな豚だよ、すごいでしょ!」
「え!?あたいは乞食だよ。」
「えー。お、り、ん、で豚じゃん!」
「…。」



   太陽の畑

二人の少女が向かい合って立っている。

「あなたは姫様よね。」
「それを言うためにわざわざ天界から来たの?」
「私は豚じゃない。」
「で?」
「『ああ、姫様、この卑しい天子豚にお仕置きを!』っていう妄想をきっと誰かがしていると思うのよね。」
「…。」
「それじゃ、私は王様のところへ帰るとするわ。」

「…何しに来たのかしら。」



   命蓮寺

とある部屋。
「ナズーリン、これは大変な戦いになりそうね。」
「ああ、そうだな、ぬえ。この寺は大半が豚、乞食が占める。」
「私は早くこの気まずさを打開したい。どうすればいいの。」
「私にもわからない…。とにかく2対5では不利だ。仲間を集めないと。」

「うらめしやー!」
「「仲間だ!」」
「え、なに?どゆこと?」

別の部屋にて。
(待てよ、私は船長、つまり海の女、だから海の豚、海豚、イルカ、これなら…許せる!)



   香霖堂

「いつまでここにいるんだ、霊夢。」
「だって、神社にいると、萃香や紫がニヤニヤしながら『うらやましい?うらやましい?』とか言ってくるんだもの。嫌になっちゃう。」
「僕だって王様だよ。」
「いいのよ、霖之助さんは。それをネタにからかったりしないから。」

「ところで、最近魔理沙を見ないのだが。」
「そうね、神社にもあまり来ないし。」
「1か月も来なかったことなんて、今までなかったんだがなぁ。」
「この王様鈍いわねーホント。」
「ん、何か言ったか。」
「いや、何も~。」



   アリス邸

「なぁ、王様さんよ、ある夫婦を離婚させる魔法とかないか。」
「そんなものあるわけないじゃない。というかまてこら魔理沙、私の本名をなんだと思っているのよ!私は姫様よ!」

魔理沙の母の旧姓は田中であった。
題名は魔理沙の願望です。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
これ小学校の時流行った記憶があります。
あと、この遊びには色々と亜種があるんですよね。
2人の名前を繋げて「I・LOVE・J・K」とか。

誤字修正しました、名前を間違えるなんて相当な無礼を…
機械車輪
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コメント



0.520簡易評価
2.80愚迂多良童子削除
田中w主人公張れる名前じゃないなw

誤字報告
>>か・ぐ・や・ま・ひ・な
かぎやま ですよ
4.80奇声を発する程度の能力削除
似たようなのよくやったなぁ…
7.100名前が無い程度の能力削除
あぁ、懐かしいなぁw
イルカナイスです。
9.90名前が無い程度の能力削除
あいらぶじぇーけー懐かしいなぁ
10.60名前が無い程度の能力削除
天国地獄、大地獄とかあったなぁ。なつかし
11.100名前が無い程度の能力削除
ん? アリス・メガトロンだから乞食だろう? 点は数えないぜ(酷)

イルカはナイスジョークでした。確かに許せる。
13.80名前が無い程度の能力削除
田中。普通すぎるw
14.80名前が無い程度の能力削除
だがその改名は肉体言語の魔女を想起してしまうからやめるべきだ。
17.90名前が無い程度の能力削除
だが、待ってほしい
王様と姫様の関係は、普通親娘ではないか
……あ、そのまんまだな
20.80名前が無い程度の能力削除
うん