Coolier - 新生・東方創想話

人形―御遣い―第五話・竹林

2005/04/11 02:38:59
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「ゥーン、」「ウーン、」
目の前には竹の壁。
風に吹かれて笹を舞い散らせるその様は、見る者を圧倒する。
「ホォラィ、ドチィダァロ?」
目の前には2つの道。
地面にペタリと座り込んで、二人は悩んでいた。
「ドッチダロー?」
記憶には、「竹林を抜ければ永遠亭」とあるだけ。
ここからスグの場所に人里はある。
でも、彼女たちは人形だ。
動く人形が人里で「永遠亭への道はどちらですか?」
なんて聞いたら、皆驚くだろう。
その為、人に聞くという事ができず、2人は竹林の前で悩んでいた。
そんな二人に背後から声が掛る。
「あらあら、こんな所に小人がいるわね」
「ンゥ?」「ウン?」
今まで誰も通らなかったのに、誰だろう?
振り返ると、黒髪の少女がニコニコと嬉しそうにこちらを見ていた。
手には買い物籠を持っていて、そこから大根が覗いていた。
「ダレェ?」「ダレー?」
「私は輝夜、蓬莱山 輝夜よ、あなた達はどんなお名前かしら?」
輝夜がしゃがんで私達に名前を聞いてくる。
「シャハーィダァヨ」「ホライダヨー」
「へぇ、上海ちゃんと、蓬莱ちゃんね、こんな所で何をしてるのかしら?」
「エィリンノォウチィニヲツィカィ」「エイリンニオツカイー」
「あら、あなた達も御遣いなの?
私もね、御遣いだったのよ」
と買い物籠を見せてくれる。
「イショー」「イッショー」
輝夜は、御遣いの帰りなんだって。
私達と同じだね。
「初めての御遣いだったから、緊張したわ~」
「シャハイモ、ハジィメェテダァヨ」「ホライモハジメテー」
「それじゃ、一緒に行きましょうか」
と、輝夜が立ち上がる。
「イショニ?」「ドコイクノ?」
「永琳の所よ」

△▼△▼△


輝夜は永琳と一緒に住んでるんだって
これで道を間違えなくて済んだね
輝夜は色々聞かせてくれる。
御遣いに来たのは、永琳が忙しいからお願いされたんだって。
買い物してる時に、人参をサービスしてもらって嬉しかったんだって。
どの話も、楽しそうに話してくれた。
けど、
「それでね、妹紅ったらね・・・」
話の内容が、「妹紅」の事になると、
今まで以上に嬉しそうにお喋りしてくれる。
「カァグャ、モコキニィテェルノ?」「オキニイリー?」
「んー・・・そうね・・・」
少し考えると、
「お気に入り、かしら?」
って答えてくれた。
仲良しなんだ~
「あら?」
急に輝夜が立ち止まる。
前を見たままだけど、何かな?
「うぇ、輝夜・・・」
白い髪の女の子がいた。
「こんな所で会うとは・・・・奇遇ね、妹紅」
買い物袋を人形に渡す。
「ふん、あんたが集落から戻ってくるなんて、明日は槍でも降るのかしら?」
妹紅の手に炎が燈る。
「あら・・・その前に降るものがあるわよ?」
私も懐に手を入れる。
「あぁ、そうか血の雨ね。」
「えぇ、そうよ血の雨ね。」
「「貴女のね!」」

▼△▼△▼

早速妹紅が仕掛ける。
全身から炎を噴出し、背に火炎の翼を創り出す。
「受けなさい、不死の火の鳥の羽ばたきを!」
両手に渦巻く炎を纏め、頭上に掲げる。
「鳳翼天翔!!」
撃ち出された炎の塊は鳥の姿を形作り、獲物を狙う猛禽類
の様に輝夜に迫る。
「火の扱いを知ってるかしら?」
背後の人形に問いかける。
迫る火の鳥に、枝を突き出し、円を描く。
「サラマンダーシールド!!」
描かれた円が褐色に輝き、迫る火の鳥を防ぐ
「覚えておきなさい、火はね、少し離れればいいのよ」
輝夜の周囲に火の粉が舞う。
「ほら、暖かいわ」
「ふん、私の力は炎だけじゃないってのは知ってるでしょ?
これは挨拶よ」
そして次の弾幕に移ろうとした時、
二人の間に人形が割り込む。
「ダァメ!」「ダメー!」
「え!?」
「ん?」
二人の動きが止まる。
「ナァデ、ケェンカスゥルノ?」「ケンカダメー!」
「うるさい人形ね・・・邪魔よ!」
妹紅が人形を無視して御札をばら撒く。
「ちッ、下がりなさい!」
御札のスキマを縫って避けると枝から弾を撃ちだして牽制する。
「ック、グス、」
睨み合いに、嗚咽が加わった。
「グス、ケェンカダェメ、ダヨォ、グス」
人形たちだ。
「ナカヨクシヨウヨォ・・・」
そして人形たちは泣き出した。
「・・・ちょっと、どうするのよ・・・」
白けてしまった妹紅は纏っていた炎の翼をかき消す。
「二人とも、泣き止んで、ね?
もう喧嘩しないから」
輝夜のその言葉を聞いて
「ケェンカャメェル?」「グス、ナカナオリスルノ?」
「えぇ、もう喧嘩して無いでしょ?」
「・・・」「・・・」
泣き顔でこちらを見ている・・・
止めたことを説明しても、納得してくれないようだ。
「・・・仕方ないわね」
「・・・ん?」
妹紅が怪訝な顔をする。
それはそうだろう、
私が武器である蓬莱の枝を懐にしまったからだ。
「ちょ、輝夜、何のつもり?」
一歩、二歩と妹紅に歩み寄る。
(少しいいかしら?)
未だに警戒を解かない妹紅。
それでも私は目の前まで無事に辿り着けた。
(な、何よ?)
両手の炎は未だに燈ってはいるが、既に明かりを灯す程度の火力でしかなかった
「妹紅・・・ごめんなさい」
私は妹紅に抱きつく。
妹紅がピキッっと音を発てて固まる
同時に手に燈っていた火が消える。
その固まった妹紅の耳元で囁く。
(妹紅、暫く演技しなさい)
(・・・ハッ!
な、なんでよ、それに抱きつくな!)
(仕方ないでしょ、あの子達が泣き止まないでしょ?
協力しないなら、妹紅がいじめたって慧音に言うわよ?)

▼△▼△▼

(・・・くぅ、わかったわよ・・)
「ん・・・、いいの、私が先に手を出したんだし・・」
輝夜の肩越しに人形を見てみる。
「・・・」「・・・」
泣き止んだようだけど、まだ疑っているみたいね・・
仕方ない・・・
「あ、あのね輝夜・・」
「なにかしら?」
「私、本当は輝夜の事、嫌いじゃないよ・・・」
「へぇ!?」
輝夜が心底驚いたって表情をする。
人形たちも注目している。
次の一言で納得してくれるだろう。
「き、キキ、嫌いじゃないって事は・・・まさか、・・え?えぇぇ?」
輝夜ったら、演技派ねぇ
焦り方が真に迫ってるわ
私も負けてられない。
輝夜の鎖骨に額を当てて俯く。
そして、
「・・・好き、」
「ッ!!」
一瞬輝夜の体がビクっと震えて、固まる。
「ナァカナォリィ!」「ナカナオリー!」
何やら2人で踊っている
どうやら泣き止むのを通り越して嬉しいらしい。
(ほら、早くあの子達を去らせなさいよ)
輝夜がコクコクと頷く。
「ほ、蓬莱ちゃん、上海ちゃん、先に家に行っててくれないかしら?」
「ミィチシィラナイヨォ?」「シラナイヨー?」
「大丈夫、道は一本道だから、あ、私の御遣いの荷物もお願いね」
「ゥン、モコトナァカヨォクネ」「ナカヨクシテネー」
コクコク頷くと、人形たちは買い物袋を2人で持って永遠亭へと向かっていった。
ふぅ、やっと行ったわね・・・
「ほら、輝夜・・・って!?」
輝夜が私に擦り寄って、喉をゴロゴロと鳴らす。
「あんた、なんで猫の真似!?
って、こら、擦り寄るな!」
「ねぇ、妹紅」
絶世と謳われた美貌の持ち主が、潤んだ瞳で私を見上げてくる。
「な、何よ?」
頬を染めて、控えめにねだる。
「もう一度言ってくれないかしら・・」
「ぇ・・・」
ドキッ
一瞬だが、輝夜の魅力に飲まれた。
殺しあう仲で、しかも同性なのに、
ほんの一瞬だけ、私は・・・
「は、・・放れなさいよ~~~~!」
「あん、妹紅ったら、照れちゃって・・・」
輝夜がさらに強く抱きしめる
「可愛いわね♪うふふふふッ」
輝夜の吐息が首筋に掛る。
体がゾクゾクと震える・・・
この感じ、嫌じゃない・・・
うわぁああああああああああ!!!!
違う違う違う!
わ、私は、普通だぁあああ!
「うふふ~」
輝夜が嬉しそうに笑いながら、頬をすりよせる。
「ひッ!?」
た、助けて~

▼△▼△▼

「モコトカァグヤ、ナァカナォリデキィテヨカタァネェ」
「ウン、ナカヨシナカヨシー」
喧嘩は見るのもするのもいやだもんね。
コクコクと頷きあう。
あ、あれは・・・
上海が前方を指差す。
「ミェテキタァ」「オウチミエター」
よーし、後は永琳に会って渡すだけだね。
ネタはあっても、展開できないよぅorz
次で終わりますが、投げ出さずに書ければいいなぁ

それにしても、輝夜がお使いするって無理な展開だなぁ
引きこもってるし、永琳が過保護だし・・・
それに、魚買ってきてって頼むと店ごと買い取りそうだし。

あ、輝夜と妹紅がどうなったかは脳内で補完してください。

EXAM
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コメント



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19.100シゲル削除
おぉ、意外な展開に。。
輝夜の素直な気持ちでわ。。(これはこれで良いかも。。笑
ある意味上海と蓬莱は凄いと思う。