Coolier - 新生・東方創想話

忘暇異変録 ~for the girls of leisure

2011/03/13 15:08:46
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[はじめに]
   ・長大になってしまったので連載モノの体裁を取らせていただきます。
   ・不定期更新予定。
   ・できるだけ原作設定準拠で進めておりますが、まれに筆者の独自設定・解釈が描写されていることがあります。あらかじめご注意下さい。
   ・基本的にはバトルモノです。

   以上の点をご了承頂いた上、ぜひ読んでいってください。

    
    前回  A-4





  ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



















   【 B-2 】



 妖怪の山。麓から守矢神社までの、ちょうど中腹辺り。

 すぐ近くを流れる小川のせせらぎが聞こえ、夜の闇と静寂が支配していた森の中は――しかし、先ほどからは森閑とはほど遠く、激しい音に包まれていた。
 木々は倒され、焼かれ、地面には岩がささくれ立ち、大地が揺れている。
 元の物恐ろしい雰囲気も、静謐な空気も、すでに感じられない。

 比那名居天子と藤原妹紅の戦いは、その始まりから激しさの極致にあった。
 彼女たちが戦闘を繰り広げている付近の野生動物たちはすぐさま逃げ、すでに辺りには彼女たち以外に生物は存在していない。


 天子が妹紅の前へと飛び込み、右手に携える緋想の剣が振り下ろされる。
 大振りでデタラメに振り下ろされた剣閃は、その実意外と鋭い。
 だが、それも妹紅に紙一重で躱された。彼女の長い銀髪が、後を追うようにして流れる。
 振り下ろされた剣が盛大に空振りになったのを見計らい、反撃の拳が飛ぶ。
 大振りの直後の隙、そこを狙う。タイミングとしては完璧。普通なら避けられるはずなどない。

 だが、彼女の拳が鈍い感触を得ることは無かった。
 目の前の天子は、ありえない体勢から空を蹴り、飛び出すようにしてその場から消えていた。

 彼女の移動先は、妹紅の頭上。
 妹紅がその動きに目を見張る暇も与えず、天子は緋想の剣に力を込める。
 短く紅く輝いたかと思ったその直後に、緋想の剣から、光の針が射出されていた。

 短い魔力光の塊。
 鋭く尖り、全方位に向けて放たれたその光は、そのまま数本が真下の妹紅に向かって飛びかかる。
 さほど速度は無い。だがそれは、妹紅の虚を突くことに成功していた。
 妹紅は右手に魔力を込め、赤光に燃える拳でそのレーザー数本を薙ぎ払ったが、一拍間に合わない。打ち漏らした一本がそのまま落下し、妹紅の空いた左腕を掠めていった。

 「ちっ…………!」

 擦過傷の痛みにわずかに口を歪める。紅い光が与えた傷口からは、赤い血がプツッと漏れ出し、ジワリと広がる。
 その時すでに天子は空中にもおらず、いつの間にか妹紅の目の前で地に足をつけて立っていた。
 数度に渡る応酬も何度目かの一段落がつき、距離を取ったところで天子が口を開いた。

 「あはははっ!いやーやっぱり面白いわね!蓬莱人との勝負は!こっちでいくらダメージを与えても、すぐに回復しちゃうんだもの!!」

 そう笑う天子は、本当に楽しそうな顔でいた。
 現に彼女がそう言いきるうちには、妹紅の傷口から出る血は止まっていた。
 すでに皮膚の再生も済んでいる。
 僅かに切り破られた服から覗く肌は、普段の彼女の白さを取り戻していた。

 蓬莱の薬――不死がもたらす超速自己再生能力。
 これは戦う上での大きな不利に他ならなかったが、それをこそ望んでいたように、天子は満足げな顔をしていた。

 「あんたもなかなかどうして。天上におわす身だというから、ただの箱入り娘だと思ってたんだけど」
 左手の感覚を確認するように振りながら、妹紅も笑って返事をした。
 永遠亭の住人たち以外と戦うのは、永夜事変の頃以来――輝夜から派遣された人妖のコンビとやった以来であったので、彼女も純粋な戦闘を楽しんでいた。

 「まぁ仮にも非想非非想天の娘ですからね。多少の武芸の嗜みくらいありますわ」
 天子は先ほどの戦闘の興奮が冷めぬようで、依然高揚したままのテンションで喋っている。
 丁寧な口調を取り戻しながらも、その瞳は子どものように無邪気に輝いていた。

 妹紅はキャイキャイと響く天子の声に耳を傾けながら、頭の隅では別のことを考えていた。

 それは、天子の戦い方について。

 ここまで戦ってみて気づいた。彼女の戦い方にはいわゆる“型”と呼べるものが見受けられない。
 確かにある程度のパターンなどは存在していたが、全て“型”と呼べる程のものではない。
 ここで妹紅の言っている“型”とは、いわゆる武道においての基本という意味ではない。
 言ってしまえば“戦闘のスタイル”ということである。
 心得が無くとも戦闘慣れしているような者は必ず、その者特有の“型”が存在し、そしてそれはその者特有であるが故に、使用者の本質を映し出す。
 その“型”の存在があるがゆえに、初見の相手と相対したとしても、それによって相手のことが見えてくるのだ。
 だが、妹紅には天子の“型”は見出せなかった。

 “型”を見出せないようなタイプの相手は二種類いる。
 ひとつは相手にわざと“型”を見せないように戦う手練。相手に手の内を明かさないように戦うことを戦略として盛り込んだ戦い方である。
 しかし、先ほども言った通り、“型”とは相手の“在り方”を反映するもの。そう易々と隠しながら戦うことはよほどの達人でも難しい。

 そして、目の前の天子は“よほどの達人以上”には見えないので、もうひとつのタイプでほぼ間違いないだろう。
 それは――――――

 「ひとつ聞いていいかな?」
 妹紅は静かに切り出した。

 「あら、なぁに?」
 「あなたはこの手の戦いってほとんどしたことないんじゃない?」
 「……よくわかったわね。正解よ」
 天子は素直に驚きながら、妹紅の発言をあっさりと認めた。

 そう、彼女に実際戦闘経験はほとんど無かった。

 天上に住む天人たちは、普段から妖怪に襲われるようなことなく、歌に踊りに酒にを繰り返しており、おおよそ直接的な争いとは無縁に暮らしている。
 そんな中で過ごす天子に、当然、戦の心得があろうはずもない。

 先ほど武道の嗜みがあると言っていたが、それすらも精々暇つぶし程度。
 呑めや唄えやの天人生活に飽きてきたら、戯れに衣玖と行う、遊びの延長程度のものに過ぎない。
 天子が衣玖以外と戦ったのは霊夢たちとが全てで、その回数は二桁に満たないのだ。

 つまり妹紅の考える彼女の“型”が存在しない理由とは、ずばり戦闘経験の少なさによるものであった。
 “どこでどのような動きをする”という流れが体に染み付いていないとう、単純な理由。

 ともすれば、妹紅から見れば天子の行う戦闘など、思いつくまま腕を振り回す子供の喧嘩程度のことだと切って捨てることができたのだが――ここまでの戦いを顧みて、彼女はそうは思っていなかった。

 「ね?ね?ちなみに聞くけど、なんでわかったの!?」
 天子は自身の経験値の低さをまっすぐ指摘されたと知ってか知らずか、悔しがることも恥じることもせずに、逆に妹紅に質問を投げかけていた。

 「ん?あー……そうねぇ。一応あんたよりは長生きしてそうだからね。戦ってみた上での勘……かな?」
 妹紅は自論を展開せずに適当に受け答えて済ませる。
 ――どのみち“型”なんて言って説明してもわからないだろうし、メンドくさいし。

 「へぇ~いわゆる“洞察力”ってヤツかしら?いやぁ~不死人な上にそんなことまで出来るなんてスゴイのね!」
 天子はそんな妹紅の返事で満足なのか、キャッキャッ言いながら騒いでいた。
 洞察力を褒めたかったのだろうが、関係ない“不死人”という単語が入っていたことで妹紅は一瞬不快になったが、すぐに忘れた。

 この天女には悪気がない。
 ついでに言えば悪気をもって相手を不快にさせるような知恵の働く器用な人間でもない。

 「じゃあ、私もせっかくだから似たような自慢をさせてもらおうかしら」

 そう言って天子はおもむろに右手に携えた剣をかざした。
 不思議な輝きを放つその剣は一目見て地上のものでないことが窺い知れた。
 全体としては、くすんだ黄色。
 だが、その奥では紅い光が滲むようにして輝いている。

 「さっきから使ってた剣だね。今さらだけど、結構珍しいものなのかな?」
 「ええ。まぁ正直貴重さはちょっとわからないけど、たぶん相当大事なものなんじゃない?」
 勝手に拝借してきた剣を眺めながら、ケラケラと笑う。

 「それで?ただのお宝自慢ってわけじゃないんでしょ?」
 「あなたは本当に話が早くて助かるわ。……そう、これは“緋想の剣”って言ってね、この剣には“気質を見極める力”があるのよ」
 「気質?」
 「そう、気質。それぞれの持っているそれぞれにしかない性質……みたいなところね。それを緋色の霧として具現化させて、その人の気質に沿った天気を生み出すことも可能よ。そうやって暇潰しに気質を萃めたこともあったわね~」
 天子は緋想の剣を前にしながらしみじみと語る。
 思い出話のように喋っているが、その暇潰しで神社まで倒壊させられた霊夢が聞けば即座に拳骨ものだろう。

「気質はできるだけ幻想郷全土から萃めたつもりだったから、あなたも多少思い当たるところがあるかもしれないわね。一時期身の回りで天気がコロコロ変わったり、一人でいるときはずっと同じ天気だったりしたことなかったかしら?」

 尋ねられ、宙を眺める。
 「……あぁ、確かにあった。あれが天人の仕業だったとはね」

 妹紅には思い当たる節があった。
 ――あれは初夏の頃、梅雨の時期、あの頃の竹林の天気は………………

 「ふっふー、心当たりがあるようで良かったわ。気質の“気”は天気の“気”、そして各々が持つ“気”のことよ。影響力の大きさはその者の“気”の大きさに由来する――蓬莱人のあなたの気質なら、天候を変えるに至る力があると思ってたんだけど、私の目に狂いはないようで良かったわ」
 天子はなぜか自分のことのように嬉しそうに語る。

 「そりゃどーも。あれはあれで大変だったよ?……で、結局その剣の力自慢ってことでいいのかな?」
 妹紅は思わず肩を竦めてみせる。

 「今度はちょっと話が早すぎるわね。ここはゆっくり聞くところよ」
 そのリアクションに不満そうに頬を膨らませ、
 「――って言っても、まぁそんな感じなんだけど。あなたに優れた観察眼があるように、私にはこの緋想の剣がある、ってことよ。この剣の力を使えばあなたの気質がすぐわかる。なんなら気質を発現させて天気を変えてもいいわよ?」
 そして自慢げに胸を張る。見ていて楽しいくらいに、ころころと表情を変えていた。

 そんな彼女を眺めながら、
 「まぁそっちがその気なら、それでもいいけど……」
 妹紅はあの頃の竹林の天気を思い出し、面白くもなさそうに返事をする。

 「せっかくなら天気のいい夜のままにしとかない?」

 ふむ、と一人相槌を打ち、天子は意識を萃める。
 緋想の剣に力を込め、妹紅の気質を読み取り、

 「――そうね、これはちょっと向かないわ。なかなか意外な気質じゃない」
 本心から意外と思ったようで、天子は口をへの字にして唸っていた。つくづく思ったことがダイレクトに顔に出る天人である。


 「まさか“驟雨”とはねぇ。へぇ~」


 “驟雨”――急に降り出し、強弱の激しい変化を繰り返しながら、急に降り止む雨。所謂にわか雨。もしくは通り雨。
 烈火の体現者であるような妹紅の気質としては、少々意外かもしれなかった。

 「で、そのお天気占いでなにかわかったのかな?」
 「ええ、なんとなくね。導かれた気質は、あなたの本来的な性格までを映し出す。例えば……あなたはオンオフがハッキリ切り替わる人ね。なんのオンオフかまではわからないけど――二面性があるって言ってもいいかな?」

 ふむふむ、とひとり納得しながら語る天子だったが、
 「まぁ……それは人並み程度にはあると思うけど……それだけ?」
 妹紅からすれば若干拍子抜けの自慢話だった。
 それが自慢できるなら、蹴り捨てた靴で明日の天気を占うほうがよっぽど商売になる、とすら思っていた。
 ――どっちにしろ胡散臭いけどね。

 食いつきの悪い妹紅のリアクションにもめげず、天子は続ける。
 「基本はそうね。でもオンオフの差が激しいでしょ?例えば、男性相手と女性相手で露骨に態度が違うとか?」
 「そんなイヤな生き方してない」
 「むぅ、じゃあそうねぇー……敵味方のオンオフとか?」

 不意に妹紅が小さく反応したのを、天子は目ざとく見逃さなかった。

 「なーんだ~、当たってるんじゃない。やっぱりあなたは勝負ごとに出るのね。色気が無い、とまでは言わないけど~」
 「う、うっさいな。――他には?」
 意識の外の反応を見破られたことを恥じるように慌てて声を出す。
 ――いらん所で目端の利くヤツだ。

 「まだ聞きたいの?そうねぇ……勝負事に気質が出るんなら、きっと勝負の意識のオンオフも極端ね。普段は虫も殺さないような性格でも、ひとたび敵を認識して戦闘になれば、苛烈に、無慈悲に、強烈に攻める。オンオフが明確につけられるから、終わったら余韻に浸ることもなく温和なあなたに戻れる……とか?」

 天子の口上を妹紅はまじめな顔をして聞き入っていた。
 ふぅん、と内心だけで小さく感嘆を吐く。


 ――なるほど、自慢の一品なだけあって、なかなか内面まで見透かしてくれてる……のかな?


 今、妹紅は心の中には二人の人物像が浮かんでいた。

 ひとり。天子の言う“オフの妹紅”と親しい半人半獣の友人。
 ――彼女はいい友人だ。千年来を生きた彼女の中でも、指折り数えるほどの知己だと思う。
 
 ひとり。“オンの妹紅”と殺し合いを重ねる、千年来の腐れ縁の姿。
 ――ヤツとももう長い付き合いだ。殺して殺されて殺して殺されて殺して殺された。焦土と化す大地と、満月が脳裏に浮かぶよ。


 ――あぁ、確かに。あんな姿、慧音の前でしたことは無かったかもね。


 「……あははははっ!!」
 不意に、自分でも思いがけず、大きく笑っていた。

 「いやぁー参った参った。すごいじゃない、緋想の剣。自慢にするだけの価値ある品だわ」
 それは天子と戦い始めてから初めての笑顔。
 そして、普段から滅多にお目にかかれない呵呵大笑だった。

 自慢の剣を褒められて天子も悪い気はしなかったようで、破顔一笑、
 「お気に召していただいたようで嬉しいわ」
 そう言って上機嫌になっていた。

 「いやぁ~正直あんまり期待はしてなかったんだけど、なかなか当たってて面白かったよ」
 ふぅ~、と大きく息を吐き、大笑いにケリをつける。


 「――そうだ。面白かったし、お礼をしないとね…………」


 まだ笑顔を残したままの彼女を――突然の熱風が覆う。

 その風は夜の森にはそぐわない熱気を孕み、上昇気流のように巻き上がりながら、木々の枝葉を激しく揺らす。
 熱に耐え切れなくなった葉から小さな炎が上がり、掻き消える。
 夏も末、緑葉にはまだ充分な水分が蓄えられていたが、そんなことなどお構いなく、熱風だけで灰燼と化していた。

 明らかに妹紅を中心として、巻き上がる熱風。
 ぐんぐん上がる温度。踊る長髪。
 チリチリと焦げる音。燃焼の匂い。


 そして――彼女の背中にうっすらと浮かぶ、炎の羽。
 その姿は、まるで不死鳥のように――――――


 「……やっと私相手に“オン”で戦ってくれるってことかしら?」
 天子は熱気に怯むでもなく、先ほどと同じ笑顔で妹紅に話しかけた。

 「オンオフ切り替えられるって言ってくれた矢先に悪いんだけどね……さっきまでのはどっちつかずの惰性でやってるだけだったんだ。なんせ初対面だし――輝夜の手先以外と戦う、ってのがちょっと久しぶりでね」
 語る妹紅の面持ちに嘘やハッタリは見られない。彼女の言うことは誇張無く事実なのだろう。

 「なるほど。あなたのオンオフの正体見たり、ってとこね。で、私はその輝夜さんとは関係無いのだけれど、いいのかしら?」
 答えはもうわかっている。だがあえてそれを尋ねる。
 妹紅は微笑んでいた顔で、さらに笑ってみせていた。


 「関係無いだなんて関係無い。せっかく占ってもらってご機嫌なんだ。思いっきり“敵”扱いしてあげるよ」


 元より烈火のような紅い瞳が、さらに紅く燃えている。
 チリチリと肌を焼く熱風にその髪を躍らせ、彼女は大炎を纏い――静かにその心を冷やしてゆく。

 「どうやら雨は降り出したみたいね……面白いじゃない!!せっかくの一期一会よ、あなたの千年磨いた戦闘術を余すところなく見せて頂戴!!」

 天子は自信満々にそう返し、持っていた緋想の剣を力強く一薙ぎしてみせた。
 彼女は自分の拙い戦闘術を差し引いた上で余りある“力”に絶対の自信を持っていたし、先ほどまでの妹紅との戦いにも自分優勢の確かな手ごたえを感じていた。

 ――これで“本気の”蓬莱人と戦える。私ってばツイてる!
 そう考える根底には、“それでも私の方が強いけどね!”という意識が見え隠れしている。

 そう――だからこそ。
 今も自分の方が強いと感じている彼女は、致命的な勘違いをしていることには気づけない。

 「じゃあ、わかってるとは思うけど一応言っておくよ?」
 笑った顔のまま、妹紅がおもむろに切り出す。


 「……ちゃんと生きててね?」


 そう言うや否や、天子の反応も待たず、彼女は標的目がけて飛び掛った。

 それはもはや、飛び掛ったなんて生易しい速度ではない。
 仕掛けられた天子からすれば、ほぼ無意識の内に妹紅が目の前にいた、という方が正確である。彼女の姿を目で追うよりも先に、妹紅の纏う熱が肌を焦がした気がした。
 弾丸のような――いや、もっと、雷のような速さで、彼女は天子の懐にいた。

 彼女は、自分で言ったことをよく思い返すべきであったのだ。


 『ひとたび敵を認識して戦闘になれば、苛烈に、無慈悲に、強烈に攻める』


 殺気をまとった拳が唸りを上げる。
 いつのまにか、その拳は炎で武装されている。


 天まで焦がす不死人の炎。
 地を焼き、月まで煙を上げるその火柱が上がったことで、第二幕――そして終幕のベルが鳴る。










   to be next resource ...
地震こえぇぇ……。
とりあえず身の回りも多少落ち着いてきたので更新です。
しばらく揺れすぎて酔いそうでした。もうホントしばらく揺れないでもらいたいですね。怖いし。

こんなタイミングですが、天子パートです。
今回かなり独自設定しちゃったんで、お叱りくらいそうな気もします。平にご容赦頂ければ……。
極力キャラだけは守っていきたいと思います。

戦闘描写が弱い・理屈語りが分かりにくい・もこたんの気質が雨系ってどうなの?・諸々ありましたらぜひ指摘してやってください。次回以降の糧にさせていただきます。
って、これ書いてる間も揺れるしね……。
皆様も、まだまだお気をつけ下さい。
ケンロク
[email protected]
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コメント



0.510簡易評価
4.70愚迂多良童子削除
地震で求聞史記が落ちて後書きが折れ曲がった上に机の上に置いてあった遊戯王のデッキに直撃しました(泣
なんか、すごい勢いで天子が死亡フラグを立てているような気がするw
次号に期待します。
6.100名前が無い程度の能力削除
このシリーズめっちゃ好きなので作者さんが無事でなによりです。
次回も期待して待ってます。
7.無評価ケンロク削除
どうにか無事でした。プラモの腕が折れたくらいで済みました……。
ご声援ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!がんばります!

>愚迂多良童子さん
求聞史記が頭の上とかに落ちてこなくて良かった!
天子のフラグは……