Coolier - 新生・東方創想話

ナズーリンデスク! スクープです!

2010/12/11 15:24:03
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ナズ星、星ナズの四発目です。
相変わらず拙作の設定を、ずるずると引いておりますが、そこはまぁ、適当に。
キャラ崩れ・自分設定満載ですので予めご了承ください。
糖分控え目、変態抑え目です。
とっ散らかり、詰め込み過ぎは【仕様】とご理解いただけたら幸いと思う
今日この頃、皆さん、どうお過ごしでしょうか?





「バオバブの木だね。珍しいな。
何の因果かは分からんが、外の世界から流れてきたのだろうね」

ナズーリンが隣に立つ寅丸星に話しかける。

二人が見上げているのは、大きな木。
高さはそれほどではない、ナズーリン十人分ほど。
が、太い。ナズーリン二十人で囲めるかどうか。

「前の世界で各地を回っていたとき、南方の大草原地帯で見たことがある。
なかなか興味深い樹木だよ。
面白い形の白い花をつけるし、大きな実はいろいろと食用になる、そのままではうまくはないがね。
樹皮は非常に堅固なので、簡単な加工で丈夫な綱として使える」

ナズーリンが薀蓄を語る。

「どっしりたした、落ち着きのある木ですね。
頑丈な佇まいは厳しい環境に耐えるためなのでしょうか」

寅丸星は、おっとりしているが、本質を見抜くことが多い。


【無名の丘】のはずれの草原地帯に忽然と現れた大木。

ナズーリンが手にしているのは、(文々。新聞)と(花果子念報)。

(文々。新聞)の見出しは、
【異変の前触れか? 悪魔の仕業か? 逆さまの大樹!】

バオバブの全景写真が、一面の四分の一ほどを占めている。

「相変わらずの先走った見出しだな。逆さまの大樹か、そう見えんこともないか」

バオバブの木は、その幹の太さと、枝の広がりがまるで根っこのような広がりを見せるので、
引っこ抜いた大木を、逆さまに突き刺したようにも見える。

幻想郷の著名人たちの見当はずれで、どうでも良さそうなコメントを散りばめながら、
謎の大木の出現について面白おかしく書いている。

どんな異変が起きるのか、イタズラだとしたら誰が何の目的で行ったのか、今後を見守りたい、と締めている。

そう書きながらも、よっぽどのことがないと追跡記事を書かないのは(文々。新聞)の特徴でもある。
制作者の飽きっぽさに由来するのだろう。

一方の(花果子念報)もバオバブの木を一面に取り上げていた。
(文々。新聞)と同じようなアングルの写真は、ライバル紙の半分の大きさもない。

そして発行された日付は二日遅い。
文字の多い紙面は、見栄えが良くない。ぱっと見、惹きつけられる部分が見当たらない。

以前の(花果子念報)は、扱う事件が明らかに後追いで、新鮮味のない内容だったが、
最近は独自に取材活動をしているようで、取り上げる事象は地味ながら、丁寧な記述が
ナズーリンの好みに合い始めていた。

(今回、発行が出遅れたのは、取材に時間をかけ過ぎたからかな?)

風見幽香と八雲紫へのインタビューが載っている。これは珍しい。
見たことのない木、フラワーマスターへのインタビュー。
突然の出現、境界の大妖へのインタビュー。

今回の事象に対する取材先としては間違ってはいない。むしろ適切。
ただ、その相手が、滅多なことでは友好的に応じてはくれないだけだ。

(よく話が聞けたな、ずいぶん粘ったのだろう、なかなかのものだ)

幽香からは【辛抱強い樹】【花が楽しみ】の二言だけ、もらったらしい。
紫は【今回はほとんど影響ない】と一言だけ。

そこから、植生、花の形状に対する推論が綴られている。
また、【今回は】を捉まえて、影響のあった出現が過去にあったのかどうか、意図があるとしたら、無いとしたら、
幻想郷に与える影響、可能性を記述している。

幾分偏りがあるものの、とらえ方に個性があり、良い意味で突っ込みどころが多い。

しかし、文章をこねくり回すきらいがあり、手垢のついたレトリックを振り回し過ぎることも鼻につく。
推敲も十分ではない。【であるが故に】が、一つの面に二回も使われている。

(惜しいな) ナズーリンの率直な感想。
(記事重視は悪くない。だが、紙面構成が地味すぎるから、よほどの暇人でもないと記事まで読んでくれないだろう。
もったいないな)

新聞をたたんだ【暇人】ナズーリンが、主人に笑いかける。

「ご主人、帰る前に一服していこうよ」

「いいですね。私、お団子の美味しい茶店を知っていますよ」

にっこにこ顔の寅丸に、ナズーリンが左手を差し出す。
寅丸がその手をとる。
お互いにやんわり笑いながら、ゆっくり歩き出した。

その団子が、いかに美味しいのかを懸命に説明する主人、優しく相槌を打つ従者。
陽が落ちるまでにはもう少し猶予があった。



二人が赴いたのは人里近くにある茶店。

暖簾をくぐろうとした二人の耳に飛び込んできたのは鋭い叱責。

「はたて! アナタ写真の流用はもうやめるって言ってたんじゃないの!?」

「今回は偶然よ! 取材相手だって、かぶっちゃいないでしょ!」

ナズーリンが持っている新聞、それぞれの編者だった。

「このアングルはどう見ても私の写真でしょ!」

「だから偶然だって! 私、自分で撮影したんだもの! 取材も時間かけたし!」

「取材対象がたった二人じゃ話にならないわ。内容だって相変わらずの妄想記事じゃないの!」

「なにそれ! 酷すぎない!?」

「端から【念写じゃなくて、実際にネタを集める】なんて、カッコつけなきゃいーのよ。
弱小のままでおとなしくしてればいーのよ! 大口たたくと、大恥かくわよ」

「そこまで言うの? ちょっと許せない!」

席を立つはたて、その動きにあわせて文も立ち上がる。


場の雰囲気を見かねて寅丸が口を挟む、
「お二人さん、もうその辺になさいませ。お店の迷惑になりますよ?」

きっ、と振り返った射命丸文は、
「命蓮寺の寅丸さん、ですね? 口出しは無用に願いますよ」

主人の忠言を無視されたナズーリンが黙っているはずもない。

「射命丸どの、久しぶりだね。話を聞かせてもらったが、いいがかりではないのかな? 
各々方の写真、アングルはほぼ同じだが、撮っている時間帯が違うようだよ、陰影を見ればわかるだろう?

射命丸どの、あまり下らんことに突っかかって狭量を晒すと、女っぷりが下がってしまうよ。
せっかくの星の数が減ってしまうことになるな」

ナズーリンは話しながら鴉天狗二人の間に、すっと、割って入り、射命丸に正対する。

「は? 星の数? なんですか? それ」

「おっとと、それはこちらの話だ。
新聞大会とやらが近いのだろう? 気が高ぶるのは分からんでもないがね」

「アナタには関係の無いことよ!」

営業用の【ガラスの仮面】が砕けた。

ニヤっと笑うナズーリン、底意地の悪そうな顔。

「射命丸どの、今回の内容は(花果子念報)の方が面白いよ」

「なんですって!?」

「一読者の感想さ、見てくれは派手な(文々。新聞)だが、じっくり読むには中身が薄すぎるね。
(花果子念報)の方が暇人ウケはするよ」

小柄なネズミ妖怪を睨みつける鴉天狗。

「へぇー、アナタは新聞の善し悪しが分かるんだぁ」

完全に見下した物言い。

「これでも私は前の世界でたくさん新聞を読んでいたのだよ。
その善し悪し、多少はわかっているつもりなんだが?」

「素人のくせに、それで分かったつもりなの?」

「素人か。でも、読むのも、面白さを判断するのも、その素人たちがほとんどだよ?」

そうだろう? とばかりに口元を意地悪くゆがめて首を傾げてみせる。

「ふん! それでも(花果子念報)はダメ新聞よ!」 

「(花果子念報)も、まぁ、もう一息だがね。
しかし、私が肩入れすれば、新聞大会でのランキング入りもたやすいと思うよ」

「ア、アナタ、舐めすぎじゃない!? ふざけないでよ!」

何年も挑み続けているのに、かすりもしない【ランキング入り】。
それをこんなに軽く言われるのは許しがたい。

「ならば賭けてみるかね? 発行部数と人気投票だったか? キミの新聞と、(花果子念報)、どちらがランキングで勝るかを」

現時点では、どちらもランキング入りを果たせていない。
順位を競うも何もないのだが、積年の目標には違いなく、文としては、食いつかないわけにはいかない。

「ふーん、面白いじゃない。それで、勝者の報酬は?」

「キミが勝ったら、寅丸星のセミヌードを独占スクープさせてやろう。

言っておくが、寅丸星の肢体は、異変を起こしかねんほどの爆発力がある。
保証しよう【セクシーダイナマイトが百五十屯】とは彼女のことだ。
幻想郷が上を下への大騒ぎになるぞ」

口をパクパクさせている寅丸星。

「あるいは、キミが知りたがっている情報、どんなことでも一つ、調べよう。
私は調査・探索のエキスパートだからね。できないことはほとんどないよ」

文はこの条件を、特に後半の条件を吟味している。
知りたいことはいくらでもある、自分では手が出せない案件も多い。
このネズミ妖怪の調査能力が別格であることは聞き及んでいる。
本当に情報を得られるなら悪くない条件だ。

返答を逡巡している文に対し、ナズーリンは反対側の条件を告げる。

「キミが負けたら、下着を穿かずに遊覧飛行をお願いするかな。
私は少し後ろを飛んで見物させてもらおうか。
私を少しでも振り切ったら、その都度に見物客を増やすからそのつもりで。

あるいは【山菜と果物の女体盛り】も良いな。
【痛ーい!】【おっと間違えてしなったな、これは葡萄じゃなかったのか、あっはっは】
って感じかな。ふむふむ」

見る見る顔が赤らみ、目を剥く射命丸。

「それとも、わかめ酒かな」

「なによ! わかめ酒って!?」

「わかめ酒を知らないのか? 新聞記者のくせに。自分で調べたまえ」

「し、知らない訳じゃないけど、なんでそんなことしなくちゃならないのよ!」

「負けること前提での交渉かね? ならば少しゆるくしてあげようか?」

わざとらしく哀れむような表情を作ったナズーリンに、
「そんなことない! 必要ない!」

「まぁ、お互い、なんでも一つだけ言うことを聞く、としておくかね? よろしいな?

はたてどのもよろしいね?」

はたてはうなずいた。

二人の応酬の間、姫海棠はたては、ナズーリンの背中、特に腰の辺りを凝視していた。

ナズーリンの右手は、腰の後ろに回されていて、はたてにだけ見えている。
手の甲を見せ、人差し指と薬指を軽く曲げ、あいだの中指を何度も深く折り曲げている。

中指が頭とすると、両手をついて土下座を繰り返すように見える。

何か訴えている。
文との余裕のあるやりとりとは裏腹に、なにやら必死な指の動き。

それを見て取ったはたては少し考えた後、二人の応酬を黙って見届けることにした。
どちらにせよ、このままでは収拾がつかないのだから。

そしてうなずいた。



【結果がすべてよ。忘れないで】

文は、そう、吐き捨てて飛び去った。


残された三人。

「姫海棠はたてどのだね? お初にお目にかかる。ナズーリンという。
こちらの寅丸星の【夜のおもちゃ】だ]

「ナズーリン!!」

「おっと、これは願望だった。今のところは寅丸星の【下着専門の洗濯係】に甘んじているがね」

「ナッ!ズー!リーン!! こらーっ!! 」

ナズーリンの冗談と寅丸の怒号に、困り顔のはたて。

「こちらの無理に乗ってくれて感謝するよ。私の合図を分かってくれたんだね」

ぎゃおぎゃお言っている寅丸を片手で制しながら、はたてに笑いかける。

「うーん、なにか事情があるように見えたからねー」

「君にとっても悪い話じゃないよ。まぁ、詳しい打ち合わせは明日にしようか。
評判のよい新聞を見繕って、命蓮寺に来てくれたまえ。
いろいろとびっくりさせてあげよう」



はたてと別れ、寅丸とナズーリンは家路についている。

「ナズーリンらしくありませんでした。
射命丸さんをわざと怒らせていましたし、その、なんだかとても下品でしたよ」

とがめるような口調の寅丸。
ナズーリンは気にせずに話し始めた。

「天狗は他の妖怪を見下している。これは習性と言っても良いね。
社会構築、技術力、独自の文化、自分達が持っているそれらを持たないモノを
下に見るのは仕方のないことだろう。
まぁ、格下のモノを支配しようと考えないだけ人間よりはマシだがね。
だから、元より彼女たちの人格までを否定するつもりはないさ」

軽く肩をすくめておどけてみせる。

「随分と突っかかってきたよね。新聞大会とやらが近くて気が張り詰めているのだろう」

「どうしてですか? なにか理由があるんですよね?」

少し疑わしそうな寅丸の質問。

「彼女に悪意はないにせよ、報道機関の力は侮れないよ。
特にここのような情報入手の手段が少ない狭い社会ではね。

捏造された話も、根も葉もない噂も、度重なれば馬鹿には出来なくなる。
早いうちに押さえておきたかったのだよ。

いずれは弱みを見つけるなり、協力体制をとるふりをするなりして、
ある程度こちらの制御下におくつもりだったからね。
意識改革も出来ればもうけものだ。

こちらの存在を認めさせるために少し痛い目に合わせてから、譲歩案を出そうと思っていたのだよ。
そのきっかけを探していた矢先だったから、願ったりかなったりだ」

得々と語るナズーリン。
主人からの賞賛を期待し、その顔を見上げる。
しかし、寅丸は前を向いたまま口をつぐんでいる。

「なんだね? ヒドい奴だと思ったのかい?」

力なく首を振る寅丸。
それを見て少し不安そうなナズーリン。

「なんと思われようと、やるよ、やってやるさ、見ていたまえ」

寅丸からの返事はない。

「嫌いになったかな? でもやめないよ、分かって欲しいんだが」

未だ返事をくれない主人、縋るように見上げる。

「ねぇ、ご主人」

手をつなごうと左手を差し出す。
が、その時、寅丸の右手は、顔を覆うためにさっと引き上げられた。
空を切った従者の手。偶々タイミングが合わなかっただけ。



並んで歩いていたはずのナズーリンが隣にいないこと気づいた寅丸が振り返る。

無表情で立ちすくんでいるナズーリン。

見開いた両目から涙がこぼれていた。次々と。
拭おうともしない。

寅丸が慌てて駆け戻る。

「ナズーリン!どうしたんですか!?」

「キラ、イ、ニ、ナラ、ナイ、デ、ワ、ワタシ、キ、キライニナ、ナラ、ナイデ、
ワタ、シヲ、キラ、イニナラ、ナイデ、ワタシ、キライ、ナラ、ナイデ」

ガクガクと震えながら、壊れた自動人形のように繰り返す。
虚ろな目からは涙が止まらない。

愛しい人の突然の変容に驚く寅丸。

「ワタシ、キライ、キライ、ワタシ」

「ナズ!! 違うんです!」

小さな体を思い切り抱きしめる。
ぜひゅー、ぜひゅー、と不安定な呼吸音
背中を優しく撫でながら、落ち着くのを待つことしばし。


やがて寅丸の良く知る、いつもの呼吸と心音に近づいてきた。

「ナズが他人を傷つけようとするのは考えがあってのことでしょう?
ヒドいことをするように見えても、必ずなにか意味があるでしょう?

でも、貴方が他人を傷つけようとするとき、いつも貴方の心はその何倍も傷ついているじゃないですか!
今回もそう、貴方はとてもつらそう。
私はそれが嫌なんです!!
貴方はなぜ、そこまでするんですか?
自分を傷つけてまでも、余計なことをしてしまうんですか!?」

抱きしめ返したナズーリンが寅丸の胸から顔を上げる。

「この場所や住人たちを、ご主人にとって、少しでも、快いように変えていければ、と思っているの」

ようやく聞き取れるほどの小さな声でナズーリンが言った。

「そんな、そんなことまで頼んでいませんよ! やりすぎです!
 そんなことで貴方の心が傷ついていくなんて、嫌ですよー!」

叫ぶ度に強く抱き、寅丸の目にも涙が浮かぶ。

「ナズ、ナズ、ダメです、もうやめましょう! 私、もう十分ですよー!」

自分のためにここまで周到に考え、その身と心を削る従者にして無二の恋人。
寅丸にとっては、この献身が痛い、そしてつらい。

抱かれたまま、さらに涙をこぼすナズーリン。
先ほどとは違い、柔らかい表情であったかい涙。

「あのね、ワタシを理解してくれるヒトがここにいるの。

愚かで、淫らで、ちっぽけなワタシなのに。

許して、包み込んで、優しくしてくれるの。

十分なの、これ以上、望むものなどないの。

ワタシ、ワタシ、もう十分、
なんと蔑まれようと、誰から嫌われようと、痛くも怖くも悲しくもないの。

だから、だから、そばにいてね? ワタシそれだけでいいから」

顔を上げたまま、主人をさらに強く抱きしめるナズーリン。

「星! ダメだよ!? 勝手にいなくなったら、ダメだからね! そばにいてくれないとダメなんだからね!!」

幻想郷の有力者たちがそれぞれに一目置く【小さな賢将】が、べそをかきながら、幼子のようにわがままを言う。
寅丸は、恋人が自分にだけ晒す【弱さ】と【脆さ】が愛おしく、何度もうなずきながら、
「ナズ、大好きです」

と何度も繰り返した。



ナズーリンはごまかすように、
「ご主人の放置系遊戯、半日どころか一刻ももたないとは情けない。
まったく、この私が貴方には泣かされてばかりだ。
ご主人は意外と加虐性欲が強いんだな」

いつもの冗談で混ぜっ返そうとしたナズーリンに、今回の寅丸は柔らかく微笑むだけ。

それを見たナズーリンは、
「ちぇー、ご主人にはかなわないな」

少しの逡巡の後に発した、小さめの声には、はにかみがたっぷり。

「あ、あのね、星、【大好き】【愛している】それ以上の気持ちはなんと言えばよいの、かな? 
ぜんぜん足りないよ、想いが伝わらないよ、弱すぎる」

「ナズ、私も十分です。貴方がいてくれれば十分ですから」

「ご主人、ずるいよ、それ、さっき私が言った言葉じゃないか。
自分の言葉で言いたまえよ。なんだかずるいよー」

そう言って頬を膨らませる。

むくれる恋人の頭を優しく撫でながら、満ち足りた表情の寅丸。




文の隠れ家。

犬走椛に、もたれかかって、だらしなく座っている文。
二人は表向き、仲が悪いことになっている。
そんな時期も確かにあったが、今は熱愛中。

今日の出来事を話している文。

一通り聞き終えた椛は少し考えた後、
「この度は文さまにも非があるような気がしますよ」

椛の意見に心の中で首肯する文。
確かに言い過ぎたと後悔はしている。
改めて写真を見比べれば、ナズーリンの言う、違いが分かる。
しかし、文の憤りはそこではない。

「信じられないわ、山菜の女体盛りや、わかめ酒ってなんのつもりかしら!?」

なにやら考え込んでいる白狼天狗。

「椛? ねぇ椛、どうしたの?」

「女体盛りとわかめ酒ですか」

「も、もみじ?」

「文さま!」

真剣な顔でのぞき込む椛にのけぞる文。

「はひっ!?」

「女体盛りとわかめ酒、どちらになさいますか?」

「えっ、どちらって、なんの二択なの?」

「私はわかめ酒ですかねー 文さまはくすぐったがりですから、
こぼれないように、がっちりお尻を掴んでおきませんとね」

「も、椛、あなた、な、なんであなたにそんなことしなくちゃならないのよ!?」

「お酒は冷たいの、熱いの、どちらになされますか?」

「えっ、また二択?」

「どちらにせよ文さまの肌温になりますが、
始め、ひゃっこーいのと、あっつーいのと、どちらにしましょうか?」

椛の【押し】に、文は抗えた試しはない。

「えとえと、熱いのは嫌だから、つ、冷たい方がマシなのかしら?」

「ではキンキンに冷えたお酒を注ぎましょうね。
三角の泉に、小さな氷も浮かべましょうかね。
我慢できますか? 氷が溶けるまで我慢できますか?」

ぐいっと顔を近づけ、たたみかける椛。

「が、我慢できなかったら、ど、どうなるの?」

不安そうな文。

「うっかり動いたら、冷たいお酒が大事なところに回ってしまいますよ。
私、余さず飲まなきゃなりませんしね。ええ。
その場合は、なに酒と言うんでしょうか?
ねぇ文さま、なんと呼べばいいんでしょうね?」

「えっ、しっ知らないわよ!」

「物知りな文さまが知らないわけないでしょう?
ねぇ、教えてくださいよ」

文の腹部に人差し指を、くりくりとねじ込みながら追求する。

「ちょっと、椛、くすぐったいわ、
知らないったら、知らない、ホント知らないわよぅ」

ぷしゃっ、と笑った。
この顔は【外】では絶対見せない、犬走椛だけが知っている射命丸文の無防備な笑顔だった。

「そうしていた方が可愛いですよ、喧嘩はよしましょうよ」

指を離し、両手で文を抱く椛。

「ナズーリンと言いましたか、なんだかそやつ、得体が知れません。
でも、えらく手強いような気がするんですよ。
ねぇ、文さま、敵対するのは、やめにしませんか?」

「そうは行かないわよ、私だって引けないときはあるもの。
はたてには言い過ぎたかもしれないけれど、あのネズミは生意気よ、とっちめてやりたいわ。」

「文さまは意地っ張りですね。
私はいつでも文さまの味方ですよ、頑張ってくださいね。

でも、戦うなら【敵】を知っておくべきだと思いますけどね」

椛の言はもっともだった。




翌日、文は今回の敵の情報を集めることにし、幻想郷の主要な場所で聞き込みを開始した。

最初は意外と情報の集まる博麗神社。

「ナズーリンですって? アンタ、【あの御方】のなにを知りたいの?」

「あ、あの御方、って?」

博麗霊夢の第一声は、文が用意していた【対応例】の枠外だった。

「あの御方は、よく参拝に来るわよ。
お賽銭、たっぷり持ってね。
普通のお賽銭は【かろーん、かこかこかこーん】だけど、あの御方のは【じゃんばらりんりーん!!】って感じ、
もちろん小銭ばっかだけど、量がスゴいのよ。初めてあの音を聞いた時は異変かと思ったわ」

参拝の作法として、それはどうなのか、は置いておくとして。

「そして必ず手土産を持ってきてくれるの。
お手製の和菓子。主人ってヒトが作っているらしいけど、おいしいのよー。
礼儀正しく挨拶してくれるしね」

「それだけで【あの御方】扱いなんですか?」

「たっぷりのお賽銭、おいしい手土産、礼儀正しい態度、それに無駄に長居しない。
至高の参拝客よ。私の中では【あの御方】なの。
それに素敵なお世辞も言ってくれるわ」

「お世辞? ですか?」

霊夢は祈るように手を組み、やや低い声で、

【幻想郷の守護者が、斯様に儚げで麗しい方とは。失礼、驚いてしまいました。
その優美で華奢な御手で平和を守っておられるのか。ああ、なんと健気なことでしょう】

【その気品、優雅さ、巫女さまは、実はどこぞの姫君なのでしょう?
私にだけこっそり真相を教えてはくれまいか?】

【仏門に帰依している身でありながら、信仰の心柱が大きく揺らいでしまう。
罪という言葉から無縁なはずの巫女さまの、唯一の罪はそのお姿でございましょう。
その罪、どのように償うおつもりか?】


「なんだか、鳥肌が立ちますね」

心底嫌そうな顔。

「いーのよ、お互いお世辞と分かって遊んでるんだから。
それに、言われて嫌じゃないし」

「きっと下心がありますよ」

「あるわよ。本人が言っていたもの」

「は?」

「私だって、変だと思ったわよ。だから、どうしてって聞いたら、
【この幻想郷において、博麗の巫女さまの力は最強。
その絶対者に媚びへつらっているのです。
有事の際、力を貸していただこうという下心の元、参拝に訪れています】ってね。
いっそ清々しいわ」

あきれ顔の文。そこまであからさまに告げられては、逆に何かたくらんでいる様にも思えてしまう。



「あら、噂をすれば影ね。あの御方が来たわよ」

慌てて隠れる射命丸。

竹箒を引っつかみ、さも、今まで掃除をしていたかの様によそおう霊夢。

階段を昇りきったナズーリンが霊夢を認め、
「博麗の巫女さま、ご機嫌麗しゅうございます。今日も御精が出ますね」

爽やかな笑顔で会釈。

「こんにちわ、ナズーリンさん。ようこそお出でなさいました」

霊夢はにっこりした後、口元を引き締め、目を精一杯開き、可愛い顔を作っている。

ナズーリンの参拝。

じゃんばらりんりーん

博麗の巫女は恍惚の表情。
やや上を向き、半眼のまま、肩をぶるっと振るわせ【はふー】


「巫女さま、本日は芋ようかんを持参いたしました。
どうぞお納めください。
此度の品、先月のものより、些か黒ずんで見えますが、ご心配は無用です。
主人が甘みに少々工夫を凝らしました。
手製の黒蜜を加えております。
見た目はやや暗くなりましたが、芋本来の甘みに加え、黒蜜のほんの少しの甘苦さは、緑茶との相性がよいこと請け合いです。
是非ご賞味ください」

穏やかに微笑んで手渡す。

「お心遣い、いつもありがとうございます」

視線を社に移し、少し照れた風情のナズーリン。

「今朝、源平葛の紅白の花が、陽と露をまとい、煌めいておりました。

そのあまりに可憐な様子に巫女さまを思い出し、居てもたてもいられず参上した次第です。

神職たる貴方様に懸想しているようで、なんとも罰当たりでございますが、なにとぞ御寛恕をいただきたい」

深々とお辞儀。

「まぁ、いつもお上手ですこと。いつの日か本気にしてしまうかも知れませんことよ?」

「ではその日を心待ちにすることにして、今日は失礼をいたしましょう」

「もうお帰りですの? お茶も召し上がってくださらないのですか?
いつもすぐに帰ってしまわれますのね。
ゆっくりとお話をしたいものです」

「ありがとうございます。そのお気持ちだけで、十分なご利益です。
心卑しいネズミ故、そのお言葉に甘えたら最後、帰りたく無くなってしまうに違いありません」

大げさに目を剥き、おどけてみせる。

「ご冗談ばっかり」

口に手を当てて、ころころと笑う

「ではこれにて失敬」

「あ、ナズーリンさん」

振り向くナズーリン。

「今日一日、貴方のご無事を祈らせていただきますね」

満面の笑みで応え、会釈するナズーリン。
そして、再び身を翻し、静かに帰って行った。



眉間に皺を寄せた射命丸が近寄ってきて、

「なんですー? いまのやりとり。とーっても気持ち悪かったんですけど?」

「んなこたぁ、わーってんのよ」

いきなり伝法な口調に戻る霊夢。

「清楚で麗しい巫女さま、その巫女さまに気があるんだけど、きちんと言い出せない小洒落た紳士。
そんな感じの即興劇ってところかしら?」

「自分で清楚とか言っちゃうんですか?」

「だーかーらー、役を楽しんでいるんだってば!
お互いボロがでないうちに、さっさと終わらすワケよ」

口元を引き締め、少し真面目な表情の霊夢。

「あのやりとりの間、私は清楚で可憐な博麗の巫女さま、なんだもの。
悪い気はしないわ、お賽銭もお土産もあるし、【巫女さま】扱いだし。
冗談にせよ、あんな風に私を扱ってくれるのって、【あの御方】だけだもの。

博麗の巫女、ってことになっているけど、正直ピンとこないで今までやってきたの。
異変解決、妖怪退治、やっているときはそれなりに集中しているけど、
終わった後、ここに帰ってきて一息ついていると、
私って何だろう? 博麗の巫女って何だろう? って思うときがたまーにあるのよ。たまーによ?

嫌になるわけじゃないけど、空っぽになっちゃう感じって言えばいいのかしら? 私と【博麗の巫女】が重ならなくなるって言うか」
 
それまで淡々と語っていた霊夢が文に向き直り、少し表情を崩し、照れくさそうに再開する。

「そんなときに正面きって【博麗の巫女さま】と呼んでくれたのが、あの御方なのよ
はじめはもちろん胡散臭さ爆発だったけど、本気っぽいし、本音も話してくれたし、
まぁ、いいかって感じだったけど、言われる度に、私、ここの巫女なんだなー、と、博麗霊夢なんだなー、と少し落ち着くの。
だからなに、って訳じゃないし、偶然なんだと思うけどさ。

初めてよ、ホント初めて。くすぐったいけど、嬉しいのよ。
洒落でもいいのよ。楽しいもの。下心? 構いやしないわ。

まぁ、結界を壊せとか、誰かを封じろとか言われたら、そりゃしないけれど、
特に問題が無い範囲だったら、最優先で応えたいわねー」

少し間を取り、文の顔をじっと見つめる。

「例えば、あの御方に【鴉のブン屋が目障りです。懲らしめてもらえませんか】と頼まれたら、
二つ返事でやっちゃうかもね?」

そう言って意地悪く笑う霊夢。
少し青ざめる文、冷や汗が首筋を伝う。

「そんで、あの御方のなにを聞きたいんだっけ?」

「いえ、あの、もう結構です」

そそくさと飛び去る文。



寺子屋がはねた夕刻、上白沢慧音と藤原妹紅は夕餉の支度をしていた。
射命丸文の問いかけに支度の手を止め、寄り添って文に向き合う。

「尊敬できる学者にして、知識を伝える術に長けた熟練の語り部、賢者と呼ばれるに値する人物だ」

過剰な修辞に満ちた慧音のコメントに対し、妹紅は一言。

「素敵な先生」

最上級の賛辞、ほとんど参考にならないコメントに文の顔はあからさまに曇る。

その反応を見た妹紅が警戒し始めた。

【先生になにをするつもりなのか】

警戒色は攻撃色に変わりつつある。

藤原妹紅は【素】の戦いにおいては最強クラス。
本気でふっかけられれば、鴉天狗といえども、無傷では済まない。

文へ向けた視線をまったく動かさない妹紅。
ほんのわずかなやりとりの間に、場は息苦しい緊張感に包まれる。


「妹紅、怖い顔だよ」

そう言って慧音は妹紅の髪を優しくかきあげ、耳たぶを、かぷっと噛んだ。

「ひゃううん!? け、慧音!」

張りつめていた【気】が、すぱーっと霧散した。


「今夜は【ほ】の3番で遊ぼうか?」

「えっ? 【ろ】の2番じゃなかったの?
それに、【ほ】の段はしばらく封印するって言ったじゃない」

「今日は特別だ。急ぐ仕事もないし、明日は寺子屋、休みだしね。
3番から5番に飛んでも良いよ」

「ご、5番!? 初めてよね!? 慧音、大丈夫なの?」

「ああ、頑張るよ。今夜は私の底力を見せてあげるからね」

軽くウインクする慧音。

「じゃ、じゃぁ、私、支度してくるから! たくさん集めてくるから!
慧音! ご飯のこと、後お願いねー」

言いながら走り去る妹紅。

こんな時間から支度する遊びって?
遊び方の区分、番号付けって?

文にとっては、聞きたいことは山盛りだ。
しかし、明らかに妹紅を退出させるための方便を施してくれた慧音に礼を言うのが先だ、と口を開く前に、

「さて、言いなさい。ナズーリンさんになにをするつもり?」

目が座っている。
妹紅のとき以上に恐怖を感じる文。

妹紅の怖さが、純粋にその戦闘力による迫力とすれば、今の慧音の怖さは単純な【力】とは異なるものだった。
戦えば容易に勝てるはずなのに、仕掛けようとする気力すら押しつぶす、正体の知れない圧力。
それは、今の文を竦ませるには十分だった。

文は図らずも【競争】のこと、相手の情報を得ようとしたことをしゃべっていた。

「そうか。面白いことになっているのだな」

相好を崩す歴史学者。

「陳腐な言い方だが【血涙を流すほどの努力】を何百年も積み重ねて掴み取った、限りなく真実に近い知識と、
熟集された経験則、それを巧みに操る実践行動。
その【力】の一端に触れられるだろう。
良い学びの機会を得たな。僥倖なことだ」

この教師が自分よりずっと若いことは知っている。
なのにいつも気後れしてしまう。
経てきた【生】の濃度の違いなのか、かなわないと思ってしまう文だった。
だが、学びの機会と言われても、理解したくは無い。
負けること前提で【勉強させていただきました】と言わされる展開には我慢できない文だった。



紅魔館では当主とその妹がテラスで紅茶を喫していた。


「一言でいうなら、恩人、かしら?」

怪訝顔の妹に優しく微笑みかける。

「私たちにとってのね」

以前になにか絡みがあったのだろうが、それ以上を聞き出せる雰囲気ではなかった。


退出際、十六夜咲夜に呼び止められた文。

「貴方がなにをしようと興味はないけれど、忠告してあげるわ。
【快傑ナズーリン】にちょっかいをかけるのなら、覚悟なさい。
必ず痛い思いをするわよ。
想像できる最悪の状態、さらにその三倍以上のダメージを受けると覚悟なさい」

そこまで言った咲夜は少し表情を綻ばす。

「何かあったんでしょ? 状況が許すなら、早いところ謝っちゃいなさいな。
根は優しいヒトだから、きっと許してくれると思うわよ」

しかし、今さら頭を下げるわけにはいかない文。

「そうはいきませんよ」

むっと言い返した文。
咲夜は、軽いため息のあと、

「それならば最後にもう一言だけ。
紅魔館当主【レミリア・スカーレット】は【恩人】に害をなそうとするものを決して許さないでしょう」

一拍置いて、
「そして、この私もね」

一瞬だけ文をねめつけた後、その視線を、にこやかに話続ける吸血鬼の姉妹に戻した。



魔法の森では黒白魔法使いと人形遣いがキノコ採りに勤しんでいた。

「んー、アイツか、ヤな奴だぜ。いろいろ余計なことまで知っているし、悪知恵は働くし、嘘つきだし、詐欺師だし、
エッチだし、変態だし、痴女だし、変態だし」

「変態って、二回言いましたよ?」

「二回? そうか、それじゃ足りないな、追加するぜ。アイツは【ド変態】だ」

「ちょっと、魔理沙、言いすぎでしょ? そんなに悪いヒトじゃないわよ?
やり込められたからって、
ヒドいこと言っちゃダメよ」

アリスの言葉を聞いた文は内心驚いている。

【この傍若無人な霧雨魔理沙をやり込めた?】


「ふん、いつか泣かせてやるぜ」

「絶対、貴方が泣かされるわよ。今の貴方がかなう相手じゃないわよ」


なんだかんだで幻想郷ではそれなりに認められている霧雨魔理沙。
その魔理沙を良く知るアリスが【かなわない】と言っている。

今までの聞き込みからして、単なる戦闘力の話ではないことは明白。



山の神社では顔を知っている程度。
永遠邸、白玉楼では【誰? それ?】

交友範囲にムラはあるが、ある程度接触した先には強烈な印象を与えている。

椛の言っていた【得体が知れない】その力の正体がおぼろげに見え始め、楽観主義の文も不安を感じていた。
だが、後には引けない。



命蓮寺にやってきたはたて。
入り口付近にいた一輪は黙って頷いて通した。
申し送りがあったらしい。

社務所の入り口でナズーリンが待っていた。

「ようこそ命蓮寺へ。 姫海棠はたてどの、これからよろしくな」

「はたて、で結構よ」

「では、はたて君」

「なんだか堅苦しいなぁ。アナタのことはナズ、でいい?」

「いや、それは困るな」

「んー、じゃ、デスクってことで。ナズーリンデスク、よろしくお願いしまーす」

余裕のあるはたて。
からかい半分でナズーリンを【デスク】と呼んだが、この呼称は終生、変わることはなかった。


はたてにあらかじめ用意させていた天狗の新聞。
人気があるとされている数紙に目を通しながら、話しかける。

「キミの新聞が何故、評価されないのか、分かっているかね?」

「それは今までが後追い記事で、新鮮味が無かったからでしょ? あと、写真もイマイチだしねー」

はたての念写能力は、既存写真の検索に限定される。
他紙で大きく掲載された写真をそのまま使うことには、さすがに気が引けるので、
ベストと思われる写真の前後に撮られた、ボツ写真を流用することになる。
これでは【イマイチ】も当然、出遅れるのも当然。

「それが原因だと思うわけだね? はたて君は」

「ナズーリンデスクは、違うって言うの?」

だからこそ、自分の足で、羽根で、取材を始めたのだ。

「違わないが、それだけではないな」

紙面から顔を上げ、はたてを見るナズーリン。

「まず、紙面全体が地味だ。
写真の選択も良くない。
記事の配置に工夫が感じられず、適当に並べただけに見える。
推測で終わる内容が多すぎて、記事そのものにも説得力がない。
そもそも取り上げる題材に面白みが少ない。
まぁ、こんなところかな」

一瞬、呼吸も出来ずに固まったはたて。
けちょんけちょん、とはこのことだ。
なにか言い返さなければ、と頭の一部は激しく回転しているのに、何も出てこない。

ナズーリンは続ける。

「写真だけで事件の内容と状況を推理し、記事にするのだから、ピントのずれた大ハズレを書いてしまうことも多いな。
妄想新聞と呼ばれても仕方ない。
こんなレッテルを貼られてしまえば、たまに気の利いたことを書いても、軽く読み飛ばされるのがオチだろう」

心臓を直接掴まれた。
確かに、ハズレ記事を書いて、いたたまれなくなったことは何度もあった。
【妄想新聞】と面と向かって言うのは文だけだが、仲間内では、
半ば【かわいそうなコ】扱いされつつあることは、自分が良く分かっている。
だからこそ、だからこそ、自分の足で、羽根で、取材を始めたのに。

悔しくて、情けなくて、恥ずかしくて、泣きそうな姫海棠はたて。

しかし、これだけ好きに言い放ったネズミ妖怪には、不思議と怒りを感じない。
このネズミ、ナズーリンデスクが自分に向けている視線は、真剣そのもの。
揶揄や軽蔑などの愚劣な感情は微塵も感じられないから。

「はたて君の能力は【念写】だったな」

力なく頷くはたて。

「その力も、かなり限定されているよね? 自由自在に遠隔地の情景を撮影できるものではないのだろう?」

また頷く。

「ならば、その能力で撮った写真は、常に二番煎じということだ。
その写真を掲載し続ける限り、(花果子念報)はダメ新聞と呼ばれ続けるだろう」

はっと、顔を上げるはたて。

「そ、それじゃ、私の能力って、何の役にも立たないじゃない!!」

取材を始めてから、自分でも感じていたことだった。
他人より唯一優れていると信じていた【能力】。
でも、それは価値の無いものではないのか、という疑問。

そして今、はっきりと告げられた。
やはり、そうだったのだ。

もう、涙をこらえるのは無理だった。



「はたて君、キミの【念写をする程度の能力】なんだが」

もう能力の話は聞きたくないはたては、首を振る。
ツインテールが顔にまとわりつき、未だ納まらない涙が飛び散る。

「使い方が間違っているんだよ」

使い方? 首を振るのをやめるはたて。

「【能力】は使い方次第だ。キミは自分の【能力】を活用しきれていないんだよ」

顔を上げたはたては、滲む視界にナズーリンをとらえる。

「写真を検索するとき、キミは自分の撮った写真は判別できるのかな?」

その質問には自信を持って答えられる。
理由は分からないが、自分がとった写真だけは絶対に間違いなく分かるはたては、大きく頷く。

「ふむ、やはりそうか。素晴らしい」

素晴らしい? なんで? 

「キミが、ある事件の写真を検索したときに、キミの写真しか出てこなかったとしたら、それはどういうことかな?
キミしか写真を撮っていないということだろう? 
多くの記者が撮った事象でも、検索すれば、他とはかぶらないアングル、タイミングの写真をじっくり選定できるよね。
また、ある事象の写真を探してみたら、ロクな写真がなかったとする。
それなら自分でもっと良い写真を撮りに行けばいい。
写真でオリジナリティを発揮するには、これほど使いでのある能力はないだろう」

「あ、あ、あぅ」

それまでの閉塞感から、一気に大空へ放り出されたはたては視界が広がりすぎて言うべき言葉が出て来ない。

「それもこれも、自分で取材し、自分で撮影することが大前提なのだが、はたて君は、それをする覚悟をすでに決めているのだろう?
記事の内容を重視したい。結構だ。
しかし、キミは写真でも圧倒的な個性を発揮できるのだ」

がだがたと体をふるわせているはたて。

「誰にも撮れない個性的な写真! 魅力的な記事!
私は新生(花果子念報)を読みたいな! 姫海棠はたての新聞が読みたいぞ!
作ってくれるよね!?」

「はっ、はいっ!! はいっー!!!」

新たな涙は、先刻とは全く違う色だった。



はたてが気を静めるまで半刻ほどかかった。
その間、様子を見に訪れた寅丸が、泣き顔のはたてを見て、慌ててお茶を入れたり、お菓子をすすめたり、
愛想を言ったり、と大忙しだった。

ナズーリンは苦笑いを浮かべながら、主人を下がらせた。
目配りだけで【あとは私の仕事、任せてダーリン】と伝える。


ナズーリンが、新聞大会で上位に入っている新聞を広げながら話し始める。

「はたて君、天狗の社会もなかなかに閉鎖的だな。
そもそも寿命が長い種族だから、面子の入れ替わりが少ない。
読者層も好みの傾向も変わりにくいということか。

スクープといっても、全部天狗社会の中でのことだ。
内輪のやらせくさいし、出版される書籍への評論も打ち合わせ済の感が否めない。
叩かれ役も予め決まっているようだし、総じて台本通り、って感じで面白くはないな。
文章は洗練され、整っているが、突っ込みどころが無いから、逆に読後感が薄いがね。
そんな中に新参のキミが入っていって、ランキング入りを目指すのだから、苦労するだろうね」

はたてもそのことは理解している。
ランキングには天狗社会特有の面倒な序列や慣習がはびこっていて、一筋縄ではいかない。

「キミのライバル、(文々。新聞)だが、取材対象は天狗社会ではない。
それ以外、幻想郷全体に活路を見出しているよね。随分と思い切ったものだ。
勇気が要っただろう。ここは認めなければいけないな。
はたて君は、そんなところにも魅かれたんだろう?」

素直に頷く。

「さて、(花果子念報)の方向性をハッキリさせておこうか。
今回の目標はランキング入りだから、天狗社会をターゲットにするのが近道だろう。
それともあくまで(文々。新聞)、射命丸文にこだわるかね?」

「私、文との対抗新聞同士(ダブルスポイラー)を目指します」

即答したはたて。

「やはりそうか。その意気やよし! 私もその方が力の貸しがいがある」

そう言ってニッコリ笑うナズーリン。



その晩は、ナズーリンの居室で打ち合わせが行われたが、八割方はナズーリンによるテコ入れのための講義だった。

(キミの考察はわるくない。大掛かりな事件をじっくり追うことに向いていると思う。
単発記事より連載記事で力を発揮できるだろう)

(でも、実は小ネタがいい味だよね。美味しいもの紹介、頑固職人への取材、言い伝えの検証、十分にシリーズ化できる質だ)

(写真と見出し、大事だ。内容を読んでもらうためにも【キャッチ】には力を入れなくては)

(自分でこまめに配達すること。 読者の感想を直接聞くんだ)

(記事の内容で勝負したいのだろう? ちょっとした小細工だが、記事の途中、目を惹かせたい単語を大きくするというのもありだ。
やりすぎると紙面がうっとうしくなるがね)

(妄想記事だって悪くないよ。【青文字記事】って知っているかい?
青い文字で、あやふやなこと、危ないこと、ヨタ話、妄想を思いっきり使って書くのさ。
ツッコミ上等、クレーム上等でね。
青文字で書かれた記事は【本気にしたら野暮ですよ】と隅っこにでも注釈をつけておけばよいから)

はじめはびっくりするだけのはたてだったが、途中から懸命にメモを取りだした。

「やってみます! デスクに教えていただいたこと、全部ためさせてもらいます!」

いつの間にか言葉遣いが改まっていた。



はたては朝食をとらないことが多い。
引きこもりの頃は体を動かさなかったため、食欲が湧かず、それが当たり前になっていた。 

打ち合わせの翌日から、はたての生活サイクルは大幅に変わった。

朝一番、命蓮寺にナズーリンを訪ねることから一日がスタートする。

その日の取材計画を確認するためだが、初日、朝食をとらない習慣を寅丸に咎められ、
早朝の参詣者向けに彼女が作っている汁物を一杯だけ貰うようになった。

季節の野菜たっぷりの味噌汁、牛乳とジャガイモとトウモロコシのスープ、
薫製肉と赤ナス(トマト)とタマネギのスープなどが日替わりで供される。
抑え目の味付けと、細かく刻まれた素材は朝のお腹に優しく、一口ごとに活力が湧いてくるようだった。

日中は飛び回る。ナズーリンが同行することもあるが、ほとんどは一人だった。
昼食は取材をかねて各地の食事処を利用するが、取材場所によっては、ままならないこともある。
そんな時は寅丸がお弁当を持たせてくれた。
これは朝の確認時にナズーリンが手配してくれるからだった。 

内容はおにぎり三つ。
ナズーリンと同じものですけど、と寅丸に聞かされたはたては嬉しくなった。
朝とは違い、はっきりした味付けを施されたおにぎりは、ちょっと疲れた体にちょうど良い。
ちらし寿司をにぎったもの、菜っ葉漬けや薄切り肉で巻いたおにぎり、このあたりがはたてに涙を流させた。

夕方は、家で取材内容の確認と原稿の作成を行う。
しばしばナズーリンが訪れ、徹夜仕事になることもあった。


最初にナズーリンがはたての部屋を訪れたのは、打ち合わせの三日後だった。

一緒に取材をした夕方、細かいネタがいくつかまとまりそうなので、一気に【割付】までやってしまおう、
とナズーリンが言ったことがきっかけだった。

「時間が惜しいな。はたて君の家で詰めようか」

はたてはびっくり。

「え? わ、私の家ですか?」

「だって、ここからならキミの家の方がずっと近いだろう? それに道具もあるんだから、すぐできるじゃないか」

はたては今まで同族以外、部屋に入れたことはなかった。
それも、数えるほどしかない。

「あの、スゴい散らかっているから」

「キミらが言うように、私は単なるネズミだから、どんなに散らかっていようと気にならんさ」

「そんなつもりで言ったんじゃないんですけど」

恐縮しているはたて。彼女の中ではとっくに単なるネズミから、敬慕する【デスク】に昇格している。

「さ、行くぞ。案内したまえ」


長い時間を過ごした部屋。
都合の良いように少しずつ変えていった家具、道具の配置。
整理整頓されているようには見えない資料、書籍の山。

心の拠り所であった、歪な【城】は、他人が見れば乱雑で異様な空間に見えるはずだ。

見られたくない、と思いつつも、笑いも呆れもしないで受け入れてくれるのはこのヒトだけかも、と期待した。 


はたての部屋を見渡すナズーリン。

「いいね。居心地のよい部屋だね。
この家は、この部屋は、はたて君をずっと守ってくれていたのだな」

そう言って柔らかく目を細める。

このヒトは理解してくれた。
孤独と無為の長い時間を過ごした部屋を、自分ごと受け入れて理解してくれた。

小柄な先達に思い切り抱きついたはたて。
共に崩れ落ちる。

「デスク、私、私は!」

ナズーリンは、はたての頭襟をずらし、ゆっくりと頭を撫でる。
何も言わない。

「私、新聞記者の【資格】は取ったけど、外にでるのが面倒で、
いえ本当は恐くて! 今までずっと一人で! これじゃいけないって! 
わかっていたのに動けなくて! でも、でも! やっと外に出られて!」

自分でも驚くほど溜めていたものが支離滅裂に噴き出す。

ナズーリンは、その小さな胸にはたての頭を抱え込んだ。
顔正面をふさがれ、しゃべることもままならず、おとなしくなったはたて。
どちらも何も言わない。


はたてが目を覚ましたのは翌朝、自分の布団の中だった。
いつ眠ってしまったのか記憶がない。
辺りにナズーリンの気配はなかった。

ナズーリンに抱かれたまま、気が抜けて眠ってしまったのか。


身支度をして命蓮寺へ、と飛び立つ。


「おはようございます。
デスク、あの、昨日はすみません、ありがとうございました」

一瞬、昨夜と同じく柔らかく目を細めたナズーリン。
一つ頷き、すぐにいつものポーカーフェイスにもどる。

「今日からビシビシいくよ。覚悟したまえ」

「はい!」



印刷所を見たいと言ったナズーリン。

だが、印刷に関する一連の行程は、天狗社会の秘密なので明かすわけには行かない。
そのことを申し訳なさそうに告げるはたて。
ナズーリンは【それも当然か】と追求しては来なかったので、ほっと胸をなでおろした。

しかし、原稿に対する追求は容赦がなかった。

「記事の内容で勝負と言ったのはキミだろう、ならば妥協するな! ぬるすぎる! 
無駄が多すぎる、もっと削れ!」

「【そう思われる】ってなんだ!? 確証を掴んでこい! 想像と手抜きは違うぞ! 紙面を真っ青にするつもりか! 
さぁ! 今から行ってこい! 納得できるまで帰ってくるな!」

「は、はいっ!」

慌てて飛び立つはたて。


はたてが帰ってこられたのは日が出始めた頃だった。

ナズーリンは腕組みをしたまま待っていた。

「納得いったのか?」

頷くはたて。

「よし、ならばすぐに書きたまえ」

疲れた体に鞭を打ちながら書き上げた原稿を見せる。

「また【思うに】が入っている! 一般記事に自分を半端に出すなと言っただろう! やり直せ!」

半べそをかきながら書き直すはたて。

小柄なデスクは半端仕事を即座に見抜いた。
少し手を抜こうと考えたとき、楽をしようとしたときに限って雷が落ちた。

それでも、はたては嬉しかった。
こんなに真剣に自分と向き合ってくれたヒトは初めてだったから。
本気で叱ってくれるヒトは初めてだったから。


資料、文献の確認が必要になり、
二人は紅魔館の大図書館を訪れることにした。

ナズーリンが図書館を訪れるのは初めて。
はたても少し緊張している。

門番に名を告げ、用件を伝えると、しばらくしてメイド長が出迎えにあらわあれた。

「ただいま図書館内を迎客仕様に整えております。
もう少しおまちください」

単にレミリアがパチュリーに【私の正式な客として接遇して】と言いにいくだけなのだが。

ナズーリンが小さく手を振ると、メイド長は、にまーっ、と口角を上げ、目尻を下げた。

はたては、瀟洒で冷徹と評される完璧従者の表情が、柔らかく崩れる様に驚いていた。



やがて紅魔館大図書館の扉をくぐった二人。

胡散臭そうに二人を見ているパチュリー・ノーレッジ。

当主から丁重に接するように言われているので仕方なく通したが、
本心は【さっさと済まして帰って】に尽きる。
それでなくとも、招きもしない迷惑な来訪者が多いからだ。


ナズーリンは最初に手を洗う許可を求めた。

手を洗った後、本の取り出し方、開き方、ページのめくり方までを、
小声ではたてにしつこいほど指導するナズーリン。

パチュリーは自分の支配下である図書館内の音声はすべて聞き取れる。

あのネズミ妖怪は一角の知識人、常識人と見て良さそうだと判断した。


小柄な妖怪が、派手な服装の烏天狗に説教をしている。

【知識は無駄にならない。振り回されてはいけないし、それが全てと過信してはならないが、
使い方を間違えなければ、とてつもなく大きな力となる。
知識は全能の空へ至るための片翼と知るのだ。
くだらん本もある、だが、本にする時点で多くの思い、労力がそこに在る。
決しておろそかにしてはならない】

見てくれは浮ついた感じの天狗だが、ネズミ妖怪の言葉を心に刻み込むように一つ一つ真剣に返事をしている。



【凄い、凄い】と震えながら読み漁るはたてを見守るナズーリン。


デスク、この本を書いたヒト、スゴいですよ!
何故そう思う?
だって、この最後の三行を書くためだけに、この作者は、おそらく八年も検証を続けたんですよ? スゴいです!
ほう、そこまで読み取ったか、その気持ちは大事に持っていたまえ。
だが、あまり入れ込みすぎると【書物の罠】に捕らえられてしまうよ。
常に冷静で懐疑的な分身を、そばに置いておくのだよ。
それが書物から知識を得るコツだ。


この二人のやりとりは、半ば書物に殉じているパチュリーにとって、
心の大事な部分を優しくくすぐられるような感じだった。


「ノーレッジ館長、私、また来ても良いですか?」

「そんな風に呼ばれたのは初めてね。でもパチュリーで結構よ」

「はい、パッチェさん」

ナズーリンがはたての脇腹を肘で小突く、
「こら、馴れ馴れしすぎるぞ!」

「は、はい! さーせん! パチュリーさん!」

わずかに顔を引きつらせた大図書館の主だが、この妙に愚直な知識探求の徒を気に入り始めていた。

それからは単独で図書館に訪れるはたてに、自ら茶をすすめるようにもなった。 


ある日、霧雨魔理沙が襲撃した際に居合わせたはたては、数発の光弾をその身に受けながらも最後まで抵抗した。

貴重な知識の集大をなんで勝手に持ち去るのよー、
その本に込められた思いが分かっているの? なんでそんなに乱暴に扱うのよー、
こんなに丁寧に分類整理された【知恵の泉】をなんで勝手に滅茶苦茶にするのよー、
やめてよー、返してよー、
涙ながらに訴え、喰らいつき、強盗魔女を怯ませた。
そして結局、手ぶらで退散させた。

その日、パチュリー・ノーレッジは、傷を負った書物の守護者、姫海棠はたてに自ら手当を施した。
そして図書館への出入りの自由と、無制限の貸し出し許可を与えた。



簡易な服装の寅丸が、はたての家の厨房で夕餉の支度している。
楽しそうに、ふんふんと鼻歌交じりに総菜を仕上げていく。

ナズーリンがはたての家で夜を過ごすときは、寅丸が夕食を作りに来た。命蓮寺の夕食の後、食材を持って飛んでくる。

【私もお手伝いさせていただきます。ほんのちょっとですけど】

凝った料理ではないが、心を尽くしていることは、朝と昼、何度も味わっているはたてには分かる。
後の手間が少ないように、小どんぶりや、うどん、はさみ餅などが用意された。どれもやんわり、しっかりと美味しい。

帰り際、はたてに隠れて口づけを交わす主従。
バレバレなのだが。

日々の精進で、ナズーリンにドヤされることが少なくなってきたはたては、
思ったことをはっきりと言うようになってきた。
かといって、敬愛の念が薄れているわけではなく、逆に日に日に増していっている。
もっとデスクの近くに行きたい、もっと教わりたい。
かなり純粋な思慕だった。


「あの、デスク」

「なんだね?」

「今更ですけど、寅丸さんって、ものスゴッく綺麗な方なんですね。
それに優しいし、いつも穏やかで、なんだかそばにいるだけで心が落ち着きます」

「ふむ、審美眼は正常だな」

「寅丸さんはデスクのこれなんですよね? いいなー」

小指を立てるはたて。

「はたて君、品がないな」

顔をしかめるナズーリン。

「だってー、あれだけの女性は初めて見たんですもん。
見てくれが綺麗な人なら他にもたくさんいますが、
なんていうか、芯が綺麗っていうか、超あったかいっていうか、
ひたむきで、可愛らしくて、自分の全部を捧げてもOKっていうか、
たまりませんよねー」

「はたて君、よもやキミは」

「あ、もちろん分かってますよー、寅丸さんってば、基本【デスクありき】ですからね」

「そ、そう見えるのかな?」

「なに言っちゃってんですか? 寅丸さんは誰にでも優しいですけど、
デスクに対するときは【優しさ】オーラが全然違うじゃないですか」

ナズーリンはどぎまぎ。

「ご、ご主人のオーラって、よく分からないな。詳しく説明したまえ」

「普段は、ご自分の周りに、うっすらまとっているだけですけど、デスクがそばにいるときは、
デスクごと包み込むくらい、オーラがブワーっと大きくなりますもん。
ラブラブフィールド全開! って感じ。正直、弾き飛ばされそうですよー」

「そ、そーなのか」

はたてに返事をしながらも、ナズーリンは上の空。

「それに、いつもゆったりした服装だから分かりにくいんですが、
いわゆる【ナーイスバデバデ】ですよね? それも超特級品ですよね?
肌艶も抜群に綺麗ですし、セミヌードとかになったら大変なことになるんじゃないでしょうか?」

「ま、まぁそうだな。そうさせないためにも、キミには頑張ってもらわんとね」

「でもー、もし私がセミヌードを撮るならぁ」

はたては下あごに指をあてながら虚空を見上げる。

「小さめの下穿きだけで立っていただき、後ろ45度から狙います。
背中から腰のラインを大胆に見せてもらいます。
もちろん胸を隠すのは【手ブラ】です。
ほとんど隠せませんけどね。指が食い込むくらい強く掴んでもらいましょう。
指の間からはみ出るお肉もポイントですね。
顔はこちら向き。上目遣いで、ちょっぴり恥ずかしそう微笑んでもらいますね。
これは私でもかなりキますね」

ボーッとしているナズーリン。

「デスク?」

「そ、そ、それ以上はダメだ。妄想はいかんな、うん、多分いかん、と思う。

あ、あの、それで、あと、どんなポーズが、あ、あるのかな?」

飢えた亡者のようなナズーリン。

「次は全裸です。うつ伏せに寝ていただきましょう。
お尻だけ半分ほど布で覆いますが、割れ目はバッチリ見せちゃいましょう。
撮影角度は正面、やや上から。頭の上にお尻の割れ目がこなくちゃいけません。
肘を付いて上半身を起こしてもらい、胸のボリュームを強調します。
先っちょだけがシーツに埋まっています。
少し怖い顔をしてカメラを睨んでもらいますね。
アオリは【お布団を返さないと、おこっちゃいますよ?】です」


「はぁぁ、あー、うん。 そうか、そうなのかぁ、うん、そうだよね」

「デスク? どーしたんですか?」

「あの、や、やっぱり【返さないと】マズいのかな? 
返さなかったら、ど、どうなるのかな?」

「ホント、どーしたんですか?」

「お、おこられてしまうのかな? どんな風におこっちゃのかな?
もしかして、そのまんまの姿で飛びかかってきちゃうのかな!?」

「デースークー、もしもーし、おーーい!」

桃源郷に旅立とうとするナズーリンを引き戻す。

「お? お? おお、すまん。
う、うむ、しかし、はたて君の妄想は危険極まりないな、この私が翻弄されるとは。
だが、その妄想力、いや想像力は悪くない。

よし、今のような発想で、あと20ポーズほど、詳細に表現した文章を私に提出するように。
アオリも忘れずにね」

「それ、なにに使うんですかぁ?」

はたては少し不審気にしてみせるが、用途はお見通し。

「もちろん、キミの表現力の訓練だよ。もちろんだとも、うん」

「んー、でも、デスクは恋人だから、よくご存知なんでしょ?」

「それとこれとは別だ、そんなセクシーポーズは、たやすくは見せてはくれないもの。
あのヒト、スゴい恥ずかしがりなんだ」

「あー、デスクはホントに寅丸さんが大好きなんですねー」

「う、うん」

「あ、デスク! その顔、超カワイーですよー、撮ってもいいですか?」

そう言いながらも、すでにシャッターは切られており、この写真は後に寅丸星に渡され、彼女の秘密の宝物になる。

「ダ、ダメだよ、やめてくれよ!」

くすくす笑うはたて。
いつもは余裕しゃくしゃくのナズーリンが押されっぱなしだった。

はたては、また少しナズーリンの近くに寄れたように思えて嬉しかった。



いくつかの資料から【バオバブの木】と断定したはたて。
ナズーリンは答えを教えなかった。

はたてはバオバブの木の追跡記事を書き続けた。

そして花が咲いた。


【そろそろ咲くかしら】

数日前、風見幽香が告げた。
つぼみの写真をみせ、都度、状況を報告していたはたてに、フラワーマスターは独り言のよう告げたのだ。
明後日のほうを見ながら、花の形状、色、大きさ、香りについてまでもをつぶやいていた。
はたては熱心に記録を取った後、深々と頭を下げ飛び去った。

その日からバオバブに張り付いたはたては、数日後の早朝、開花の瞬間をとらえた。

ナズーリンの指示で、それ以外の記事をすでに整えていたので、半刻もたたないうちに入稿した。

印刷の間、落ち着かないはたて。

【配達が勝負だ。今のうちに体を休めておくんだ】
ならば、とはたてはナズーリンに膝枕をねだった。
【気が高ぶってロクに休めません】
今回だけだぞ、ご主人にもしたことがないのに、まったくキミは。
えへへー

【上がったぞ】
頬を撫でられ、はっと目を覚ます。
ほんの少しまどろんだだけ、と思ったが、慌てておき上がった体には驚くほど力が漲っていた。
いける、いくらでもいける。

最初の配達先は風見幽香のところだった。

【協力者への感謝、仁義を忘れること無かれ】
ナズーリンデスクから叩き込まれたセオリーに従った。

一面トップに載ったバオバブの開花写真を眺めていた幽香が顔を上げ、はたてをじっと見つめる。

「姫海棠はたて、だったわね。覚えておくわ」

そう言って視線を紙面に戻した。


数回にわたる丁寧な追跡記事、形状予想との差異、風見幽香から入手した解説、
実物の写真。
バオバブの木のもとへ人里から見物客が新聞片手に押し寄せた。

他にも、青文字で綴った湖の氷精と黒白魔法使いの決闘、弾幕では勝ったが、
なぞなぞ合戦で完敗した魔法使いの記事。
命蓮寺のお祭りの予告記事。
人里の総菜屋で新発売された、ほうれん草ときのこ入り出汁巻き卵焼きの広告記事。
魔法の森の植生について、湿度と風向きの調査結果から100年後を考察した解説記事。

意識してそれぞれの記事に抑揚をつけ、紙面に流れを作ったこの号は、主に人里で大きな反響を呼んだ。


この号が決定打となった。



「結果は明白だな。 さて、約束だね」

「好きになさいよ!」

普段にも増して写真を多めに配置し、記事の数で勝負をしようとした(文々。新聞)は選外。
(花果子念報)は最下位ではあるがランキング入りを果たした。
人里での【受け】が無視できないほど大きかったことが要因だ、とナズーリンは評した。



「射命丸文、姫海棠はたて、二人共同で新聞を作りたまえ。
三回でいいだろう。号外ということで作ってもらおうか。
新聞の名は(文果新報)だ」

呆然としている文。
てっきり、とんでもない下品な要求をされると思っていたから。

「返事はどうした? 約束だろう?」

もとよりはたてに否はない。敬愛するデスクの要請だから。
 

文がフットワークを活かしネタを拾い集める、ネタを吟味し、はたてが密着取材する。
何度も喧嘩する二人を都度、ナズーリンが調整する。
妥協点ではなく、昇華点のヒントを提示していった。
ネタの豊富さ、個性的な写真、熟考された考察記事、意外な情報、トンでもない青文字記事。
(文果新報)は、驚かされ、笑わされ、考えさせられる、いわゆる【面白い】新聞だった。

評判は上々、各地から【定期購読したい】との要請が相次いだ。
その内容の評価は、辛口書評で知られる八意永琳のコメントがすべてを語っていた。

「次はいつ出るのかしら? 定期購読料はいくらなの?」


あまりの人気に、最後の三号目が出たところで、天狗社会の上層部から、『待った』がかかった。
【新聞編者は個人であることが望ましい】と初めて聞く、忠告のような恫喝が伝えられた。

命蓮寺に、そのことを伝えにきた鴉天狗二人を前にしてナズーリンは腕組みをして考え込む。
少し離れたところで寅丸が心配そうにしている

「予想通りだな。射命丸どのとはたて君が力を合わせると、天狗社会にも多大な影響を与えてしまうということだな」

はたては反響の大きさにうろたえていたし、文でさえ、ここまで評価されるとは予想していなかった。

ナズーリンが優しく笑う。

「キミたちは優秀な新聞記者だ。今回の合同作業で自分の足りない部分も分かっただろうし、それぞれの個性も再認識できたはずだ。
(文果新報)は解散するが、これからもお互い、切磋琢磨し、良い新聞を作って欲しい」

文はこの偉そうなネズミに何か言ってやりたかったが、共同作業中の充実感と日に日に高まる反響と期待感に快く酔っていたもう一人の自分に後ろ頭を掴まれ、無理やり頭を下げさせられた。

しばらく頭を下げたままの文は、黙ってまま踵を返し、飛び去った。

「いつか借りは返します!」

そう言い放って。


ナズーリンとはたてが向き合っている。

「はたて君、キミに謝らなければならないんだ」

ナズーリンのこれまでに無いほどの真剣な表情。

「キミを利用していたんだ。
訳あって射命丸文を凹ませたかったのだ。
そのためにはキミの存在がちょうど良かった。だから利用したんだ」

深々と頭を下げる。

「だが、キミに伝えたことには嘘は無い、出来る限りのことをしたつもりだ。
しかし、騙していたことに変わりはない。申し訳ない。
罵るなり、殴るなり、好きにしてくれ」

膝をつき、うつむくナズーリン。

しばらくしてはたてが告げる。

「デスクは正直ですね。それも馬鹿がつくほど。
黙っていれば誰も気がつかず、【皆、幸せになりました】で終われたのに。
ホント、おばか。
でも、それが、それこそが私の尊敬する【ナズーリンデスク】なんですよね」

はたての目が潤み始める。

「デスクのおかげで私、たくさん勉強させてもらいました。
私、変われたと思うんです。
私、嬉しかったんです。ヒトから怒られたことは何度もあるけれど、本気で私のために叱ってくれたのはデスクだけだから。

でも、申し訳ない、とおっしゃるなら、一発だけお見舞いします」

その言葉を聞いたナズーリンは立ち上がって目を閉じ、歯を食いしばる。

はたてはナズーリンではなく、寅丸に視線を移す。

「寅丸さん、ごめんなさい」

敬愛する指導者を、そっと抱擁し、耳元で【ありがとうございました】と告げる。

そして、軽く触れるだけの接吻。

「恐くて厳しいけど、誰よりも優しく素敵なナズーリンデスク。
教えてもらったことは私の宝物です。
どんな思惑があったのか、そんなこと関係ありません。
私と一緒にいてくれた時間、姫海棠はたてにぶつけてくれた情愛は本物だと分かっています。
だから、これでお別れなんて絶対嫌です!
私、頑張りますから、これからもバックアップ、よろしくお願いします!」


ナズーリンから離れ、潤んだ目で飛び去った姫海棠はたて。



「えーと、ご主人、今のは、なんと言うか、その」

主人の勘気に触れたのではないか、と恐々見上げる。

「私の前で正々堂々でしたね」

意外なほど穏やかな表情の寅丸。

「ちょっとヒヤヒヤしました。
だってはたてさん、ナズーリンの最も深い優しい心根に触れかかっていたんですもの」

「さて、それはどうかなぁ?」

「あそこで本心を打ち明け、正直に謝るのもナズーリンですね。
はたてさんじゃないですけど、ホント、おばかさん。 可愛いおばかさん」

ナズーリンが寅丸に抱きつく。

「ナズーリン? どうしたんですか?」

「ここしばらく新聞づくりにかまけてご主人が不足していた。カラカラだよ。
世にも珍しい【ナズーリンの木】は、寅丸星という【水】が無いと枯れてしまうんだよ。

だ、か、ら、たーっぷりと水分を補給させてもらうよ?」

【おばか】呼ばわりが少し面白くないナズーリンは、困らせるように艶っぽい声で告げた。

「私の水分って! たっぷりって! ちょっと! ここじゃいけませんよ!」

「あーん? ちょっとキスするのもダメなの?」

「へ? キッ、キスッなんですか!?」

ニヤニヤするナズーリン。

「ご主人、なにを想像しているのかな? どこの水分かな?
うーん、些か【エッチな妄想】が過ぎるようだね。
いかんな、いかんよ、エロもほどほどが肝心だ。
スケベ根性も大概にしておきたまえよ?」

「うっかー! ナズに! ナズに言われましたー! うえええーん」

「おっと、もったいない、先にこちらからいただくかね」

ぺろちゅう 



射命丸文は大好きなキャラです。今回は涙をのんで敵役にしました。
はたてのイメージがつかめず、苦戦しました。オリキャラのようになってしまいました。
ご感想、ご意見、ご指摘をお待ちしております。
                              
紅川寅丸
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コメント



0.3560簡易評価
6.90奇声を発する程度の能力削除
この新聞読んでみたい!
11.100名前が無い程度の能力削除
私も貴方の作品が楽しみです。上の永琳と同じ気持ち。
次はいつでるのかな?
15.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしい。
ナズ星だけでなく内容そのものが良いです。
22.100愚迂多良童子削除
流石、賢将の名を恣にしているだけのことはある。
これほど賢人ぶりの堂に入ったナズーリンは初めてかもしれない。
天晴れ!
と言いたかったのに、星が絡むと鼻の下が伸びるあたりはだめだめだなあw
 
誤字報告
>>「へ? キッ、キスッなんですか!?
括弧の閉め忘れ
>>このあたりがはたに涙を流させた。
「はたて」の「て」が抜けてる?
>>いつも傅いてしまう。
「傅く」の意味は「後見する(世話する)」とあるので誤用ではないかと。
27.100名前が無い程度の能力削除
作者の博識さに感服。
作品の激甘さに悶絶。
28.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしすぎる
29.100名前が無い程度の能力削除
ナズさん最高です
31.無評価紅川寅丸削除
奇声を発する程度の能力様:
 電光石火のコメントありがとうございます!

11番様:
 待っていてくれる人がいる……泣きそうです。
 次は出来れば年内、ナズーリンがマスタースパークを放ちます!

15番様:
 ありがとうございます。今回も詰め込みすぎと思ってはいるのですが、
 ご評価いただけて嬉しいです。

愚迂多良童子様:
 丁寧にお読みくださりありがとうございます。
 ご報告、感謝です。
 誤用は赤面でした、ナズリーンデスクにドヤされますね。

27番様:
 ありがとうございます。
 えーと、ホントに甘さは控えたつもりなのですが。

28番様:
 ありがとうございます。
 ちょっと恥ずかしいです。

29番様:
 これからも「ナズーリンの七変化シリーズ」(今考えました)を
 よろしくお願いします。ありがとうございました。 
35.100名前が無い程度の能力削除
このシリーズはたまんないなぁ。
前回の件と今回の話がどう絡んでいくかも含めて
今後が楽しみです。
38.100名前が無い程度の能力削除
適度な甘さ、適度なノリ、適度な知恵。かなり高品質でした。
これからも頑張ってください。
39.100名前が無い程度の能力削除
面白い、あまり見ないタイプの作風で個性的、そしてちょっとえっちぃのもgood
文が少々小物臭過ぎるのが気になったけどそれだけ、楽しませてもらいました
40.1003.14159削除
非常に読みやすくて内容も充実してて凄い楽しかったですよ~
途中ニヤニヤしたりと最高でしたw
43.100名前が無い程度の能力削除
糖分控えめ?十分な甘さの中にきちんとストーリーが練られていて面白かったです。
ただ個人的には激甘のぶっとんだナズも好きなので、そういうのももっと読みたいです。
45.100お嬢様・冥途蝶・超門番削除
はたてのエロスコープはちょっとスゴかったわ。私映画好きだからおもしろい見方だなって思ったのよ。
グラビアもこんな風に撮ってるんだって思ったわね。グラビアも変態なだけじゃないんだって感心、、
するわけないでしょ!!あほーーーーーーーーーっっ!!!wwwww   お嬢様
随所に出てくる変態ネタ。意味は分かりませんでしたけど内容は分かりました。あほーーーーーーー!!
                                   冥途蝶
センセイ・・お薬がキツすぎますよぉ・・                超門番
46.無評価紅川寅丸削除
35番様
 シリーズと認識してくださり、嬉しいです。
 いろいろ、こまこまと絡めて行く予定です。ありがとうございました。

38番様
 「高品質」とは過ぎたご評価。精進します、ええ、きっと。 
 ありがとうございました。

39番様
 個性的、うーーん、ふるえがくるほど魅惑的なお言葉。
 大好きな文に泣く泣くストーリーを引っ張らせました。
 文はこのままでは終わりません、そりゃもう。
 ありがとうございました。

3.14159様
 読みやすい、コレッて褒められているんですよね?
 これからも頑張ります。ありがとうございました。

43番様
 ありがとうございます。いくつか先に大甘なナズ星を用意しています。
 少しお待ちいただければ幸いです。

お嬢様・冥途蝶・超門番様
 お、試験終わられたんですね。
 嘉門達夫は割と簡単に検索で引っかかりますよ、きっと笑えます。
 ちなみに、はたてスコープは、次回さらにエスカレートします。
 
 で、あほーーーーーって、  まぁ、そうですな。
48.100名前が無い程度の能力削除
霊夢のところと、はたての部屋の件でですね、
感動して泣きそうになりました。

面白いお話をありがとう!!
49.100名前が無い程度の能力削除
人外同士のラブはこれぐらいイカれてるくらいが丁度いい気がしてきた
52.無評価紅川寅丸削除
48番様:
 おっと、実は最も時間がかかったところなんです。何度か書き直したところなんです。
 よかった。認めてくださる人がいてよかった。……ありがとうございます。

49番様:
 ありがとうございます。「イカれている」ラブ、これからも頑張ります。
57.100名前が無い程度の能力削除
こういうの…アリだな
作者氏、ステキな話をありがとう

さあ、続編を書く作業に戻るんだ!
のんびり待ってます
58.無評価紅川寅丸削除
57番様:
 押忍! 次、仕度してます! 書いております! ありがとうございました。
59.100名前が無い程度の能力削除
甘くて熱くて面白い
ここまで知識欲や妄想力をかきたてる作品はなかなかないですね
やっぱナズ星は最高や!
はたたんはこんなに可愛かったんや!
62.100名前が無い程度の能力削除
紳士!これ以上にあなたが書くナズーリンを表す言葉があろうか!
63.100名前が無い程度の能力削除
誤字報告
総菜→惣菜
ではないですか?
64.無評価紅川寅丸削除
59番様:
 書いているうちにはたてが好きになってしまいました。
 次回もがっつり登場します。ありがとうございました。

62番様:
 ジェントリー。いいっすね。ナズーリンへの評価、ありがとうございます。

63番様:
 あ、そうですよね。 でも、なんだか修正ができません。脳内補正をお願いします。
 
67.100SIK削除
こういう書き手に出会えたのは幸運であった。
SSから離れた生活が長くなってきていたけど、創作意欲をくすぐられたぜ
師匠と呼ばせてください。
すばらしい作品をありがとう!
68.無評価紅川寅丸削除
SIK様:
 ありがとうございます。創作って、大変ですけど、楽しいですよね。
 PC操作が不得手ゆえ、未だ貴殿の作品を拝読すること適いませんが、
 機会あらば、是非読ませていただきたいと思います。
 
76.100名前が無い程度の能力削除
すげー面白かった、としか感想の書き様が無いっす。
百合は苦手だけど、そこを抜きにしても取材活動の描写、ナズーリンの性格付け等々が最高に面白かった。
まさに読ませる作品。
77.無評価紅川寅丸削除
76番様:
 過去作、ご覧いただきありがとうございます。
 基本、変態百合ですが、キャラ・幻想郷のフレーバーを描いていきたいと思っています。
 今後もよろしくお願いします。
78.100名前が無い程度の能力削除
こんな作品に出会うたびに、忙しさを押してでも筆をとり、また創作に精を出したいと思います。

すべての部分が好きでしたが、自分は中でも、図書館のくだりが好きになりました。

いま、あなたの作品を片端から読ませて頂いていますが、今後も楽しみにしています。
これからも頑張って下さい。


さて、はたての想像グラビアを描いてくれる絵師を探しにいきますか。
79.100Admiral削除
素敵なお話でした。
はたての素直さとナズーリンの教えの良さが相まって、作中では素晴らしい成長をしていますね。
文もいったん破れたからにはナズーリンの意図に沿い、共同新聞に全力を尽くすところに好感が持てました。
はたてと文の2人が力を合わせて新聞を作れば、素敵のものが出来ると言うことが何だか嬉しいです。
良きお話、ご馳走様でした。
80.無評価紅川寅丸削除
78番様:
 図書館のところ、カッコつけすぎかな、と思っていたんですが、良かった。
 貴方の作品、是非、見せてください。あ、でもどれか分からないな。なんか印を(笑)!
 妄想グラビア、うーん、誰かー!!
Admiral様:
 ありがとうございます。協力したら大きな力、これって良いですよね。
87.90名前が無い程度の能力削除
イイネ
88.100ぺ・四潤削除
第4話(?)にして既に幻想郷を支配しつつあるナズーリン。この様子だと幻想郷を制覇するのもそう遠くないのかもしれない。
しかもそれが正攻法というのだから凄い。もしかしてナズーリン最強なんじゃないのか?霊夢すらもああもたやすく手なづけるとは。今回でナズーリンの本領が発揮されてきたような気がします。
咲夜さんが言っていた「覚悟なさい。必ず痛い思いをするわよ。」「さらにその三倍以上のダメージを受けると覚悟なさい」は、【あいたたた】で【精神ダメージ】な意味も表しているのですね。芸が細かい。
しかし今回は本当にナズーリンがカッコよかった。はたての能力の使い方にも本気で感心しましたし。
星ちゃんとの関係もセクハラだけでなくだんだんと心の底からのつながりにもなってきましたし。この先どうなるか楽しみです。今回はいろいろあって語りつくせません。
あと何気に文もみの力関係が素敵過ぎて今回のチョイ役で終わらせるのは勿体無さすぎです!この文もみでいつか一本書いてもらいたいものです。

ところであおり文の入ったセクシーポーズ設定集は後ではたてに念写してもらうんですね。素晴らしい。
いろいろ素敵過ぎるのでホント弟子にしてください。
89.無評価紅川寅丸削除
ぺ・四潤様:
 貴殿がトップクラスのコメンテーターといわれる所以が理解できました。
 作り手の勇気とやる気を奮い立たせ、大事にしているところを優しくくすぐる。
 そしてさらっと次回目標(高め)の提示。
 さすがです。 コピペして保存させてもらいました。つらいとき、寂しいときに読み返しますw
 
 はたての能力解釈を思いついた時には大筋ができあがっていました。 
文もみは出会いから交際に至るまで、少女コミックのようなバックストーリーがあるのですが、書いててこっぱずかしくなったので、エロとギャグをどばどばぶち込んだら収拾がつかなくなって放置してあります。
 いずれどこかでお目にかけられたらと思っております。
 セクシーポーズ! あと13枚(?)あるのですが、これもいずれw 
95.100名前が無い程度の能力削除
こんなに読みごたえのあるSSは久しぶりです。
私の貧相なボキャブラリーだとこれくらいしか書けないですが、最高でした!
96.無評価紅川寅丸削除
95番様:
 過去作、コメントくださり、ありがとうございます。
 ゆるゆると繋がっているシリーズのようなものです。
 お暇な時にご覧ください。
102.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしい!
103.100名前が無い程度の能力削除
いいね
112.無評価紅川寅丸削除
102番さま 103番さま
 過去作にコメント頂戴し、ありがとうございます。 
 これからもたくさん書きますからヨロシク。
113.100名前が無い程度の能力削除
今更ですが誤字?
これははたての台詞ですよね。
誤?:【知恵の泉】をなんで勝手に滅茶苦茶にするよー
正?:【知恵の泉】をなんで勝手に滅茶苦茶にするのよー
114.無評価↑の人です削除
あと面白かったです。もっとたくさん星ナズ書いてください。
118.90ナルスフ削除
ナズ、なんという出来る女。
持ち上げられすぎててちょっとびっくりもしたけど、新聞のテコ入れ等の描写も丁寧で、説得力はありました。
はたてが実直でよいキャラでした。
119.無評価紅川寅丸削除
113番様:
 遅まきながら修正しました! ありがとうございます!
 星ナズ ナズ星バリバリ書きますね。

ナルスフ様:
 ありがとうございます。
 はたてはほとんどオリキャラですよねー。
 でも、とっても気に入っているのでこれからもたくさん登場しちゃいます。
 
123.100みょん削除
ここまで引き込まれた作品は初めてでした。
ナズーリンの純粋さ・星との微笑ましい関係もわかりやすく、紅川さんの作品を初めて読んだ僕でも今までのお話も想像しやすかったです。はたてもいいね笑