Coolier - 新生・東方創想話

我が家に猫がやってきた

2010/08/27 02:53:45
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雲に覆われた夕方、雨が容赦なく降りしきっている。
俺は家路へ就こうと、足早に住宅街を歩く。

「ったく、ひっでー雨だ」

ボソリとそうひとりごちても、雨はやむ気配を見せない。
曇天の空は重々しく、まるで今にも地上に降ってくるんじゃないか、という錯覚すら起こさせる。
バケツをひっくり返したような豪雨に、周りの音すら聞こえなくなる。

「あー、早く帰ってニコニコしねーと」

などとぼやきながら路地を曲がっていく。
後少しで自分のアパートに着く・・・そう思った時だった。

「・・・ん?」

アパートの玄関先に、ダンボールが置かれていた。
「かわいがってください」と書かれたダンボール箱に、申し訳程度に新聞紙がかけられている。

「みゃー・・・」
「捨て猫か」

ダンボールから聞こえる声は、どうやら猫のようだ。しかも2匹。

「うーん・・・」

はて、どうしようか。
特に猫が嫌いってわけでもなし。
しかし飼う余裕もなし。
かといって・・・このまま見過ごすのも良心の呵責が・・・。
うーん・・・。

ちらりと、もう一度ダンボールを見やる。

「みー・・・」
「にゃー・・・」

弱っているのか、声に力がない。
このまま冷たい外気にさらされては、何れ死んでしまうだろう。
・・・。
俺は来た道を戻って、近くのコンビニへと向かった。
そうして買い物を済ませると、玄関に足早に向かって、ダンボールを回収した。
・・・まぁ、いいか。
俺は玄関の鍵を開けて、そのまま家の中へと入っていった。










~我が家に猫がやってきた~










「な・・・!」

部屋に入って、ダンボールにかぶさっている新聞紙を取った。
取ったまではいい。
そこから俺は言葉が出なかった。

「な、ななな・・・」

何故って?
そのダンボールの中身が原因だ。
猫、そう猫が原因だ。
いや、そもそもこれは猫なのか?
見てくれはそう、人間・・・いや小人だ。
人間をそのまま小さくして、手のひらサイズになった感じだ。
しかしその頭には猫耳と、おしりの部分には尻尾がぺたりとくっついていた。

「こ、こ・・・これ、は」

ようやく声を絞り出すも、まだ言葉にはなっていない。

「これ、ね、猫・・・だよ、な?」

俺は外人か!
しかしそう言葉にしか出来ないのも事実だが。
とにかく落ち着け!落ち着くんだ俺!
深呼吸して・・・素数を数えて・・・。
1、2、3・・・っがー!それ素数ちゃう!わけわかめ!

・・・と、とにかく状況を把握しようか。
取りあえずこの猫(?)を改めて見てみる。
2匹は弱っているのか、目をつぶったまま動かない。
耳も尻尾もぐったりとしている。
片方は、頭に赤いリボンをつけて、巫女さんが来ている服(?)を着ている。
もう片方は、黒い魔女みたいな帽子をつけて、白と黒を基調とした服を着ている。
・・・これがいわゆるペット服ってやつか?俺にはわからんが。
ん?なんだ、首輪に名前が書いてある。
どれどれ・・・巫女服猫が「レイム」?
黒服が・・・「マリサ」?変な名前だ。

「みー・・・」
「にゃー・・・」

っとやばいやばい!こいつら弱ってるんだった。
取りあえずひょいと2匹をつまみあげて、用意したバスタオルで体をガシガシを拭いてやる。
新聞紙のおかげか、頭も服も濡れてはいなかった。
そのままバスタオルで体を包み込んで、ベットの上にそっと置いてやった。

「ちょっと待ってろよ」

俺は猫から一旦離れて、さっき買ってきた牛乳を取りに玄関へ向かった。
牛乳を皿に開けて、レンジで少しだけ温める。
・・・猫って本当に猫舌なんだろうか?
なんてバカなことを考えているうちに、レンジがチンとなる。
温めた牛乳を持って、自室に向かう。

「おい、牛乳だ」

ベットの上に牛乳を置くと、ちょっとだけ耳がピクリと反応した。
しかし牛乳を前に置いてやっても、2匹は動かなかった。

「・・・弱ってんのか?」

まずいな、このままじゃ死んじまうし。
・・・そうだ!
俺は玄関にあるスプーンを取りに走った。
戻ってきて、牛乳をそれで掬って2匹に近づける。

「ほら!飲めって!」

顔のそばまで近づける、すると2匹はスンスンと鼻を動かす。
そうして、おずおずと舌をだして牛乳を舐め始めた。
っしゃあ!
心の中でガッツポーズをする。
暫く2匹は、夢中になって牛乳を舐めていた。
スプーンの上に牛乳がなくなったら、また牛乳を掬って猫に飲ませる。
そんな行為を数十回すると、猫はお腹いっぱいになったのか、満足げに

「みー」
「にゃー」

と揃って鳴いた。
心なしか、耳も尻尾も先ほどより元気に上を向いていた。

「よかったよかった」

うんうんと頷いて、猫の頭をなでてやる。
2匹(レイムとマリサだっけか?)は気持ち良さそうに目を細める。
喉をなでてやると、ゴロゴロと猫特有の声を鳴らした。
うん、こうやってみるとただの猫だな。

・・・ん?
そういや、違和感なく接していたが、これ猫か?

「なぁ、お前ら猫だよな?」
「にゃー?」
「みー?」

2匹は首をかしげるだけで、何のリアクションも言葉も返さない。
ま、当然だよな。
・・・いやいやいや、当然じゃねぇ。
これなーんだろうか。

うーん・・・。

ぬー・・・。

むー・・・。

・・・ダメだ何度見ても、猫モドキにしか見えねぇ。
UMA?新種の生き物?はたまた、

「妖怪か?」

・・・いや、ねーな。
地球上にそんなものは生存しない。
考えすぎか。

「はー、まったく。今日はなんなんだろうな」

意味もない一人ごとを言っても仕方なし、そういえばアイス買ってきたんだっけか。食おう。
俺は猫たちを置いて冷蔵庫へと向かった。

ギシギシ。

トテトテ。

ギシギシ。

トテトテ。

・・・後を振り向くと、2匹が4足歩行でついてきていた。

「なんだ?牛乳かなんか欲しいのか?」
「みー」
「にゃー」

・・・どうやら違うらしい。

「遊びたいのか?」
「みー?」
「にゃー?」

2匹そろって首をかしげる。
こっちも違うらしい。

「じゃあなんだ、ただついてきてるだけか?」
「みー!」
「にゃー!」

ビッと耳と尻尾を立てる2匹・・・面白いな、こいつら。
アイスを食べたら、少し遊んでやろう。








そうこう遊んでいるうちに、2匹は眠ってしまったようだ。

「みー・・・」
「にゃー・・・」
「ったく、なんだか疲れたな」

2匹を適当にみつくろったタオルケットの上に乗せてやる。

「おやすみ、えっと・・・レイム、マリサ」

でいいかな、名前。
というか、まじ飼うかどうするか・・・?
・・・今考えても仕方ないな、寝よ。
部屋の電気を消して、俺もベットにもぐりこんだ。
おやすみ・・・。






2匹は夜中に目覚めた。
そうしてベットで寝ている恩人を見ると、一目散にベットへと向かった。
よじよじと必死で登ると、ようやっと彼の布団の上にたどり着く。
レイムとマリサはそのまま、布団の上に丸まった・・・。




おしまい。
 ― 想像してください、霊夢と魔理沙が手のひらサイズの猫になった場面を。



息抜きに小説を書こう。

たまたま猫の話をチャットでする。

SSをかく。

猫SSに。

あれ!?どうしてこうなった!?
皆さんどうもこんばんわ、タカハウスといいます。
批判はいつでも受けます。
文章構成もへったくれもなく、2番煎じなのも覚悟しています。
可愛くもなし。
でも、でも書きたかった・・・!

感想、誤字・脱字などがありましたら、お気軽にコメントください。
ではまたいつの日かノシ

追記、コメント返信させていただきます。

<山の賢者様
ほ、本当ですか!?・・・自分の学のなさに泣けました。
でも、人がホット牛乳を上げるって言うのはロマンあったんですが・・・幻想だったんですね。
指摘ありがとうございます。

<コチドリ様
妄想・・・です・・・。
そもそも突発的に出来てしまったものなのですが、やはり登場キャラに意味を持たせるべきでした。

<11様
確かにシチュエーションが少ない、もとい皆無でした。反省点です。
いくら突発だからといってこれはひどいと思いました。
やっぱり徹夜のテンションはだめですね・・・コメントありがとうございました。

以上、コメント返しでした。
タカハウス
http://ameblo.jp/fureitofureiya-takataka/entry-10569456876.html
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コメント



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8.無評価山の賢者削除
人用の牛乳って猫にやると腹を壊すらしいですよ。
9.70コチドリ削除
妄想は爆発だ!!

爆発なのですが、もうちょっと指向性を持たせると良かったんじゃないかと。
猫を拾う人物がオリキャラで、しかも男性というのもムニャムニャしちゃう理由かなぁ。
ここは霖之助、はまずいだろうし幻想郷に来る前の早苗さんだったら……、うーんわからん。

でもでも、レイムとマリサは可愛いし、「俺によこせ、この野郎!」と思ったのも本当ですよ。
11.70名前が無い程度の能力削除
もっと妄想を掻き立てる描写やシチュエーションが欲しい