Coolier - 新生・東方創想話

ようこの悲劇

2010/09/28 16:58:48
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昼下がりのことである。
命蓮寺では昼食も終わっていたのだが、
朝食前に豆腐を買い出しに行った星が帰って来ないという事態が起こっていた。

「精進料理ばかりの中で、貴重なタンパク質が取れない……」
「本当、何処の豆腐屋まで買いに行ったのかしらね」

村紗は昼食の器を片付けたばかりの食卓に突っ伏し、
一輪は雲山と星の所在について何やら話し合っている。
口には出せど、動こうという素振りは見せなかった。

「仕方ないわね。ちょっと捜して来ようかしら。迷子になっちゃったのかも知れないし」
「姐さんの中でどれだけ抜けているのよ、あの子」
「昔から仕事以外はからっきしだったじゃない」

白蓮は星とナズーリンが外界から持ち込んだテレビの調整をしていたのだが、
あまりにも遅い寺の本尊のために重い腰を上げようとしていた。

「それには及ばないよ、聖」

今日の洗い物当番らしいナズーリンとぬえが台所から戻って来る。
またぬえが悪戯したらしく、水浸しになったエプロンを脱ぎ払ってナズーリンが名乗りを上げた。

「探し物なら私の仕事。ちょっとそこまで見て来よう」
「こういう時じゃないと仕事がないもんね」
「ムラサだって、舵取る必要がないならいる意味ないじゃん」

茶々を入れた村紗にぬえがツッコミを入れる。
どんっと食卓を叩き付けて、村紗はぬえににじり寄った。

「あんただって悪戯しかしないじゃない!」
「一輪も雲山とセットじゃないと機能しないでしょ!?」
「何、私とばっちり?」
「……話をまとめると、みんな要らないっていうことになるぞ」

ナズーリンのまとめに、一同肩を落として沈む。
中には膝を抱えて泣き出す者もいた。
暗澹たる空気を切り裂いたのは、やはり寺のリーダーたる住職である。

「私が復活するためには、誰一人として欠けちゃいけなかったのよ!
だから落ち込まないで!みんなで一つの命蓮寺組です」
「聖!」「姐さん!」
「誠に円満解決である、いざ南無三!」

ひしとばかりに全員で抱き合う。
なお命蓮寺に行けば、ほぼ毎日のように似たような光景が見られ、
最近では一種のパフォーマンスなのではないかという説を唱える学者がいるが、
真偽のほどは定かではない。
まこと、暑苦しい寺である。





そんなこんなでほっこりした後、
お茶を頂いたところで一人足らないことを思い出したナズーリンが人里を訪れていた。
命蓮寺から一直線に来たため、すれ違いになることはないはずだ。
豆腐屋に到着する。

「やあ店主、精が出るね」
「おや、あんたは命蓮寺の。さっき毘沙門天様が来たけれど、また買い足しに来たのかい?」

ふむとナズーリンは鼻を鳴らす。
どうやら主人はちゃんと豆腐屋までは辿り着いたらしかった。

「ご主人様は買い物の後、何処へ行ったか知らないかな?」
「すまないね、知らないな」
「そうか、邪魔をした」

豆腐を買った後に、何処かへふらふらと遊びに行ってしまったのだろうか。
いや、生真面目な主人のことである、聖が待っているのに寄り道などするはずもない。

「こ、これは誘拐か!?」

ナズーリンは眼を見開く。
彼女の主人たる寅丸星が持つは、財宝を集まる程度の能力。
一攫千金を求めて、星を拐かしたのかも知れない。

「ねえねえ、鼠のお姉ちゃん」

ナズーリンは尻尾を引っ張られて、ダウジングロッドを振り上げながら不愉快そうに振り返る。
しかしそれは自分よりも小さな女児だったため、腕を降ろした。

「どうした少女。あと尻尾から手を離してくれ」
「虎柄のお姉ちゃんを捜しているんでしょう?」
「いかにもだ少女。あと尻尾から手を離してくれ」
「金髪のお姉ちゃんと一緒に、何処かへ行ったみたいだよ」
「お手柄だ少女。ほら飴ちゃんをあげるから、いい加減尻尾から手を離してくれ」

ようやく尻尾を掴む女児の手から逃れられたところで、ナズーリンは手掛かりを一つ手に入れた。
どうも金髪の女が、彼女の主人を誘拐したらしかった。

「全く。日本人は金髪に弱いんだから。ご主人様も考え物だな」

しかし星も一部金髪である。

「……私も金髪に染めようかな」

ナズーリンは銀というより灰色に近い自分の髪を一房掴んで、悲しそうに呟いた。





まず金髪と聞いて思い付く容疑者の家に辿り着いた。
金髪の多い幻想郷で、聖復活にかかわった金髪女といえば彼女だけである。

「おーい、おまえは既に包囲されている。首を括って出て来い」

扉を叩きながら、物騒なことを叫ぶナズーリンは仏門に下る者とは思えなかった。

「何だ、死神でも来たのかと思ったら寺の鼠女か」
「変な言い方はやめろ。良いからご主人様を出すんだ、魔理沙」

もう昼過ぎだというのに、
人目を憚らず寝間着で出て来た黒白魔法使いにナズーリンは容赦なく詰め寄る。

「ご主人様っていったら、あのやたらと外連味張った奴か? ド派手な服を着た……」
「きっとそれで合っている。さっさと出せ」
「おいおい、私は知らないぜ」

魔理沙はそう言っていたが、ナズーリンは念のために家の中を見せてもらった。
後悔したと言わざるを得ない。
人間が住めるような空間ではなかった。
物が雑居に積み重ねられ、足の踏み場もない。

「そういえばおまえ、ダウザーだったよな? ちょっくら探してもらいたい物があるんだが」
「断らせてもらおう!」

嫌過ぎる。
病気持ちの鼠でも出て来そうだった。

「金髪の奴ねえ。この森にもう一人、当て嵌まる奴がいるぜ」
「ほう、それはどういった女だ」
「人形に囲まれた生活をしている奴だ。
噂によると、人の脳を改造して人形にしてしまうという魔術を使うらしい」

ナズーリンの顔から血が引いた。彼女の主人は背が高いが、非常に端整な顔付きをしている。
人形にすれば相当格好が付くだろうが、当然のように財宝目的よりも性質が悪い。

「ご主人様、今行く!」

慌てて魔理沙に教わった道を辿って、不気味な人形館を訪ねた。
ああ、もう人形にされてしまっていたらどうしよう。
取り敢えず腐れ人形遣いをぶちのめして、奪還した星人形は部屋に飾って置こうか。
それでは本当の意味で本尊になってしまう。

「変態人形遣い! 出て来い! よくもご主人様を!」

ナズーリンは魔理沙の家の時よりも強く激しく扉を叩いた。
もはや訪れる未来を想像して、涙目である。

「いきなり何!?」

少しばかりヒステリックな声を上げながら、プラチナブロンドの人形のような少女が現れた。
彼女こそ人形遣いであり、森の二人目の魔法使いであるアリス=マーガトロイドである。

「やい、ご主人様を返せ!」
「……さっき変態とか聞こえたけど、初対面の人にそんなことを言われていたの、私」

半狂乱で掴み掛かって来る鼠妖怪はアリスにとって初めて見る顔で、
それなのに変態と罵られたり、親の敵とばかりに睨み付けられたりする理不尽に肩を落とした。

「っていうか、あなた誰よ?」
「私は命蓮寺の愛くるしいダウザー、ナズーリンだ! さあ、ご主人様を出すんだ!」
「私、あなたと会ったの初めてよね? ご主人様とかいう人も知らないと思うんだけど」

ナズーリンは警戒を解かないまま、ことの経緯をアリスに話した。
アリスは魔理沙の嘘八百に頭を抱え、溜め息を吐く。

「私は人形を一から手作りしているし、そのトラマルショーさんのことも知らないわ。
何なら、家の中を見て行く?」

ナズーリンは魔理沙の部屋を思い出したり、もしかしたら罠である可能性を疑ったりしていたが、
このままでは埒が明かないので、仕方なくお邪魔することにした。
アリスの家は整然としており、雑然とした魔理沙の部屋とは対照的だった。
棚には人形がところ狭しと並んでおり、その無機質なガラスの眼が冷たく恐ろしい。
ナズーリンにとっての救いは、人形は人形であり、どう見ても人間には見えなかったことか。
どちらかというと、アリスの方が人形のようである。

「紅茶しかないけれど」
「大丈夫だ、問題ない」

アリスはティーセットを持って来て、座らせたナズーリンの前で紅茶を入れる。
ナズーリンは不躾にも人差し指を突っ込んで、配下の鼠に舐めさせる。

「きゃ、鼠!?」
「小動物は警戒心が強いんだ。気を悪くしないで欲しい」
「まあ構わないけど……人形をかじらないでよ?」

鼠に不具合は起こらない。
同胞を失わずに済んだことに胸を撫で下ろし、ナズーリンは満を持して紅茶を頂いた。

「それにしても、ご主人様は何処へ行ってしまったんだろう。他に金髪女に心当たりはないか?」
「金髪女ってだけで当たるときりがないわよ? 紅魔館の吸血鬼妹もそうだし、
宵闇妖怪とか、隙間妖怪とその式、妖怪の山にいる神様も金髪に入るかしら」

確かに全部回っていたら日が暮れてしまいそうだった。
ナズーリンがどうするべきか悩んでいると、アリスは肘を突きながら顔を覗き込んで来る。

「あなたさっきダウザーとか言ったわよね?」
「探し物の依頼なら後にしてくれ。ご主人様が先決だ」
「そうじゃなくて。あなたのご主人様はダウジングじゃ捜せないわけ?」
「ダウジングは基本的に物にしか――いや、待てよ」

ナズーリンは聖復活の時を思い返す。
星が失くしてしまった宝塔を探し回った時のことである。

「ダウジングではご主人様は捜せないが、ご主人様が持っている宝塔を探せる!
お手柄だぞ、人形遣い!」
「……何でそう偉そうなのかは分からないけど良かったわね」
「いや助かった。紅茶も旨かった、ご馳走様」

賢将としたことがうっかりしてしまった。
ナズーリンは大いに反省しつつ、ダウジングロッドを構えた。





間違いない、ダウジングロッドは確かに反応している。
この妙な雰囲気を纏った日本家屋の中で、虎柄ならぬ囚われの毘沙門天が自分を待っている。
妙な雰囲気というか、ナズーリンの生物的感覚は警鐘を鳴らすほど悪寒を感じる場所だったのだが、
主人を見捨てて命蓮寺に帰るわけにはいかなかった。
家の中に忍び込み、中から声が聞こえる部屋の襖の前に立った。
この中にご主人様と、ご主人様の誘拐犯が……。
両手の拳を握り締め、ナズーリンは襖を蹴り破った。

「ご主人様っ!」
「な、ナズーリン!」

襖を開けたその奥だというのに何故かその部屋は洋間で、
ナズーリンの主人たる星は俯せに転がされていた。
その背中に馬乗りになっているのは、なるほど金髪女だった。

「何、この鼠」
「ナズーリン、ナズーリン! 助けに来てくれたのですね!」

従者の勇姿に、星は双眸に涙を湛えながら迎える。
しかしナズーリンの眼は冷たい。

「……ご主人様、あなたという人は、私というものがありながら。やっぱり金髪が良いのか!?」
「え? 何、この展開。何を考えているのか分かりませんが、誤解ですナズーリン!」

じたばたと星は暴れる。
それを抑え付けながら、星に乗った金髪女は手を打ち鳴らした。

「ちょっと藍、橙!」

何もないと思っていた空間に亀裂が入り、
そこからふさふさの尻尾を背中に見せびらかしたこれまた金髪女と、
猫耳に金輪を装着した少女が現れた。

「何か鼠が入っているんだけど。あなたたちがいながらどういう失態よ、早く始末しなさい」

ナズーリンの耳と尻尾が悪寒に縮み上がった。

「藍様、私が頂いちゃって良いですか?」
「私も鼠は久し振りだったんだが、かわいい橙のためだ。残さず食べなさい」

主のゴーサインが出て、橙と呼ばれた猫耳少女の瞳孔が縦長に細められる。

「ナズーリンを食べちゃダメ! 食べないでぇ! その子、皮肉ばかりで美味しくないからっ!」
「あら、青ちゃんの知り合い? 橙、待ちなさい」
「……はい、紫様」

お預けを喰らってしょんぼりとした橙の耳と尻尾はそれぞれ二つずつ。
どうやら猫又らしい。
その脇に立つ金髪女は頭を頭巾で隠しているが、
自己主張をしてやまない九つのふさふさした尻尾が九尾の狐であることを示唆している。
そして今なお主人の背に座っている胡散臭い金髪女は、
やはり胡散臭い笑顔を扇子で隠しながら、ナズーリンを見据えた。

「虎なのに鼠を飼っているの?」
「ペットじゃありません、私の家族です!」

情けない格好だが、主人の姿勢はナズーリンの戦意を再燃させるのに充分だった。

「やい、ご主人様を返せ!」

ロッドの先を向けながら睨み付ける。
紫と呼ばれていた金髪女は、ゆっくりと優雅に立ち上がり、興味深そうにナズーリンを見据える。

「今日は青ちゃんという収穫があったけど、こんなところまで辿り着いた優秀な鼠も良いかもね」

拘束から逃れた星が、慌ててナズーリンのところまで駆け寄る。
ナズーリンを庇うように立ちはだかると、虎もかくやといった唸り声を上げた。

「あら、青ちゃんたら牙を剥いちゃって。あんなに仲良くやっていたじゃない」
「何処がですか! ひとを敷布にしようとしたくせに!」
「どういうことだ、ご主人様」
「実は……」





星の話はこうだった。

『豆腐屋さん、絹越し豆腐を南無三丁くださいな』

豆腐屋で豆腐を買った後、油揚げを買いに来た藍に見留められ、さらわれてしまったのだという。
どうやら、藍から聞いた話ではテレビで見た洋画の影響で、藍の主である紫が洋間を作ったためらしい。
意味が分からなかったので詳細を尋ねると、
どうも洋画に出て来た虎の毛皮のカーペットがどうしても欲しいとのことだった。
はいそうですかと言ってやれるものでもなく、
虎に化けたら負けと思い人型のまま尻に敷かれていたという。

「力もあるし、思ったより優秀そうだから名前もあげたのよ。
ショウって名前だから、青って字を付けて。星と青って単語家族だったのね、知らなかったわ」

星は勝手に名前を変えられていたらしかった。
聞く分には変わらないから、ややこしくはないが本人のアイデンティティに関わるので
やめて欲しいとナズーリンは声を大にして言いたい。

「話に聞けば毘沙門天の弟子だって言うじゃない。
天部にコネクションができれば、あのうっとうしい四季映姫も黙るかも知れないしね」
「ふざけるな! ご主人様は命蓮寺の本尊だ、おまえなんかに渡してなるものか!」
「でも、もう連れ帰って良いわ。何か藍とキャラが被っているから面白くないし」

紫は面倒になったのか、それとも飽きたのか、先程までの鋭い視線を緩めて欠伸を扇子で隠す。
ナズーリンの前に立っていた星はキャラ被りと聞いてすっかり落ち込んでいた。

「まあ、キャラ被りも割と美味しいんだけどね。
妖狐と妖虎で『Wようこ』とかユニット組んでみたり、『虎の威を借る狐』を地で行ってみたり」
「『Wようこ』って……W浅野じゃないんですから」
「藍、ちょっとネタが古いわよ。せめてW村上あたりにしておきなさい」

ナズーリンは、彼女らの話していることが何だか良く分からない。

「ご主人様、W浅野って何?」
「あつことゆうこのコンビの名称だとか」
「何だ、AKBか」
「えーけーびー?」

取り敢えず帰って良いとのことだったので、
ナズーリンは最後に一度八雲一家を睨み付けてから星と連れ立って帰路に着いた。

「結局、あいつらは何がしたかったんだろう」
「命蓮寺のことが気になっていたみたいですよ。色々と理由を付けてごまかしていましたが」

なるほど、命蓮寺一門は幻想郷の勢力の一つとなり得るほど大所帯である。
何だか胡散臭かったが、
そこはかとなくただ者ではない雰囲気を携えていた紫が気にするのも無理はないだろう。

「聖は言うまでもなく立派な尼僧ですし、船長は頼りになりますし、
一輪はみんなをまとめてくれますし、雲山はパワフルですし、
ぬえは面白いし……ナズーリンは優しいし、最高の一門だと言っておきました」
「……そういうことをさらりと言えるご主人様は素敵だと思うよ」
「ありがとうございます!」

ナズーリンとしては半分皮肉のつもりで――いや、皮肉は美味しくないらしいから茶化したつもりで――
言ったのだが、そんなことは意に介さない星は満面の笑顔を浮かべる。
しかし半分は茶々でも、もう半分は本気だ。
ナズーリンにとって、素敵で大好きなご主人様である。

「しかし災難だったね、ご主人様。敷布になんてされた日には、好きなだけ踏まれる日々だよ」
「……怖かった」

最悪、毛皮を剥がれていたかも知れないのだ。
星は大分疲れた様子で俯く。
「助けに来てくれてありがとうございました」
「当然のことをしたまでだよ、ご主人様。私たちは家族なのだし」

しかしそう言い放つのはやけに恥ずかしかった。
先程、顔色一つ変えず情熱的に訴えられた星は大物である。

「さて、船長がタンパク質をご所望だ。さっさと帰って夕飯にしよう!」

気恥ずかしさを隠すようにして、ナズーリンは寺へ急いだ。



「ああ、星! 良いところに!」

良いところも何も、星を奪還するためにナズーリンは出掛けていたのだが、
やけに上気した顔で星に駆け寄る聖はそんなことをすっかり忘れているらしい。

「来て来て、部屋を改装してみたの!」

ただいまを言う暇もなく、お帰りも言ってもらえず星は聖に連れられて行ってしまう。
やれやれと肩を竦め、その後をナズーリンが遅れて付いて行くと……。

「ナズーリン、助けて下さい!」

デジャヴを見た。
疲れているのかと目元を解して見てみても、眼をつむる前と全く変わらない光景が広がっていた。
つまりは、洋間のフローリングに俯せに寝転がらされている星と、
その背中に馬乗りで乗っかっている聖の図である。

「聖……これは一体……」
「さっきテレビを見ていたらね、外国人の方が虎の毛皮を床に敷いていたからどんなものかと」
「あんたもか!」

今朝方のテレビ周りのくだりは伏線だったのか!
要らないよ、そんな細かい配慮!
しかしどうにかこの状況を打開せねば、賢将の名折れ。
考えろナズーリン、クールになるんだ!

「……ご主人様」
「ナズーリン……」
「私も後で座らせてくれ」
「ナズーリン!?」

命蓮寺は今日も平和だった。





「ところで藍、この変な物体何なのかしらね」
「寅丸さんが持って来ていたみたいですけど、どうやら忘れて行かれたようですね」
「大切な物じゃないのかしら?」
「さあ……?」
ナズーリンは宝塔のために再び八雲邸を訪ねることになりました。

インスピレーションが湧いて、その場で書きました。
もうほとんど勢いと愛だけで成り立っている話。
命蓮寺組が大好きです。

読んで頂き、ありがとうございました。
火辰
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コメント



0.370簡易評価
10.70名前が無い程度の能力削除
肩の凝らないコメディで楽しく読めました。
ごちそうさまです。
11.100名前が無い程度の能力削除
そんな紅茶で、大丈夫か?
一番いい茶葉を頼む。