Coolier - 新生・東方創想話

結界

2010/12/12 23:03:47
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ごほりごほりと咳の音が篭った。
湿った音は二度、三度とかび臭い独房の壁を揺らしたが、すぐに静かになる。
石造りの部屋の中で静かに横たわる彼は森近霖之助。ここへ来るまでは道具屋だったことなどもあるようだ。
まったく、この部屋の中ではまともに時間の感覚すら掴めない。
ぐにゃぐにゃと行ったり来たり伸び縮みしているような錯覚すら覚える。

突然ではあるが、彼がここに来て数ヶ月が経過した時、新入りがやってきた。
実に太った新入りで、鉄格子に仕切られた隣の房に入ってきた。
のそりと動いてあてがわれた薄い布団の上に乗ったきり、体を横たえてしまい、静かに眠っている彼女の胸には一枚の名札が付いていた。
かすれて、ボロボロになってしまっていたため、ほとんど判別できなかったが、道具屋の本能からか霖之助は目を凝らした。

「ユ……カ…リ」

(ユーカリ?)

コアラか?
いや、違う、これは……。
そうか。そういうことか。
ふう、と霖之助がPesP(ぴぃえすぴぃ)を懐から取り出し、スイッチを入れる。
カチカチとしばらくいじっていると合点がいったように頷いた。
ラングロトラだ……。
この女、ラングロトラに似ている。
なるほどな。
ふう、と霖之助はPesPを置き、一息吐く。
すると、カチャカチャとみすぼらしい音を立てて、一体のロボットが入ってきた。

「コンニチハ リンノスケサマ」

兎形ロボット0-1000(レイセン)だった。
「ご飯かい?」
ご飯、という単語に反応したのか、アルマジロのように寝そべっていた女が顔を起こした。
「チガイマス ニッコウヨクノジカンデス」
「ふうん……、僕だけか?」
「ソウデス」
がちゃり、と鍵が外され、霖之助は外へ出ると正面から女を盗み見た。
が、女は既に興味を失ったらしく、寝息を立て始めていた。
「ハヤク イキマスヨ」
「ああ」




すぐ、隣の部屋、既に光が溢れていた。
陰鬱な独房と同じく石造りだが、上が光を通す素材で作られているため光が漏れているのだ。
「サア,ドウゾ オタノシミニナッテクダサイ」
ああ、と無愛想に応え直ちに服を脱いで、体を光に晒した。
「ヒカリハカラダニイイデスカラネ」
そして、腕をぐるぐると回し、柔軟を始めた。
ぐい、と足を開いたまま上を仰ぎ見る。
代わり映えのしない石の中に一つだけ嵌められた窓。
霖之助は皮肉をこめて、脳内で「嵌め殺しの窓」と呟いた。
そう。彼もまた嵌め殺しだったのだ。
いつか、よじ登って、あれがガラスかどうか確かめてやろう。
そうしたら、逆に嵌め殺しだ。
そう決意した瞬間、霖之助は大きく咳をした。

「ダイジョウブデスカ リンノスケサマ」
「あ、ああ、大丈夫、大丈夫だ」

そういいながらも霖之助の咳は止まらない。
0-1000の、ブレザーを纏った機械の腕が霖之助のむき出しの背中をさする。
これで今日の運動は中止だった。
そして、支えられ、半ば抱えられるようにしつつ霖之助はサンルームを退出する。

「オシショウサマノクスリヲモッテマイリマス チュウショクノアトニオノミクダサイ」

 分かった、という身振りをすると鍵をかけた0-1000のキャタピラの音が遠ざかっていく。
再び静かになった室内で霖之助は一人、恥ずかしさと悔しさを噛み殺しながら、無言で壁を見つめた。
 サンルームとは別の扉の方から何となく食事を作っているらしい、いつもの音が聞こえてきた。
 良い匂いも漂ってくる。
 ただ、今日は食べたくない。
霖之助は思った。
 隣の女は寝ているが、どうなのだろうか。
 きっと、食べるだろうから、自分の分をあげよう。
 それに、ご飯が来れば目も覚ますだろうから、その時話しかけてみようと思った。
ふう……!!!
何とか書き終わりましたよ~~~笑
ちょっと早いんですが、クリスマススペシャルってことでお願いします!
どうでしたか、今回はいつものシリアス長編路線はやめまして、霖之助の心温まるほのぼの巨編ってことで書いてみました。
クリスマスですし、たまにはいいかなあ。と。

………

………


!!!???????????

何だこれは……?
珍しく風邪を引いた霖之助が魔理沙を訪ねてお粥を食べさせてもらった霖之助が永遠亭を尋ねてそこでまた膝枕してもらったり雪を見て洒落た台詞をひねり出す描写はどこだ……?
え、え?
そのついでにマヨヒガに迷い込んじゃったりしてキスしたりしてチョコレートとか飛んできたりして「ちょっと早いけどクリスマスとバレンタインが一緒に来た気分!」とかいうシーンは!?

う、う、う、うわーーーー!!!!
間違えてしまった。
あ~~~、こりゃ多分あれだ。
あれだよ、あれ。
多分


・結界
・結核


嘘だろ……。たった一文字で台無しだよ……。
た っ た 一 文 字 の 間 違 い でハートフル巨編がサナトリウム文学になっちゃったよ~~~~~!!!

嫌だよ、俺、サナトリウム文学なんて……


福永先生ごめんなさいorz
yuz
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コメント



0.700簡易評価
2.80KASA削除
ラwwwwンwwwwグwwwwロwwwwトwwwwラwwww。

丁度モンハン3絶賛プレイ中だったので隣の壁ぶちぬいて大笑いさせてもらいました。
一文字間違い落ちシリーズ……またやらかすとは……出来ておる喃、yuz氏は……。
6.80名前が無い程度の能力削除
何だよこれはと読み進めていったら後書き何だよこれは。
吹いちまったじゃねえか。
7.90奇声を発する程度の能力削除
後書きwww
8.80名前が無い程度の能力削除
SFチックな滅亡物かと思ったらw
10.100yunta削除
100%バカ
12.90喚く削除
笑わざるを得ないんだよなぁ
14.90アン・シャーリー削除
大好き(笑)
でも前作のほうが好きなので90点にさせていただきます
16.100名前が無い程度の能力削除
始めっから結核と読み間違えていた自分の、やり場の無いこの気持ち(笑)
19.50名前が無い程度の能力削除
流石にね。
もう其の手には乗らん
25.70名前が無い程度の能力削除
我が道をいってくれ
26.10名前が無い程度の能力削除
東方でやる必要が感じなかったのが一点
後は最近このような手法が多くSSを書きたいのか
何をしたいのかわからないのでこの点数です
27.100名前が無い程度の能力削除
なんで笑っちゃうんだろうなあ
わけわかんねえよアンタ
32.50名前が無い程度の能力削除
もう後書きでしか笑えねえよ。