Coolier - 新生・東方創想話

ご主人達の入浴タイム

2010/08/03 16:31:47
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夕暮れ時の幻想郷。
「永琳、空いているかしら?」
私が部屋で本を読んでいると横からいきなり声がした。
「……紫、いきなり声をかけられたら驚くことくらい気づいて欲しいのだけど?」
本を閉じて横にいるスキマ妖怪に向かって、ため息混じりに私はそう言った。
まあ、私はこういうことに慣れているから驚いたりはしないけれどね。
「ふふふ、次からは気をつけるわ。
 で? 今は空いてるの?」
「うーん……特にすることもないし、空いているといえば空いているわね」
今日はするべきことは既に終わらせている。
するべきことって言っても部屋の掃除くらいだったけど。
「それじゃあ決まりね」
うんうん、と頷く紫。
「え? 何が?」
「これから幽々子の家でみんなでお風呂に入ったりしようかなと思ってね」
なるほど。
たまにはみんなでお湯に浸かってまったりと……ってことか。
「面白そうだし……ついて行こうかしら」
「わかったわ」
紫はいつものように扇で口元を隠しながら笑った。
「それじゃあ、着替えを準備するから待っててもらえる?」
「わかった、ここにいるから準備が終わったら声をかけてね」
はいはい、と返しながら私は着替えを鞄に詰め込んだ。
数分で私は荷造りを終わらせた。
持って行く荷物もそこまで多くなくて大丈夫だろうし。
「そうだ。ウドンゲ達に連絡をしておかないと」
いきなり私がいなくなったらあの子、パニックになりかねないわ。
「ああ、そのことは別にいいわよ。私がさっき言っておいたから。
 『あなたのところの師匠を少し借りるわね』って言ってね」
「全く……行動が早いわね」
「何事も早いに越したことはないって言うじゃない」
ふぅ、呆れて物も言えないわよ。
「それじゃあ、行きましょうか?」
「ええ、それじゃあ行くわよ」
紫がそう告げると私達は一瞬の間に白玉楼についていた。
それにしてもスキマって便利よねぇ。
一体どういう仕組みになっているのかしら?
少し疑問に思ったけど、すぐに忘れることにした。

「幽々子ー! どこにいるのー!」
紫は幽々子に聞こえるように叫んだ。
これだけ広いお屋敷だ。
叫ばないと相手には聞こえないだろう。
「ここよー!」
数多くある部屋の一つから幽々子の声がした。
どうやらあっちのほうみたい。
私達は声のしたほうへと歩いていく。
……多分ここね。
声の聞こえてきた部屋の障子を開けると、
そこにはいつものようにニコニコと笑顔を浮かべた幽々子がいた。
「ようこそ、お二人さん」
「幽々子、あの子はもう来ているかしら?」
あの子?
私以外にも誰か呼んでいるのかしら?
一体誰だろう。
「全く……待ちくたびれたわよ」
この威厳たっぷりで偉そうな口調は……やっぱり。
私達よりいろいろな部分が一回り以上小さい少女がいた。
名前はレミリア・スカーレット。
こう見えても紅魔館の主だ。
「でもねぇ、さっきまでレミリアったら『お風呂まだー?』とか言っていたのよ?
 可愛いでしょ?」
「ちょ、ちょっと幽々子! は、恥ずかしいから言わないでよ……うぅ」
真っ赤になって下を向くレミリア。
なるほど。
威厳たっぷりそうに見えてもやはりまだまだ子供なのよね。
か、可愛いじゃない……!
「大丈夫、笑ったりはしないわよ」
そういって私は彼女の頭をなでた。
「……永琳、鼻血出てるわよ」
あ、本当だ。
紫に言われて初めて気づいた。
紫からちり紙を受け取って鼻を拭く。
「あ、とりあえずお風呂の準備はできてるけどすぐ入る?」
幽々子は私達に尋ねてくる。
私は別に後からでも今すぐでもいいわね。
「そうね……私はどっちでもいいけど……そこのお子様が、ね?」
「お、お子様……!? く、悔しい! なんかものすごく悔しいわ!」
ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながらいやらしい口調でレミリアを見下す紫。
「まぁまぁ、紫。大人気ないわよ?」
私は紫に微笑みながら言ってやる。
「あら、ごめんなさいね。昔からこういう性格だから……」
紫には意外と意地悪な性格をしている。
悪い人ではないのだけれどね……
「レミリアも気にしないほうがいいわよ?」
「う、うん。あ、ありがとう……」
頬をわずかに赤く染めながらお礼の言葉を述べるレミリア。
可愛い……どうしようかしら。
この子、永遠亭に持ち帰ってもいいかしらね?
いや、流石にやめておこう。
それだとただの犯罪者だしね。
「だから永琳、鼻血拭きなさい」
「あ、ごめんなさいね」
また紫からちり紙を受け取って鼻を拭いた。
うーん、やっぱり可愛い子には目がないのは私の悪いところなのかしら?
「それじゃあ、私は先に入ることにするわねー」
ゆっくりと立ち上がって歩き始める幽々子。
「幽々子が入るんだったら私達も入りましょうか」
「そうね。行きましょレミリア」
私はレミリアの小さな手を握った。
「うー……子供じゃないんだから手は繋がなくてもいいのに……
 嫌な気分はしないけど……」
紫の後を私達はついていく。
ここって下手をすると迷うからやっぱり詳しい人に先導してもらわないとね。
それにしてもレミリアの手……小さくて可愛いわ……
おっと、これ以上考えたらまた鼻血が出ちゃうわね。
これ以上はやめておこう。

脱衣所につくと私は早速服を脱いだ。
「あら、もう脱いだの? 先に入ってていいわよ。
 私はゆっくり後から行くから」
紫はそう言いながらゆっくりと服を脱いでいた。
レミリアは服と格闘している。
二人とも、もう少しかかりそうね。
……ん?
幽々子の服があるってことは……
たぶん先に入っているのね。
私は体に持ってきたタオルを巻いた。
気の置けない友人達と一緒に入るといっても恥ずかしさはあるからね。
準備を済ませたことを確認してお風呂へと続く扉を開ける。
「お待たせ」
「あ、待ってたわよー」
湯船の中から手を振る幽々子。
それにしても……広いわね。
永遠亭もある程度広いけど流石にこれほどは無いわ。
「あれ、あの二人は?」
「少し手間取ってるみたいだったわよ」
「ふーん」
そんな話をしていると二人が入ってきた。
やっと服を脱ぎ終わったようだ。
「あ、来たわねー」
いつものニコニコ顔でそう言う幽々子。
最初に入ってきたのはレミリアだった。
年相応の可愛らしい体型だ。
もちろん体にはタオルを巻いている。
「何これ!? ものすごく広いじゃない!」
レミリアは私と同じように風呂場の大きさに驚いている。
紅魔館も大きなお屋敷だけど風呂場はここまで広くはないのかしら?
「いえいえ、そこまで広くはないわよ」
幽々子は謙遜してそんなことを言う。
「いやいや! 十分広いわよ!」
「そうかしらね?」
いや、私に振られても困るんだけど。
「まぁ、別にいいわ……とりあえず浸からせてもらうわよ」
そう言って湯船に浸かるレミリア。
……おっと、今度は紫の登場みたいね。
紫は女神も裸足で逃げ出すような魅力的な体にタオルを巻いている。
胸なんてタオルから零れ落ちそうなくらいに大きい。
「お待たせ。湯加減はどうかしら?」
「ちょうどいい感じよ」
「どれどれ……うん、これならいい感じね」
紫は手で温度を確かめてからゆっくりとお湯に浸かった。
「そういえば……あなた達の従者は?」
私はさっきから気になっていたことを聞いた。
いつもは私を含めた4人にそれぞれ従者がいたのだが、今日は一人もいない。
「あー、妖夢は今日どこか行くって言ってたわよ」
「うちの咲夜もどこかに行くって言っていたわね」
「藍も少し出かけてきますって言っていたけど」
うーん、全員の従者が一斉に出かけるとは……
紫がウドンゲに出かけることを伝えたって言っていたけど……
もしかすると彼女も今頃どこかに行っているかもしれないわね。
「まぁ、彼女達にも休みくらいは必要でしょ」
紫は優しくそう言った。
紫の口からそんな言葉が出るとは意外だ。
「紫だったら『何休んでるの! 仕事はまだあるのよ!』とか言って
 休みなんて与えなさそうなんだけどねぇ」
幽々子は笑った。
うん、私もそれ思った。
「あら、私にだって優しさはあるわよ」
笑い返して反論する紫。
「確かに従者を休ませることも上に立つ者の役目よね」
ふふん、と鼻で笑いながらそう言うレミリア。
いつの間にか彼女には威厳が戻っていた。
それにしてもこの子、スイッチのオンとオフが激しいわよね。
どちらの状態でも可愛いから別にいいけど。
「まぁ、今日くらいは大目に見ましょうか」
「うん、それがいいわね」
私の言葉にみんなが頷いた。

「それにしても……3人ともいい体してるわねぇ……」
レミリアは私達をじろじろと見ながら呟いた。
「え、えぇ? そうかしら?」
私は苦笑しながらそう返す。
「うん、間違いないわよ。ものすごくいい体してる!」
「でもレミリアの体も十分可愛らしいと思うけど?」
幽々子はレミリアの体を見る。
「でももっと3人みたいに背も高くて胸も大きい女になりたいわよ……」
レミリアは自分の体を見てからまた3人の体に視線を移す。
それからがっくりと肩を落とした。
確かに胸も背も大きいとは言えないわね。
私はそれでも十分魅力的だと思うのだけど。
「レミリアもいつか大きくなれる日が来るわよ。
 私だって小さい頃は悩んだものだけど、大人になった今ではこんな体になったわ。
 だから大きくなれば確実に成長するわよ」
紫はレミリアを慰めるように肩を叩いた。
「うーん、そう……よね! それだったら早く大人になりたいなぁ!」
レミリアは何とか元気を取り戻してくれたようだ。
それにしても……彼女が大人の女になる日はいったい何年後なんだろう?
うーん、500年後くらい?
「でも……二人とも私より胸大きくない?」
私は二人の胸を見つめる。
「え、えぇ? いきなり何よ……」
「私なんてまだまだよ。私に比べたら紫や永琳のほうが……」
納得いかないわ……
こうなったら……
私はとある考えを実行に移すことにする。
「レミリア、二人を押さえて! こうなったら直接触って確かめるまでよ!」
「わかったわ!」
レミリアもノリノリのようだ。
すぐさま近くにいた紫の腕をつかむ。
「ちょっと! あなた達何をするつもり!?」
「大丈夫……ちょっと触るだけよ。覚悟はいいかしら?」
「ちょ、ちょっと、やめ……ひっ!」
私は紫の胸を掴む。
ここまで来るともう変態の域だけど……気にしないことにしよう。
「どうかしら!?」
「うーん……わ、私より大きい……」
少しショック。
「……落ち込んでもいられないわね。次は幽々子よ!」
「了解、隊長!」
レミリアは脱力してしまった紫を離して幽々子に組み付く。
「わ、私はそこまで大きくないわよー? ひ、ひゃあっ!」
私が胸を掴むと幽々子はそんな声を上げた。
「こ、今度はどうかしら!?」
「……悔しいけれど、幽々子が一番大きい」
私はがっくりうなだれながら幽々子の胸から手を離した。
何でこの二人、こんなに胸が大きいのよ……
「や、やっぱり私達には彼女達を超えることはできないのかしら……」
「いえ、まだまだ分からないわよ……!」
私達は謎の闘志を燃やす。
「はぁ、はぁ……いきなりあんなことされたら……」
「驚くわよね……」
その横で幽々子と紫はぐったりとしていた。

「そういえばあなた達、最近何か面白いことあった?」
先ほどのダメージから立ち直った紫がみんなに向かって聞く。
「そうねぇ、私はこの前たくさん羊羹を食べたわ」
幽々子は笑顔で語った。
「全く、あなたは食べ物の事ばかりね……」
「むー、別にいいじゃない」
頬を軽く膨らませる幽々子。
ちょっと可愛く見えた。
「私は咲夜が作ってくれた紅茶が印象に残っているわね。
 ……悪い意味でね」
「悪い意味ってどういうことかしら?」
「だって咲夜ったら……えーと、なんて言ったかしらね。
 えー、名前は忘れたけどなんかそこらへんの雑草で紅茶を作るのよ!」
そういえば咲夜の趣味は紅茶作りだったわね。
まさか紅茶を作るために雑草まで使うとは……
「で、咲夜はなんて言ったと思う?
 『おいしいかなぁ、と思いまして』ですって!」
「苦労するわねぇ」
紫は苦笑している。
私も苦笑するしかない。
「咲夜は頼りになるし、嫌いではないのだけれど……困りものよ」
はぁ、とため息をつくレミリア。
いろいろと大変そうねぇ。
でも知らない野草は口にしてはいけないって言うけど……
まぁ、大丈夫でしょう。
吸血鬼だから体は頑丈そうだし。
「紫はどうなのかしら?」
レミリアは紫に話を振る。
「私? 私は……特に無いわね」
「無い?」
私は思わず聞き返した。
一つや二つはあると思うのだけれど。
「まぁ、最近寝てることが多かったからねぇ」
ああ、なるほどね。
でもそれ自体が面白話になりそうな感じが。
「それじゃあ最後に永琳、いってみましょうか?」
紫は笑って私を指差した。
他の二人も興味津々といった目で私を見ている。
「わ、私?」
「当たり前じゃない。残るはあなただけなんだから」
「えーと、それじゃあ面白いかは分からないけど……」
私はそう前置きしてから話し始める。
「この前ウドンゲと一緒に掃除をしていたらウドンゲが
 てゐの作った落とし穴に引っかかってしまってね。
 それを見て私が笑っていたら……私も同じように引っかかってしまったわ……」
これは流石に面白くないかな。
ところが……
「ぷっ……永琳……あなたが落とし穴に落ちたの?
 あっははは! まさか永琳が落とし穴なんかに引っかかるとはねぇ!」
紫は大爆笑している。
「まさかあの永琳が……落とし穴なんかに……!」
レミリアはお腹を押さえて笑いをこらえている。
「それは大変だったわねぇ。でも永琳が落とし穴に落ちるのって……
 想像できないわ」
幽々子は口元を押さえながらくすくすと笑っていた。
そ、そこまで面白かったかしら?
「普段の永琳からは想像もつかないわね! あー、久々に大笑いしたわ!」
紫はまだ笑いの収まっていない顔をこちらに向けてそう言ってくる。
ま、まぁ、面白かったのなら別にいいんだけど。
「さて、そろそろあがりましょうか? いい感じに温まったしね」
紫は続けざまにそう言った。
確かにいい感じに温まったわね。
これ以上長く浸かっているとのぼせる可能性もあるし。
あがろうかな
「それじゃあ私もあがるわ。二人はどうする?」
幽々子は笑ってお湯から出た。
「私もあがるわ。これ以上浸かっていると頭が変になっちゃう」
レミリアも笑ってお湯から出る。
「あー、いいお湯だったわねぇ」
「そうね。たまにはこんな感じにみんなでお風呂に入るのも悪くは無いかも」
私たちはお互いに笑いながら脱衣場に向かって歩いていく。

「さて、お風呂上りといえば……牛乳よね!」
幽々子は私たちのほうを振り返りながら言った。
お風呂上りに牛乳という組み合わせは私も好きだ。
「私は牛乳苦手……フルーツ牛乳かコーヒー牛乳がいいなぁ」
レミリアはそう漏らした。
「牛乳飲まないと大きくなれないわよ?」
紫はニヤニヤしている。
「う……だったら飲むわよ! 1本どころか3本飲んでやるわー!」
いや、流石に3本はやめておいたほうが……
お腹壊しても知らないわよ?
「それじゃあ早速台所に行って牛乳を……って、3人とも、何か聞こえない?」
「え?」
耳を澄ましてみる。
「……ね……うん……」
誰かの話し声?
私たちがお風呂にいる間に上がりこんだのかしら?
「ちょっと行ってみる?」
そう提案したのは紫。
確かに行ったほうがよさそう。
もしかしたら泥棒だったりして。
「ええ、ゆっくり行きましょう。声は出さないようにね」
私はそう3人に指示する。
そしてゆっくりと声のするほうへと近づいていった。
「でね……師匠ったら……」
師匠……?
それにこの声は……
声が聞こえてくる部屋の少し手前で私たちは止まる。
まぁ、大体誰かは分かったけど、声の主を確かめるためにね。
「また私に変な薬を飲ませようとしてきたのよ?
 全く、師匠は私を実験台か何かにしか見ていないのかなぁ……」
やはりあの部屋にいるのはウドンゲか。
そう思っていると、すぐに別の声が聞こえてきた。
「やはり鈴仙は大変な目にあっているわね。
 私もこの前お嬢様に大変な目にあわせられたわ……」
「さ、咲夜……!?」
レミリアは驚きの声を上げた。
「この前なんて寝ている最中に叩き起こされて
 いきなり『喉が渇いた』とか言われて……気持ちよく寝ている最中だったのに……
 まったく、あの人は自分がいないと何もできないのかしら……」
「あなた……そんなことしてたの……」
私は呆れながらちらりとレミリアを見た。
「ち、違うもん!
 私はただ咲夜が好きで、信頼しているからそう言っただけだもん!
 咲夜がいないと何もできないわけじゃないもん!」
「ちょ、ちょっと、バレちゃうから静かにして!」
涙目で子供のように否定するレミリア。
そしてそれを慰める紫。
あ、やっぱりこの子可愛いわ。
家に来てくれないかしらね?
「それはまた大変ですね」
そう苦笑しているのは……妖夢かしら?
「私も似たような経験ありますよ。
 ただ私の場合は『ご飯作って』でしたけど……」
うわ、喉が渇いたより酷い気がする。
「だってお腹がすいたんだもの。仕方が無いじゃない」
「あなたは本当に食べることが好きねぇ……」
これは呆れるしかない。
というか普段たくさん食べているのに、
夜またお腹が空くってどういうことなのかしら?
「紫様はそんなことは無いが……よく手が出るからな。
 そこは何とかして欲しいよ……」
これは紫の式である藍の声ね。
手が出るって一体どんな風に……?
「手が出るって言っても傘で叩いたり拳骨したりするくらいよ?
 でもこれはいじめじゃないわ。愛の鞭なのよ!」
本当かしら?
もしかして自分が面白いからという理由でやっていたりして。
……ありえそうで怖い。
「あー、師匠もたまに手が出ます……」
暗い声でそういうのはウドンゲ。
うーん、そんなに出してたかしら?
「おっと、もう時間ですね。
 それじゃあ今日の苦労人同盟の集会はこれくらいにしておきましょうか」
司会と思われる妖夢がそう告げる。
「どうする?」
私は3人に向かって囁く。
「もちろん……押し入るしかないでしょ……」
紫はニヤリ、と笑った。
「それじゃあ行くわよ。1、2の……」
私はゆっくりとカウントした。
「3!」
そういうと同時にドンッ! という音を立てて障子が開かれる。
中にいた4人が音に驚いてこちらを見た。
「し、師匠!?」
「お、お嬢様まで……」
「いつの間に……!?」
「紫様、あの、どうしてこんなところに?」
4人は驚きの声を上げた。
まぁ、当然でしょうね。
愚痴の対象になっていた人物がいきなり現れたのだから。
「ねぇ……この前も似たようなことがあった気がしない?」
「うん、あった気がする」
「あったわねぇ」
「間違いなくあったわ」
私の言葉に全員が頷いた。
「それじゃあ、これからどうしましょうか?」
私達は静かに笑いながら4人に近寄る。
「そ、そんなぁ……!」
「お、お嬢様……」
「幽々子様……許してください……!」
「紫様……どうかお慈悲を……」
私達が近寄っていくと、目の前にいる従者4人が悲痛な声を上げた。
「し、師匠! お願いします! お仕置きだけは……お仕置きだけはやめてください!」
「さぁ、どうかしらねぇ?」
私はウドンゲを見下ろす。
その時、彼女の目を直視してしまう。
彼女は目に涙をためていた。
う……ちょっと……そんな目で私を見ないでよ……
他の人はどうなったのかしら、と思って周りを見てみると……
従者たちは手を合わせて許しを請うたり、挙句の果てには土下座をしている人までいた。
もちろん全員涙目である。
「ね、ねぇ……なんかお仕置きとかしづらくない?」
「た、確かに……」
私が3人に耳打ちをすると紫が最初にそう返してきた。
「お仕置きなんて私はする気ないのだけれど……さすがに哀れに見えてくるわねぇ」
「私もここまで謝られたらちょっとしづらいかな……」
幽々子もレミリアも同意見のようだ。
完全に私達からお仕置きをしてやるという感情は消えうせてしまった。
「も、もう、しょうがないわね! 今回は特別に見逃してあげるわ!」
私はなぜか頬が熱くなってくるのに気づいた。
何故だろう。
照れくさいから……とか?
「あ、ありがとうございますぅー!」
「ちょ、ちょっと! こんなところで……やめてよ!」
いきなりウドンゲは泣きながら私に飛びついてきた。
他の人に見られていると思うとものすごく恥ずかしい。
だけど……どうやら他の人たちも自分と同じような状況みたい。
妖夢も藍も咲夜もウドンゲみたいにそれぞれの主人に飛びついていた。
「全く、本当に世話の焼ける子達ね」
幽々子はふふふ、と笑いながら妖夢の頭を優しく撫でている。
「違いないわ」
紫も藍を抱きしめて呟いていた。
「咲夜……いつまでも私の側にいてね」
「は、はい……! わかりました!」
レミリアと咲夜はお互いに抱き合って笑っている。
微笑ましい光景だ。
私もウドンゲの頭を撫でてから優しく抱きしめてやった。
「ひゃっ……し、師匠?」
「ふふ、なんでもないわ。ただ抱きしめたくなっただけよ」
私は笑う。
なんですかそれ、とウドンゲも笑ってくれた。
「ねぇ、今日はみんなの親睦を深めるためにお泊り会にでもしない?」
いきなり紫がそんな提案をする。
いつものことながらいきなりすぎるわね……
でも悪くは無いかも。
「私は大賛成よ」
私がそう言うと後に続いて私も、私も、と全員が賛成した。
「よーし、そうなれば決まりね! さぁ、これから眠くなるまで宴を開くわよ!」
「おー!」
私たちは元気よく声を上げた。
「それじゃあまずはみんなで準備ね!」
紫の指示で全員が動き出す。
私も準備をするために台所へと向かった。
……今日は楽しい一夜になりそう。
私達についてきてくれるこの子達にも感謝しなくては。
みんな、ウドンゲ、ありがとう。
私は心の中でそう感謝した。
今回は永琳主体にしてみたのですが・・・どうだったでしょうか?
そして途中永琳のキャラが崩壊してしまったことをお詫び申し上げます^^;
でも可愛い子には鼻血くらい出る・・・出ますよね?w
以前書いた「苦労人の集会」という小説と少しだけ関連付けてみました。
ほんの少しだけですけれども。
主人達は主人達で従者のことをいろいろと心配したり愛したりしているのですよ。
たぶん。

最後に私事になりますが、twitterを始めました。
双角もしくはsoukaku118で出ると思います。
こちらではいろいろと日常についてのことや小説についてのことを呟いていると思います。
興味のある方がおられましたらどうぞ。

それでは今回はこの辺りで。
読んでいただきありがとうございました。
双角
soukaku118@yahoo.co.jp
http://blogs.yahoo.co.jp/soukaku118
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コメント



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5.90回転魔削除
あらヤダ!このおぜう可愛い!・・・可愛い!!
7.100名前が無い程度の能力削除
これは良いカリスマブレイク
11.90名前が無い程度の能力削除
いいね、かわいいおぜう様
13.100名前が無い程度の能力削除
ゆゆ様が俺のジャスティス!
17.100終焉皇帝オワタ削除
よし、お泊り会に飛び入り参加だ
22.無評価双角削除
レミリアが人気・・・だと・・・
こうなっては今度レミリアを書くしかありませんね(ぇ
実は次回分のキャラとネタはもう考えてあったりしますけどw

そして皆様のコメントに深く感謝しております。
皆様のコメントにいつも元気をもらっています!
これからもよろしくお願いしますね!
25.70ダイ削除
レミリアはどちらかというとカリスマたっぷりのほうが好きですが
変態な永琳もいいものですよ
27.無評価双角削除
なるほど・・・カリスマたっぷりですか。
そして変態な永琳でもいい・・・だと・・・!?
もしかしたらこれからも変態永琳書いちゃうかもしれませんw
28.無評価名前が無い程度の能力削除
永遠亭の場合、ご主人様って意味なら永琳より輝夜の方じゃないかな?
29.無評価双角削除
う、確かに・・・
でもなぜか永琳が永遠亭の主人というイメージが・・・w
たぶん輝夜がよくニート扱いされていることに慣れてしまったからでしょうね^^;
慣れって怖い・・・